P4GS   作:笠井裕二

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続きです。

メインは鳴上悠と横島忠夫ですが、なんだかんだで、ペルソナ4のキャラやGS美神のキャラも登場させて、活躍する機会があると思います。
お楽しみに。


仕事って本来地味なモンです

 

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魔術師side

 

「はぁ~、やっと終わったぜぇ~!」

「お疲れクマ、ヨースケー。」

「お前もな、クマ。ったく、チーフも春休み中くらい少しは休ませてくれてもいーのによぉ~!」

「けど、ヨースケは、特に用事とかないクマよねー?」

「うっせ。悲しくなるから、それは言うんじゃねぇ~。」

 

俺とクマは、いつものフードコートで、バイト終わりにそんな事をダベっていた。

 

例の事件の黒幕との決着をつけてから、そして、相棒こと悠と別れてまだ数日。

とは言え、ようやく平和になった事を実感してもいた。

 

「やっぱり、もう“マヨナカテレビ”には何も映らねぇ~みてーだな。」

「そうクマね。ようやくクマの世界も平和になったクマ。」

「そっか・・・。終わったん、だな・・・。」

「ちょっと寂しいけど、そうクマよ。やっぱり平和が一番クマ!」

「ま、そりゃそーだ。」

 

・・・本音を言えば、“マヨナカテレビ”に関わるあれこれは、まるでテレビのヒーローみたいで、少し気分が良かったのは本当のところだが、しかし、実際にヤベェ事に関わった身としちゃ、改めてコイツらとバカやってる日常がいかに大事かが分かった、ってモンだ。

そこに、相棒が居なくなったのは少し、いや、かなり寂しいがな。

 

「あー、やっぱりここにいたぁ~!」

「こんにちは、クマさん。花村くん。」

「あれ、里中、天城も。」

 

「あぁ~!やっぱり集まってるぅ~!」

「ま、ある意味ここは俺らのたまり場みたいなモンだからな。」

「そうですね。」

「あれれー、りさちゃんとカンジ、ナオチャンクマー。」

 

そこへ、ぞろぞろといつもの面々が集合した。

ま、春休みって事もあるし、他に行くトコなんかあんまねーからしょーがねぇ~けど、コイツらも大概暇だよなー。

 

 

「そういえば、聞いたかよ?悠のヤツ、また他のトコに転校すんだってなー。」

「あぁ~、聞いた聞いた。」

「何でも、寝泊まりするところでしかスマホの電波が届かない、とか。」

「今時、そんなトコがあんのかよー。どんだけ田舎なんっすかねー?」

「ねぇ~!せっかく芸能界に復帰するから、先輩とは向こうで会えると思ってたのにぃ~!」

「うっわ出たよ。またこの娘は抜け駆けしようと・・・。」

「僕も、仕事で向こうに行く時は、会えるのを楽しみにしていたんですが・・・。」

「直斗くんはいいんじゃない?」

「いいのかよっ!」

「・・・けど、ジョーダンはともかくさぁ~。一応ウチら受験生じゃん?そんな田舎に行っても大丈夫なんかなぁ~?ま、私は大学行かないけど。」

「私も、高校卒業したら、本格的に女将修業するつもりだから、大学は行かないつもり。」

「先輩なら、何処に行っても大丈夫でしょっ!なんせ、頭良いし。」

「そうですね。」

「ってこたぁ、大学受験すんの、センパイらん中じゃ、鳴上センパイだけっすかぁ~。」

「ちょっと完二くん?何で俺を自然とハブったんですかねぇ~?」

「「「「「えっ!?」」」」」

「アンタ、ベンキョーってガラじゃないっしょ?」

「あ、いや、それを言われると痛ぇんだが、これでも色々考えてんのよ、俺も。ちょっと、本格的に経営を学んでみたいなぁ~、とかさ。」

「へぇ~!意外、・・・でもないかな?」

「そうだね。」

「花村先輩は、案外人の上に立つのは向いているかもしれませんね。圧倒的なカリスマ性があるタイプではないですが、人と人を繋ぐのが上手いので、管理とか経営には意外と向いてるかもしれませんよ。」

