【カオ転三次】HFOがんばる   作:えくり屋

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これが女神転生の三次創作…?


HFO レベル10

 

 

 顔面を打ち抜いた拳の一撃に【外道フーリガン】が路上へと崩れ落ちる。

 続いて横合いから振るわれた農作業用のフォークをカイトシールドで逸らす(パリィ)

 態勢を崩したところに貫き手を喉に叩き込む。

 美大生ネキなら貫手で胸や腹を貫き一撃で仕留めているだろうなどと思いつつ、動きが止まったところに追撃し仕留める。

 

 牛頭の悪魔(ミノタウロス)を倒し進んだ先は、暴徒(フーリガン)が蔓延る、獣臭漂う街だった。

 

 さて、チラ見したので引き換えして帰還しようと思ったら前の階層に戻るためのポイントが見当たらなかったので進むしかなくなってしまった。

 

 武器は失ってしまったものの幸い盾はある。

 レベルが上がったお陰か無手による攻撃も普通に通用している。*1

 篭手の拳骨部分に打たれた鉄板も打撃力向上にいい仕事をしている。*2

 

 常に昼間だった廃城砦と違い、夜闇に包まれた街路を薄暗くガス燈が照らす街並みは、時折聞こえる女性の悲鳴のようなものと、狂った暴徒(フーリガン)達の様相も相俟って異様な雰囲気を漂わせていた。

 主な出現悪魔は外道:暴徒(フーリガン)、ちょっとデカい外道:暴徒(フーリガン)妖獣:黒犬(ブラックドッグ)、あとなんかデカいカラス。

 デカすぎて飛べなくなってるし何なんだあのカラス。

 暴徒(フーリガン)の方は農民や町人が農具やらナタやら身の回りにあるもので武装した感じで、装備自体は前層の亡者(ゾンビ)の方がしっかりしてる感まである。

 そんな中でマスケット銃持ちがいたのはちょっとビビった。

 初遭遇時は運良く当たらなかったので装填の隙に拾った火炎瓶をぶちかますことで事なきを得た。

 アギストーンと同等の威力があるってどんな油使ってるんだろうかこれ……。

 

 ちょっとデカい暴徒(フーリガン)は明らかに何らかの変異を起こして肥大化した筋肉ムキムキなちょっとデカい暴徒(フーリガン)である。

 大鉈持ちとデカいレンガで殴ってくるやつがいたが牛頭の悪魔(ミノタウロス)戦直後というのもありプレッシャーもあまり感じず、パリィで崩して殴り倒した。

 

 黒犬(ブラックドッグ)は乱戦で背後から飛び掛かられたりしたら厄介極まりない相手かも知れないが冷静に対処できればただの凶暴な犬であった。

 盾で受けてしっかり対処すれば恐れることはなかった。

 

 デカいカラスはデカくなりすぎて飛べなくなった悲しい生物だった。

 悲しすぎて簡易のアナライズシステム*3でも種族が凶鳥であるのはわかったが何の悪魔かわからなかった。

 何だったんだこいつ……。

 

 全体的になんか獣臭い場所である。

 

 

 

 

 「行きたくねえけどあそこしか道無いんだよなあ…」

 

 そうボヤく但野の視線の先には、広場でキャンプファイヤーを楽しむ市民の姿、ではなく、柱に貼り付けにした人型の何かを火炙りにしている暴徒(フーリガン)の集団があった。

 

 「魔女狩りの再現か何かか…?」

 

 大きな戦があった場所や凄惨な出来事があった場所に出来る異界は、その戦や事件を再現するような形で顕現することがあると先輩覚醒者に聞いたことがあるが、恐らく前の階層やここもそういったものを再現した異界なんだろう。

 

 物影から様子を伺う但野に暴徒(フーリガン)達が気付いた様子は無い。

 しかしどれか1体にでも気付かれれば叫びながら総出で襲い掛かってくるだろう。

 更に運が悪いことに幕末志士戦法に適した狭い路地もない。

 

 ならばやることは1つ、機先を制して初動で出来るだけ数を減らすことである。

 

 道中で拾った手に持って念じるだけで着火するマジカル火炎瓶を投擲する。

 一投目は馬のいない馬車の上にいるマスケット持ちへ、間髪入れずに二投目をキャンプファイヤー()の側でたむろしている集団に投げ付ける。

 

 投擲された火炎瓶は狙い違わずマスケット持ちに直撃し、二投目も3体の暴徒(フーリガン)を巻き込みそれを焼き尽くす。

 瓶投げ上手男と呼んでほしい。

 

 そのまま駆け出し、突然の襲撃に狼狽える農具を持った暴徒(フーリガン)の顔面にカイトシールドの尖端を叩き込んで一体。

 この装備を作ってくれた安藤さん*4直伝のシールドアタックだ。

 よく考えなくても鉄板の角で殴られたら痛いのは当たり前であるが言われなかったら防御か、面で叩く以外の用法は思いつかなかっただろう。

 続いて松明を棍棒代わりにして近くにいた暴徒の頭をフルスイングで仕留める。

 

