【第一部完結】転生イノベイドのイオリア計画再生記 in C.E.   作:アルテミー

1 / 90

ガンダムSEEDも好き、ガンダム00も好き。
ならどうする?

A)混ぜる

絶対誰かは考えただろう組み合わせのやつ。



第一部 ソレスタルビーイング
変革を促す者


 

 

 西暦2307年

 ユニオン、AEU、人革連の三大国家による()(ともえ)の状態にあった世界に対して、宣戦布告(せんせんふこく)した組織が現れた。

 その名は"ソレスタルビーイング"。戦争根絶を(かか)げる私設武装組織であり、機動兵器"ガンダム"によってあらゆる戦争・紛争への武力介入を行った。

 

 ガンダムの力は凄まじく、三国家軍の主力モビルスーツをものともせず、三国家軍が協力して行った鹵獲(ろかく)作戦の(ことごと)くを打ち破り、逆に大きなダメージを与えるほどだった。

 

 しかし、彼等はやり過ぎてしまった。いや、そうなるように仕組まれていた。以前よりも過激になった武力介入は世界から予想以上の恨みを買ってしまっていた。ソレスタルビーイングという必要悪(ひつようあく)を基に世界は統一されようとしていたのだ。

 

 そして、遂にソレスタルビーイングという強大な組織を前にして団結。各国のエースパイロットを集めた"国連軍"を結成。組織の裏切り者から手に入れたガンダムの力でソレスタルビーイングを一度は壊滅(かいめつ)させた。

 

 その後、世界の合計328ヵ国加盟による"地球連邦政府"が樹立。各国の軍隊はそれぞれ解体され、"地球連邦平和維持軍"として発足(ほっそく)した。これによって一度は世界が統一されたかに思われたが、その影に人類を支配しようとする組織の影があったことをまだ誰も気付くことはできなかった。

 

 それから四年後。統一されたはずの世界は再び戦火(せんか)に包まれた。

 

 地球連邦平和維持軍から枝分(えだわ)かれする形で発足された独立治安維持部隊"アロウズ"。そして、彼等の反政府組織の弾圧(だんあつ)–––––という名の虐殺(ぎゃくさつ)等が目立つようになり、それに対して反抗の狼煙(のろし)を上げた反政府組織"カタロン"の衝突である。

 選び抜かれた精鋭という無意識の優越感(ゆうえつかん)が生んだ歪んだ心はアロウズを間違った方向性へと導き、非人道的な行為を行う彼等に対抗するためカタロンもまた武力に頼らざるを得ないという悪循環。

 各国が統一された現在も完全に世界が統一されたとは言い難く、毎日のように各地にて小規模な紛争が起きたのだ。

 

 西暦2312年

 そして、そんな紛争行為に触発(しょくはつ)される形で遂に"彼ら"が再び姿を表した。かつて戦争根絶を(うた)った私設武装組織ソレスタルビーイング。それが四年の月日を()て復活したのだ。

 

 幾度となくアロウズとぶつかり合ったソレスタルビーイングは戦いの果てにアロウズを影から操り、世界を手にしようと企む者たち––––––"イノベイター"の存在を知ることになる。

 

 イノベイター(革新者)、自らを人類を導く者と名乗る彼等はソレスタルビーイングの活動の根幹(こんかん)である量子演算コンピュータ"ヴェーダ"を掌握(しょうあく)し、イオリア計画を自分たちの計画へと変えようとしていたのだ。

 

 最終決戦にて、カタロン及び正規軍と手を組み、クーデターという形でアロウズとぶつかり合ったソレスタルビーイングはそれを撃破。アロウズを影から操っているイノベイターとの最後の戦いに挑む。

 

 結果、純粋種(じゅんすいしゅ)と呼ばれる真のイノベイターへと革新したガンダムマイスターの力もあってソレスタルビーイングはイノベイターを撃破。ヴェーダの奪還に成功し、長きにわたる戦いに終止符(しゅうしふ)を打つことになる。

 

 西暦2314年

 ソレスタルビーイングの創設者'イオリア・シュヘンベルグ"の計画は最終段階へと移行。アロウズとイノベイターを倒し、真の意味で統一されようとする地球はその日、初めての未知なる種との遭遇を果たすこととなる。

 それは、"ELS(エルス)"と名付けられた外宇宙からの来訪者(らいほうしゃ)。今までの地球圏では対応することすら不可能だった種族の壁を越えた対話の始まり。

 

 そして、西暦2364年現在。

 地球圏から戦争が消え、世界は外宇宙への進出を果たそうとしている。人類の約四割近くがイノベイターへの変革を果たした今、地球という星は(ゆる)やかな成長軌道へと乗ろうとしていた。

 

 

 これこそが一世紀以上前からイオリアが予見(よけん)していた計画の全貌(ぜんぼう)。それまでに多くの犠牲があれど、ようやく人類は正しい道へと歩み出そうとしている。

 

 こうして、イオリア計画は完結した………筈だったのだが。

 

「ここはどこだ……C.E.(コズミック・イラ)だと?」

 

 舞台は西暦を超えて新たな宇宙へ。

 これは、計画の根幹たるヴェーダとヴェーダに生み出された一人のイノベイターが歩むもう一つのイオリア計画の物語。

 

 

▽△▽

 

 

 "イノベイド"

 

 それはイオリア・シュヘンベルグが予見した「純粋種」を()して造られた人造人間。ヴェーダとリンクして情報収集や計画の遂行を()すとともに、人類の純粋種への覚醒を促進(そくしん)する役割を担っていた。

