【第一部完結】転生イノベイドのイオリア計画再生記 in C.E. 作:アルテミー
新年度になるのでリアルが忙しいのです。
更新もゆっくりになりますが、気長にお待ちください。申し訳ないです。
空で各々のモビルスーツが戦闘に入ると同時に、海上のミネルバも残存するウィンダムの対応に追われていた。
「ランチャーワン、ランチャーツー、てーっ!」
突出したインパルスはウィンダムの集団に包囲され、セイバーはカオスと交戦中。先程までウィンダムの相手をしていたグフもストライクの足止めで精一杯だ。
そして、彼等をすり抜けてきたウィンダムが上空からミネルバへ襲いかかる。飛び交うビームとミサイルの数々と迎撃するCIWSの弾幕が厚い壁を
「ほんとにもう、どうなってるのかしらね」
これだけの大軍を展開するとなると、必ずどこかに基地なり母艦なりがいるはずなのだが、タリア達はその影すら未だに
そのとき、バートが新たな反応を発見した。
「艦長! 海中でモビルスーツの戦闘を確認…これはアビス?……それと、ガンダムです!」
「何ですって、海から!?」
タリアは思わず息をのんだ。
まさかガンダムが海中に姿を現すとは思ってもいなかったからだ。
「それと、3時方向にアンノウンモビルスーツ…ガンダムを確認!」
「やはり来たのね…ソレスタルビーイング」
想定していたことではある。
報告では、強奪されたアビスと交戦しているとのことだが、こちらとしてもそれを放っておくことなどできない。
「艦長…どうします?」
「どうもなにもないでしょ。レイとルナマリアに水中用の準備をさせて! 完了次第、発進!」
必要以上に戦闘する理由はない。
しかし、ミネルバに水中用への対応手段がないのも事実だ。水中でなにが起こっているのかを把握するためにも、レイとルナマリアには慣れない水中戦を頑張ってもらうしかないだろう。
「か、艦長」
「こちらに確固たる戦闘の意思なくとも、ただで連合に墜とされる理由にはならないわ。敵機として対応。指揮はアスランとハイネに任せます。全機に通達!」
改めて
ガンダムの介入にどう対応すべきか、タリアは思考を
水中用のアビスやまだ性能が未知数のガンダムを前にして、グーンやザクだけで対応し切れるのか…。彼女は彼等を信じて待つことしかできなかった。
▽△▽
水中はアビスの
ボスゴロフ級から発進していたグーンは懸命にアビスを迎撃しようとしていたが、瞬く間に全て海の
「お前もここじゃこいつには勝てないってね、このやろう!」
グーンを易々と撃破したアウルの次なる戦闘相手は、宇宙で散々苦しめられたガンダムだった。前回は圧倒的な性能差を前に破れ去ったアウルだったが、こと水中というステージにおいてアビスの性能はガンダムと同等以上に向上していた。
水の抵抗を極限まで殺した潜航形態へ変形したアビスの機動力は、流石のガンダムも追いつけないようで自由自在に動くアビスの動きに
その姿に
「アハハハッ! ごめんねェ、強くてサァッ!」
ガンダムの背後を取ったアウルは、シールドから"高速
「そぉら!これでっ!」
シールドが展開し、内部からネイビーブルーの機体が
しかし、ガンダムは両腰部から取り出した剣でランスを受け止めると、そのままアビスを押し返して弾き飛ばした。
「ちっ、なんてパワーだ…ん?」
水中でも変わらずのガンダムのパワーにアウルが舌打ちをしたとき、新たな敵の出現を告げる
ザクがバズーカを片手にこちらへ接近してくるが、アウルは
「ハッ、小物じゃん!」
迫り来るガンダムを連装砲で牽制し、アウルはひとまず邪魔者であるザクを排除することを決めた。
ザクが地上用バズーカを撃ち込んでくるが、水中では空気銃みたいなものだ。アウルはその砲弾を軽くかわし、潜航形態へ変形させてトップスピードで二機のザクへ突っ込む。
そのスピードたるや、背後のガンダムとてついてこれない。
「そんなんでこの僕をやろうって!?」
アウルには分かる。
こと水中において自分と互角に戦えるのはガンダムだけだと。それなのに、前座も前座の
「舐めんなよ、コラァ!」
▽△▽
シンは、高速でインパルスを飛行させながら、斜め下に回ったウィンダムへビームライフルを向ける。一度は数で押さえつけられたシンだったが、インパルスの加速について来れないウィンダムが分散し始めていたのだ。
数に物を言わせて火線を集中されれば手も足も出ないが、一対一に持ち込めば機体性能もパイロット能力もシンの方が上だ。
「こいつを…こいつさえ落とせば!」
後方から浴びせられるウィンダムの射撃を回避しながら、シンは前方に見える紺色の機体を睨みつける。先程シンを一蹴してミネルバへ向かったようだが、ウィンダムが隊列を崩したのを見て戻ってきたのだろう。
インパルスやガンダムに似たツインアイをしたその機体…技量から見ても隊長機で間違いないだろう。なら、この機体さえ倒せば戦闘は終わる!
