遊戯王5D's after ~童実野第二高校ヒーロー部~ 作:レトやま
諸事情で2023年12月現在、禁止となるカードを使用する場面が登場します。
(当パートは2021年8月頃に執筆したものを加筆しているためこのようなことになっています)
[ストックホルム デュエルコロシアム]
花弁が舞い上がり、フィールドにはどこか優美な香りが充満している。
一方で空は曇天にて一柱の神が鎮座し対戦相手である能瀬心ーーここのせをニヒルな笑みで見下していた。
極神皇ロキ。
三極神の一柱にしてアースガルド1の悪童である。
そんか神を従えてミーティスは腕を組んでフィールドを見据えた。
ミーティス・ティシアー
LP8800
手札0
マジックトラップ:
伏せ2
渇きの風
アロマガーデン
フィールド:
極神皇ロキ
アロマージ-マジョラム
アロマセラフィ-スウィートマジョラム
一方、ここのせは白煙が立ち込めるフィールドにて、神を見上げて苦し紛れに睨みつける。
アドバンテージ差は歴然である。
能勢 心
LP:3000
手札1
マジックトラップ:
超重機回送
フィールド:
無限起動ロックアンカー
星遺物-星鎧
彼我のライフポイントの差は実に5800。
デュエリスト一人の命を埋めて尚も余りある数値である。
ードローフェイズー
しかしボードアドバンテージ、ライフアドバンテージ双方ともに劣勢ではあるが猛攻は耐えきった。
ここのせは、流れる冷や汗を拭いもせずにデッキトップに手をかけた。
「……ッオレのターン! ドロー!!」
手札1→2
ースタンバイフェイズー
フェイズが進行するや否や。
ドローカードを視認する暇もなくミーティスの宣言が耳に入る。
「この瞬間! トラップ発動! 恵みの風!」
《恵みの風》
永続罠
ミーティスの足元に伏せられていたカードが起き上がり、反転する。
えんじ色のカードが煌々と輝いた。
「墓地の植物族モンスター、アロマージ・ローズマリーをデッキに戻してライフを500回復!」
LP:8800→9300
セメタリーゾーンから送られてきたカードをデッキに差し込むミーティス。
それはすぐさま吸い込まれて自動シャッフルされてデッキになじんでいった。
「そして、ライフが回復したことで、アロマージ-マジョラム、アロマセラフィ-スウィートマジョラム、渇きの風の効果がそれぞれ発動!」
chain1 アロマージ-マジョラム
chain2 アロマセラフィ-スウィートマジョラム
chain3 渇きの風
「まず、渇きの風の効果でロックアンカーを破壊するわ!」
ビシリとここのせのロックアンカーを指さし、渇きの風から突風が巻き起こる。
それはロックアンカーに強く降りかかると、しつこくまとわりついてはそのすべてを風化させてしまった。
脆く錆びだらけになったロックアンカーはほろほろと崩れ落ちて跡形もなく消え去った。
「くっ……!」
「さらに、スウィート-マジョラムの効果で星遺物-星鎧を破壊!」
スウィートマジョラムは、ステンドグラスのような優美な羽根で飛び上がりその魔杖から一閃の魔弾をはじき出した。
星遺物‐星鎧は物言わぬまま打ち砕かれてしまう。
爆風がここのせの肌をぬるくなでていく。
「……ッ!」
「そして、マジョラムの効果で、墓地のイドリースと星遺物-星鎧を除外!」
最後と言わんばかりにマジョラムが黒い魔術をここのせに浴びせかけ墓地のカードを巻き上げてしまった。
この一連のチェーンによりここのせのフィールドに残っていたモンスターはすべて灰塵と化した。
[チームHERO側ベンチ]
一連のチェーンにより、両アドバンテージの差をさらに広げられていた。
ファーストプレイヤーのデュエルと比べ一方的な試合展開にツァンは苛立ちげに声をあげた。
「ちょっと! やられたい放題じゃない!」
