【第一部完結】転生イノベイドのイオリア計画再生記 in C.E.   作:アルテミー

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映画パワーで更新の筆が進む進む。
早く種自由のキャラ出したいし、機体も出したい。



運命と自由と

 

 

 

「ハイネがやられただと…?」

 

 ハイネからの撤退の通信にイザークは驚愕の声を上げた。

 正確にはやられたのはハイネではなく部隊員なのだが、隊を率いる者として部下を死なせた時点で自身の敗北も同じである。

 とはいえ、自身よりも先輩かつ"フェイス"の称号を持つあの男がそう簡単にやられるなど(にわ)かには信じられなかった。軽薄かつ気さくな態度に隠れているが、彼の実力はかつてザフトでも随一と言われた自分たち旧クルーゼ隊の面々にも負けず劣らずである。

 

 そのハイネが撤退に追い込まれたということにジュール隊の面々にも動揺が走る。

 

「馬鹿者! 動きを止めるな!」

 

 GNドライヴを搭載した機体同士の戦闘では動きを止めることは死に繋がる。案の定、油断なくこちらを狙っていた羽付きのガンダムによるビームが部下の一人へ着弾し、左肩を(くだ)いた。

 すかさずイザークとディアッカでフォローに入り、ガンダムを後退させる。

 

〈おいおい、イザークどうするよ。このままじゃ、流石にこっちもヤバいぜ〉

「分かっている!」

 

 ハイネが撤退したため、手が空いたガンダム二機がこちらへ迫っている。しかもその内の一機は異常な速度だ。一分も経たない内にこちらへ到達してしまうだろう。

 

「くそっ、なんだってようやくエターナルと合流した時に…!」

 

 背後に控える桃色の装甲色の戦艦を見ながら、イザークは悪くなっていく状況に歯噛(はが)みする。最初はこちら優位の戦況だったはずだが、エターナルの登場や敵ガンダムの新システムなどの予想外の出来事に状況は滅茶苦茶だ。

 

 イザークとしても何とかしたいところであるが、会敵している朱色のガンダムがジュール隊を押し留めているせいで思うように動けない。撃退しようにも可変機構を持つガンダム相手に致命傷を与えるのは難しく、逆にこちらもやられるわけにはいかないため、ただただ膠着(こうちゃく)状態のまま時間が流れゆくのみ。

 

「くっ、どうすれば…」

〈イザークっ!!〉

「っ!?」

 

 ディアッカの叫びに思わず機体を動かせば、眼前を巨大な粒子ビームが通り過ぎていった。狙ってきたのはいつの間にか装備を新調したらしい狙撃型のガンダム。少しでも回避が遅れれば、イザークらはあの光の束の中に消えていただろう。

 

 だが、彼等の間に自分が助かったなどという安堵の思いは全くない。むしろその逆、何せイザークらの背後にいるのは……。

 

「しまった! エターナルがっ!」

 

 イザークが回避したことで放たれたビームは背後にいたエターナルへと一直線に進む。あの威力の粒子ビームにはアンチビーム爆雷や並の装甲など意味をなさず、簡単に(つらぬ)かれてしまうだろう。

 

 イザークの声にならない叫びが喉元まででかかった時、視界の端から青色の"何か"が飛び込んでくるのが見えた。

 

「なんだ…?」

 

 疑問に思ったのも一瞬、その何かから分離した小さな物体––––––おそらくはドラグーンがエターナルの前面に飛び出した。

 数にしておよそ三。展開されたドラグーンからビームが放たれたかと思うと、それは三角の形を描いてフィールドと化し、真空を突き進んだ粒子ビームはエターナルの直前で見えない壁にあたったかのように弾かれた。

 

 そして、そのまま青色の何か…光の翼を展開したモビルスーツがエターナルの前で守るように立ち塞がる。あれはデスティニーではない。その姿に変化あれど、イザークやディアッカにはすぐに分かった。

 

 だからこそ、()()()の登場にイザークとディアッカはこの不利な状況で笑みを浮かべたのだ。

 

「遅いぞ、"フリーダム"!!」

 

 ラクス・クラインを狙った怒りを表すようにガンダムの持つ狙撃ライフルを狙い撃ったフリーダムは、その光の翼でエターナルを包み込むように(たたず)んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽

 

 

 

 

 

 

 ––––なんとか間に合った。

 

