【第一部完結】転生イノベイドのイオリア計画再生記 in C.E. 作:アルテミー
誤字報告ありがとうございます。
どうしても間違えてしまうもので、非常に助かります!!
GN-Xが一機、爆発する。
それは衛星裏からソレスタルビーイングの母艦を奇襲しようとしていたのだが、逆に衛星の影から現れた
撃破したのはガンダムセレーネ。
資源衛星を先回りし、GNメガランチャーの一撃を加えたセレーネは、続けて粒子ビームを発射したが、それらは着弾の
それでもシエルは粒子ビームを放ち続ける。
「ここから先には行かせないよ…っ!」
シエルに与えられた
だが、シエルは素直にその任務を守るつもりはなかった。
可能なら敵機を全て撃墜させる。それが己の信念と覚悟を貫くための唯一の道筋であるから。
とはいえ、相手は連合・ザフトそれぞれのエースパイロットが所属している。性能差もほとんどない。隙の多いGNメガランチャーに当たってくれるはずもなく、無数のビームがGNフィールドに着弾していく。
だからこそ、シエルは躊躇いなく一つ目の隠し札を切った。
「今だ、食らえっ!」
同盟軍との決戦にあたり、各ガンダムにはバレットが急増で用意した新武装が装備されている。それぞれが各ガンダムの戦術の幅を広げるものであり、おいそれと使えないトランザムシステムの代わりの切り札であった。
ガンダムセレーネに追加された武装は大きく二つ。シエルはそのうちの一つであるサイドアーマーに
GNミサイルは従来のモビルスーツに使われていた弾薬と異なり、内部に小型のGNコンデンサーを内蔵し、着弾と同時に内部に粒子を注入して破裂させる仕組みとなっている。
装甲自体にダメージを入れられない
やがて注入された粒子により装甲が
しかし、シエルの顔色は晴れない。
想定ではこの隠し札で少なくとも一機を持っていくはずだったが、流石は同盟軍が誇る精鋭というべきか、敵も機体に命を乗せており、そう簡単に撃墜されてはくれない。
仕返しとばかりに数々の熱戦が放たれ、展開したGNフィールドに着弾していくが、その内の数発はフィールドを抜けてセレーネの装甲に直撃した。
「くっ…」
揺れるコックピットの中、シエルはちらりとコックピットパネル…そこにあるボタンへ目を向ける。
「トランザムにはまだ早すぎる…!」
仮にその機能を解放すればたちまちセレーネは敵部隊を圧倒するだろうが、それだけではダメなのだ。求められるのは完全なる殲滅。それができなければ、粒子不足による性能が低下したセレーネでは生き残ることは出来ない。
まさに
それを使うには、あまりにも早すぎる。
▽△▽
ザフト軍モビルスーツ部隊はジュール隊とザラ隊に分かれ、資源衛星の陰を移動しつつ、左右から敵艦との距離を
こうして進めば、どちらかの部隊がガンダムとの戦闘に入るはずであり、仮に両方が戦闘状態に入ったとしても、敵戦力を分断できたのなら問題ない。
眼下には、大きめの資源衛星を盾に身を隠しているだろう敵の青白い機体が
〈アスラン、敵艦を捕捉しました〉
アスラン・ザラ率いるその部隊には、ミネルバに所属していた四名に加え、ハイネの他にもう二人のパイロットが配属されることになった。GN-Xのパイロットに選ばれるだけはあり、経験豊富な優秀なパイロットだ。
先行するのはジャスティスと二機のデスティニーであり、その後にルナマリアとレイのGN-X。その更に後ろに二機のGN-Xがついて来ている。
だが、そんな彼等の布陣に対してガンダムは最後まで姿を現さない。このまま敵戦艦がこちらの武装の射程内に入るまでもう少し……。
〈ガンダムはイザーク達の方か……?〉
「よし、君たちは母艦を頼む。俺たちはイザーク達の方へ–––––––」
ならばとアスランが指示を出そうとした時、レーダーに敵戦艦の陰から高速で接近する何かが反応する。
「散開っ!!」
まず最初に見えたのはこちらを飲み込まんとばかりの粒子ビーム。即座にアスランは散開の指示を出したものの、ミネルバ隊以外の一機のGN-Xは回避が間に合わずに飲み込まれる。
〈アイツら…くそっ〉
〈今は戦いに集中するんだ…くるぞっ!〉
次々と放たれる粒子ビーム。それを放った機体がようやく姿を現した。
黒を基調とした戦闘機型の機体。まるでセイバーのような可変型モビルスーツのそれを
「新型か…!?」
〈いや、あれは……ガンダムだっ!〉
見覚えのない姿にみな敵の新兵器を警戒していたが、ハイネはその機体形状に既視感を覚えていた。案の定、新型モビルアーマーと見られた敵機体は変形し、やがてジャスティスのように巨大なバックパックを背負った