だが意に反して、すばしこく動き回る指揮官機は
「くそっ、数だけはごちゃごちゃと…うっ!」
ライフルで背後のウィンダムを撃墜したシンに向けて、敵の指揮官機からのビームが飛んでくる。それはシールドで受け止めたものの、そのまま接近されて蹴りをシールド越しに喰らった。
「こんな奴らに…!」
シンが体勢を立て直した時、突如として目の前を薄赤色の光が過ぎ去った。シンに照準を向けていたウィンダムがその光に貫かれて
「何だ…!?」
そして、インパルスのコックピットに鳴り響く
サイドモニターに黒い機体が映った。背部から緑色の粒子を放つ肩のランチャーが特徴的なモビルスーツ。
「ガンダム!?」
シンがそう叫んだ時、ガンダムのランチャーから放たれたビームがインパルスの左脚を
続く二射目はシールドで受け止めたものの、高威力のビームは対ビームコーティングされたはずのシールドをいとも簡単に破壊した。
〈シンっ!〉
アスランの
あわやというところで、セイバーが跳ね上げた両肩の
〈シン、ミネルバへ戻れ! 換装するんだ!〉
ガンダムもセイバーへ狙いを定めるが、アスランは機体を変形させて最高速度で砲撃を回避し、タイミングを見計らってはガンダムへ砲撃戦を仕掛けている。
「わかってる!」
アスラン・ザラに助けられた。
シンの中に
–––––––あんなやつに助けられて嬉しいものか!
そんな反発心がシンの中で渦巻くが、どのみち今の機体状況では足手纏いになるだけだ。
「ミネルバ、レッグフライヤー!デュートリオンビームを!」
ガンダムと戦うセイバーの姿をチラリと見て、シンはどこか複雑な思いを胸にその場を後にした。
▽△▽
「チッ、正義のテロリストさんの登場か…」
ネオはライフルを連射してザフトの紅い機体を追い込みながら、カオスと交戦するモノトーンの機体をチラリと
先程までザフトの新型と戦闘していたガンダムは、ネオ達がミネルバに向かおうとするや否や、即座にこちらへ砲撃を加えてきたのだ。まるで漁夫の利など許さないとばかりに…。
「そろそろ限界か…悪かったのは場所か時間か、どっちかな?」
残り少ないウィンダムがカオスとともにガンダムへ射線を集中させるが、まるで空中を舞うように全てを回避され、肩にあるランチャーが火を
それは立て続けにウィンダムを撃墜し、スティングのカオスをも追い詰めていった。
〈なんだっていうんだよ、オマエもっ!?〉
苛立ちのこもったスティングの声が通信越しにネオの耳に届く。かなり頭に来ているようだ。このストレスを除去するのは"ゆりかご"でも時間がかかるだろう。
「スティング!」
ネオはスティングを援護するためにビームライフルショーティーを放ったが、ガンダムは取り出した大剣でそれを防ぐと、そのままネオに向かって突っ込んでくる。
–––––––来る!
