【第一部完結】転生イノベイドのイオリア計画再生記 in C.E. 作:アルテミー
こんなに時間が経っても見てくれる人たちにはマジで感謝。
小説を書く上でモチベを取り戻す方法はアニメを見ること。見飽きてると思いつつもいざ見てみると、やっぱり好きなんだなぁと感じて小説書きたくなる。
ZGMF-X42S デスティニー
その機体について、スウェンが知っていることは少ない。
元々が当時のザフトの最新鋭モビルスーツだった上、裏切り者によって入手したGNドライヴの存在により、各軍の主流モビルスーツの特色が変化したためだ。
コンパスの別部隊では、フリーダムやジャスティスといった旧式機体を太陽炉搭載型として新規開発しているし、スウェン自身もかつての愛機を彷彿とさせるような新型に乗っているが、当のデスティニーは後継機が開発されていない。
一説では当時のザフトのエースパイロットに合わせて開発された専用機であったが、そのパイロットがエンジェルダウン作戦で戦死したためだと囁かれているが、その理由は不明である。
しかし、それらの全ての情報は、スウェンによってはどうでもいいことだった。
必要なのは敵の情報。
この機体の名が広まる原因となったエンジェルダウン作戦において、眼前のモビルスーツは、相打ちとはいえガンダムを撃破している。
それはつまり、この機体は非GNドライヴ搭載機でありながら、GNドライヴを搭載した機体を撃破できるだけのポテンシャルがあるということだ。
スウェンは実際に戦い、それを実感していた。
「やるな……!」
そう言葉にしつつ、戦闘自体はスウェン側が有利に進めている。
それはある意味で当然だ。数の差、性能差、共にこちらが優っているのである。
モビルドールはGN-Xの性能を幾分に引き出し、眼前のデスティニーに攻撃を加えている。加えてスウェン自身も攻撃に参加するのだから、敵はそれに対処するので精一杯な様子だった。
だが、だからこそスウェンは内心で舌を巻く。
対処するのに精一杯であるといったが、それは逆にいえば対処できているということである。
なんというパイロットだ。まさかあの時のパイロットがそのまま乗っているのか? だとすれば、自分たちコンパスと戦う理由はなんだ…?
パイロットらしき少年は、誰かの犠牲の上に成り立つ平和など認めないと言っていた。
だが、平和とは誰かの犠牲の上に成り立つ物だと、スウェンはそう考えている。
連合とプラントの戦争が終わったのは、ソレスタルビーイングを生贄にしたからだ。
そして、ソレスタルビーイングを滅ぼすために生贄になったのがシャムスやミューディー達だった。
ならば、平和の維持のために多少の犠牲が出るのも自然なこと。それでいい。
「………はぁっ!」
迷いを断ち切るようにビームサーベルを振るう。
対して、デスティニーはその大剣でいなすと、ストライクXから距離を取ろうとする。
そうはさせまいと周囲のGN-Xによる粒子ビームが放たれるが、デスティニーは光の翼による幻影と、強化された推進力で強引に突破していった。
「これは…」
一連の戦闘を振り返り、スウェンは違和感の正体に気付いた。
いくらデスティニーの推進力が優れているからといって、それはGN-Xを超えるものではない。ましてやモビルドールシステムによって人間離れした動きを可能としている無人機相手には到底及ばないはず。非GNドライヴ搭載機のデスティニーには対G軽減機能もないのだ。
だというのに、モビルドールが三機かがりでこうも押し切れない。
まるで出来の悪い射撃を見ているかのように、粒子ビームは明後日の方向へ放たれている。
そして、その原因は……。
「あの翼……ミラージュコロイドか」
デスティニーの光の翼にミラージュコロイドの技術が使われているのは、実際に相対するスウェンだからこそよく分かる。
目視による撹乱は確かに厄介だが、それ以上に効果を及ぼしているのはレーダーへの反応だ。レーダーの反応が乱され、それによってモビルドールの照準は出来の悪い精度に成り下がっている。
「ならば…!」
スウェンは役に立たないモビルドールを下がらせると、自身の機体が前に出るように発進させた。
▽△▽
一方その頃、ヘルファーレから離れた位置に待機しているインペリウム艦内では、先行させたスウェンから一向に作戦完了が告げられることのないことに対して、艦長のホワキン大佐が苛立ちを募らせていた。
「ええい、バヤン少佐は何をやっているか…!」
