【第一部完結】転生イノベイドのイオリア計画再生記 in C.E.   作:アルテミー

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fgoのデスティニーオーダー召喚で星5を5枚抜きしたので投稿します。

やはり、デスティニープラン(違う)は素晴らしい。
議長は正しかった!(違う)


閃光の牙

 

 

 ガンダムアステリアとガンダムセレーネが地上でアドゥカーフ・メカノインダストリー社に対するミッションのために出撃した後、ガンダムメティスとガンダムサルースを載せたクラウディオスは、プラント本国の裏側にあるラグランジュポイント–––––L4へと針路(しんろ)を取った。

 

 地上とは同時並行となる、久しぶりの宇宙でのミッションを遂行するためである。

 

 暗い宇宙を進むクラウディオスの先には、白銀に輝く砂時計の形をした巨大な建造物が存在した。プラントの規模にはとうてい及ばないものの、まとまった数のコロニー群が並んでいる。

 

 今、そのコロニー群に向かって、ガンダムサルースが発進していった。後ろにはクラウディオスが(ひか)えている。

 

『あれがL4の廃棄コロニー…』という感嘆(かんたん)のようなヴァイオレットの言葉と、『隠れるにはうってつけだな』と吐き捨てるようなバッツの声がサルースのコックピットにいるアキサムの耳に届いた。

 

 アキサムは操縦桿(そうじゅうかん)を握り、じっとL4コロニー群の姿を見つめていた。

 

「まさか…またここに来ることになろうとはな」

 

 開戦の頃から破損し、次々と廃棄コロニーと化していたこの場所を、かつてアキサムはザフト軍時代に調査したことがある。

 当時はテロ組織や海賊達が根城としていたこの場所だが、現在もていよく利用されているらしい。呆れたものだ。先の大戦でも三隻同盟にコロニー群の一部を利用されていたと聞くのに、ザフトは管理を怠っているのか?

 

〈旧ザラ派の面々はこのコロニー群を拠点としているはず。作戦開始は1400。対象は、私たちに敵対するモビルスーツ・施設……人員の全てよ〉

「了解。ガンダムサルース、アキサム・アルヴァディ…ミッション行動を開始する」

 

 クラウディオスから届けられたフブキの通信に応えると、アキサムは機体をコロニーへ加速させた。

 

 今回のミッションは、このL4コロニー群を在処とするザラ派を名乗るテロリストに対する武力介入である。元ザフト軍人が多く属しているということもあって危険度が大きく、先日ユニウスセブン落下事件を引き起こしたということもあって、ヴェーダはこの組織を優先対象と見做(みな)したようだ。

 

「…このタイミングで新装備。どうやら計画は想定以上に進んでいるようだ。これも世界の歪みと言うべきかね」

 

 こちらのミッション相手はテロリストだが、地上のフェイト達の介入対象は民間人も働く軍需工場だという。避難勧告は出すだろうが、少なからず犠牲(ぎせい)は出るはずだ。

 だが、それもソレスタルビーイングの理念からすれば当然の行為。これからも生半可な覚悟で戦い続けることは難しくなることだろう。

 

 元軍人で年長という立場からすれば、ガンダムマイスターの責任を負うには仲間達はまだ若過ぎるように感じてならない。ここまで来てもなお、できることなら引き金を引くのは自分だけでありたいという独りよがりな偽善もあるのだ

 

〈前方に敵モビルスーツ確認。接近してきます〉

「…了解」

 

 すると、コロニーの中から数機のモビルスーツが飛び出してくるのが見えた。彼等は旋回(せんかい)するように弧を描いて、真っ直ぐこちらに向かってくる。

 

 コックピットのコンピュータが接近する機体を照合してモニターに映し出した。

 

 ジンハイマニューバ二型が五機、ゲイツRが四機、ザクが三機。更にあれは…。

 

「おいおい、ありゃグフイグナイテッドじゃないか。正規軍にも正式配備されてないってのに、どっから持ってきたんだ」

 

 呆れたように呟くアキサムは、その軽快な口調に反して強く操縦桿を握った。

 

「やはり軍或いは軍需企業との癒着は明らかか……だがま、新装備の性能実験にはちょうどいい相手だ」

 

 アキサムはそう言ってニヒルに笑うと、機体を敵部隊に向かわせる。

 エースだろうか?–––––青色のグフがこちらの動きに勘付いて対応したようだが、既にもう遅い。

 

「ハッ! 行けよ、ファング!」

 

 アキサムがトリガーを引くのと同時に、サルースに装備された追加装甲であるスカート状のアーマーから、六つの(きば)(おど)り出ていった。

 左右に二つの刃を持つ槍頭(そうとう)のような金属の牙は、自在に宇宙を()かけ回り、目にも止まらぬ程の超高速で、瞬く間にジンを3機を(ほふ)った。かろうじて回避しようとした残り2機もGNランチャーで続けざまに撃墜させる。

