【第一部完結】転生イノベイドのイオリア計画再生記 in C.E. 作:アルテミー
色々な人から応援のメッセージでやる気回復!
なるべく早くの更新を心がけたいですね…!
どうでもいいですが、作者はイザークが好きです。
ザフト・連合同盟軍によって行われることとなったガンダム殲滅作戦。
その名も『エンジェルダウン作戦』
まさに天上の存在かの如く好き勝手、天罰という名の刃を下してきた
まだ公表はされていないが、今回の戦果次第では世界国家で正式に認められることになっている。既に地上では連合軍がその新型機の性能を遺憾なく発揮し、ガンダムの撃退に成功しているため、次のステージは宇宙。ソレスタルビーイングに相対するのは今まで苦渋を飲まされてきたザフト軍。
ただし、今までと異なるのはこれまで一方的に武力介入を受けていたザフト側が、初めてソレスタルビーイングに対して攻勢を仕掛けるということだろう。
投入されたモビルスーツは全部で30機。そのうち13機が擬似太陽炉を搭載した新型モビルスーツ。
今まで詳細不明だったソレスタルビーイングのスペースシップへの奇襲。擬似太陽炉を積んだ機体を13機も使ったザフトならではの電撃作戦が今、天上の存在に牙を剥こうとしていた。
▽△▽
ソレスタルビーイングから裏切り者が出たことによって、世界はガンダムに対抗し得る新型のモビルスーツを手に入れた。それが世界に与えた影響は非常に大きい。
地球連合・プラント共に対ソレスタルビーイングに向けての同盟を大々的に宣言し、ジブラルタルでの戦闘を嫌というほど報道している。ザフトのピンチに連合が駆けつけるという光景は、見る者にその認識を強く与えた。
そんなこともあり、世論の熱気も彼等の行動を後押ししている。世論というのは移ろいやすいものであり、皮肉なことに今や完全に対ソレスタルビーイングに向けて世界がまとまっていた。
先日の勝利で勢いついている同盟軍。
遠からず、彼らは
その可能性をガンダムマイスターであり、前線指揮を
(…状況からみて、ヴェーダのシステムを何者かが利用しているのは確実……ヴェーダが使えない…それどころか敵に回るなんて、最悪ね)
どう言い
ヴェーダが使えないだけならまだしも、敵に回るなどどうやっても人間の頭では太刀打ちできない。
どんなに
そこに、ガンダムマイスターの一人、アキサム・アルバディが現れた。
よう、と軽く手を挙げてブリーフィングルームに入ってくる。
「悩みごとかい?」
「アキサム……ええ、そうね。私は不安なのよ」
「気持ちは分かるがあまり考え過ぎるなよ」
アキサムは床面モニターに目を向けた。先日の、ジブラルタルでのガンダムとジンクス部隊との戦闘映像が流れている。
「…フェイトのこと、聞いたろ?」
フェイト・シックザール。
その本名、マユ・アスカの実の兄であるシン・アスカがミネルバのエースパイロットであったということは、彼女の身元引受人であり、他のクルーよりワンランク上のヴェーダへのアクセス権を持つフブキだけが知り得た秘匿情報である。
急に様子のおかしくなったフェイトを怪しんだフブキが彼女を尋ねたところ、ヴェーダへのアクセス記録から真実が明らかになったのだ。
「えぇ、まさか敵に……ザフトにお兄さんがいたなんて」
それを聞いた時、色々な感情がせめぎ合ってフブキは頭痛で倒れそうになった。生き別れの兄弟の巡り合わせに思わず神を恨んだとも。
「確かミネルバのデスティニー……だったよな。そうなると、アイツは今まで」
「…お兄さんと殺し合っていた、ということになるわね」
考えるだけでも
似た例を挙げれば、フブキは幼馴染のアスランと、アキサムは昔の部下であるハイネ等と刃を交えているが、彼等は片や軍人で片や組織の人間として覚悟を決めた者である。
それに対して、互いに互いが血を分けた肉親となると、いくらガンダムマイスターとはいえまだ14の少女が受けた衝撃は相当なものだろう。
「本人は大丈夫なんて気丈に振る舞っているが…」
「…次にミネルバと対面するようなことがあれば、フェイトは後方へ下げるわ」