そう思ってビームサーベルを構えた時、ストライクEの右腕が根本から切断されていた。同時にガンダムの蹴りがストライクEを海面へ叩き落とす。
「–––––っ!」
ぐるぐると回転するコックピットが揺れる。
衝撃で口の中を切ったのか、
〈ネオっ!〉
だが、そんな時一筋のビームがガンダムの行方を
〈ネオ、大丈夫?〉
「ああ、助かったよステラ…」
モニターに映るステラへ微笑みつつ、ネオはその仮面の下で表情を曇らせた。
「なるほど、大した性能じゃないか。こりゃ、どうやっても敵いっこないぜ」
ネオはガンダムの力をその身で味わい、苦々しくひとりごちる。だが、すぐに悪びれない口調で決断を下した。
「ジョーンズ、撤退するぞ! 合流準備!」
既にウィンダムは全滅に近いだろう。少なくともガンダムと戦闘した機体は全機が撃墜された。ミネルバの方に向かった機体もザフトの新型相手にそう長くは持たなかっただろう。
作戦は失敗。
「アウル! スティング! ステラ! 終了だ。離脱しろ!」
その言葉にスティングは了承を、ステラは安堵をあらわにしたものの、これといった苦戦をしていないアウルだけが不満を示して通信を切った。
▽△▽
突如として動きの変わったアビスを前にして、フェイトは眉を
インパルスの他にザフトは新型機を二機投入してきたようであり、その情報の不透明さが一つの不安材料だったが、アキサムは撃退したらしい。
となると、フェイトも早いところアビスを無力化・撃退する必要があるようだ。
「………サードフェイズに移行します」
眼前でバズーカを構える白いザクの射撃を回避し、水中を難なく移動したアステリアがGNソードでその右腕ごとバズーカを切り離す。これでザクは水中での攻撃手段を失っただろう。
続いて、赤いザクを弄ぶかのように痛ぶるアビス目掛けて機体を走らせる。減衰すると分かっていても、GNソードをライフルモードにして粒子ビームを放てば、アビスは
「逃がさない!」
それよりも早くアステリアがGNブレイドを振り下ろす。アビスはビーム刃を消したランスで受け止め、
フェイトは、アビスの動揺した様子を感じとる。
先程まで自分の機動性が圧倒していたと考えたからだろうか。もしそうなら、それはソレスタルビーイングの作戦プランに騙されたというしかない。
今回のミッションは、この時代の最新鋭水中用モビルスーツの性能を確かめることも兼ねていた。優れた
だからこそ、フェイトは序盤アビス相手に様子見の戦闘を行っていたのだ。それを自分が優位に進めていると勘違いさせてしまったのは、相手がガンダムの基本性能の限界を知らないからだろう。
「…これでっ!」
アステリアの胸部にあるジェネレーターが
次の瞬間、アビスのランスがGNブレイドによって真っ二つに
そこまでして、ようやく自分の不利を悟ったアビスがモビルアーマー形態に変形させて水域を離脱していく。それを静かな目で見送った後、フェイトは機体をザフト軍艦ボスゴロフ級の元へ向かわせる。
まさかこちらに向かってくるとは思っていなかったのか、ボスゴロフ級はアステリアの接近に反応できずにおり、魚雷の一つも撃ってくることない。
「ターゲット、ロック」
使うのは、先程ザクが落としたバズーカだ。ザフトの武装は引き金を引くだけでどのモビルスーツでも使える機構を持っているので、当然ガンダムであろうと使うことができる。
「………ごめんなさい」
そうして、フェイトはバズーカの引き金を引いた。その弾速はノロノロとした遅いものだったが、不意打ちに近い攻撃だったため、それはボスゴロフ級の横っ腹に吸い込まれるように命中した。
小さく爆発し、煙を上げるボスゴロフ級だが、それでもまだ撃沈には至っていない。痛手を受けただろうが、すぐにカーペンタリアに引き返せば問題ないだろう。
そして、フェイトもこれ以上損害を与えるつもりはなかった。地球軍も撤退したようなので、これで今回のミッションも終了だろう。海中でのアビスの機動性は確かに厄介だった。できれば水中戦はもうごめんだと言いたいところだ。
爆発による荒々しい水流をもろともせず、アステリアは速度を落とすことなくその場を駆け去った。
>アビス
宇宙でも地上でも戦えて尚且つ、とんでもない数の砲門を持っている火力お化け。水中ではビーム減衰の上にVPS装甲で防御もバッチリという攻めも守りも可能な万能機。
顔のマスク部分が渋くて好きです。
>ウィンダム、ディンなど
描写はなかったが、画面外でガンダムやセイバー、インパルス、カオスなどに撃墜。
>アステリア
元がエクシアなので水中戦もできなくはない。けど、アビスに比べると水中での機動性や旋回性能は劣る。ただし、GNドライヴ搭載機なのでパワーや運動性能などが優っている。