続きです。
最近は投稿頻度は遅いですが、ボチボチとやっていく予定です。
そんな訳で、来年もよろしくお願いいたします。
では、良いお年を。
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魔術師side
「そ、そんなっ・・・!私らは、ただ事件を解決しただけじゃんよっ!」
「それなのに、その中心となった鳴上くんが狙われるなんて・・・。」
「いや、俺にキレられても知らねぇ〜っの。」
「あ、・・・ごめん。」
「んで、花村先輩。んな、ふざけた事を仕出かそうとしてる連中の正体とかは聞いたんすかっ!?」
「先輩を狙うなんて許せないっ!」
「いや、それは教えて貰ってない。っつか、お前らも落ち着けよ。悠はすでにイザナギさまに匿われてるんだからよ。」
「そうですね。それに、僕らには特殊な能力があると言っても、それでもあくまで普通の高校生である事には変わりありません。具体的にはどの様な集団が先輩を狙っていたかは分かりませんが、少なくともイザナギさまが警戒するくらいですから、かなり危険な組織である事は間違いないでしょう。下手に騒ぎ立てるのは、かえって危険でしょう。」
「っ〜〜〜!オメーは悔しくねぇ〜のかよ、直斗っ!」
「もちろん腹が立ちますが、僕らが暴走しても良い結果にはならないですよ。それが分かっていたから、イザナギさまはあえて全ての情報を公開していないのだと思います。・・・それに、先輩の為に、と言って、僕らに万一の事があっては、かえって先輩を悲しませる事にもなりかねない。気持ちは分かりますが、今は一旦冷静になるべきです。」
「「「っ!!!」」」
「っ!!!・・・そっか、そうだな。」
あくまで冷静な直斗の言葉に、ヒートアップしかけていた里中達も、だいぶ冷静さを取り戻した様である。
・・・っつか、やっぱり直斗が新リーダーの方がよくね?
「それで花村先輩。イザナギさまは、今後僕らにどう動く様に言っていたのですか?」
「いや、それが、今後については俺も知らされていないんだよ。ま、近い将来、俺らの力を借りたい様な事は言ってたから、その内また接触してくると思うが・・・。とりあえず、まずは情報を共有しておきたかったらしい。」
「なるほど・・・。このままずっと隠し通す事もできたのに、あえてそうしなかったのは、その事も関係してきそうですね。仮に、僕らが何も知らないまま何らかの事件に巻き込まれてしまった場合、まず間違いない混乱しますからね。しかし、心構えができていれば、ある程度は冷静に対処できる。」
「けど、私らは現実世界ではただの高校生じゃんよ。その事を知ってたからって言って、何ができるの?」
「いや、お前ら、さっきはそんな事関係なく敵に突っ込もうとしてたからな?けど、イザナギさまの話じゃ、実は俺ら、現実世界でもペルソナ能力が使えるらしい。」
「えっ!?そうなのっ!!??」
「けど、多分みんなもだとは思うけど、私は一度現実世界でもペルソナが召喚できるか試してみた事あるけど、何も起こらなかったよ?」
「あ〜、何でも、ペルソナ能力は“危険に立ち向かう為の力”らしいから、普段の生活では使えないんだとか。ま、普通に生きてる分には、必要じゃねぇ〜からな。」
「なるほど。確かに普通に生きる上では必要のない力ですよね。いや、むしろ下手に現実世界でも簡単に使用できた場合、逆に危険を伴う事もありそうです。」
「確かにな。考えてみりゃ、火とか電撃とか、メチャクチャ危ねえモン使えるとあっちゃ、下手したら俺らがお縄になっちまうか。」
「なるほどね。じゃ、もしかしたら、本当は使えたんだけど、無意識の内に自分で自分に制限を掛けていたのかもね。遊び半分で使わないよーに、とかさ。」
「かもなぁ〜。」
っつか、サラッと言ってたけど、天城も試したのか・・・。
いや、もちろん俺も試した事あんだけどね?