 

 圧倒的な制圧力を見せた新装備のGNファングだが、それでも隊長機と思われるグフを筆頭に何機かは必死に食い下がっている。

 

「…ドラグーン対策はしている。流石はヤキンの生き残りと言ったところか」

 

 アキサムはレバーを引いて六つの牙を呼び戻した。

 槍頭が左右のスカートに三つ格納され、即座にGN粒子が充填(じゅうてん)される。

 

「…だかな、ファングはドラグーンとは一味違うぜ」

 

 アキサムに空間認識能力がないためにその性能をフルに引き出さないとはいえ、GNファングの性能は既存のあらゆる遠隔操作兵装を上回る。ドラグーンより素早く、ドラグーンよりも攻撃的で、ドラグーンよりも汎用性が高い。

 

「悪いがテロリスト相手に…手加減はしねぇぞ!」

 

 サルースのスカート部から、再び六つのGNファングが飛び出し、四方八方から残存部隊へ遅いかかっていく。

 忽ちそのスピードに圧倒され、(すき)を見せたゲイツRがその牙に切り裂かれ、宇宙の(ちり)となった。

 

 隊長格のグフイグナイテッドは、必死にスラスターを()かしながら、右腕からビームガンで応戦するが、無秩序に動くGNファングの軌道(きどう)に翻弄され、その光は(むな)しく闇に消えていった。

 

 そして、彼等に牙を()くのは決してGNファングだけではない。飛び交う光の刃の相手に精一杯な彼等の元に、GNバスターソードを取り出したガンダムサルースが近づいていく。

 

「切り裂くっ!」

 

 GN粒子の効果によって、この瞬間に重量が増加したGNバスターソードはグフが突き出したシールドを呆気なく切り裂き、その隙に背後のGNファングから放たれた光がグフのコックピットを貫く。

 

 続けて、隊長機をやられたことで動きが鈍くなった三機のザクをGNファングが襲う。そこにサルース本体からの追撃も合わされば、敵部隊が全滅するのにそう時間はかからなかった。

 

「敵迎撃部隊の沈黙を確認。続けて、セカンドフェイズへ移行する」

 

 道を阻むものが消えたことを確認し、GNファングを回収したアキサムは、機体をテロ組織の本拠地があると思われるコロニー内部へと向かわせた。

 

 

 

 

 

▽△▽

 

 

 

 

 ソレスタルビーイングが武力介入を再開したというニュースは、(またた)く間に世界中に広まった。互いに冷戦状態になっていた地球・プラント間において、それは大きな刺激を与える情報であった。

 

 それは、セイランが行ったクーデターによる混乱も落ち着き、カガリ・ユラ・アスハの元で纏まりを取り戻したオーブ連合首長国も同じである。今や大西洋連邦と同盟を結んでいるオーブにとっては、彼等の存在は無視できるものではない。

 

 たった一機でセイラン派のモビルスーツ部隊を壊滅させ、あのフリーダムとも互角以上に渡り合ったガンダムという刃が、いつ自国に振り下ろされることになるのか、皆口にせずとも(おび)えていたからである。

 

 荒れに荒れた議会を終えたカガリは、弟のキラやマリューが暮らす屋敷の一室に集まっていた。

 

「ソレスタルビーイングが宇宙で武力介入を行っただと?」

 

 カガリは、キラへ視線を向けつつ()いた。

 ソレスタルビーイングに関する新たな情報が、ラクスとキラを通じて、プラントに向かったラクス達"クライン派"の面々から届けられたからである。

 

「うん、そうみたい」

「場所は?」

 

 カガリはすぐに訊き返した。今はすぐにでも多くの情報が欲しかったからだ。

 

「L4のコロニー群。どうやらザラ派を名乗る武装組織が根城にしていたみたいだけど…」

「ガンダムの武力介入で組織は壊滅。コロニー内の施設は全て破壊されたみたいよ」

 

 ザラ派…詳しくは知らないが、聞いたことがある。

 今は亡きパトリック・ザラの意思を継ぎ、強硬(きょうこう)路線を主張してザフトを脱走した人員で構成されたテロリスト。先日のユニウスセブン落下事件も彼等が起こしたことらしい。

 

 だが、そんな彼等もたった一機のガンダムの武力介入で壊滅し、その思いを果たすことなく消えた。

 

「…当然、生存者はなしか」

「詳しくはザフトが調査しているそうだけど、その可能性が高そうね」

 

 相手がテロリストとはいえ、アスランを通じてパトリック・ザラという人物を知るからこそ、彼等の命が奪われたことに関するやるせなさは感じる。

 

 だが、それはカガリ達が気にしていても仕方のないことである。

 話題を変えるためか、キラはカガリに逆に()いた。

 