そして、ガンダムは見慣れた大剣をバックパックから取り出してすれ違い様にGN-Xへと振り抜く。狙われたパイロットは即座にビームサーベルで防ごうとしたものの、敵は冷静にその刃を見切り腕ごと胴体を両断した。
「コイツ…!!」
一瞬にして失われた命。
一時的とはいえ、預かった部下達を
すると、ガンダムは再び機体を変形させ、そのままミネルバ隊に背を向けて離脱していく。
〈逃げる気!?〉
「いや…あの方向は…」
シンやルナマリアが遠ざかる背中に向けてビームを放つが、ガンダムはそれらを
対して、アスランとハイネは一瞬罠かと疑ったものの、やがてガンダムの狙いに気が付いた。
「まさか狙いはミネルバか!?」
〈くそっ、そりゃそれが一番だけどよ…!〉
つまり、こちらの戦術と同じだ。
いくらこちらがガンダムを圧倒したところで、帰るべき母艦を失ってしまえば全てが終わりである。そして今、ミネルバ等ザフト軍の戦艦には非GNドライヴのモビルスーツしか存在しない。壊滅させることなど余裕だろう。
「全員、すぐにミネルバに–––––––」
アスランがシン達に指示を下そうとしたその時、七時の方向から放たれたビームがそれを
「新手か…!」
視界に入ったのは見慣れた
「シンっ!」
〈分かってますっ!!〉
アスランとシンは放たれた弾幕にデスティニーとジャスティスで入りこみ、展開したビームシールドで粒子ビームを防ぎ、ミサイルはフェイズシフト装甲で無効化した。
そして、アスランは通信を他の面々に繋げて言う。
「羽付きは俺とシンが抑える。ハイネ、レイ、ルナマリアはミネルバを頼む!」
〈アスラン!?〉
ビームライフルによる攻撃はガンダムを捉えることができないが、あちら側の攻撃もジャスティスのビームシールドを抜けてくることはない。少なくとも高機動による近接戦闘以外ではこちらが致命傷を負うことはないだろう。
行動するなら敵の攻撃が甘い今のうちだ。母艦であるミネルバをやらせる訳には行かない。
「合わせろ、シン!」
〈ああもう、やってやるよ! ルナ達はミネルバを守ってくれ!〉
シンのデスティニーが光の翼を展開して"羽付き"を追う。その速度は飛行形態のガンダムのスピードには遠く及ばないものだったが、しつこく攻撃を加えるシンの動きは敵パイロットの意識をそらすに十分なものである。
アスランは高速に動くガンダムの動きを見極め、一瞬のタイミングで"ハイパーフォルティスビーム砲"の一撃を放つ。放たれたビームはガンダムのミサイルユニットを
〈分かった。無理はするなよ、お前ら!〉
お返しとばかりに放たれた粒子ビームがジャスティスの左肩を
当然、"羽付き"ガンダムはそれを追おうとしたが、今度はアスランとシンがその
「悪いが、ここで俺たちに付き合ってもらうぞ」
〈ミネルバには近づけさせない!〉
アスランはシンの援護のもと、連結したビームサーベルを片手にガンダムへ斬りかかり、ガンダムのシールドとぶつかって激しいスパークを
▽△▽
背部ユニットから放たれた二本の粒子ビームが暗黒の
一射の元にそれを成したのは、遠方より
先程の粒子ビームは背部のGNキャノンによるものであり、大型GNコンデンサー搭載によってその火力は戦艦を撃沈してなお余りある。
メティスをも凌ぐスピードと戦艦を撃破する火力。大した火力と戦果であると言ってよかった。しかし、それは同時に戦艦に乗っていた兵士たちの命を百人単位で消滅させたことに他ならない。
後悔はしていないが、罪の意識はある。アキサムは敵兵とはいえ同胞を
それでもやるしかない。ソレスタルビーイングの理念を実現するため、自分たちの存在意味を証明するため。
アキサムは重くなったトリガーを引き、次々と攻撃を加えていく。その攻撃でナスカ級一隻が沈み、ガーディ・ルー級を撃沈寸前まで追い込んだ。
「…今は撃つしかないんでね。悪いが、容赦しねぇぞ」
同盟軍艦隊はようやくサルースの襲来を認識したのか、バルカンやビーム砲といった艦載火器で応戦してくるが、トゥルブレンツの加速性を手に入れたサルースに命中することなく、
「いけよ、ファングっ!」
アキサムは機体をモビルスーツ形態に変形させると、サイドスカートアーマーからGNファングを射出した。ファングから放たれる粒子ビームが次々とミサイルを撃墜し、隙を見て放つGNキャノンの砲撃が戦艦火器を破壊していく。