ほら、最初の頃は、ヒーローになったみたいで浮かれてたし、多少は、な?
「けど、鳴上くんも大変だよねー。こっちに来たらいきなり例の事件があって、んで、今度はそれが解決したと思ったら訳の分からない事に巻き込まれるなんてさー。」
「・・・確かに。」
「・・・けど、何で先輩が狙われるんだろう?」
「や、だから、それは悠がイザナギさまを召喚したからだろ?しかも、例の事件の黒幕であるイザナミに対抗する為に、所謂“ホンモノ”を呼び出したからだって、イザナギさまも言ってたしよ。」
「うん、それは分かるんだけど、それだったら別に私達でもよくない?“ホンモノ”かどうかなんて普通の人には分からないワケだし。」
「確かに、久慈川さんの意見も分かります。仮に先輩を狙っている連中がこの国の転覆を狙っているのなら、とある家系に直接的に関わりのある“カミサマ”の写し身を、天城先輩は持っていますからね。」
「わ、私っ!?」
「ええ。アマテラスオオカミですよ。古事記や日本書紀によれば、彼女の孫であるニニギノミコトが、とある家系の始まりとされていますし、そもそも、まぁ、神道系は複雑なんですが、それに日本の宗教は多神教的な側面がありますから、唯一神、という存在はいないとされていますが、それでも日本の神々の代表的な立場でもあるアマテラスオオカミは、かなりの影響力を持っているでしょう。」
「んなの、花村先輩も説明してたけど、八十稲羽がイザナミのテリトリーだったからじゃねーのか?少なくとも天城先輩は、高校を出るまではこの地に住んでるワケだから、下手に手出しできなかったとかよ。」
「確かにそれもあるでしょうね。そうした意味では、両親の都合上、都会に帰る事が確定していた先輩が一番狙い目だったのかもしれません。」
「なるほど・・・。」
「けど、考えてみたら、いくら“ホンモノ”を召喚したからって、それで狙われるのもおかしな話だよねー。」
「確かに。“カミサマ”って言っても、それで今の日本を変える事なんてできないよね?」
「お気持ちは分かりますが、彼らが欲しているのは単純な“力”ではないんですよ。むしろ、大事なのは“権威”の方です。これは、歴史的にもよくある話なのですが、例えば戦国武将なんかも、最終的には“朝廷”に認められる事が重要でした。“朝廷”に認められなければ、いくら力があっても日本の真の支配者にはなれない。ですから、戦国武将達は、こぞって“上洛”、かつての日本の首都であった“京都”に上る事を目指していたのです。“幕府”というモノも、“朝廷”が任命した“征夷大将軍”という役職の者が開いたモノですし、現代においても、行政の長である“内閣総理大臣”なども、とある家系の任命を受けている、という形になっています。政治においては、“正当性”というモノが極めて重要になってきますから、先程のアマテラスオオカミに認められているとか、イザナギオオカミを後ろ盾に持っている、という事は非常に重要な意味を持ちます。それこそ、とある家系より上位の存在が後ろ盾にいるのと同じ事ですからね。つまり、政治的な事も踏まえると、先輩を狙う事はむしろ大きな意味を持っているのですよ。」
「な、何だかややこしいんだね。」
「それに、何だかふざけた理由だな・・・。」
「案外そんなモノですよ。歴史的にも、“血筋”というのは重要ですから、とある偉人の血筋であるという理由だけで、年端のいかない幼子を首長に据えて、実際には傀儡政権を実現したいた例も無数にありますからね。“権威”というのは、それだけ重要な要素なのです。ですから、本来はそうした話とは無関係の先輩が、“世界”を救う為に呼び出したイザナギさまをその身に宿している事が知られた結果、狙われる事となってしまった訳ですよ。」
「マジでふざけてんなー。そんなの、やりたきゃ勝手にやればいいだろーに。」