 守り切ったエターナルをバックにキラはホッと息を吐いた。

 守り切ったと言っても桃色の装甲のあちこちは傷だらけであり、左方部に取り付けられていた"ミーティア"は被弾したのかパージされている。

 だが、それでもなんとか最後の一撃だけは防ぐことができた。

 

〈フリーダム…キラかっ!?〉

「バルトフェルドさん! よかった!」

 

 エターナルからの通信。

 モニターには別れてから(しばら)くの"砂漠の虎"ことバルトフェルドの姿があり、その背後にはキラが一番意識して止まなかった大切な存在がいた。

 

「ラクスっ!」

〈キラ!〉

「……また、話そう。絶対にっ!」

 

 随分と久し振りに見た彼女(ラクス)の笑顔。

 ただそれだけでキラは彼女を守るために戦える。例えそれが望まない、苦しみの中にある戦いだとしても。

 

「エターナルは後退を。ここは僕と……ザフトの方々で抑えます!」

 

 オーブでの出来事からは信じられないことだが、今状況的にザフトは味方らしい。現に例のGNドライヴ搭載機やザク、グフと言った機体はエターナルを守るようにガンダムと交戦している。

 

 ならば、自分もそのように(なら)うまで。

 キラは展開していた"スーパードラグーン"を回収し、機体をガンダムの方へと向かわせる。

 

 現在キラが搭乗している"ストライクフリーダム弐式"は、あくまで旧フリーダムの改修機という立ち位置であったストライクフリーダムをエリカ・シモンズを始めとしたモルゲンレーテの技術者が更なる改良と最新技術を加えて完成させた新型機体だ。

 急遽(きゅうきょ)もたらされたGNドライヴ関係の技術は使われていないものの、これまで最新鋭とされたザフト製のデスティニー等の開発ノウハウも生かされ、今現在の非GNドライヴ搭載機としては破格の性能を誇る。

 

 だが、それだけに通常の機体よりも操縦に難があり、キラでしか本領を発揮することができず、ある意味でのワンオフ機としての側面をより強くしている。

 流石にガンダムには及ばないとエリカは語っていたが、それでも向上した機体性能はキラの操縦についてきた。

 

「これ以上…いや、ここで!」

 

 戦いをやめろ、とは言わない。

 戦いを仕掛(しか)けたのはザフトであるが、その相手であるソレスタルビーイングは私設武装組織のテロリスト。いかな思想であれ、彼等による被害が出ている以上、軍としては動かない理由はないのだろう。

 

 キラとしてはそれに異議を唱えるつもりはない。

 確かに戦闘が起こり、人が死ぬのは悲しく、辛いことだが、自分一人の力では何も守れないことを先の大戦で思い知らされたから。

 結局、大局(たいきょく)に影響を与えられるのは自分のような突出したモビルスーツパイロットではなく、(カガリ)やラクスのような指導者なのだろう。

 

 それでも、キラは銃を取る。

 大切な人を守るため。例えザフトと協力してでも。

 これは平和のためでも世界のためでもなく、(まぎ)れもない自分自身の願望だ。

 

「ここは絶対に通さない!」

 

 フリーダムの機動兵装ウイングから再び"スーパードラグーン"が射出された。それらはガンダムの無線遠隔兵装には及ばずとも、キラの空間認識能力に従って複雑な軌道を描きながらもガンダムを襲う。

 先程の攻撃で主兵装の狙撃ライフルを失ったガンダムは全身にGN粒子によるバリアーを展開しながらも、バルカンで迎撃を行なっているが、その間にキラは敵の懐に迫っていた。

 

「至近距離なら弾を弾かれても!」

 

 四方八方から放たれるドラグーンによる攻撃に加え、至近距離からのレールガンの一撃がガンダムへ直撃。流石の防御力というべきか装甲にダメージはみられないが、爆発による衝撃で吹き飛ばすことには成功した。

 

 その隙にビームサーベルを抜刀し、敵の無力化へ向かうと、敵のガンダムもサイドアーマーから取り出したサーベルで防ぎ、両者は(つば)迫り合いとなる。

 

 だが、その時フリーダムのコックピット内にて警報音(アラート)が鳴り響く。キラが反射的に機体を後方に下げると、その場所をいくつもの粒子ビームが通り過ぎた。

 

「モビルアーマー…っ!」

 

 キラを狙ったのは青と白を基調としたモビルアーマーだった。反撃によるビームを放つが、やはり展開されるフィールドを突破することは叶わず、逆に多数のミサイルが放たれる。

 

 すかさず放たれたミサイルをマルチロック。"スーパードラグーン"、腹部ビーム砲、ビームライフル、レールガンによるフルバーストによって全てを撃墜するが、今度は逆にガンダムがビームサーベルを片手に迫ってきていた。

 フリーダムはフルバースト体勢のままであり、例えパイロットのキラが攻撃を認識したところで機体が追いつかない。

 

(避けられないっ!?)