前線で腕を組んでいた唯信も呆れたように言葉を漏らす。
「なンだアイツは。やる気あるのカ」
そんな失望のような声に亜美は食い掛かりたい気持ちを抑えて柵の縁を強く握った。
「ッ……!ここのせはここで終わるやつじゃないわ! なんとかしなさい! ここのせ!」
[デュエルフィールド メインフェイズ]
「……くそっ!」
ここのせは逸る気持ちをなんとか抑えようと手札を見た。
前のターンでサーチしていたカードとドローしたカード。
そのうちの一枚を手に取り逡巡の末にスロットに差し込んだ。
「なんとかワンチャンにかけるしかねぇ……! 手札から、マジック発動! 閃刀起動-エンゲージ!」
《閃刀起動-エンゲージ》
通常魔法
「デッキから閃刀カード、閃刀姫-レイを手札に加えるぜ!」
手札1→2
デッキから自動選出されたカードを抜き取るとここのせは、そのままメインモンスターゾーンへと叩きつけた。
「閃刀姫-レイを召喚!」
閃刀姫-レイ
攻:1500 闇 戦士族 星4
「発艦します!」
背中に機械的な翼をつけた少女が刀を携えて現れる。
ここのせはすかさず宣言した。
「レイ1体をリンクマーカーにセット! 召喚条件は、風属性以外の閃刀姫モンスター1体! 」
闇属性閃刀姫 →LINK1
リンクマーカーが赤く光り、開いたエクストラゲートから一機の閃刀姫が風を切って現れた。
「ーーエンゲージ! こい! LINK1、閃刀姫-ハヤテ!」
閃刀姫-ハヤテ
攻:1500 風 機械族 LINK1 EXゾーン ↘︎
ハヤテの兵装を装備したレイが空中を飛ぶ。
心許ない軍勢だがここのせは勇気を持ってフェイズを進めた。
「バトルだ!」
ーバトルフェイズー
フェイズの進行にチェーンカードこそないものの、ミーティスは怪訝な顔でここのせを見た。
「正気? そのモンスターの攻撃力じゃ、私のモンスターを誰も倒せないわよ」
ミーティスのフィールドには神を筆頭に、マジョラムとスウィートマジョラムが睨みを効かせている。
その誰にも攻撃力は及ばない。
だがここのせは強く返答する。
「わかってらぁ! ハヤテは疾風の閃刀姫! フィールドのモンスターを無視してプレイヤーにダイレクトアタックできる!」
「え!?」
「いけ! ハヤテ! ダイレクトアタック!」
閃刀姫-ハヤテは上昇すると巨大なスナイパーライフルを構えた。
そして数秒のチャージの後に一発弾丸を弾き飛ばした。
その様子を見上げながらミーティスは足元のカード、渇きの風をチラと見る。
(……攻撃力は1500、わざわざ渇きの風でライフを削ってまで破壊する必要はないわ)
ハヤテの放った弾丸は妨げられることなくミーティスを貫く。
「くっ……」
ミーティス・ティシアー
LP9300→7800
「ハヤテが戦闘を行ったダメージ計算後、デッキから閃刀カードを墓地に送ることができる! オレは、閃刀機-ウィドウアンカーを墓地に送る!」
苦し紛れにここのせはデッキのカードをセメタリーゾーンに落とす。
ーメインフェイズ2ー
それからフェイズを進めるとここのせは上空で待機しているハヤテを見上げて声を出す。
「装備換装だ! ハヤテ1体をリンクマーカーにセット! 召喚条件は、炎属性以外の閃刀姫モンスター1体!」
風属性閃刀姫→LINK1
「--エンゲージ! こい! 閃刀姫-カガリ!」
閃刀姫-カガリ
攻:1500 炎 機械族 LINK1 EXゾーン ↗︎
「第二次攻撃隊発艦します!」
緑色の兵装から燃える炎のような赤色へと変化する。
ここのせはそれを見届けるとさらに続けた。
「カガリが特殊召喚された時、墓地の閃刀魔法、閃刀起動-エンゲージを手札に加えることができる!」
手札1→2
セメタリーゾーンから送られてきたカードを拾い上げてカード名が見えるように相手に見せる。