「そーいわれりゃ~、ま、無くはないか。」

「じゃー、将来はジュネスの跡取りだね!」

「いやいや、それは無理っす。親父はあくまで雇われ店長だからな?」

「そりゃそーだ。けど、じゃあこんなトコで油売ってる暇ないっしょっ?アンタ、鳴上くんとは違って、頭あんま良くないんだからさぁ~!」

「痛いトコを的確に突いてくるよなぁ~、里中って。けど、一応これでも受験ベンキョーは始めてんのよ。親にゃ、無理言って家庭教師もつけて貰う予定だしよ。」

「うわぁ~、案外本格的なんだね。」

「けど、よく親御さんが了解してくれたね。」

「ま、こんなんでも息子が大学行きてぇ、ってんなら、ご両親も喜んだんじゃないっすかねぇー。」

「さっきからちょいちょい辛辣過ぎない、完二くん?」

「実はパパさんが乗り気だったんだクマ。ジュネスのバイトでは、結構ヨースケに苦労掛けてるからー、って。」

「そういえば、前に先輩に聞きましたが、花村先輩は年の近いバイトの人達から苦情受付係、みたいな事をしていたとか。」

「はぁ~!?何だよ、それっ!?いくらジュネスの息子っても、まだただの高校生だろっ!?花村先輩に苦情言っても意味ねぇじゃねぇ~かっ!」

「アイツ、そんな事言ったんかよ・・・。」

「先輩は、花村先輩の事を心配されていたんですよ。」

「ジュネスの息子ってのも、案外楽じゃないんだねー。」

「・・・少し分かる気がする。私も、天城屋旅館の娘っていう、レッテルを貼られた目で見られる事があるから。」

「「「「・・・。」」」」」

「ま、まぁ~、そんな話はいいんだ。もう、すでに終わった話だからよ。で、そんな訳で、俺も本格的にベンキョーを始める、っつー訳よ。」

「なるほど。」

「応援してるよ、花村。」

「おう、サンキューな。」

「じゃあ、今年はあんまり遊べないかもしんねぇーっすねー。」

「それとこれとは話は別よ。たまにゃ、息抜きも必要だからなぁ~!」

「それでいいんか・・・?」

「いいんじゃない?たまになら。」

 

なんて感じに、悠のいなくなったこの街でも、俺らの繋がりはなくなっていなかった。

ま、少しずつ変わってく事もあるが、これは成長、ってヤツだろうからな。

 

・・・ところで、実はまだ知らないんだが、その家庭教師ってどんな人なんだろうか?

できれば、綺麗なお姉さんだったら、俺もベンキョーに身が入るってなモンなんだけどなぁ~!(←フラグ)

 

 

・・・

 

番長side

 

一方その頃、俺こと鳴上悠は、美神さんの素早い根回しによって、横島の学校で編入試験と面接を受けていた。

 

って、今回出番これだけっ・・・!?

 

・・・

 

道化師side

 

「鳴上のヤツ、今頃編入試験の真っ最中っすかねー。どーやってゴリ押したのかはあえて聞きませんが・・・。」

「人聞きの悪い事言わないでちょーだい。私は、丁寧に“お願い”しただけよー?それに、学校側だって、生徒の編入を拒む理由がないわ。しかも、イザナギさまの話じゃ、鳴上クンは優秀な生徒だっつーんだから、尚更よ。ま、約束した以上、キッチリやるわよ、私は。まー、ちょっと急ではあったけど、あんまりノンビリしてると新学期に間に合わないからさー。」

「あら、なんだかんだ言って、令子、鳴上クンの事結構気に入ってるんじゃないの?」

「なぬっ!?」

「ち、ちょっと、ママ!誤解を招くよーな発言は止めてよねー!!」

「あら、そうなの?けど、私は鳴上クンの事が気に入ったわ。ひのめの事もあるけど、何よりあの子、中々人にはない着眼点を持っているもの。」

「・・・?どーゆー事?」

「実はね・・・。」

 

 

「ほー、そんな事が・・・。」

「元々一般人だったからかもしれないし、そもそも異世界の住人だからかもしれないけど、中々出てこない発想だからねー。」

「なるほどー。一種の分業ってヤツっすね。」

「そうですね。」

 

昨日、俺らが仕事に行ってる間にそんな事があったのか・・・。

 

「けど、確かに良い案だわ。ママの言う通り専門的な知識は必要だけど、専門の事務職を増やすってのは、特にオカルトGメンにとっては妙案じゃない?」

「そうね。日本では、特にオカルトGメンは人材不足が深刻だもの。一応、今年は六道さんの口利きで、六道女学院から新卒で何名か入る予定だけど・・・。」

「『霊能科』なんて変わり種、他にはそうそうないもんねー。それに、優秀な霊能力者は、当然どこも欲しがるから、競争率が高い、と。」

「日本は、民間GSの天下だったからね。もちろん、リスクはあるんだけど、安定した公務員より、ビックマネーを手にするチャンスのある民間に人材が流れてしまうのは、これは致し方ない事よ。」

「ま、それも、ある程度の見極めは必要だけどねー。なんだかんだで自分で事務所を構えるとなると、大金を稼げる可能性もあるけど、その一方で必要経費もバカ高いから、二流や三流じゃやってけない。それなら、安定した公務員になった方が良い場合もあるわ。」

「・・・よーしゃないっすねー。」

「あら、GSは完全な実力社会だもの。自分の力も見極められないようじゃ、最悪死ぬだけよ。」

「令子の言う通りね。そこで意地をはるのは、プロとしては失格よ。ま、それすらできない人も、中にはいるんだけど。」

「うぅ~、厳しい世界ですぅ~!」

「あら、おキヌちゃん。貴女は心配いらないわよ。横島クンもだけど、貴女達はすでに一流の力と実力を持っているわ。」

「ま、曲がりなりにも“私が”面倒見てるんだものっ!とーぜんよねぇ~!」

「ええ、早くこんなトコ辞めて、ウチに入ってくれれば良いのに。」

「ちょっとママ!こんなトコって何よっ!!それと、ウチのじゅーぎょーいんをヘッドハンティングすんのは止めて欲しいんだけどっ!?」

「あら、それは本人が決める事よ?二人とも、令子のわがままに疲れたら、いつでも相談してちょうだいね?」

「~~~!!!」

「「ははははは・・・。」」

 