 

 サーベルで防ぐか、ビームシールドを展開するか。

 キラが思考を巡らせた時、一筋のビームがガンダムの行く手を(はば)んだ。

 続いて、後方から放たれた複数の粒子ビームがガンダムを牽制(けんせい)し、後退させる。

 

 キラの危機を救ったのはザフト所属の二機のGN-Xだった。

 

〈何をやっている"フリーダム"! とっととエターナルの護衛に移れ!〉

「あ、えっと……イザークさん?」

 

 怒声と共にモニターに映ったのは、ザフトのパイロットスーツに身を包んだ銀髪の端正な顔立ちの青年、イザーク・ジュール。

 思い出すのに時間はかかったが、確か元"デュエル"のパイロットでアスランの同期で仲間だったザフト軍人だ。

 

〈まぁ、そうかっかするなよイザーク。ガンダムは俺らが相手するから、お前はエターナルの護りを頼むって素直に言えばいいじゃんか〉

〈ディアッカ、貴様!〉

 

 そう言って気さくな態度で割って入ったのは、会うのが終戦以来となるディアッカ・エルスマンだった。ザフトに復隊したと聞いていたが、まさか対ガンダム戦に参加しているとは…。

 

「ディアッカ…」

〈お久し。ま、そんなわけでここは俺たちが抑えるから、お前はさっさとお姫様んとこへ行けよ〉

 

 イザークやディアッカだけじゃない。ザフトのモビルスーツ部隊は皆キラとエターナルを援護するようにガンダムを牽制(けんせい)している。迅速かつ(たく)みな連携だ。

 

「…ありがとう!」

 

 そう言うと、キラはフリーダムをエターナルの方へ戻した。

 狙撃型と可変型のガンダム、及び支援機と思われるモビルアーマーは追ってくることはなく、それぞれイザークらの部隊との交戦に集中したようだ。或いは彼等にもキラとフリーダムを相手する余裕まではなかったのかもしれない。

 

「ラクス、もう少し待っててね」

〈キラ…〉

 

 今すぐにでもエターナルへ着艦してその身を抱きしめてあげたいが、状況がそれを許してくれない。情報では今のエターナルにモビルスーツは積んでいないとのことだし、モビルスーツ一機通すだけでも致命傷となる。

 キラは歯痒(はがゆ)く思いながらも戦闘宙域を離脱するまではと、桃色の戦艦の横部でその姿を見守った。

 

〈戦闘宙域離脱まであと距離150。あと少しだ!〉

 

 バルトフェルドからの通信が聞こえる。

 既にイザークらとガンダムの戦闘宙域からは距離を取っており、ザフトがガンダム殲滅からエターナルの離脱へ主目的を移したことで、なんとか被害は(まぬが)れていた。

 

 このままゆっくりとは離脱できれば…と考えていたキラの頭に鋭い痛み–––––敵意のような感覚が走った。

 

「敵っ!」

 

 次の瞬間、コックピットに鳴り響く電子警告音(アラート)と共に一筋の粒子ビームが飛び込んできた。

 

 すかさずビームシールドを展開して防ぎ、連結したビームライフルを向ける。

 その先には、赤色に発光し、残像が見えるほどの速さでこちらに接近するガンダムの姿があった。

 

「君は…!」

 

 あのガンダムはオーブ近海にて剣を交えた機体。

 しかし、その赤い輝きは初めての光景であり、データにもない。とても通常の攻撃では(かす)らせることもできない為、キラは素早く背部の"スーパードラグーン"を射出した。

 同時にドラグーンの抜けたウイングスラスターから光の翼––––––"ヴォワチュール・リュミエール"を展開することでフリーダムの加速スピードと機動力を強化させる。

 

「くっ、早いっ!」

 

 それでもガンダムの速度には到底及ばない。

 放たれるドラグーンの攻撃は一射たりとも(かす)ることなく、粒子ビームを放ちながら真っ直ぐこちらへ向かってきている。

 キラはそれをビームシールドで受け止めながらも回避に専念。背後からはエターナルの援護も行われているが、焼け石に水と言わざるを得ない。

 