そしてそれを手札に加えずにマジックトラップスロットに放り込んだ。
「そして、エンゲージを発動!」
《閃刀起動-エンゲージ》
通常魔法
「デッキから閃刀カード、閃刀術式-ジャミングウェーブを手札に加える!」
手札1→2
自動でデッキからカードが1枚送り出されてここのせはそれを引き抜いた。
さらにデッキトップに手をかけて口を開く。
「さらに墓地に魔法カードが3枚以上あるとき、追加効果が発動! カードを1枚ドロー!」
手札2→3
引いたカードをちらと見てここのせはやや目を見開く。
それから手札に加え、カードを持ち変えるとさらにカードをスロットに差し込む。
「手札から閃刀術式-ジャミングウェーブを発動!」
《閃刀術式-ジャミングウェーブ》
通常魔法
「このカードは、相手のマジック・トラップを破壊できる! そして、墓地に魔法カードが3枚以上ある場合は、その後相手モンスター1体を選んで破壊する!」
ここのせの宣言にミーティスは苦い顔をして呟く。
「2枚も破壊……! くっ、こんなことなら魔法カードを除外するんだった……!」
「破壊する対象は、渇きの風だ!」
射抜くように指を差すここのせ。
半透明の閃刀姫がカードから抜け出してきてフィールドを直進していく。
そんなフィールドを見ながらミーティスは思案する。
(チェーンしたところでフィールドにはカガリしかいない。ライフを払うだけ損ね……)
チェーンを組むことなくフィールドは効果処理が開始された。
半透明の閃刀姫は刀を振り抜いて渇きの風を真っ二つに切り刻んでしまう。
「よし、これによりモンスター1体を選んで破壊するぜ! 極神皇ロキを破壊!」
機体を反転させて半透明の閃刀姫は両手を翳し電磁波を放つ。
眼前に佇む極神皇ロキは電磁波に巻かれて呻き声を上げた。
「うぅぅ!!」
そしてそのまま電磁波とともにゆっくりと消えていった。
ミーティスはフィールドを見届けるとここのせに向く。
「わざわざロキを……?」
「無闇に破壊したわけじゃねぇぜ! 機巧蹄-天迦久御雷はEXゾーンにモンスターが存在する場合、特殊召喚できる!」
機巧蹄-天迦久御雷
攻:2750 炎 機械族 星9
金色のボディに赤色の電磁気を纏う機械の竜がフィールドに起動音を響かせる。
ここのせは手札からカードを掴み願いを込めて発動する。
「さぁ、いくぜ! 手札から速攻魔法、発動! 星遺物の胎動!!」
《星遺物の胎動》
速攻魔法
「フィールドのレベル9モンスター、天迦久御雷を対象として発動! デッキからこいつとは種族、属性が異なるレベル9モンスターを呼び出す!」
「ッ!」
起死回生の星遺物のカードを前にミーティスの左目を強く輝いた。
ここのせはデッキから選出されたカードを強く引き抜き、それら2枚をフィールドへと力強く置いた。
「でてこい! 星遺物の守護龍メロダーク! 電撃壊獣サンダー・ザ・キング!!」バ
星遺物の守護龍メロダーク
攻:2600 風 ドラゴン族 星9
「グガァァァァッ!!」
電撃壊獣サンダーザキング
攻:3300 光 雷族 星9
「ギャァァァァァァ!」
深緑の体表のドラゴンと白銀の鱗に凄まじい電気を纏う竜が星の導きと共に現れた。
二体の咆哮は空気を揺らす。
ここのせはそんなフィールドに手を翳した。
「天迦久御雷とカガリをリンクマーカーにセット! 召喚条件は、モンスター2体!」
←モンスター・↙︎モンスター=LINK2
フィールド上に表示されるリンクマーカー、その左と左下にある矢印にモンスターのエネルギーが集中する。
やがてそれがエクストラデッキへの道を作り出す。
「星鍵士-リイヴをリンク召喚!」
星鍵士-リイブ
攻:2000 光 サイバース族 LINK2 EXゾーン ←↙︎
「ハァッ!」
