遊戯王5D's after ~童実野第二高校ヒーロー部~ 作:レトやま
皆様、良いお年をお迎えくださいませ。
[ストックホルムデュエルコロシアム デュエルフィールド]
フィールドには白煙が上がっていた。
上空には羽根を羽ばたかせた白いワイバーン。
奥に佇むは青髪の女性デュエリスト。
花満ちる庭園を支配するかの如く、フィールドは圧倒的であった。
一方で対面にてチームHEROの能瀬 心ーーここのせは白煙に塗れながら歯を食い縛る。
「くぅ……!」
能瀬 心
LP:3000→0
「……くそっ……!」
拳を握り締め、不甲斐ない自分の太ももを殴りつけた。
エンシェント・ホーリー・ワイバーンはそんな彼を見下ろして嘶いた。
対面に立つミーティスは腰に手を当てて宣言する。
「これで、貴方たちはラストプレイヤーまで回った! 私で全部終わらせてあげる! ターンエンド!」
ーエンドフェイズー
ミーティス・ティシアー
LP6300
手札2
フィールドゾーン:
アロマガーデン
マジックトラップ:
セットカード
恵みの風
潤いの風
フィールド:
アロマージ-マジョラム
エンシェント・ホーリー・ワイバーン
能瀬 心
LP0
フィールドゾーン:
召喚暴走陣
マジックトラップ:
超重機回送
セットカード
フィールド:
真竜皇V.F.D(素材0)
ターンチェンジは即ちプレイヤーチェンジを意味する。
ここのせは尽きてしまった己のライフを見つめて声を漏らした。
「くっ……」
ザッと足音がする。
振り返ると赤く靡くポニーテール。
つんとした瞳がそこにある。
「祭乃木……」
「お疲れ様。交代よ」
「……ッ!」
ここのせは悔しそうに目を逸らした。
それから腕からデュエルディスクを外して、デッキを取り出してから亜美に渡す。
「すまねぇ……」
「……なぁに、暗い顔してんのよ!!」
バシッと亜美はここのせの背中を叩く。
そしてデュエルディスクを受け取った。
「痛ぇ! な、なんでぇ急に」
「アンタがこの世の終わりみたいな顔してるからでしょ!」
「……」
「バカね。アタシを誰だと思ってんのよ! ヒーローは、どんな逆境だってひっくり返すのよ! 見てなさい、ここのせ」
それだけ言うと亜美はデュエルディスクを腕に装着し展開させた。
デッキを差し込むと画面が認識しライフカウンターが4000を指し示す。
「……頼む」
悔しさだけを持ち帰り、ここのせはベンチへと引き返していく。
そんな足音を背に亜美は口角を上げてミーティスを見た。
「待たせたわね! アタシのターンよ! 」
「迎え撃つわ!」
「いくわよ! ドロー!」
亜美はデッキトップに指を掛けて一気に引き抜いた。
寝る前決闘空間第24話
『オーバーザレインボー』
[チームHERO側ベンチ]
ここのせは、湧き上がるデュエルフィールドを背にベンチに向かって歩いていた。
その足取りは重く、いつまでもベンチに辿り付かなければいいのにと願ってしまう。
それでもやがてベンチに戻ってくると段を一つ下る。
最初に目が合った良平は労うように肩を叩く。
「お疲れ」
「……おぉ」
目を逸らしてここのせは返事をした。
その目線の先にはゆきがいた。
にこにこと笑みを浮かべながら水滴が滴るペットボトルを差し出した。
「ここのせさん! お疲れ様でした! これ、どうぞ!」
「……お、おう」
呆気に取られて手を伸ばしかけ、その手を止めた。
自分を客観視する自分がそこには居て、冷ややかな目線を己に向けていた。
ここのせは無理に笑うと手を振って答えた。
「……悪りぃ! 今、喉乾いてねぇや! 後で貰うから置いといてくれよ!」
「え……? は、はい……」
ゆきは眉を八の字にして遠慮がちにペットボトルを引っ込めた。
そんな姿にすらここのせの胸はずきりと痛み、振り切るようにフィールドを振り返る。
「……祭乃木を応援しねぇとな!」
良平はそんな彼の背を見つめ、声をかけようとしてやめた。
今は言葉はいらぬとその背が語る。
なので良平は静かに肯定した。
「……そうだね」
そんな様子を尻目に美優はフィールドを凝視したまま呟く。
「TEAM duelにおいてこの展開は相当厳しいワ。どうするのかしら、HERO girl」
その口角はしかし、どこか期待しているかのように釣り上がっていた。