スウェンはホワキンがファントムペインに所属していた頃からの部下だ。その高い実力は彼なりに信用している。
だからこそ、高性能機のストライクXすら与えられながらも、雑兵しかいないテロリスト相手に苦戦しているのは想定外だった。
「バヤン少佐からの報告では、テロリスト部隊は撃破したとのことですが、出現したアンノウンに苦戦していると…」
「アンノウン…?」
「はっ。報告ではザフトのモビルスーツ、数は一機とのことですが……」
「ザフトだと…? ハッ、おおかた奴等のいう旧ザラ派の脱走兵とやらだろう」
管制からの報告に、ホワキンは眉を寄せると、鼻で笑う。それは心底コーディネーターを馬鹿にした笑みだった。
「まったく、何処までも迷惑をかける奴等だ。我々に要らぬ徒労をかけおって…」
ホワキンは深く溜め息を吐くと、部下に命じた。
「リャンカ大尉の隊を送ってやれ。テロリスト如きに遅れをとるなど知られれば、今後のコンパス内で我等は永遠の笑い者だ」
「はっ!!」
そして、スウェンとは別にテロリストの殲滅を行っていたもう一つのモビルスーツ部隊に通信を繋げると、含みのある笑みを浮かべて命令する。
「容赦などするな。目撃者は全員始末しろ。何、心配するな。いつも通り"上"が好きにやってくれる」
『了解しました!』
バヤン隊が特出したスウェンを中心にモビルドールによる数を活かした戦術的な戦法を主としているのなら、リャンカ小隊はそれぞれストライクXとカスタムしたGN-Xを搭乗機としたエース部隊。万が一にもテロリストが生き残ることはあるまい。
ホワキンはそう信じていた。
▽△▽
産業コロニー「ヘルファーレ」外壁部。
その宙域には、幾つかのモビルスーツの残骸が浮遊していた。
それは、レジスタンスと呼ばれたテロリストたちの機体の残骸たち。
「聞いたな、宙域24-5に向かうぞ」
『はっ!!』
それを為したコンパスホワキン隊所属のリャンカ大尉は、上官から命じられた部下に小さく命じると、乗機であるストライクXを向かわせた。
「それにしても…」
操縦桿を握りながら、リャンカは口元を小さく歪ませる。
「バヤン少佐はしくじったな。たかがレジスタンス如きに手こずるとは…」
リャンカにとって、スウェン・カル・バヤンという少年は、自分より遥かに若い癖に少佐という地位に付く気に食わない存在だった。上官のホワキンと合わせて、黒い噂の多い第81独立機動群出身ということもあり、なおさらだ。
だが、彼がエンジェルダウン作戦でガンダムを撃破したパイロットということも事実。戦果で言うのなら、前大戦では開戦時にガンダムに瞬殺されて以降出撃すらなかったリャンガとは比べ物にならない。
しかし、それは単に機会がなかっただけだ。たまたまスウェンがGN-Xのパイロットに選ばれて戦果を上げたのであり、自分があの時GN-Xのパイロットに選ばれていたのなら、同じようなことができた。
ここ数回の任務をスウェンと共にしたリャンガは、そう信じて疑わなかった。
そして今回、ちょうどいいことにそんなスウェンが苦戦する相手が現れたらしい。
自分と奴の実力の違いを見せつけるのにこんなにいい機会はないだろう。
「いいか、お前たちは手を出す必要はない。俺とバヤン少佐でーーー」
ーーー充分だ。
そう言いかけたリャンカだが、その先を告げることはできなかった。
リャンカ機のすぐ側を追随していた部下のGN-Xのメインカメラが、突如として放たれた閃光によって撃ち抜かれたからだ。
「なっ!?」
『隊長、敵襲です!! エッジ准尉が狙撃されました!』
「見れば分かるっ!」
続けて放たれるビームを回避しながら、リャンカは奇襲の仕立て人の姿を探す。
「あれは…!」
そこにいたのは、一機のモビルスーツ。
宇宙に溶け込むような漆黒の装甲を纏うその機体は、背部からオレンジ色のGN粒子を排出しつつ、こちらへ狙撃ライフルを向けていた。
「GNドライヴ搭載機だと…! どこの機体だ!?」
突然現れたアンノウンに驚くなかでも、敵機の攻撃は止まらない。放たれる粒子ビームが次々とリャンカ達を襲う。
「チッ、レジスタンスの新型か? だが、奴等にモビルスーツを開発する力など…」
『隊長、敵機の姿が…!?』
「なんだと!?」
リャンカが部下の声に反応して目を向ければ、一瞬の間に敵モビルスーツの姿が消えているのに気付く。レーダーで検索するが、一切の反応がない。
「ミラージュコロイドか…? いや、これはーー」
『隊長、後ろに!!?』
「なに!?」
途端、再び現れた反応。
しかし、それに反応した時には、敵モビルスーツはリャンカ隊の中心に紛れ込んでいた。
