【第一部完結】転生イノベイドのイオリア計画再生記 in C.E. 作:アルテミー
SEED二次の人気がすごい。
インパクトの強い新作に埋もれていくのが怖いぜ……これぞ弱肉強食よ。
ファントムペインで動きがあるのと同じく、左翼側に展開するザフト軍もエンジェルダウン開始に向けて各々の部隊が出撃準備を整えていた。
先の作戦でガンダム相手に決して少なくない
また、プラントへラクス・クラインを送り届けたジュール隊は本国からの増援部隊を引き連れてきており、数という意味ではこれ以上ない大部隊を展開している。
「–––––そうだ。ジュール隊からは俺とディアッカ、シホで行く。残りの奴らはボルテールとミネルバの護衛に回せ」
そんな中、ジュール隊の母艦であるボルテールにて、プラントからとんぼ返りしたばかりのイザークは到着して早々に戦闘準備の作業に追われていた。
「メインはあくまでミネルバに任せろ。ボルテールは後方支援だ。前に出るなよ、死ぬぞ!」
イザークは艦長を務める副官にそう言い残すと、返事も待たずに
「良いのか? 本国から連れてきたやつらを後ろに回して? 上からの命令だと…」
「…構わん。この戦い、とてもザクやグフでは付いて来れんだろう。わざわざ死なせるくらいなら俺たちの帰る場所を守らせておいた方がマシだ」
先日ガンダムと直接交戦したイザークにはソレスタルビーイングとの間にある戦力差がある程度理解できていた。新型機であるGN-Xの性能は非常に高く、あのままディアッカやシホと共に戦っていれば勝てていたという確信もあった。
だが、ソレスタルビーイングもただただやられるばかりではなく、謎の新システムや新型
だが、少なくとも非GNドライヴ搭載機であるザクやグフでは太刀打ちできないほどの戦力差があるということは分かる。フリーダムに乗った"アイツ"でさえも苦戦していたのだ。赤服だろうとフェイスだろうと並のパイロットでは瞬殺されるだけである。正直、イザークも
が、それでもやるしかない。
イザークはフェイスであり、ザフトの軍人だからだ。
「俺とお前とシホで連携して動く、この間と同じだ」
「りょーかい。ま、やるだけやってみますか」
正確にはイザークが中近接。シホが中遠距離。ディアッカが支援射撃のスリーマンセルだ。ジュール隊には他にもアカデミーで優秀な成績を残したエリートが入隊しているが、それでもヤキン・ドゥーエを経験した三人の技量にはほど遠い。
本気でガンダムと相対するのなら、余計なお守りを気にしなくて良いこの三人が最適解だった。
「問題は連合だな。今でこそ同盟なんてことになっているが、ソレスタルビーイングが壊滅すれば話は変わってくるぞ」
連合とザフトは対ソレスタルビーイングの為に史上初の軍事同盟を結んだが、元々は互いを滅ぼし合ったほどの仲である。
「まぁ、そこはデュランダル議長の采配に期待するしかないんだけどさぁ…はてさて、どうなることか」
「…ちっ、考えても埒があかん。まずはソレスタルビーイングとの戦いに集中するぞっ!」
思い悩むことはいくつもある。
連合との同盟だったり、プラントの未来だったり、デュランダルだったり、ラクス・クラインだったり…。
それでもイザークは考えを断ち切って前を向いた。戦場に余計な考えを持ち込むのは死へ直結するからだ。
「そういや、アスランの奴も来てるって言ってたっけ…」
「チッ、復隊したらしたで俺たちに何の情報もよこさんとは…しかもフェイスだと!? ふざけた真似を…!」
「やれやれ…」
だが、ある意味では奴らしいとも言えるだろう。
怒りの口調とは裏腹にイザークとディアッカの表情には不思議と笑みが浮かんでいた。
▽△▽
エンジェルダウン作戦においてザフト側の旗艦を務めるミネルバのミーティングルームには、今作戦に参加する全てのパイロットが集まっていた。
特務隊"フェイス"であり、モビルスーツ隊隊長を務めるアスラン・ザラ。
ザフトの若きエースであり、ここぞという場ではアスランにも迫る力を見せるシン・アスカ。
常に冷静沈着に物事を見通し、優れた空間認識能力を持つレイ・ザ・バレル。
他のメンバーにやや劣りつつも、赤服の中ではトップクラスの実力を持つルナマリア・ホーク。
そして……。
––––––– いや、お早い再会だな。改めて、ハイネ・ヴェステンフルズだ。よろしく頼むぜ!