[デュエルフィールド]
ースタンバイフェイズ→メインフェイズー
フィールドは既に臨戦態勢である。
白きワイバーンが羽ばたき鋭く睨みつけていた。
亜美は手札を握り、ニヤリと笑ってみせた。
「さぁ、ここから一気に逆転してやるわ!E・HEROソリッドマンを召喚!」
勢いよくカードをメインモンスターゾーンへと叩きつける。
「ハァッ!」
E・HEROソリッドマン
攻:1300 地 戦士族 星4
「ソリッドマンは、召喚成功時に手札のHEROを呼び込むわ! 来なさい、ブレイズマン!」
さらに手札からカードを抜き取りソリッドマンの右隣にそのカードを置く。
ソリッドビジョンはすぐに反応し、炎を纏うヒーローが現れた。
「トゥア!」
E・HEROブレイズマン
攻:1000 炎 戦士族 星4
「ブレイズマンの効果発動! 場に現れた時、デッキから融合を手札に加える!」
手札4→5
デッキから自動で選出されたカードを取り相手に見せる。
それは緑色のカードである。
亜美は手札に加えることはせずにそのままマジックトラップスロットへと放り込んだ。
「融合を発動!」
《融合》
通常魔法
マジック発動の効果音とともにフィールドにソリッドビジョンのカードが半回転して表示される。
それを見てミーティスは目を見開いた。
「い、いきなり……!」
「HEROはガンガンいくわよ! ついてこれるかしら!? 手札のエアーマンと場のソリッドマンで融合!!」
亜美の声と共にモンスター達が渦に飛び込んでいく。
地属性HERO + 風属性HERO
「ーーそれは太陽の映し身、悪を滅する焔の英雄!」
二人のヒーローが新たなヒーローを呼び覚ます。
亜美の胸のうちから溢れる旋律は口上となりフィールドを揺らす。
「現れろ! E・HEROサンライザー!」
「ハァァァッフゥンッ!」
E・HEROサンライザー
攻:2500 光 戦士族 星8
「墓地のソリッドマンとサンライザーの効果がそれぞれ発動!」
chain1 E・HEROソリッドマン
chain2 E・HERO サンライザー
「サンライザーが場に現れた時、デッキからミラクルフュージョンをサーチできるわ!」
手札3→4
デッキからカードを引き抜きそれを手札に加えた。
さらに亜美は続ける。
「さらにソリッドマンが魔法カードの効果で墓地に送られた場合、墓地のヒーローを守備表示で復活させるわ! 戻ってこい、エアーマン!」
墓地から送り出されてきたカードをそのまま横向きに置くとすぐさまサーキュレーターを背負ったヒーローが現れた。
E・HEROエアーマン
守:300 風 戦士族 星4
「エアーマンが特殊召喚に成功した時、デッキからヒーローを手札に加えることができる! アタシが手札に加えるのは、E・HEROリキッドマン!」
手札5→6
手札に加えてからさらに腕を振って宣言する。
「まだまだいくわよ! フィールドのエアーマンとブレイズマンの2体をリンクマーカーにセット! 召喚条件は、HEROモンスター2体!」
↑HERO・↓HERO=LINK2
次にフィールドに現れたのは巨大なサーキット。
その矢印となるリンクマーカーにモンスターが飛び込んでサーキット回路を構成する。
そしてEXへの道が開く。
「X・HEROワンダードライバーをリンク召喚!」
ワンダードライバー
攻:1900 光 戦士族 LINK2 右EXゾーン ↑↓
フィールドに降り立つHEROを前にミーティスは唇を嚙みながら抵抗した。
マジックトラップの発動ボタンに手を伸ばしながら宣言する。
「っ! そのリンク召喚後に、恵みの風の効果発動!」
緩やかで温かい風が吹く。
それはミーティスの短い髪を優しくなでていった。
「墓地のステイセイラ・ロマリンをデッキに戻してライフを500回復!」
ミーティス・ティシアー
LP:6300→6800
「そして!」とミーティスは続ける。
「ライフが回復したことで、アロマージ-マジョラムの効果が発動する! 墓地のカード、融合を除外よ!」
マジョラムは「ふぅ」と手のひらに息吹を吹きかける。
すると花弁が怪しく舞い上がり亜美のデュエルディスクを取り巻いてしまう。
ディスクは反応し融合のカードを除外ゾーンへと送った。