「リイヴの効果発動! デッキから星遺物魔法・罠をセットできる! 星遺物を継ぐ者をセット!」
星鍵士は自らの鍵剣を掲げ星へ願いを捧げる。
それはやがてここのせの足元へと集まり1枚の伏せカードに変わっていく。
「さらにリイヴ1体をリンクマーカーにセット! 召喚条件は、サイバース族リンクモンスター1体!」
サイバース族LINK2→LINK1
リイヴは星の輝きを伴ってリンクマーカーへと飛び込んでいった。
やがてエクストラへとの繋ぎ目が開きモンスターが現れる。
「セキュアガードナーをリンク召喚!」
セキュア・ガードナー
攻:1000 光 サイバース族 LINK1 EXゾーン →
「リイブがリンク素材になった場合、フィールドのカードを1枚をデッキバウンスできる! スウィートマジョラムをバウンスする!」
半透明の星鍵士はその魂を以て剣を振るう。
爆風が吹き荒れてスウィートマジョラムを吹き飛ばしてしまった。
「きゃあっ……!?」とスウィートマジョラムはか細い悲鳴をあげる。
「スウィートマジョラム……!」
好機とここのせは続けて宣言する。
「そしてレベル9のメロダークとサンダー・ザ・キングの2体でオーバーレイ!
☆9×☆9=★9
黒い渦が辺りを包み込み二体の竜はそこに飛び込んだ。
紫電が舞い、黒い星が湧き上がる。
「ーーつかさ、こかげ、ケイジ! お前たちの力を貸してくれ!」
想いを込めて、カードに宿る記憶を叫ぶ、
応えるように一閃の光が湧き上がった。
「エクシーズ召喚!! ランク9! 真竜皇V.F.D!」
真竜皇V.F.D
攻:3000 闇 幻竜族 ランク9
「グギァァァァアアア!!」
黒い身体に鋭い瞳を秘めた真なる竜が怒号をあげる。
そんなモンスターにミーティスは思わず叫んだ。
「真竜……!? 貴方のデッキ、なんなの……!?」
その問いには応えず、代わりにここのせは効果を宣言する。
「真竜皇V.F.Dの効果発動! 素材を一つ使い、属性を宣言して発動する! このターン、フィールドのモンスターは宣言した種族になり、そして相手は宣言された属性のモンスターは攻撃できず、効果を発動できない! オレが宣言するのは、神属性!」
「なっ……!?」
真竜皇はまたしても咆哮しながら口蓋から瘴気を噴き出した。
それはフィールド全てを包み込み、結界のように事象を書き換えていく。
真竜皇V.F.D
闇→神
セキュアガードナー
光→神
アロマージ・マジョラム
光→神
「ロキの効果は発動できない! 復活はできないぜ! オレはこれでターンエンドだ!」
ーエンドフェイズー
能瀬心
LP:3000
手札0
伏せ0
マジックトラップ:
超重機回送
セキュアガードナー
真竜皇V.F.D
ードローフェイズー
フィールドに残るモンスターを一瞥したミーティスは、汗を流しながらも口角を上げてデッキの上にあるカードを引き抜く。
「ロキを止められちゃった上にスウィートマジョラムまで……。でも、いいわ! 私のターン! ドロー!」
手札0→1
ースタンバイフェイズー
フェイズ進行とともにここのせはフィールドを睨みつけて声を上げた。
「スタンバイフェイズ時、V.F.Dの効果を再び発動! 宣言するのは、光属性!」
ここのせの声に呼応し、黒い身体を捩らせて真竜皇が瘴気を吐き出す。
それは再びフィールドの全てを歪めていった。
真竜皇V.F.D
闇→光
セキュアガードナー
光→光
マジョラム
光→光
ーメインフェイズー
ミーティスはフィールドに舞い上がる瘴気を見渡し言葉を漏らす。
「これで、モンスター効果が発動できなくなったわね……。なら! 恵みの風の効果を発動! ライフを1000払って墓地のアロマを復活させる!」
LP7800→6800
発動中の永続トラップカードである恵みの風が鈍く光り、ミーティスの墓地ゾーンからカードが舞い戻る。