あいかわらず、仲が良いのか悪いのか・・・。

 

「しかし、って事はおキヌちゃんも、もう二年になる、って事だよなー。ま、俺が三年になるんだから、当たり前っちゃー、当たり前だけど。」

「そうですねー。四月で無事進級します。最初は、ついていけるかも不安でしたけど。」

「ま、結構特殊な環境だもんなー。」

「勉強はもちろんなんですが、やっぱり皆さんのモチベーションが高くて・・・。」

「そーね。前にも言ったと思うけど、GS試験の合格者の三割は六道女学院の出身者よ。初めから目標がある分、やはりレベルも高くなるわよ。」

「・・・逆に言えば、三割も六道女学院の出身者がいる、って事が、GS全体の担い手不足を顕著にあらわしているわ。ま、特殊な才能が必要だから、それも仕方ないんだけど・・・。」

「ママも苦労するわねー。」

「ま、そこら辺は何とかするわよ。今だって、民間から出向や外部協力、って(てい)で乗り切ってるし、それでも人材は少しずつ集まっているからね。人手不足は、いきなり解決する事じゃないからねー。」

「ま、来年無事卒業できれば、ピートのヤツもオカルトGメンに入るでしょうし、そうなりゃ、かなりの戦力アップっすよね?」

「そーいや、ピートはオカルトGメンに入るつもりなんだっけ?」

「ええ。転入してきた時に、“国境や貧富の差にかかわらず人のために働きたい”って言ってましたからねー。当時は、まだ日本にオカルトGメンはなかったっすけど、日本に拠点ができた以上、そのまま就職するんじゃないっすかねー?」

「ピートクンなら大歓迎だわ!即戦力だし、何より、バンパイア・ハーフでもあるから、妖怪や人外との仲立ちにはうってつけの人材だしね!それに、鳴上クンから貰った案も、実はすでに関係各所に根回ししているの。早ければ、来年には何かしらのアクションがあると思うわ。」

「ママ、少しは仕事の話から離れてよ。ワーカホリックなんじゃないのー?」

「あら、オホホホ、ごめんなさいね。」

 

美神さんが呆れたよーにそうツッコミを入れた。

ま、それだけ人材不足が深刻な問題、って事だろーな。

 

「そいや、おキヌちゃんはいつGS試験を受けるんだ?」

「そうですねー。一応、GS試験には、特に条件や年齢制限がある訳ではないみたいなんですけど、ウチの学校では三年になってから受ける決まりになってるよーです。」

「ま、霊能力さえあればそれがある種の資格だからね。けど、六道女学院はオカルト業界の名門なワケだから、やっぱりメンツも関わってくるから、じっくりと育ててから受けさせる方針みたいね。」

「なるほどー。じゃ、おキヌちゃんは来年までおあずけかー。」

「ま、ママの話じゃないけど、GSは実働だけでなく、事務なんかもやんなきゃなんないからね。そうした意味では、六道女学院のカリキュラムは理にかなってるわ。卒業したら即戦力。それは、実働でも事務面でも、って事よ。ってか、それで思ったんだけど、横島クン。アンタもそろそろ事務仕事を学んだ方が良いかもしれないわねー。」

「え゛っ・・・!!??」

「あんま言いたくないけど、アンタのGSとしての能力は、すでに私を超えてるわ。けど、事務仕事に関しちゃ、まだまだ素人同然よね?せっかくアンタのお母様との約束で仕事はセーブしてんだから、これを機会に事務仕事を仕込むのも有りね。ま、私も楽になるしねー。」

「お、俺、頭を使うのはあんま得意じゃないんすけど・・・。」

「そうも言ってられないわよ、横島クン。個人で開業するにしても、どこかに所属するにしても、一人前のGSになるには、事務仕事は付き物なの。さっき、私が話していた事にしたって、細かいところは現場のGSの報告書が必要不可欠よ。諦めて、しっかり覚える事ね。」

「そ、そんなー!!!」

 

最近は修業も良い感じになってきたと思ったらこれである。

 

「私もお手伝いしますから、一緒に覚えていきましょーね、横島さん!」

 

ああ、やっぱりおキヌちゃんはええ娘や。

 

そんなこんなで、俺こと横島忠夫の新たなるミッションに、“事務仕事を覚える”が追加されたのであったーーー。

 

 

to be continued




誤字・脱字がありましたら御指摘頂けると幸いです。

後、私事で恐縮ですが、「小説家になろう」さんや「カクヨム」さんにて、「『英雄の因子』所持者の『異世界生活日記』」というオリジナル小説を執筆・投稿していますので、もしよろしければ、本作共々チェックして頂けると嬉しく思います。
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