たまらず同盟軍も残存のモビルスーツ部隊を発進させるが、自由自在に動くGNファングの前に足止めを食らっている。旧式のモビルスーツでありながら撃墜されていないというのは流石エースと言ったところだろうか。
「……ん?」
すると、GNファングによる攻撃から抜けてきた機体が二機。白と赤の機影がビームを放ちながらサルースに向かって近づいてきた。
即座に放たれたビームをかわし、振り下ろされたビームサーベルをバスターソードで受け止める。
「インパルスにセイバー…? そういやまだ残ってたっけな」
向かってきたのはセカンドステージシリーズの二機。てっきりミネルバのパイロットはGN-Xに乗り換えたものだと思っていたが、使える戦力は全て使うつもりなのだろう。
とはいえ、ガンダムの相手ではない。
アキサムはインパルスの攻撃をパワーに任せて強引に弾き返すと、脚部のビームサーベルで右腕を斬り上げ、蹴り飛ばす。
その隙をついてセイバーがビームサーベルで突っ込んでくるが、アキサムはバスターソードで受け止めた。
「動きが若いな…ルーキーか?」
動きはいいが、連携がなっていない。これはアカデミーを卒業した新兵にありがちな癖の一つだ。実践経験が少ないために動きも読みやすく、アキサムには一眼で分かった。
だが、だからといって手加減はしない。残してきたクラウディオスや他のマイスター達のとこもあり、アキサムとてこんなところで時間を取られるわけにはいかないのだ。
「………悪いな、恨んでくれて構わない」
トドメとばかりにフェイズシフトダウンした機体をバスターソードで両断。爆散するセイバーをバックにアキサムは棒立ちのインパルスの上半身をGNキャノンで吹き飛ばしたが、インパルスからコアスプレンダーに切り離され、パイロットはゆらゆらと撤退していった。
それをあえて見送ったアキサムは一瞬の隙もなく背部のGNキャノンで残存したモビルスーツ部隊を撃墜していく。デスティニーやジャスティスでも不可能だったガンダムの攻撃をザクやグフで止められるはずもなく、数分も立たずに壊滅した。
それでもアキサムが攻撃の手を緩めることはなく、GNファングを射出。多くのビームが各戦艦の火器を破壊し、装甲を
「これで終わりだ…!」
アキサムがミネルバへ向けたGNキャノンのトリガーを引く指に力を込めたそのとき、どこからか放たれたビームがトゥルブレンツユニットへ直撃した。
「くそっ、もう来やがったか…」
続けて放たれた粒子ビームが次々とトゥルブレンツユニットに着弾していく。このままでは不利だと判断したアキサムは素早く背部のユニットをパージした。
攻撃したのはこちらを追ってきたと思われるオレンジ色のデスティニーと二機のGN-X。どうやらモビルスーツ隊との戦闘に時間を取られすぎたらしい。
だが、厄介な相手であるジャスティスともう一機のデスティニーはフフギが押し留めてくれている。この程度の戦力差なら、やってやれないことはない…!
「いいぜ、付き合ってやるよ。ハイネ・ヴェステンフルス…!」
放たれる粒子ビームをバスターソードで防ぎながら、アキサムはかつての部下である同胞へ機体を加速させた。
>シエル対スウェン率いるGN-X部隊(10機)
セレーネの追加武装はGNミサイルともう一つ。場合によってはGNアームズとドッキングする選択もあるが、数の差が大きく、奥の手であるトランザム込みでもやや劣勢の状況。
>フフギ対アスラン、シン
メティスの追加武装は通常ミサイルコンテナとテールブースターのみ。両者ともにトランザム、種割れを残しており、互いに本気ではない状況。
>アキサム対ハイネ、レイ、ルナマリア
サルースの追加武装はスローネアインに装備されたトゥルブレンツユニットの改良型。詳しくは第一部完結後に設定上げる予定。
なお、ユニット自体はハイネ達の奇襲で破棄されたために素の状態で戦う。
>トレミー、フェイト対ジュール隊、ノアローク隊
アステリアの追加武装も含めて、こちらは次話にて触れていきます。
>インパルス
ミネルバとは別型のインパルス。
パイロットは功績を求めて志願した月光のワルキューレさんだが、性能差を前に完敗。機体特性のお陰でなんとか生き残った。
>セイバー
乗り手の居なくなったミネルバから移された。
パイロットはアグネスに誘われて志願した無名の大型ルーキー。腕は悪くないが経験不足だった為に達磨にされるまでもなく両断されて撃墜された。
>カオス、ガイア、アビス
描写されていないが後方支援部隊に投入されている。
ファング相手になんとか生き残り、その後はハイネ達に任せて現在は傷ついた母艦を守る為に護衛している。