亜美は口角を上げたままミーティスを見る。
「へぇ! やってくれるわね!」
「当然! 勝つためには、貴女を一番警戒するに決まってるもの!」
「そりゃ光栄ね! けど、まだまだこんなもんじゃ止まらないわよ! ミラクルフュージョン、発動!」
《ミラクルフュージョン》
通常魔法
「墓地のブレイズマンとソリッドマンで融合!!」
HERO + 炎属性
「ーー炎を纏う業火の英雄! 燃え上がれ!」
融合の渦が回転し一層強く輝いていく。
「融合召喚! E・HEROノヴァマスター!」
炎のヒーローが粉塵を巻き上げて着地した。
「ウォオオォオオ!!」
E・HEROノヴァマスター
攻:2600 炎 戦士族 星8
二体目の融合モンスターの出現にミーティスは思わず後ずさった。
「連続融合……!」
「さらに! ここのせが残したセットカードを発動! 星遺物を継ぐ者!」
《星遺物を継ぐ者》
通常魔法
「リンクモンスターのリンク先に、墓地のモンスターを復活させる! 戻ってきて! エアーマン!」
E・HERエアーマン
攻:1800 風 戦士族 星4 (LINK:ワンダードライバー)
「ワンダードライバーの効果とエアーマンの効果がそれぞれ発動!」
亜美が宣言すると応戦するようにミーティスも叫ぶ。
「くぅ……! こっちもディストラクト・ポーション、発動!」
chain1 X・HEROワンダードライバー
chain2 E・HEROエアーマン
chain3 ディストラクト・ポーション
「ディストラクト・ポーションの効果で、エンシェント・ホーリーワイバーンを破壊!」
ビリビリと雷鳴が降り注ぎエンシェント・ホーリー・ワイバーンを破壊する。
破壊された体は砕けるのではなくエネルギーとなってミーティスに降り注いだ。
「エンシェント・ホーリー・ワイバーンの攻撃力、5400を回復!」
ミーティス・ティシアー
LP:6800→12200
[チームHERO側ベンチ]
一気に跳ね上がったライフポイント。
ゆきは思わず声を上げる。
「えぇライフ12200ですかぁ……!? 」
ベンチに座る雪乃も顔をしかめてつぶやいた。
「初期ライフの4倍ね……」
「くっ」と歯を食いしばりここのせは柵の淵を握りしめる。
「祭乃木……!」
[デュエルフィールド]
一方フィールドでは亜美は増えたライフを気にも留めず処理を続けている。
「こっちもエアーマンの効果! 今度は、自身以外の場のHEROの数だけフィールドの魔法、罠を破壊する効果を使うわ!アタシの場にHEROは3体! よって3枚破壊!」
「くっ……!」
「恵みの風、潤いの風、そしてフィールドのアロマガーデン! まとめて吹き飛ばせ!」
エアーマンは雄たけびをあげながら背中に背負うサーキュレーターを全開に回し、暴風を吹き付ける。
それは凄まじい旋風となり発動中だった恵みの風、潤いの風、アロマガーデンを吹き飛ばした。
「そして、ワンダードライバーの効果! リンク先にHEROが特殊召喚された場合、墓地の融合またはフュージョンを場にセットできる! ミラクルフュージョンをセット!」
伏せカードが亜美の足元に表示される。
一連の効果処理を終え、亜美のフィールドには大量のモンスターが展開されていた。
E・HEROワンダードライバー(右EX)攻:1900→2500
E・HEROサンライザー 攻:2500→3100
E・HEROノヴァマスター攻:2600→3200
E・HEROエアーマン(LINKワンダードライバー)攻:1800→2400
「いくわよ! バトル!」
ーバトルフェイズー
「いけ! ノヴァマスター! アロマージ-マジョラムに攻撃!」
手をフィールドに差し向けて亜美が声をあげる。
ノヴァマスターが呼応し、フィールドを直進していく。
さらに後方ではサンライザーがエネルギーを煌々と集約していた。
「この攻撃宣言時! サンライザーの効果発動! 1ターンに1度、他のHEROが攻撃するとき、フィールドのカードを破壊できる! アロマージ-マジョラムを破壊!」
サンライザーは溜めたエネルギーを解き放ち、マジョラムへと放出する。
太陽光のような熱光線を浴びせられたマジョラムは短い悲鳴とともに砕け散っていった。
「ッ……!」