アスラン、タリアに次ぐ"フェイス"であり、少し前まではミネルバに搭乗していたハイネ・ヴェステンフルズ。
彼の復活と帰還はミネルバのクルー達に大きな歓声で迎えられた。滞在期間はそう長い者ではなかったが、彼の部下を従える者としてのカリスマ性がそうさせていた。
「ハイネ、もう大丈夫なんだな…!」
「大丈夫…と言いたいところだが、前の戦いで部下たちを失っちまった。あまり復活をいばれる気分じゃないぜ…」
アスランの言葉にハイネは彼らしくもない、力無い様子で返した。先の対ソレスタルビーイング前哨戦で部下を失ったことが相当
「GNドライヴ搭載モビルスーツを手に入れて、少し浮かれていたんだろうな、俺たちは。忘れるところだったぜ、誰のせいでミネルバを降りることになったのかをよ」
「ハイネ…」
少し影のある表情を見せるハイネ。
それに対してアスランは何も言えなかったが、言葉に込められた思いはハイネに伝わったようだ。
「ま、これはただの愚痴だ。誰かに聞いて欲しかったってのもある。…そんなことより作戦会議するぞ、会議を!」
そう言うと、ハイネは気持ちを切り替えるように"パイロットの顔"にし、ミーティングルームのモニターを付けた。そこにはハイネやイザーク達がガンダムと戦う姿が映し出されている。
「まずは仮想敵の振り返りからだ。今回の戦いで色々な情報も追加されたからな」
最初に映ったのは、大型のライフルを構え、GN粒子によるバリアを展開する新緑のガンダム。アーモリーワンで目撃された二機の内一機だ。
「コイツのヤバさは皆も知っていると思うが、奴の砲撃は強力かつ正確だ。できれば防ごうとはせずに回避に専念しろ。シールドは役に立たねえ」
「火力だけなら現行のモビルスーツでも随一ですからね」
受け止められるとすれば、それこそ陽電子リフレクターを備えた連合のモビルアーマーぐらいだろう。モビルスーツの武装では到底不可能であり、
「だが、その一方でコイツは砲撃を行う際に一瞬だけ動きを止める。そのタイミングを見極めるくらい俺たちには楽勝だ。それに、このライフルさえ潰してしまえば奴の火力は大きく減衰するだろう」
次に映し出されたのは
「この"羽付き"はとにかく速い。特にモビルアーマー形態のスピードはな。一度スピードに乗られたらビームの一つも当たらないだろう」
「おそらくGN-Xでも追いつくのは難しいかと」
レイがそう付け加えると、ハイネも頷いた。
ザフトからは"羽付き"と呼ばれるこのガンダムの速さはGN-Xを手に入れた今でもトップだということは戦った皆が理解している。
「更に場合によっては追加装備としてミサイルユニットなどのユニットを装備していることもある。地上での奴と同じだと思わないことだ」
「だが、火力自体は他のガンダムよりも低い。幸いこちらは数で優位に立っている。連携で包囲するんだ」
ハイネの言葉をアスランが引き継ぎ、スライドは次のガンダムへと移る。
次に映ったのは、大剣を武器に肩の大型ビームランチャーを発射する白と黒のツートンカラーのガンダム。地上でハイネをプラントでの療養まで追い込んだ機体だ。
「コイツは…おそらくガンダムで一番強い。俺を堕としたという贔屓目抜きに見ても、扱いづらい大剣やらビーム砲やらを使いこなしている。パイロットの技量は随一だ」
「えっと、地上ではドラグーンに似た武装を展開していました。多対一においても遅れを取ることはないと思います」
「ああ、その通りだ」
地上で交戦したルナマリアの言葉にハイネも頷く。
このガンダムはまるでデスティニーのように全距離に対応した武装を持っており、それを使いこなすパイロットの腕も含めて非常に厄介だ。
「だが、戦えないわけじゃない。悪いが、タイミングを見て俺はコイツと戦わせてもらうぜ」
「リベンジ……ですか?」
「それもあるが、この戦い方はきっと……いや、何でもねえ。まぁ、戦況次第だ。場合によっては連合に任せることもあり得る。あくまで俺の願望だな」
シンの言葉にも
シンはそんな彼のことを
そして、モニターには4機目のガンダム。青と白を基調とした近接装備を多く装備しており、ユニウスセブン落下事件でのこともあって、シンとアスランにとっては印象の強い機体だ。
「で、最後はコイツだ。見ての通りの近接特化…かと思いきや、狙撃ライフルを引っ提げてきたこともあるから油断はできねえ。そして、何よりも…」
「例の新システムですね?」
「あぁ、報告書は行ってると思うが、この機体は全身を赤く発行したと同時に機体性能がぐんと上がる謎の機能がある。俺も部下たちもそれにやられた。情報じゃあの"フリーダム"も防戦一方だったらしい」
「––––––っ!」