「戻ってきて、アロマージ-ジャスミン!」
アロマージ・ジャスミン
守:1900 光 植物族 星2
「マジョラムを守備表示に変更!」
アロマージ・マジョラム
守:1600
ミーティス「さらに、フィールドのアロマガーデンの効果で、ライフを500回復!」
LP:6800→7300
アロマージ・ジャスミン
守:1900→2400
アロマージ・マジョラム
守:1600→2100
「カードを一枚セットしてターンエンド!」
ミーティスの溌剌とした声と共にフィールドに新たなセットカードが現れては地面に沈んでいく。
ーエンドフェイズー
ミーティス・ティシアー
LP:7300
手札0
フィールドゾーン:
アロマガーデン
マジックトラップゾーン:
恵みの風
セットカード
フィールド:
アロマージ-ジャスミン
アロマージ-マジョラム
フェイズ終了とともにフィールドに蔓延していた瘴気は消え去り、全ての歪みは戻っていく。
真竜皇の周りを回っていたエクシーズユニットはすでに無い。
「このターンで、そのモンスターの拘束はおしまいよ! 私のライフを削りきれるかしら?」
彼我のライフ差は未だ大きく、埋まる気配は微塵も見えぬ。
打開策見えぬ戦いにここのせは奥歯を噛み締めた。
「くっ……!」
ードローフェイズー
もはやカード1枚でどうにかなる場面に非ず。
故にこそここのせは苛立ち紛れにカードを引く。
「ッ! ドロー!」
手札0→1
ースタンバイフェイズー
「スタンバイフェイズ時、恵みの風の効果を発動!」
《恵みの風》
永続罠
お返しとばかりにミーティスは唇を上げて宣言する。
「墓地のスポーアをデッキに戻して、ライフを500回復!」
LP:7300→7800
「……!」
さらに開くライフアドバンテージにここのせは拳を握った。
猛攻はまだ続く。
フィールドに残るアロマージたちが光を宿す。
「ライフが回復したことで、ジャスミン、マジョラムの効果がそれぞれ発動!」
chain1 アロマージ-ジャスミン
chain2 アロマージ-マジョラム
「アロマージ-マジョラムの効果で貴方の墓地の星遺物の胎動と星遺物の守護龍メロダークを除外!」
マジョラムは魔杖を振り翳し、魔弾をここのせのデュエルディスクへと浴びせかけた。
それは墓地を巻き上げてカードを消し去っていく。
「そしてアロマージ-ジャスミンの効果で1枚ドロー!」
手札0→1
ーメインフェイズー
「くそ……!」
ここのせは顔を歪めて悪態をつく。
あまりに一方的な展開に不甲斐なさが募っていく。
背中に降り注ぐ視線は背を流す汗を冷やしていった。
「引いたカードは……」
ドローカードに目を向ける。
「! ……恵がくれたカード……。動けるだけ動くか!手札から、フィールド魔法発動……! 暴走召喚陣!」
《暴走召喚陣》
フィールド魔法
「ぼ、暴走召喚陣……?」
今までのデュエル展開からは考えられぬカードにミーティスは目を丸くした。
ここのせのフィールドに怪しく光る赤色の魔法陣が展開される。
元は恵が発動するであろうアンデットワールドを打ち消すために採用されたカードではある。
「このカードの発動時、デッキから召喚士アレイスターを手札に加える!」
手札0→1
デッキから呼び出されたカードを手札に加えるここのせ。
それからフィールドに光る魔法を指して言う。
「暴走召喚陣がフィールドにある限り、融合召喚する効果を含む効果は相手から無効にされず、融合召喚成功時に相手は効果を発動できない!」
「融合ですって……?」
「こい、召喚士アレイスター!」
召喚士アレイスター
攻:1000 闇 魔法使い族 星4
「アレイスターの召喚成功時にデッキから召喚魔術を手札に加えることができる! そして、そいつをそのまま発動!」