 彼等は言わば計画のために生み出された「模倣品(もほうひん)」なのだが、ナノマシンによる不老長寿(ふろうちょうじゅ)脳量子波(のうりょうしは)制御能力等、その能力は純粋種に引けを取らない。

 

 ただし、人と関わるために与えられた自我は、未だに戦いを続ける人間達の踏み台になることを受け入れることができず、リボンズ・アルマーク等イノベイドは自らを「イノベイター」と宣言(せんげん)して反逆(はんぎゃく)し、ソレスタルビーイングに敗れた。

 

 その後は、地球外生命体ELS(エルス)との対話をサポートし、本来の役目––––––人類の革新(イノベイター)化へと戻った。現在全てのイノベイドは、ヴェーダを管理する"ティエリア・アーデ"の管理下にあり、彼とヴェーダの判断で新たな命令を下されることになっている…筈なのだが。

 

「ティエリア・アーデの反応がない…いや、これは」

 

 薄暗い部屋の中、金色(こんじき)の瞳を輝かせる薄緑色(うすみどり)色の髪が特徴的な少年がいた。彼の姿は塩基配列(えんきはいれつ)パターン:0026のイノベイドに酷似(こくじ)しており、その金色の瞳も合わさって彼もイノベイドであることが伺える。

 

 困惑の表情を浮かべた彼の瞳から輝きが消え、本来の紫色が露わになる。

 

 彼の人格名は"レクシオ・ヘイトリッド"。

 

 ヴェーダによって生み出されたイノベイドの一人であり、性別のないマイスタータイプ。リボンズ・アルマーク等と同じ塩基配列で造られた存在である。

 

 そんな彼がどうして困惑の表情を浮かべているかといえば、それは彼の創造主(そうぞうしゅ)であるヴェーダに起きた異常に他ならない。

 

 先も述べたように、ヴェーダは現在ティエリア・アーデという一人のイノベイドによって管理されているはずなのだ。新たなイノベイドの製造、新型モビルスーツの建造等、西暦世界の情報を全てを握っていると言ってもいい。

 

 ()()()()()()()()()()()

 

 それだけではない。

 管理者であるはずのティエリア・アーデの不在に加えて、ヴェーダ内に記録されている情報の殆どが抹消(まっしょう)…いや、書き換えられているのだ。

 

 GNドライヴやガンダムに関する機密データやソレスタルビーイングに関する情報は勿論、西暦世界の詳細なデータすらも残っていない。

 

 ()()()()()()はまるで計画初期の時のようにデータ不足が目立つ。機能面においては問題がないものの、このヴェーダにはイオリア計画の情報も自分以外のイノベイドの存在も確認できない。

 幸いにしてレクシオの中には事前にインストールされた知識が残っているが、だからこそ、この状態に困惑を覚えたのだ。

 

C.E.(コズミック・イラ)…コーディネーターか」

 

 これまでの西暦何千年の歴史を内包したヴェーダ内のデータは全てC.E.(コズミック・イラ)という聞き覚えのない年号や"ジョージ・グレン"、"コーディネーター"というイノベイターではない存在などの情報に置き換わっている。

 

「まさかヴェーダごと外宇宙…いや、異世界に来ることになるとは」

 

 先程、()()()()()()()()()へとリンクした際にレクシオはこの不可解(ふかかい)な現象の全てを理解した。

 

 このC.E.(コズミック・イラ)という世界は、今までレクシオ達がいた西暦の世界とは全く異なる世界だということに。それも単に外宇宙へと転移したわけではなさそうだった。

 

「これがこの世界の地球………一気に石器時代に戻った気分だな」

 

 この宇宙には()()()()()()()が存在した。それもただ似ているだけの惑星ではない。ヴェーダから送られる地球の地理情報は、多少の違いがあれどレクシオの地球と酷似しすぎている。

 

 そう、レクシオは外宇宙を超えて異世界…(ある)いは並行世界(へいこうせかい)へと転移してしまったのだ。

 

「私は…僕はどうすればいい」

 

 ヴェーダは何も言ってはくれない。

 

 今のヴェーダはただの高性能すぎる量子コンピュータ。ただ世界の情報を記録(きろく)しているだけであり、それ以上もそれ以下でもない。

 

 –––––––ティエリア・アーデならどうするのか……。

 

 イノベイドの中で最も人間に近づき、人間というものを理解した彼ならこの事態(じたい)に何をするのだろうか。

 

 いや、彼ならば己の役目に忠実であれと言うだろう。

 

「僕たちの役目は人類を革新者(イノベイター)へと導くこと…」

 

 それこそがイノベイドのあるべき姿であり、生きる理由となる。

 計画はまだ終わっていない。ティエリア・アーデができないというのなら、イノベイドとしてこのレクシオ・ヘイトリッドが第二のイオリア計画を始める。

 

「その為にはこのC.E.(コズミック・イラ)について深く知る必要があるな」

 

 GNドライヴ、ガンダム、ソレスタルビーイング。やること考えることはたくさんある。イオリアに生み出された自分たちが彼の考えの全てを図ることは難しいだろう。

 しかし、こちらには一度完遂(かんすい)したイオリア計画の記憶がある。

 

 –––––––––––やって見せようじゃないか。

 

「僕たちこそ人類を導く者(イノベイター)なのだから」

 

 

 

 ……………やはり、塩基配列は裏切らないのかもしれない。





・レクシオ・ヘイトリッド
名前の由来はレスレクシオン(再生・復活)とヘイトリッド(憎悪)から。
西暦世界から転移してきたイノベイド。塩基配列はリボンズと同じで見た目も似てる。でもリボンズとビサイドくらいは違うかも。

気が向いたら続き書く
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。