"フリーダム"という言葉にアスランの表情が
対して、シンもまた浮かない表情を浮かべていた。それは敵ガンダムの力や新システムに対する不安からではない。
「…パイロットの少女のことを気にしているのか?」
ボソリと呟いたレイの言葉が周囲から音をなくす。思わずどきりとしたシンに対して、ハイネとアスランは彼の言うガンダムパイロットの情報を思い返した。
「確か報告ではこのガンダムのパイロットは女…というか幼い少女ということだったな」
「あぁ、俺も直接声を聞いたから間違いない。シン、お前はまだ迷っているのか?」
アスランの言葉にシンは痛いところを突かれたという表情を浮かべだが、やがて開き直るように内心を告白した。
「っ! ええ、そうですよ。これまで散々戦っておいてなんですけど、躊躇してしまう俺がいます。軍人としては情けない話でしょうがね」
怒りのままに戦った。殺そうともした。
それでもステラと再会し、その真実を知って頭が冷めた今ではあの少女のことが気になって仕方がなかった。
「もしかするとあの子も連合のエクステンデッドみたいに戦わされているかもしれないと…つまりはそういうことか?」
「別に…そこまでは思っちゃいないですけど、あんな小さな女の子がテロリストなんて、何か理由があるだろうなって考えていただけです」
バツが悪いようにそう言ったシンに対して、アスランとハイネは顔を見合わせて、フッと苦笑した。
「シン、お前は優しい奴だな」
「は、はあっ!?」
「手伝いはしてやる、お前の好きにやってみろ」
アスランからの思わぬ言葉にシンは動揺した。
またいつものようにくどくどとしたお説教という名の正論の嵐が来るものだと思っていたからだ。
「別に俺たちだって別に奴らを殺したくて戦ってるんじゃない。殺さずに済むならその方がいいだろう」
「アスラン…」
「だが、それも可能ならの話だ。変に手加減なんかしてみろ、死ぬのはお前だけじゃない。そこのところをよく考えておくんだぞ」
「分かってますよ…!」
単なる犬猿の仲…というだけではない二人の関係。
レイとルナマリアは見慣れた光景に苦笑していたが、久しぶりのミネルバであるハイネはシンとアスランの距離感に「いつの間に仲良くなったん?」と僅かに
が、やがて気を取り直して、咳払いと共に話を戻す。
「ゴホン、それで話を戻すが、この新システムについてだ。この状態のガンダムの性能は……客観的に見て数倍の域に達していると推測される。俺たちの機体じゃとても追いつけない」
「……厄介だな」
「幸い、限界時間がある可能性が高いため、各自はガンダムがこのシステムを発動させた際は攻撃をやめ、時間稼ぎに徹するようにとのことだ」
また、憶測でしかないがこの新システムは全てのガンダムに搭載されている可能性もある。ハイネはアスランを通じて事前にこれらの情報を伝えていたが、話し合ってみると、改めてガンダムが厄介な存在であることが理解できた。
「他にも奴らは新型のモビルアーマーも投入してきたりと腹の底が見えねえ。母艦は連合が叩くことになっているらしいが––––––」
《コンディションレッド発令、コンディションレッド発令。パイロットは搭乗機にて待機して下さい》
入ったのはメイリンのアナウンス。どうやら遂にソレスタルビーイングを捉えたようだ。
「…どうやら時間らしい。とにかく俺らはガンダムの相手だ。なるべく多対一の状況を作り、連携で仕留めるぞ」
「「「了解!」」」
言葉を遮られた形になったハイネは肩をすくめると、締めの一言と共に
「––––––シン」
シンも後に続こうと席を立った時、背にレイから言葉が投げかけられる。
「…死ぬなよ」
「…? ああ、お前もな!」
突然の言葉に不思議そうな表情を浮かべたシンは、自分も同じように激励の言葉を返して
こうして、遂にソレスタルビーイング殲滅作戦「エンジェルダウン作戦」が始まろうとしていた。
気づけば70話近く投稿していたという恐怖。二次創作を書き始めていたあの頃はまだ高校生でした。
ここまでメインキャラの死者ゼロ。
ジブリールやユウナみたいなかませキャラは出ても、明確な悪人もゼロ。
群像劇にしたせいでオリキャラのキャラも薄い。
……うーん、よくこんなんでここまでこれたな。
全てはSEED人気と00人気のおかげですね、感謝!!
というわけで、早く皆が楽しみにしている第二期に話を続けたいと思います。
とはいえ、第一期最終決戦も見逃さずに。
ちなみに第二期では勢力図や人間関係がガラッと変わるのを予定しています。
立ち位置が変わったコンパスやチート盛り盛りのブラックナイト、そして新マイスター候補のあの原作キャラとか…ね。