《召喚魔術》
通常魔法
「こいつは、召喚獣の融合魔法! 召喚獣の融合素材には手札以外にフィールドか自分相手の墓地のモンスターを除外することで融合素材として使用できる! オレのフィールドのアレイスターと墓地のリイヴを除外して融合!」
召喚士アレイスター+光属性
赤い魔法陣がぎらりと光り、アレイスターは怪しく笑う。
やがてフィールドに赤と青の渦が現れ、モンスターたちを織り交ぜていく。
「ーー聖なる轍を、この大地に刻み込め!」
光が一閃。
聞こえてくるは車輪の音。
現れたのは白銀のチャリオット。
ここのせはその名を呼ぶ。
「戦車前進! 召喚獣メルカバー!」
召喚獣メルカバー
攻:2500 光 機械族 星9
「バトルだ!」
ーバトルフェイズー
「いけ! V. F.D! マジョラムに攻撃!」
真竜皇V. F.D
攻:3000
「グガァァァァァァァアッ!」
アロマージ・マジョラム
守:2100
口蓋にエネルギーを溜め込み、首を振るようにして光線を撃ち出す。
爆裂な熱量の奔流にアロマージ・マジョラムは耐えられない。
「あぁ……!」
短く悲鳴を上げてマジョラムは散る。
しかしミーティスは涼しい顔で腕を振るった。
「アロマモンスターが破壊された時、アロマガーデンの効果発動! ライフを1000回復!」
LP:7800→8800
またしても広がるライフアドバンテージ。
ここのせは悔しさを堪えつつ第二波を放つ。
「ッ! メルカバーで、ジャスミンに攻撃!」
召喚獣メルカバー
攻:2500
今度は白銀の騎士が乗るチャリオットが轍を刻みながらフィールドを駆けていく。
ランスを振り翳し、アロマージ・ジャスミンを貫いた。
アロマージ・ジャスミン
守:2400
「きゃー!」
ジャスミンの甲高い悲鳴が響き、破壊される。
しかしミーティスは動じない。
「アロマガーデンの効果で1000回復!」
LP:8800→9800
暖簾に腕押し。
攻撃しても減らぬどころか増えるライフ。
ここのせは苛立ちながら指示を下した。
「くそぉっ! セキュアガードナーでダイレクトアタック!」
セキュアガードナー
攻:1000
機械音を響かせてセキュアガードナーは吶喊していく。
流石に遮るもの無く直接攻撃が成立した。
ミーティス
LP:9800→8800
「ふふ、全然へっちゃらよ!」
ライフは微塵も減ってはおらず、ここのせは手が真っ赤になるほど握りしめた。
「くっ……! メイン2!」
ーメインフェイズ2ー
「墓地の召喚魔術の効果発動! こいつをデッキに戻して、除外されているアレイスターを手札に加えることができる!」
手札0→1
除外ゾーンから舞い戻るカードを加え、ここのせは再度手札とフィールドを俯瞰する。
しかし自分にできることは何もなく悔しさを飲みながら声を出した。
「……これで、ターン、エンドだ……!」
ーエンドフェイズー
「そのエンドフェイズ時、リバースカードオープン! 永続トラップ、潤いの風、発動!」
《潤いの風》
永続罠
待ってましたと言わんばかりにミーティスは発動する。
「ライフを1000ポイント払うことで、デッキからアロマモンスターを手札に加えることができるわ! ジャスミンを手札に加える!」
手札1→2
LP:8800→7800
これにてライフは元の木阿弥。
巧みなライラ管理とアドバンテージ獲得能力の前にここのせは成す術がなかった。
「ちくしょう……!」
能瀬心
LP:3000
手札:1
フィールドゾーン:
暴走召喚陣
マジックトラップゾーン:
セットカード
超重機回送
フィールド:
セキュアガードナー
真竜皇V. F.D
召喚獣メルカバー
ードローフェイズー
「私のターン!」
手札2→3
ースタンバイフェイズ→メインフェイズー