 そこに暴徒(フーリガン)の放った2匹の犬が飛び掛かってくるが先に来た1匹は盾の面の部分で横殴りに強打(バッシュ)し弾き飛ばし、もう一匹にはカウンターで口に松明を突き入れ仕留める。

 その後は流れで1体ずつぶん殴ってどうにかなった。

 

 やればできるもんだ。

 それにしてもようやくショタおじの言ってた「基礎ステが高い」の言葉もようやく実感出てきた気がする。

 暴徒(フーリガン)自体は前の階層の亡者(ゾンビ)よりもレベルが上のはずなのだが、盾と拳だけであしらえてしまっている。

 恐らく同レベルの覚醒者だとスキル無しでは切り抜けるのは難しいのだろう。*5

 まあスキルあったらそんなに悩まずに蹂躙できるのだろうけど……。*6

 

 やっぱり欲しいよなあ、スキル。

 

 

 あらかた殲滅してドロップ品を回収する。

 目玉は先程も大活躍した火炎瓶だ。

 というかほかにろくなものがない。

 他のドロップ品は怖くて絶対使いたくない謎の輸血パックとか銃がなくて使えない銃弾とか使い所がないものばかりなのだ。

 何かしら武器が欲しいところだが前の階層と違って全然武器がドロップしない。

 松明は先程の流れで犬に突き込んだせいで使い物にならなくしたのは失敗だった。

 

 

 

・ 

 

 薄暗い街路を進み続けると、どんどん血と獣の臭いが濃くなってくる。

 階段を昇った先にいたのは2体の人とも獣ともつかぬ悪魔が2体。

 

 「汝は人狼なりや、ってかァ!?」

 

 魔獣:人狼(ワーウルフ)が動き出す前に火炎瓶を投擲、1体を火だるまに出来たが躱した残りが飛び掛かってくる。

 

 右の爪撃(ひっかき)を盾で受け止めるが間断なく左腕の爪撃(ひっかき)が襲い来る。

 これをなんとか右の手甲で受け止めるが今度は牙を剥き出しにして噛みつき。

 爪爪牙*7なんてこんな序盤にやってくんじゃねえよという思いを込めて思い切り腹に前蹴りを入れることで無理矢理引き剥がし噛みつきを阻止。

 人狼(ワーウルフ)が下がった分前へと踏み込み、鼻っ面を盾の尖端を叩き込み怯んだところに右のフックでこめかみを打ち抜き、振り抜いた右の拳を逆に振り戻し裏拳で頭部の逆側を打ち据える。

 連撃を連撃で返され動きが止まった人狼(ワーウルフ)にトドメの火炎瓶をぶつけて消滅を確認。

 初手の火炎瓶で火だるまになってた人狼(ワーウルフ)が復帰しかけてたのでこちらにも追撃の火炎瓶で仕留め切る。

 盾+徒手格闘という変則的なスタイルだがかなり形になって来た気がする。

 稽古を付けてくれた徒手格闘系の先輩たちや盾の使い方を教えてくれた安藤さん、アイテムの扱いを教えてくれたスライムニキには帰ったらお礼をしなくては。

 

 まあちゃんと武器あったら武器使うから徒手での戦闘はこれっきりにしたいところではあるが!

 

 そんなことを思いながら進んでいくと橋の上に出た。

 だがその先は門で閉ざされており行き止まりのようだった。

 仕方なく引き返そうとすると、突如、女性の金切り声のようなものが響いてきた。

 この階層に入ってから時折聞こえていたものだが、これまでよりもかなり近い。

 

 近いどころじゃなかった、声の主が門の向こうから直接跳んできたわ。

 

 牛頭の悪魔(ミノタウルス)よりも大きい体躯、顔は人狼のような肉食獣めいた形状をしているが、鹿のような捻じくれた樹木のような角が生えている。

 全身が長い体毛に覆われているがそこから覗く胴体は肋骨が浮き上がる程に痩せている。

 対して左腕だけは大きく肥大化し分厚い筋肉に包まれており、その手を地面に着き巨体を支えていた。

 アナライズの結果は魔獣:人狼(ワーウルフ)

 

 同じ種類の悪魔でも個体差があるってのは知ってますけどいくらなんでも個体差大きすぎない?

 

 そんなこちらの感想を他所に人狼(ワーウルフ)が跳躍し肥大化した左腕を叩きつけて来る。

 それをバックステップで躱し下がってきた頭部に拳の一撃。

 あまり堪えた様子も見せずに左腕で薙ぎ払ってくるがそれは懐に潜り込むようにステップで回避し足に盾で攻撃を加えるが長い獣毛に阻まれ余り有効打となる感じはしない。*8

 やはり狙うべきは獣毛の薄い顔面か。

 

 懐に潜られている状況を嫌ってか人狼(ワーウルフ)は大きく後方に跳躍し距離を取るが、その着地に合わせて火炎瓶を投擲、顔面にクリーンヒット。

 流石にこれには堪えたのか顔を抑えて蹲る人狼(ワーウルフ)に対して一気に距離を詰め手の隙間から覗く左の眼球に向かって貫手を突き入れる。

 一瞬の硬質な手応えのあと、ぞぶり、となんとも言えない感触が肘まで包み込むが、気にせず視神経を掴み引きちぎる。

 