「彼らにとっては、それが“正義”なんですよ。そうした“真実”を受け入れられない者達は、一定数いるって事です。だから、例の事件の様な事も起こる。」
「確かに、イザナミも言ってたもんな。“真実”なんて知って何になる。って。」
「人は見たいモノを見たい様に見る、か。何だか、今回の話もそれに似通ってるかもな。」
「そうですね。」
ま、これは俺らにも言える事だけどな。
生田目、さんの時は、俺らも菜々子ちゃんの事があって冷静じゃなかった、ってのもあるが、生田目さんを真犯人に仕立て上げる事を俺らは無意識に望んでいた。
それは、正しく“真実”からは程遠い事だった訳だが、それで良いと思ったら、それが“真実”になってたかもしんねぇ〜からな。
「しかし、一つ分からないのは、イザナギさまの話では、その連中の後ろにはすでに“カミサマ”がいる事です。」
「そういや、そんな事言ってたよな。」
「イザナギさまの話では、“マヨナカテレビ”が見られるのは八十稲羽周辺だけだそうですし、しかしそれは神性の者達には適用されないルールだから他の土地でも見れていた、という事は、まず間違いなくその連中の後ろには“カミサマ”に該当する存在が控えている筈です。ならば、わざわざ先輩を狙うまでもなく、すでにある程度条件は整っている筈ですけど・・・。」
「そんなん、その“カミサマ”の位?、ってのが、イザナギさまに比べたら低いからじゃないの?」
「それはそうかもしれませんね。イザナギさまはこの国を形作った神であり、アマテラスオオカミは現代に通ずる政治体制の基礎を築いた神だ。それに比べると、その“カミサマ”がどの様な存在かは知りませんが、“権威”としては大分劣る事になる、か・・・。」
「ま、ここでそんな事ウダウダ考えても仕方ねぇ〜だろ?とりあえず、そんな連中の思惑通りにさせない様に、俺らがキバればいいって事だろ?」
「・・・たまにお前のその単純さに救われるぜ、完二。けど、その通りだな。」
「うんっ!」
「そうだね。」
「たまにはバ完二も良い事言うじゃん。」
「バ完二はヨケーだっつのっ!」
「では、“自称特別捜査隊”、再結成、ですねっ!」
「おうっ!一応、悠の代わりとして、副リーダーである俺がリーダーを代行する。・・・けど、正直俺はリーダーには向いてねぇ〜と思うから、皆に助けて貰うと思うけど、そこんところもよろしくなっ!」
「「「うんっ!」」」
「うっすっ!」
「了解しました。」
こうして、考えてみたら短い解散期間を経て、俺ら“自称特別捜査隊”の再結成と相成った訳であるーーー。
「ところでヨースケー。マリーちゃんの事はみんなに言わなくてもいいクマかー?」
「「「「「・・・・・・・・・へ???」」」」」
と、そこへ、今まで珍しく黙っていたクマから爆弾が投下された。
「ちょ、おいっ・・・!」
「え、マリーちゃん見つかったのっ!?鳴上くんの話じゃ、イザナミとの決戦の後、行方が分からなくなってたって聞いたけど・・・。」
「・・・よかった。心配してたんだよ。」
「・・・個人的には、よかったよーな、悪かったよーな。」
「性格ワリーぞ、りせ。素直に喜んどけや。」
「“虚ろの森”の事件の時に、マリーさんはイザナミの半身、という様な話を聞いていましたから、黒幕であるイザナミを倒してしまった事で、何かしらの影響があったのではと懸念していましたが、そうですか、見つかったのですね・・・。」
突如としてもたらされた朗報に、皆の表情は明るかった。
ま、なんだかんだ言っても、マリーちゃんも俺らの仲間みたいなモンだからな。
皆、口には出さなくとも、内心心配はしていたんだろう。
と、ここまで聞いた分には良い話なんだが、見つかった経緯を考えると、俺は気が重かった。
・・・頼むぞ、クマ。
余計な事は言うんじゃねーぞっ!?