「迎撃をーーー!!?」
命じようとしたリャンカだったが、それは叶わなかった。
『ーー隊長!!』
何故なら、リャンカの搭乗するストライクXのコックピットを、敵モビルスーツのビームサイズが真っ二つに切り裂いていたからだ。
そして、そのまま爆散するリャンカ機。
その爆風を切り裂くように現れた敵モビルスーツが、今度はその刃を隊員達に向ける。
『そ、そんなバカな…!』
『速い…!』
隊長のリャンカがやられたことで混乱した隊員達は、まともに対抗することも叶わないまま、次々と撃墜されていく。
『この機体とこの動き…まさかガンダーーー』
遂に最後のGN-Xが撃墜され、ホワキン肝入りのリャンカ隊は、誰にも知られることなく壊滅した。
そして、それを為した漆黒のモビルスーツは、静かにそれを見つめた後、再び漆黒の宇宙の中に消えるのだった。
▽△▽
シン・アスカのデスティニーとスウェン・カル・バヤンのストライクXの戦闘は、佳境を迎えていた。
選局はやはり、スウェン側が有利である。
旧式機に加えて単騎、デスティニーはよく持った方と言えるだろう。
ミラージュコロイドを応用した光の翼による幻影は、何の因果かモビルドールの無効化に尽力しており、スウェンも一機で戦うことになってしまった。
しかし、それは決してデスティニー側が有利になった訳ではない。
むしろ、役立たずとかしたモビルドール相手に対等に渡り合えたのが奇跡であり、スウェン側が本格的に一騎打ちに打って出れば、性能で劣るデスティニー側に勝機はないに等しい。
そして、それは正しかったことが今、結果として現れていた。
かつての最新鋭機とはいえ、それは既に過去のもの。GNドライヴの流出によって急激に発展した技術促進からすれば、もはやアンティークに等しい。
よって、、、
「ーーーそこだっ!」
光の翼による撹乱、それを突破したスウェンのビームサーベルによる一撃がデスティニーの対艦刀の実体部分を切断する。
かつてはスウェンも愛用していた武器なだけに、その弱点も把握済みだ。
「甘いな…!」
デスティニーは苦し紛れにビームブーメランを放ってきたが、スウェンは落ち着いてそれを回避すると、すぐさま武装をビームピストルに変え、三次元的な動きで破壊した。
そのままビームサーベルへ持ち替えてデスティニーを追い詰める。大型ビーム砲の攻撃を余裕を持って回避し、接近戦を仕掛ける。
デスティニーはスウェンの動きに合わせて右腕を突き出す。その拳底にビーム砲が仕掛けられていた。
「その動きは想定内だ…!」
だが、エンジェルダウン作戦でその動きを目撃していたスウェンは、すぐさまシールドを突き出して防御し、そのまま手放すと二刀目のビームサーベルを引き抜く。
「貰った…!」
そして、振り上げる形で仕掛けられた奇襲は、見事にデスティニーの両腕を破壊。返す刃が離脱しようとするデスティニーの左脚を斬り落とした。
敵機はなおも足掻こうとするが、それよりもスウェンの動きの方が早い。
「これで終わりだーーー!?」
スウェンが止めを刺そうとしたその時だった。
突如として放たれた粒子ビームがビームサーベルを持つストライクXの行く先を阻んだのだ。
それだけでない。
待機状態にあったモビルドール達が、回避運動を取る間もなく狙撃によって沈黙した。
「この射程距離は……!!」
ーーー通常兵器ではない。
そう確信したスウェンが向ける視線の先。
そこには緑色のGN粒子を排出するツインアイが特徴的なモビルスーツの姿が……。
その姿、間違いないーーー、
「ガンダムーーー」
ソレスタルビーイングが復活したのだ。
>スウェン対シン
基本的にパイロット能力でいえばシンの圧勝。
しかし、性能差が大きいことやシン側のメンタルが絶不調(種デスでいうフリーダム戦後くらい)なこともあって、総合的にはスウェン側が有利。
>デスティニー
光の翼の設定的に対モビルドール性能が滅茶苦茶高い。
>漆黒のアンノウン
狙撃ライフルとビームサイズを武器とする機体。姿を消すことができる。こいつデスサイズか……?
>新型ガンダム
シエルの機体。
次回で遂にお披露目。
>感想・コメントについて
色々とようやく落ち着いた所なので、これからはなるべく返信していきたいと思っています。
ありがたいことに沢山貰っていたのですが、量が多すぎてるので返信を返すのが今回からにさせてもらいます。すみません。
これからは感想・評価・質問等お待ちしているので、よろしくお願いします。