〈キラ!〉

「エターナルは一刻も早く離脱を。ここは何としても僕がっ!」

 

 不安げなラクスの言葉もよく聞こえない。

 極限の集中状態の中、ついにガンダムとの距離が敵の近接武器の有効範囲に入った。

 

 振り下ろされるビームサーベル––––––––はおそらくブラフ。サーベルによる攻撃を防いだキラは己の勘に従って機体背後からの攻撃に備えて機体を強引に動かす……が。

 

「追いつけないっ!?」

 

 だが、赤き輝きを放つガンダムはその更に上を行った。ビームサーベルを伸ばしたフリーダムの右腕が(なか)ばから断ち切られ、頭部に蹴りを入れられる。

 

「これは…」

 

 すかさずドラグーンによる攻撃によってそれ以上の攻撃を阻止するが、不利であることに変わりはない。ガンダムは四方から放たれるビームを簡単に回避しつつ、フリーダムへの追撃を狙っている。

 

 まさかガンダムがあれほどの機能を隠していたとは…。

 

 やがてガンダムは両手にビームサーベルを持ち、再びフリーダムへ接近戦を仕掛けてきた。運動性能で負けている上に片腕しかないこちらは圧倒的に不利。

 

 –––––––やられる!?

 

 そう思った時、ガンダムの赤い輝きが消えた。

 同時に視界がスローモーションのように遅くなり、ギリギリでガンダムの刃を回避する。胸部を浅く傷つけられたが、コックピットにはなんの異常もない。

 その後も返しの刃が振るわれたが、その攻撃は先程に比べて動きが鈍く、キラは余裕を持って距離を取った。

 

「時間切れ? それとも…」

 

 あの機能には時間制限があったのか、ガンダムの超次元的なスピードは()りを潜め、動きが鈍くなっている。先程までは簡単に回避していたドラグーンによる攻撃に手間取っている様子であり、明らかな性能の低下或いはパイロットの疲労が見られた。

 

 それでもガンダムはしつこくフリーダムに追い(すが)ってくるが、鈍くなった動きではキラへ致命傷を与えることはできず、かといってキラの方もドラグーンだけでガンダムを墜とすことはできなかった。

 

 そんな膠着状態からしばらく、戦闘しつつ宙域を離脱しつつあるキラの元にエターナルからの通信が届く。

 

〈キラ、宙域から離脱したぞ。お前も早く戻ってこい!〉

「…はい!」

 

 抱く疑問は多いが、助かったのは事実。

 これ以上、ガンダムと戦闘を続ける理由もない為、キラは一度だけ動きを止めたガンダムを見つめた後、エターナルのある宙域へ機体を(ひるがえ)した。

 

 ガンダムはそれ以上追ってくることはなかった。

 

 

 

 

 





>ストライクフリーダム弐式
映画に先駆けて登場。
ドラグーンでビームバリアも展開できるし、基本性能も向上している。
トランザム状態のガンダム相手にはどうしようもないが、通常状態のガンダムとなら負けない程度に戦うことができる。

>キラとイザーク
お互いに名前だけは知っているが、面識はなし。
ドラマCDでもさん付けだったので、それに倣う。

>キラvsフェイト
流石にトランザム状態ではフェイトが圧倒的に有利。
ただ、第3世代機のトランザムの限界時間は短い上に中断できないことが勝負の明暗を分けた。



□劇場版キャラについて
・新キャラや機体の強さ
個人的に新キャラで圧倒的に強いと思ったのはシュラ。機体性能で優っていたとはいえ、あのアスラン相手に近接で腕を奪ったのはかなりの快挙。ジャスティスinアスランの無傷伝説を破ったのは大きい。

マイティストライクフリーダムの強さは今のところ考え中。流石にクアンタやダブルオーライザー(トランザム)などには及ばないだろうが、並の太陽炉搭載機なら圧倒できそうな雰囲気はある。設定資料待ち。

ブラックナイトスコードの機体群に関しては擬似太陽炉を乗っけても違和感ない見た目なので助かる。ただでさえ(作画のせいもあって)トランザムみたいな動きしてたものだから親和性は高そう。


ちなみにアルバート・ハイライン君にはビリーもびっくりな活躍させられそう。トランザムシステムは勿論、ツインドライヴまで辿り着きそうな恐ろしさがある。
流石はノイマンと並ぶC.E.の二強有能。種編からいたかなような安心感だ。





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