「これで攻撃対象がいなくなったわ! ノヴァマスターの攻撃対象を変更! プレイヤーにダイレクトアタック!!」
E・HEROノヴァマスター
攻:3200
ノヴァマスターは障害がなくなったフィールドわ一文字に駆け抜けてミーティスの前に立ち、炎を纏った拳を振り下ろした。
「キャァッ!?」
ミーティス・ティシアー
LP:12200→9000
「畳みかけるわよ! エアーマン!」
E・HEROエアーマン
攻:2400
エアーマンも一気に上昇し暴風をミーティスに浴びせかける。
「ぐぅっ……!」
ミーティス・ティシアー
LP:9000→6600
「続けてワンダードライバーで追撃!」
X・HEROワンダードライバー
攻:2500
他の2体に追従し、ワンダードライバーはミーティスに拳を振り下ろした。
「あぁっ……!」
ミーティス・ティシアー
LP:6600→4100
「ラスト! サンライザーでダイレクトアタック!!」
E・HEROサンライザー
攻:3100
最後にサンライザーがフィールドを駆け抜け、太陽のような輝きでもって光線を射出した。
それは無防備なミーティスの身体を貫いてライフを削りとっていく。
「くぁぁぁ……!」
ミーティス・ティシアー
LP:4100→1000
一連の攻撃が終了しミーティスは己のライフを見て目を見開いた。
「くっ……! ライフが一気に……!う、嘘でしょ……!」
「どーよ!!」
亜美はニッと笑い、ヒーローたちの後ろで両手を腰に当てる。
[チームラグナロク側ベンチ]
「うぉぉ!! すっげぇ!!」
そんなフィールドに、ヴァールは身を乗り出して叫ぶ。
隣ではセレナが開いた口に手を当てていた。
「た、たった1ターンでライフが1万以上も削られるなんて……!!」
「信じられん……!」とアルスも唖然として言う。
「あの少女、一体何者なんだ……!?」
[チームHERO側ベンチ]
「すごい!!」とゆきは手をぱちぱちと叩く。
「ライフをたくさん削りましたよぉ!!」
ここのせは柵を握りしめた。
自分では少しも削ることが叶わなかったライフポイントが瞬時に吹き飛んだ。
眼前には赤いポニーテール。
「12200もあったんだぞ……!? それを一気に……! 祭乃木、アイツ……!」
恵は相変わらず無表情。
さらにその隣では良平がポツリと呟く。
「並の相手なら一撃で沈んでた……」
「チッ……」と唯信は舌打ちするも、視線は変わらずフィールドに向いていた。
ベンチ後方では椅子に座るツァンと雪乃が驚いたように目を丸くしていた。
「ライフを初期の4倍以上まで持ち上げた相手も相手だけど……」
「流石のお姉さんも腰を抜かしそうだわ……」
そんなメンバーを他所目に美優は腕を組みながら、闘争心に満ちた笑みでフィールドの亜美を見た。
「なるほど。とんだバケモノのようね、HERO girl……! 」
[デュエルフィールド]
ーメインフェイズ2ー
亜美は攻撃を終了してから手札を2枚手に取り、マジックトラップスロットに裏側で差し込む。
「カードを2枚セットしてターンエンド!」
ーエンドフェイズー
祭乃木 亜美
LP:4000
手札3
伏せ3
フィールド:
E・HEROワンダードライバー(右EX)攻:2500
E・HEROサンライザー 攻:3100
E・HEROノヴァマスター攻:3200
E・HEROエアーマン(LINKワンダードライバー)攻:2400
ードローフェイズー
ライフポイントが一気に削られたミーティスは冷や汗を感じながらデッキトップに手をかけた。
「くっ……! わ、私のターン!」
手札2→3
ースタンバイフェイズ→メインフェイズー
引いたカードを一瞥するとミーティスは亜美に顔を向けた。
「一矢報いてやるんだから! 捕食植物オフリス・スコーピオを召喚!」
捕食植物オフリス・スコーピオ
攻:1200 闇 植物族 星3
「オフリス・スコーピオは、場に現れた時、手札のモンスターを1枚墓地に送ることで、デッキから捕食植物モンスターを特殊召喚できる!」手札2→1
手札1枚をセメタリーゾーンへと送り込み、代わりにデッキから自動選出されたカードをフィールドにおく。
「きて! 捕食植物ダーリング・コブラ!」
捕食植物ダーリング・コブラ
守:1500 闇 植物族 星3