出撃させない、とは言えない。
今はどうにも戦力が足りず、そんなことをしている余裕はないからだ。
それでも、フブキは兄妹同士の殺し合いなど見たくはなかった。
「それに……言ってもフェイトは聞かないわ」
そもそも、戦いをやめるなんて選択、彼女自身の中に残っていないのだろう。
あるのは戦うか戦争をなくすかの二つだけ。
だからこそ、今まで奪ってきた命と戦争根絶への信念、それと家族への情。その二つに彼女は苦しめられている。
「くそっ、これだから運命ってやつは」
「これが戦争なのよ、きっと…」
思い返せば、あの日の少女の姿が脳裏に浮かび上がる。
フェイトに初めて出会ったのは
組織にあんな少女が入ると聞いた時は誰もが反対した。戦う者にしては若過ぎるし、幼過ぎる。フブキがガンダムマイスターに現れた時でさえそんな空気感はあったが、フェイトの場合は段違いだ。
だが、それでも身に
だからこそ、フブキは人一倍フェイトのことを気にかけている。既にない家族の代わりなのか、単純な仲間意識の強さなのかはわからない。ただ、仲間/彼女を守りたいという思いはハッキリとしていた。
「とにかく、何かあればすぐにフォローに回るわよ」
「当然、任せな。そっちは今まで通り俺が引き受けるさ」
その時、ブリーフィングルームの
シエルはアキサムとフブキな姿を確認すると、
〈ブリッジから連絡だ。索敵にザフト艦の反応が感知されたらしい。襲撃の可能性がある…!〉
「了解したわ。マイスターはガンダムに搭乗してコンテナで待機。今回は私も出るわ。あらかじめ作成したミッションプランがあるから、ウェンディに伝えておいて」
〈了解!〉
フブキの返答に、シエルが通信モニターを切ろうとした時、アキサムが言葉で
「フェイト」
〈………!〉
「フェイト、これだけは言わせてくれ。状況が悪い方に流れている今だからこそ、四機のガンダムの緻密な連携が必要になる」
いつも通りの無表情に見えていても、アキサムにはその奥に覗く戸惑いの感情が感じ取れた。
「…大丈夫なんだな?」
〈………うん〉
念を押してそう聞けば、フェイトはその問いに暫くを間を開け、深く頷いた。
「ならば、よし…!」
そう言い、今度こそ通信を切る。
そうして、フブキに向かってフッとカラッとした笑みを浮かべた。
「そういうことだ。これからのことにしろ、フェイトの兄貴のことにしろ、まずはここを生き残ることを考えようぜ」
「…ま、それもそうね」
フブキもおどけるような笑みを返し、己が機体の元へ向かった。
多くの不安はあるが、それでも仲間たちを信じて……いつものように、戦いの場所へ。
▽△▽
己の隊の旗艦であるナスカ級高速戦闘艦"ボルテール"の
その専用の白色のパイロットスーツの胸元には、選ばれし者である証–––––––フェイスの紋章が象られている。
そう、彼ことイザーク・ジュールは今作戦に赴くにあたって司令部からフェイスの資格を受け取っていた。これは異例の措置である。
確かにイザークは優れた能力を持つコーディネーターだが、特段目立つ戦果を上げたわけではなければ、アスランのように議長に便宜をはかったわけでもない。
あくまでこれは、対ソレスタルビーイングに向けて戦場での独自行動を許可する為の便宜的な措置であり、イザーク自身もそのように受け止めている。
ガンダムを相手にし、場合によっては地球軍との共闘もあり得るこの状況。混乱するであろう戦場を予測したのか、今回の作戦はイザークを含めた3人のフェイスが指揮を取ることになっている。
一人はイザーク。二人目は後方で艦隊指揮を取るオイゲン艦長。
そして、三人目が……。
〈よう、イザーク。久しぶりの実戦だそうだが、勘は取り戻してきたか?〉
「フン、
言ってくれるなぁ、後輩…と笑うのは三人目のフェイスであるハイネ・ヴェステンフルス。
フェイスとして地上でミネルバでアスランと共にガンダム調査任務についていた彼は、ガンダムとの戦闘で負傷し、本国で治療を受けていたのだが、つい先日身体が完治。その後、かつてのヴェステンフルス隊を率いる形で急遽本作戦に参加が決まったのだ。