 甲高い悲鳴をあげながら仰け反る人狼(ワーウルフ)に最後の火炎瓶を投げ付ける。

 腕に阻まれて顔に当てられなかったがダメージの足しにはなった。

 

 怒りの咆哮を上げながら両腕を振り回し暴れまわる人狼(ワーウルフ)から距離を取りつつ隙を伺う。

 細い右腕の攻撃、盾で弾く。

 肥大化した左腕の攻撃、受けきれないので懐へ踏み込んで胴体へ攻撃。

 長い獣毛のせいでいまいち効いている気がしない。

 だが無効化されてるわけでもないので死ぬまで殴れば死ぬだろうと根気よく殴り続けるしかない。

 両腕での叩きつけをギリギリの位置で回避し低い位置に来た頭部を狙う。

 

 そういった攻防を幾度も繰り返す。

 言うのは簡単だがそれを完璧に実践し続けられる程の達人ではない。

 細かいタイミングのズレや読み違いでこちらにもダメージが蓄積していく。

 致命的な攻撃はまだ受けていないが長期戦ともなればどうなるかはわからない。

 残り少ない魔石を砕き回復する。

 

 互いに余裕はない、そう思いたいところだが相手のHPが見えるわけでもないので後どれくらいで倒せるかなんて見当もつかない。

 

 不意に人狼(ワーウルフ)が両手を広げ飛び掛かってきた。

 これまでにない行動に判断が迷いが出る。

 だが盾で受ければ即死はないだろうと盾を構えようとして両手で掴まれ持ち上げられた。

 人では無いが、獣でもない。

 その手は掴むことだってできる。

 それを完全に失念していた。

 

 人狼(ワーウルフ)大口が迫る。

 咄嗟に首をひねり頭を丸かじりされることは避けたが右肩喰らいつかれ激痛が走った。

 どうにか脱せないか身をよじる。

 ギリギリと右半身に牙が食い込んでくる。

 

 「…ッらぁ!!」

 

 盾の分だけ拘束に隙間があった左腕を無理矢理引き抜く。

 

 「片方だけじゃバランスが悪いよなぁ!!」

 

 最期の力を振り絞り人狼(ワーウルフ)の右目に左腕を捻り込むと、その激痛に口を離すと人狼は俺を地面に叩きつけ、絶叫を上げながら仰向けに倒れ、その身体がMAGに還元され始めた。

 

 だが俺自身も最早身体が動かず意識が遠退いていった。

 

 

 

 

「相討ちかー。」

 

 修行用異界の入り口で蘇生されて目を覚ます。

 回収、蘇生用式神*9が、またコイツか……みたいな目で見ている。

 一反木綿タイプなのに随分と表情豊かなことである。*10

 以前に比べたら全然死んでないので大目に見て欲しいところでだが手を煩わせていることは確かなので徴収分とは別に大量にある輸血パックを渡すと、えぇ……みたいな表情をしながらも*11しっかり受け取ってくれた。

ゲンキンなやつである。

*1
同レベルの前衛の倍くらい力があるので実は普通に強い

*2
カイザーナックル(腕防具)相当。TRPG版だと武器を用いない格闘攻撃威力にボーナスが付き、竹槍(1点)や木刀(2点)よりは高い+(3点)があるので高めのステで振り回せば低位悪魔くらいならしばき倒せる ※いずれも覚醒篇のデータ

*3
DAS、デビルアナライズシステム。実は兜に仕込んでもらってた。簡易版なのでLv30までしかアナライズできない。

*4
前回の後書きで出たLARP勢なファンタジー装備製造専門の俺たち。

フルネームは安藤鈴(あんどうれい)

涼し気な名前に反してムキムキモジャヒゲのドワーフめいたおっちゃん。

神社のある富士山の近くで「明日寅(アストラ)」という模造刀、レプリカ武器、コスプレ衣装の専門店を営んでいる。

*5
それはそう

*6
普通なら式神やアガシオンなどを連れているのでもっと楽。さらに言うなら武器を失った時点で普通は帰ってる。

*7
TRPGだと虎とか熊とかドラゴンとか大型動物系エネミーってすぐこういうことしてくるよね。

*8
せいけもとかエミーリアとか毛のせいで当たってるかどうかよくわかんないときあるよね

*9
低層の範囲ならショタおじの作成の死体回収用式神が回収して蘇生してくれるシステム(独自設定)。回収、蘇生費用としてドロップ品とマッカの一部を徴収される(独自設定)

*10
無表情

*11
無表情




カイザーナックル相当のハードレザーガントレットが実質セスタスみたいなものなの実質武器無しでもなければ半クリモトチャレンジでもないし、素手で悪魔ぶちのめす人がいる世界なのでステ高ければそれだけ素手でも強いというアレ。

一反木綿表情感情を感じてるのは多分啓蒙が上がったから

栗本チャレンジは4モツが最高記録で未達です。

女性の金切り声みたいな咆哮は「聖職者の獣 ぼっちちゃん」で検索して出てきた動画を見るとわかりやすいかも
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