「ダーリング・コブラが捕食植物カードの効果で特殊召喚に成功した場合、デッキから融合またはフュージョンカードをサーチするわ! ブリリアント・フュージョンを手札に加える!」
手札1→2
「フュージョン……! アンタも融合する気……!?」
「そう! 今手札に加えたブリリアント・フュージョンを発動!」
《ブリリアント・フュージョン》
永続魔法
「デッキからジェムナイト・ラズリーとアロマセラフィ-アンゼリカを墓地に送って融合!」
ジェムナイト+光属性
宝石たちが煌めき優美な渦を描き出す。
そこへモンスターが飛び込んで一閃の光となった。
「ジェムナイト・セラフィを融合召喚!」
ジェムナイト・セラフィ
守:1400→0 地 天使族 星5
「ジェムナイト……!!」
現れたモンスターに亜美は思わず復唱する。
ミーティスはそれを横目にさらに宣言した。
「セラフィが場にいる時、1度だけ追加召喚ができるわ! イービル・ソーンを召喚!」
びきびきと音を立てて禍々しい蕾が床を突き破る。
イービル・ソーン
攻:100 闇 植物族 星1
「イービル・ソーンは、自身をリリースすることで相手に300ポイントのダメージを与え、さらにデッキから同名モンスターを2体特殊召喚する!」
イービル・ソーンがプクッと膨張し、弾け飛ぶ。
吐き出された種はびしりと亜美の身体に当たり、フィールドへと散らばっていく。
「痛っ……!」
祭乃木亜美
LP4000→3700
イービル・ソーン
攻:100 闇 植物族 星1
イービル・ソーン
攻:100 闇 植物族 星1
ミーティスはさらにそれらのモンスターに手を差し向けて声を出した。
「イービル・ソーン2体をリンクマーカーにセット! 召喚条件は、植物族モンスター2体!」
↙︎植物族・↘︎植物族=LINK2
「リンク召喚! アロマセラフィ-ジャスミン!」
アロマセラフィ-ジャスミン
攻:1800 光 植物族 LINK2 左EXゾーン ↙︎↘︎
「アロマセラフィ-ジャスミンは、1ターンに1度、場の植物族をリリースすることで、デッキの植物族モンスターを特殊召喚できるわ! オフリス・スコーピオをリリース!バラガールを特殊召喚!」
バラガール
守:600 地 植物族 星3 チューナー
「レベル5のジェムナイト・セラフィとレベル3のダーリング・コブラに、レベル3のバラガールをチューニング!」
⭐︎5+⭐︎3+⭐︎3=⭐︎11
「ーー大気に秘める無窮の雫! 刃となりて霜天を征け!」
EXへの道が開き、シンクロリングが鈍く輝く。
「シンクロ召喚! 氷結界の環零龍トリシューラ!!」
氷の翼を羽ばたかせ、白水の龍が痛烈な咆哮をあげる。
「グガァァァァァァァァァァァッ!!」
氷結界の環零龍トリシューラ
攻:2700 水 ドラゴン族 星11
「環零龍のトリシューラは、シンクロ召喚に成功した時、フィールドのカードを3枚選んで除外する!」
「やらせない! リバースカードオープン! 禁じられた聖杯!」
亜美は素早くデュエルディスクに手を伸ばし対抗札を発動した。
《禁じられた聖杯》
速攻魔法
「聖杯を浴びたモンスターは攻撃力を得る代わりに効果を失うのよ! 対象はトリシューラ!」
不意に現れた聖杯は、バシャリと中の聖水をトリシューラに浴びせかける。
トリシューラは堪らずに悲鳴をあげてのたうちまわった。
氷結界の環零龍トリシューラ
攻:2700→3100 効果無効
「う、やられた……! けど、ちょうどいい! バトルよ!」
ーバトルフェイズー
「いって、トリシューラ! サンライザーに攻撃!!」
ミーティスは素早く支持を出してトリシューラに命令する。
氷結界の環零龍トリシューラは白い伊吹を吐き出しながら飛翔していく。
氷結界の環零龍トリシューラ
攻:3100
それを亜美も応戦する。
「迎え撃て! サンライザー!」
E・HEROサンライザー
攻:3100
二体のモンスターはそれぞれの光線を撃ち出し、拮抗の上双方が反動により爆散する。
「グギァァァァァッ!!」
「グァァ!!」
二体のモンスターが消え去ったフィールドを見て亜美は思わず声をもらす。
「相打ち……!」
「いいえ!!」とミーティスは否定する。
「ッ……!?」
フィールドには白い煙と寒気。
亜美は嫌な予感に顔を上げた。