「それで、お前は例の新型に乗らなくてよかったのか?」
〈ん?〉
「申請すればGN-Xが配備されただろうに……ワンオフ機とはいえ既存の機体で戦えるのか?」
ここからは伺い知ることはできないが、
地上ではシン・アスカなるミネルバの若き新エースが搭乗していたらしいが、このGN-Xが配備された現在ではガンダムに一歩及ばないデスティニーの優先度は僅かに低い。
エース用に配備されたGN-Xにも関わらず、それを受け取らないハイネのことをイザークは不思議に思っていた。
そんなイザークの問いを、ハイネは笑って一蹴する。
〈別に理由なんてないさ。強いていうなら、せっかく俺専用にカスタムされたなら使わない手はないってだけだ……シンのこともあるしな〉
「何か言ったか? まぁいい。今回の部隊員で一番ガンダムとの戦闘経験があるのはお前だからな。アテにさせてもらうぞ」
〈ハハ、じゃあ期待に応えるとしようか。ザフト一と呼ばれたヴェステンフルス隊の力、見せてやんよ〉
そう言うと、ハイネは通信を切った。
きっとフェイスとして軍人として先輩である彼なりに、まだ若輩のイザークを気遣っての言葉だろう。部下である親友であるディアッカに堅物と呼ばれるイザークにはできない芸当だ。
「あれがハイネ・ヴェステンフルスか…アイツ等をおもいだすな」
名前はよく聞いていたが、彼が特務隊所属ということもあって直接会うのはこれが初めてである。しかし、イザークはどこか懐かしい感覚を抱いていた。
それは、その気さくかつフレンドリーな態度がかつてのミゲル・アイマンやラスティ・マッケンジーを思い出させるからだろう。既に戦死してしまった二人だが、共に赤服でアカデミーを卒業した同期は勿論、何かと面倒を見てくれた先輩を忘れることは永遠にない。
死んでしまった二人。そして、ニコル。
彼等の思いを継ぐ意味でも、イザークはプラントを守るために戦い続けると、ディアッカと共に三人の墓の前で誓ったのだ。
イザークが僅かな
〈隊長、全機出撃準備完了いたしました〉
部下であるシホ・ハーネンフースからだった。イザークはすぐに身を引き締め、通信を部下全員と繋げて対応する。
「了解した。ヴェステンフルス隊の発進後、我らも出撃する。相手はガンダムだ、死にたくなければ一ミリたりとも油断するなよ! いいな!」
〈〈〈ハッ!〉〉〉
気の緩みなど欠片も感じられない様子の部下たちに頷き返し、イザークは射出口から覗く暗黒の宇宙を睨むように見つめる。
そして、オペレーターから届けられた作戦開始の合図と共に機体をカタパルトから発進させた。
〈リィン・ジンクス ジュール機、発進どうぞ〉
「こちらシエラ・アンタレス・ワン。ジュール隊イザーク・ジュール。出るぞ!」
それから、機体の一部をオレンジ色に染めたヴェステンフルス隊––––––オレンジショルダーの発進に合わせ、イザーク率いるジュール隊もボルテールから全てのモビルスーツが発進した。
狙うは天より見下す天上の天使。
漆黒の宇宙に赤い光が尾を引きながら飛び出した。赤い彗星のように真っ直ぐと。
>ハイネ&イザーク、ディアッカ
久しぶりの再登場!!
特にハイネはあの幻の専用機を引っ提げて戻ってきました。オレンジショルダーとの荒熊並の連携プレイをご期待ください。
>本作品について
低評価の方にありがたいアドバイスをいただきました。
どうにも、本作には特別ここが不快と言ったところはないそうなんですが、逆に面白い、続きが気になるっとなるようなインパクトが足りないそうです。
私はまともに小説書くのはこれが初めてなので、両作品のバランスを気にしすぎたのかもしれませんね。後半では面白くできるように頑張るからよろしくお願いします。
…とまぁ、暗い話はここまで。
次回は半年?ぶりの戦闘回。今まで長々と会話回ばっかりですみませんでした。
どうぞ、ザフトのトップガンvsガンダムマイスターの熾烈な戦いにご期待ください。