「んで、どこで見つかったの?ってか、また会えるよね?」
「それが、ナナチャン家に居たクマよー。今は、ナナチャン家に居候しているみたいクマ。」
「へっ・・・?な、菜々子ちゃんの家?って事は、堂島さんの家っ!?何でまたそんな事になってんの?」
「それはクマねー・・・。」
「ま、まー、何でもいーじゃねーか。とりあえず無事に見つかったならよー。それに、堂島さん家にマリーちゃんが居るなら、変な連中に菜々子ちゃんが狙われる心配もねぇ〜訳だし?ほら、マリーちゃんは、“カミサマ”みたいなモンじゃん?」
「それはそうだけど・・・。」
「怪しい・・・。花村先輩。何か隠してない?」
ギクッ!
・・・あいかわらず、りせは妙に鋭い。
「確かに、マリーさんが見つかったのは喜ばしい事ですが、何でまた堂島さんのお宅に厄介になる事になったのかは気になりますね・・・。」
「ねー、クマー。どういう事か説明してくれるわよねー。」
「うー、りせちゃんコワイクマー。」
「え〜い、キリキリ吐けぇ〜いっ!」
「い、いや、だから、マリーちゃんはセンセイの
「あ、バカッ・・・!」
「「「「「・・・・・・・・・はっ???」」」」」
りせの圧に負けたクマは、簡単にゲロってしまう。
その発言に、一瞬時が止まった。
「い、許嫁っ!?ちょ、ちょっとどーゆー事よ、クマ吉っ!!??」
「し、知らんクマよー。クマもマリーちゃんにそう言われただけクマー。」
「・・・も、もしかして、菜々子ちゃんの近くに居る為の口実とか?考えてみたら、鳴上くんの一番の弱点になるって言ったら菜々子ちゃんだし。」
「そ、それはあるかもしれませんね。先輩は今、花村先輩やイザナギさまの話では
「で、“許嫁”って事にしたの?・・・何だか納得いかないけど、ま、菜々子ちゃんが関わってるなら、私も流石にアレコレ言わないけどさー。」
「っつか、センパイとマリーって付き合ってたんじゃねぇ〜の?しょっちゅう一緒にいたしよー。」
「完二くん?何で火に油を注ぐ様な事を言うんですかねぇ〜?」
里中達が、良い感じに辻褄を合わせて納得していたところに、更には完二のヤツが燃料を投下する。
「えっ、そ、そうなのっ!?」
「い、言われてみれば、妙に仲が良かったよーな。」
「か、考えてみれば、“虚ろの森”の一件も、端から見たらただの痴話喧嘩っぽくもありましたよね・・・。」
「ウソッ・・・!先輩が私に断りもなしにマリーちゃんと付き合ってたなんてっ・・・!?」
「いや、お前に断りを入れる必要はねぇ〜だろ。」
思わずツッコミを入れてしまった俺に、里中達の視線が突き刺さった。
「・・・そういえば花村、さっきからミョーに話をはぐらかそうとしてなかった?」
「うん、してたね。」
「・・・花村先輩?何か知ってるの?」
「これは、じっくりと事情聴取をする必要があるかもしれませんね・・・。」
「あ、いや、その、えぇ〜と・・・。ハハハッ!」
「「「「誤魔化すな((さないで))(さないで下さい)っ!!」
「・・・ハイ。」
結局、必死に言い訳をするハメになりました。
・・・何故か俺が。
くそっ、悠、恨むからなっ・・・!
後、ついでにイザナギさまとクマと完二も。
to be continued
誤字・脱字がありましたら御指摘頂けると幸いです。
後、私事で恐縮ですが、「小説家になろう」さんや「カクヨム」さんにて、「『英雄の因子』所持者の『異世界生活日記』」というオリジナル小説を執筆&投稿しておりますので、よろしければこちらも本作とあわせてチェックしてみて下さい。