砕け散ったはずのドラゴンの残骸が再集合した。
「キュォオォオォオォオォオォオッ!!」
氷結界の龍トリシューラ
攻:2700→3300 水 ドラゴン族 星9
「トリシューラが……!? いや、これは……!」
亜美は驚愕して口をあける。
ミーティスは好戦的な笑みを浮かべながら言った。
「環零龍のトリシューラは、死しても新たな氷刃を生み出す!! 相手によって破壊された場合、EXデッキから氷結界の龍トリシューラを攻撃力3300として特殊召喚する!「さらに! 貴女のフィールドに表側のモンスターが存在する場合は、効果を無効にして攻撃力を半分にするわ!」
「なっ……!」
ビュゴォオッと凄まじい寒波を吹き荒れて辺り一面を氷つかせていく。
X・HEROワンダードライバー
攻:1900→950
E・HEROノヴァマスター
攻:2600→1300
E・HEROエアーマン
攻:1800→900
ミーティスはヒーローたちが弱体化したのを確認すると再びフィールドに手を向けた。
「バトル続行! トリシューラで攻撃!」
氷結界の龍トリシューラ
攻:3300
X・HEROワンダードライバー
攻:950
攻撃力の差は歴然。
亜美はさらにマジックトラップカードのボタンに手を伸ばす。
「トラップ発動! ガードブロック!」
《ガードブロック》
通常罠
「この戦闘でのダメージを0にしてカードを1枚ドロー!」
手札3→4
ワンダードライバーはトリシューラの冷凍光線に飲み込まれ粉砕された。
しかし亜美の前に透明な壁が現れて衝撃を受け止めた。
「な、なら! アロマセラフィ-ジャスミンでノヴァマスターに攻撃!」
アロマセラフィ-ジャスミン
攻:1800
E・HEROノヴァマスター
攻:1300
ジャスミンは杖を目一杯力を込めて振り下ろし、ノヴァマスターを叩き潰す。
ガラスのように霧散し余波が亜美に襲いかかった。
「くっ……!」
祭乃木亜美
LP:3700→3300
衝撃が収まってから亜美はガードしていた腕を退けて笑い飛ばす。
「あそこからアタシの場をあらかた片付けるなんて、アンタやるわね!」
「最後の意地を見せたわ! ターンエンド!」
ーメインフェイズ2→エンドフェイズー
ミーティス・ティシアー
LP:1000
手札0
伏せ0
フィールド:
アロマセラフィ-ジャスミン
氷結界の龍トリシューラ
ードローフェイズー
ターンが移ってから亜美は再びミーティスに向けて声を出した。
「アンタの意地の一撃、重かったわよ! けど、アタシだって負けたくない! アンタを乗り越えていくわ!」
「私がやられてもヴァールがいる! ヴァールが貴女を倒すわ!」
「上等! アタシのターン!」
手札4→5
ースタンバイフェイズ→メインフェイズー
デッキトップを力強く引き込み、素早く手札に加える。
それから亜美は迷うことなく手札を持ち替えてカードをスロットに差し込んだ。
「手札からE-エマージェンシーコールを発動!」
《E-エマージェンシーコール》
通常魔法
「デッキからE・HEROを手札に加えることができる! アタシは、ブレイズマンをサーチ!」
手札4→5
デッキから引き込んだカードを亜美はそのままフィールドへと置く。
「ブレイズマンを召喚!」
E・HEROブレイズマン
攻:1000 炎 戦士族 星4
「ブレイズマンの効果で融合をサーチするわよ!さらに、レベル4のエアーマンとブレイズマンでオーバーレイ!」
手札4→5
☆4×☆4=★4
黒いオーバーレイネットワークの渦がバチバチと紫電を放つ。
モンスターたちはそこに飛び込みエクシーズユニットへと変化する。
祭乃木「エクシーズ召喚!No101.S.H.Ark knight!」
No101.S.H.Ark knight
攻:2100 水 水族 ランク4
「アークナイトの効果発動! 素材を2つ使って特殊召喚された攻撃表示モンスターを吸収するわ! 対象は、トリシューラ!」
No101.S.H.Ark knightはぎぎぎと軋むような音とともに錨をトリシューラに向けて放つ。
鎖ががんじがらめにトリシューラを取り巻き、引きずり込んでしまう。
トリシューラはじたばたと抵抗し咆哮するも成す術なく取り込まれてしまった。
「トリシューラ……!」