「それで、カガリ…地上の方はどうなの?」

「あぁ…聞いての通りだ」

 

 カガリが顔を向ける。

 

「ユーラシア北側の軍需工場を二機のガンダムが襲撃。まだ正式な発表はされていないが、300名以上の従業員が死亡したらしい」

 

 そう説明し、備え付けのテレビの電源を付ける。

 どのチャンネルもソレスタルビーイングのニュースを放送しており、チャンネルを変える必要すらなかった。

 

 ニュース画面では、戦場…いや、襲撃場所となったアドゥカーフ・メカノインダストリー社跡地にて、亡くなった従業員の家族と思われる人々が取材に答えている様子が映し出されている。

 

 答えているのは、おそらく奥さんだろう。隣にはまだ小さく幼い子供もいた。涙を浮かべる母とは対照的に、まだ事態を理解できておらずに不思議そうに跡地を見つめている。

 

 ソレスタルビーイングへの憎しみすら感じさせる妻の悲しみの叫びは、見る人の心を打つ。それはカガリたちのよく知る、大切な人を奪った理不尽への怒りの叫びだった。

 

「…シン」

 

 その姿が、ついこの間ミネルバで出会った紅い瞳の少年を思い出させる。彼もこのような思いをしたのだろう。理不尽に家族を奪われた。このオーブの地で。自分の父の決断によってだ。

 

 そのことが国家元首として重く肩にのしかかり、カガリは顔を()せ、思うところがあるだろうキラも(うつむ)いた。

 

「……酷いものだな」

「ええ」

 

 カガリがボソリとそう言い、マリューはそれに頷いて答えた。

 

 ニュースはそれだけでは終わらず、とても大企業の工場があったとは思えない破壊跡や入院中の大勢の負傷者などを放送し続けた。テロップには『極悪非道、ソレスタルビーイング』と振られており、世間が彼等の行動を批判していることが分かる。

 

「オーブは…」

 

 キラはそっと言葉を挟んだ。全員の視線が彼へと集まる。

 

「オーブは、これからどうしていくつもりなの?」

 

 その言葉に、カガリはすぐに答えることができなかった。それは、カガリ自身もずっと考え続けていることだったからだ。

 

「それは…まだ分からない。連合もプラントもまだ動きはないようだし、今の私たちは自由に動ける立場にないからな」

 

 立て直したといっても、オーブはかなり危うい状況にある。他国の侵略を防ぐこともできないし、自国を守るための兵力も足りていない。下手に行動に出てソレスタルビーイングの介入を招けば、今度こそタダではないすまないという確信があった。

 

「僕は…やっぱりラクスが心配だよ」

「キラ君…」

 

 カガリと違って、キラ達は屋敷で待機していることが多かった。元首の弟といっても、カガリ以上に政治に疎いキラ達が議会でできることなどないし、戦いが好きではないキラを軍に所属させるということはカガリがしなかった。

 だが、それは弟の現実への無力感を引き立てるだけだったようだ。

 

「…分かった。合流の手筈は整えておこう。勿論、向こうとの連絡が取れればだが」

「ごめん、カガリも忙しいのに」

「気にするな。私にできるのはこの程度だからな」

 

 カガリはそう言って自嘲するように笑った。

 実際、政治に関しては議会員におんぶに抱っこな現状だ。カガリなりに勉強は重ねているのだが、この激動する世界では付け焼き刃の政治知識は通用しそうにない。

 ならばせめて、国民の…家族の助けになりたいと思う。それだけは間違っていないはずだから。

 

 すると、部屋の扉が開いてキサカが入ってきた。

 

「カガリ、大西洋連邦からの連絡だ。通信越しだが、これからのことについて同盟国として会談したい…と」

「…来たか」

 

 どうやら事態は進み始めたらしい。

 若き政治家、オーブの姫獅子カガリ・ユラ・アスハにとっては、これからが正念場だ。オーブの未来がかかっている。

 

「そういうわけだ。すまないが、私はここで」

「ええ、カガリさんも頑張って」

「ありがとう、カガリ」

 

 仲間たちの応援に心温まる物を感じながら、カガリは屋敷を後にした。

 

 

 今、まさに世界は変革を迎えようとしている。

 本人達が望もうにも望まないにも、その大きな唸りの中に、オーブ連合首長国も少しずつ飲み込まれようとしていた。

 

 そこに革新を促す者の介入があったとしても…。

 





>GNファング
まんまスローネツヴァイなものです。搭載数も同じ。
アキサムに空間認識能力や脳量子波がないため、AI操作となっております。

>極悪非道のソレスタルビーイング!
遺族たちの悲しみなどは本当。
これは00本編前半の絹枝の取材内容で分かるように、刹那たちも同じようなことをやっている。

ただ、レクシオがヴェーダを使ってソレスタルビーイングの悪側面を強調して伝えているということも事実。
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