ドローカードを素早く手札に加えると、顔と口角を上げてここのせを見た。
「このターンで決めてあげる! まずは、潤いの風の効果でライフを1000払って、アロマモンスター、アロマセラフィ-アンゼリカを手札に加えるわ!」
手札3→4
LP7800→:6800
「アロマセラフィ-アンゼリカは、手札から墓地に送ることで、墓地のアロマモンスターの攻撃力分ライフを回復できる!」
手札2→3
相手の動きに対抗しようとここのせは素早く言葉を返した。
「くっ……! メルカバーの効果発動! 手札のモンスターカードを墓地に送ることで、墓地に送ったカードと同じ種類の効果を無効にし、除外する!」
手札1→0
召喚獣メルカバーは再び車輪を回してフィールドを進み、アンゼリカを串刺しにしてしまう。
アンゼリカは悲鳴をあげて消えていく。
しかしミーティスはにやりと笑った。
「ふふ……!」
「! な、なんだ……?」
「これで自由に動ける! アロマージ-ジャスミンを召喚!」
アロマージ-ジャスミン
攻:200 光 植物族 星2
「さらに私の方がライフが多いからジャスミンの効果で、追加召喚ができる! ローンファイア・ブロッサムを召喚!」
ローンファファイア・ブロッサム
攻:500 炎 植物族 星3
ニョキニョキと花火のような蕾がついた花が地面から生える。
「さらに、ライフを1000ポイント払って、恵みの風の効果を発動! 墓地のアロマモンスター、アロマージ-マジョラムを特殊召喚!」
LP6800→:5800
アロマージ-マジョラム
攻:2000 闇 植物族 星5
「そして、フィールドのアロマガーデンの効果でライフを500回復!」
LP:5800→6300
アロマージ-マジョラム
攻:2000→2500
アロマージ-ジャスミン
攻:600→1100
ローンファイア・ブロッサム
攻:500→1000
「ライフが回復したことで、ジャスミンとマジョラムの効果がそれぞれ発動!」
chain1 ジャスミン
chain2 マジョラム
「マジョラムの効果で、貴方の墓地のエンゲージとカガリを除外!」
マジョラムの魔法が再びここのせを襲い墓地のカードを根こそぎ吹き飛ばしていくり
「ジャスミンの効果で1枚ドロー!」
手札1→2
「さらにローンファイア・ブロッサムの効果発動! フィールドの植物族をリリースすることで、デッキから植物族モンスターを呼び出す!」
ミーティスの宣言と共にローンファイア・ブロッサムは火花のような花粉を出す。
「ジャスミンをリリース! ステイセイラ・ロマリンを特殊召喚!」
その花粉はジャスミンを覆い隠すとまるで手品のように別のモンスターが現れた。
白いマリーンの制服と制帽を身につけた少女が手旗信号を出している。
ステイセイラ・ロマリン
攻:1600→2100 光 植物族 星4 チューナー
「一気に決める! レベル3のローンファイア・ブロッサムに、レベル4のロマリンをチューニング!」
旗を振っていたステイセイラ・ロマリンは4つのシンクロリングへと姿を変える。
それは花火のような花を包み込むと星へと分割していく。
☆3+☆4=☆7
「ーー古の聖獣よ! 我が呼びか声に応え、仇なす敵を打ち砕け!」
シンクロリングが一気に輝き、調律が完了する。
光の中から現れたのは神々しい光の竜であった。
「ーー召喚! きて! エンシェント・ホーリー・ワイバーン!」
エンシェント・ホーリー・ワイバーン
攻:2100→2600 光 天使族 星7
「キュォォオォオォオォオッ!!」
白い羽根を大きく広げて高らかに鳴き声を上げる。
ここのせは思わず一歩後ずさりした。
「エンシェント・ホーリー・ワイバーン……!?」
「これが古の白き精霊よ! このモンスターの攻撃力は、私と貴方のライフの差分、アップする! ライフの差は3300! よって攻撃力は、5900!」