「さらに、セットしてたミラクルフュージョンを発動!」
《ミラクル・フュージョン》
通常魔法
「墓地のブレイズマンとワンダードライバーを除外融合!!」
E・HERO + 光属性
光が一層強く輝き融合の渦が加速していく。
亜美は胸の内側から湧き出る旋律を口にした。
「ーー今よりも更に高く! その光は神秘の力を解き放つ!!」
渦の中心が爆発したように閃光を放ち、ヒーローが腕を振り上げて現れる。
祭乃木「出でよ、光の英雄! E・HERO The シャイニングを融合召喚!」
「フゥゥ、トゥァ!」
E・HERO The シャイニング
攻:2600 光 戦士族 星8
「シャイニングは、除外されているE・HEROの数×300ポイント攻撃力がアップするわよ! 今、除外ゾーンのE・HEROはソリッドマン、エアーマン、ブレイズマンの3体! 攻撃力、900ポイントアップ!」
E・HERO The シャイニング
攻:2600→3500
「バトル!」
ーバトルフェイズー
「行け! シャイニング! アロマセラフィ-ジャスミンに攻撃!」
E・HERO The シャイニング
攻:3500
「はぁぁぁ、たぁぁ!!」
シャイニングは両手に光を集中させそれを突き出す。
鋭い閃光がフィールドを一直線に分断しアロマセラフィ-ジャスミンを粉砕した。
アロマセラフィ-ジャスミン
攻:1800
「きゃぁぁ!」
短い悲鳴をあげて消え去るジャスミン。
余波はミーティスを飲み込み、ライフを削り取っていった。
「うぅぅ……!」
ミーティス・ティシアー
LP:1000→0
「よし! メイン2!」
ーメインフェイズ2ー
亜美は手を握りしめ声を上げると手札を1枚抜き取りスロットに差し込んだ。
「カードを1枚セット! ターンエンド! さぁ、真打とご対面願おうかしら!!」
ーエンドフェイズー
祭乃木 亜美
LP:3300
手札4
伏せ1
フィールド:
No101.S.H.Ark knight
E・HERO The シャイニング
ードローフェイズ(プレイヤーチェンジ)ー
カツ、コツ、カツ、コツと静かなフィールドにブーツの足音が響く。
銀色の短髪を揺らしてヴァールはフィールドに歩いてきた。
ぐぅーっと伸びをしたかと思うとニッと笑い手を両手に当てる。
「やっっっと俺の出番だな!! 待ちくたびれたぜ!!」
そんな彼の様子にミーティスは緩く笑いながら舌をぺろっと出した。
「出番を回さないつもりだったけど、負けちゃった」
「へへ! 出番が来て安心したぜ! あとは任せろー!!」
「はいはい、期待してるからね!」
ミーティスはイタズラっぽく笑うとヴァールを置いてベンチへと下がっていく。
「おっしゃぁぁ!」
バシッバシッとヴァールは二度両手で頬を叩く。
それから亜美に向いて声を出した。
「アミ!」
「!」
「お前ら、すげぇ良いチームだな! ここまで、最高にワクワクするデュエルばっかだったぜ!」
「アンタのチームもね! みんなめちゃくちゃ強かったわ! アンタはどうかしらね!?」
「へへ! アルスもミーティスも全力で戦った! セレナも一生懸命応援してくれてるんだ! 俺が台無しにしちゃうわけにはいかないからよ! あっ、と驚かせてやるぜ!」
そう宣言すると勢いよく腕を振るいデュエルディスクを展開する。
左目は強く輝きルーン文字が浮かび上がる。
「行くぜ、チームHERO! 最っ高に楽しいデュエルにしようぜ! 」
「いいわ! 来なさい!」
二人は笑みを浮かべながら視線をぶつけ合わせた。
双方ラストプレイヤー。
会場は響めきながらも静かな熱気に包まれていた。
小説形式について 地の文やテキスト量
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読みやすい(テキスト量が妥当)
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前の方が読みやすい
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地の文が長い
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誰が喋っているかわかりにくい