エンシェント・ホーリー・ワイバーン
攻:2600→5900
「ご、5900……!?」
「さぁ! バトルよ!」
ーバトルフェイズー
「アロマージ-マジョラムでセキュアガードナーを攻撃!」
アロマージ・マジョラム
攻:2500
「ハァッ!」
セキュア・ガードナー
攻:1000
マジョラムの魔弾が放たれてセキュアガードに直撃する。
セキュアガードは爆発炎上に散り散りに弾け飛んだ。
その特殊能力により超過ダメージは防いだものの、風塵はここのせの服を揺らした。
「くっ……!」
「トドメよ! エンシェント・ホーリー・ワイバーンで、メルカバーに攻撃!! ディヴァイン・ジャッジメント!!」
エンシェント・ホーリー・ワイバーン
攻:5900
エンシェント・ホーリー・ワイバーンが口元に青白い光のエネルギーを溜め込んでいく。
「く……くそォォ!!」
成す術はなく、ここのせの叫びがただ木霊する。
やがてエンシェント・ホーリー・ワイバーンが貯めたエネルギーを砲弾のように弾き飛ばした。
召喚獣メルカバー
攻:2500
光弾はメルカバーに直撃した。
ドンと爆弾が爆発したような爆音が広がる。
数秒遅れて爆風が辺りを飲み込み、メルカバーが受けきれなかった衝撃はここのせのライフを削りとっていった。
「ぐぉォオオォオオォオオ!!」
能瀬 心
LP:3000→0
[チームHERO側ベンチ]
あまりの衝撃にゆきは思わず悲痛な声をあげる。
「ここのせさんっ!!」
うっすらと見える電光掲示板のライフカウンターが0になっていることを確認し、良平は顔を歪めた。
「くっ……! そんな……ここのせが……!」
悲壮なデュエル展開にツァンは腕を組んで呟く。
「これは……まずいね……」
恵はやや目を細めてツァンの言葉に頷いた。
「……相手はライフを4000以上保持している上、場も整っている。こちらのラストプレイヤーへの負担が大きい……」
そんな言葉に同意するように妖艶な唇をとんとんと叩く雪乃。
「戦う前よりライフが増えてるものねぇ」
一方、美優は金髪の靡かせて亜美に振り向いた。
その顔はまるで挑戦するように、あるいは挑発するように口角をあげている。
「勝つためにはHERO girl 1人で、ライフを1万以上削らなきゃいけないのネ。アナタにやれるのかしら?」
そんな彼女の言葉に亜美は答えない。
ただ腕を組みながらフィールドをまっすぐに見つめている。
観客席中央にある電光掲示板は新たな黒い丸を静かに表示させていた。
Team Ragnarök (Sverige)
player:●◯◯
Team HERO (Japan)
player:●●◯
◼️禁止カードについて
このパートの原案を書いたのが2021年8月で、真竜皇VFDが禁止カードに指定されたのが2021年10月改訂でした。
実は8月の時点で禁止カード最有力カードでしたので使うか迷ったのですが、ストーリー上かかわりのあるカードなのでしばらくはご容赦ください……!
◼️次回予告
寝る前決闘空間第25話
『オーバー・ザ・レインボー』
小説形式について 地の文やテキスト量
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読みやすい(テキスト量が妥当)
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前の方が読みやすい
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地の文が長い
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誰が喋っているかわかりにくい