続きです。
補足説明を少し。
GS美神は、元々90年代初頭頃に連載をスタートされていますので、原作の世界観もその頃の影響を多分に受けています。
一方のP4Gは、2000年代後半から2010年代前半頃のイメージですから、世界観的にはかなりの開きがあったり。
そこで本作では、統合して、ほぼ現代(2020年代)に近い設定でお送りしています。
スマホやサイトなんかが普通に出てくるのは、そうした影響です。
番長side
「・・・で、結局その後はどうなったのよ?」
「真犯人である横島と同学年の男子生徒を、ピートさんとタイガーさんが確保してくれました。それで、横島の冤罪は晴れましたよ。その後の事については、学校側と警察やオカルトGメンに任せています。まぁ、そこまで大袈裟な事件ではありませんでしたから、学校側としては事を大きくしたくない様でしたけどね。」
「ま、ノゾキの罪をなすりつけただけじゃーねー。・・・それに、横島君の場合、疑われるだけの根拠があるワケだし・・・。私も、何度のぞかれた事か・・・。この際、私もコイツを訴えようかしら?」
「それだけは勘弁してくださいよっ!今は真っ当にやっとるでしょっ!!??」
「ま、まーまー。」
あの後、真犯人を捕まえた俺達は、彼を学校側に突き出した。
それによって、横島の疑いは晴れ、こうして無事に帰ってきた訳である。
で、どこで噂を聞き付けたのか、俺、横島、ピートさん、タイガーさんを事務所に呼び付けた美神さんから、こうして報告を求められていた訳なのだが・・・。
ギャーギャーと、いつもの調子でやりあっている美神さんと横島、それをなだめているおキヌさんを尻目に、俺とピートさん、タイガーさんは割と深刻な調子で話し合っていた。
「しかし、気になるのはその彼が口にした“裏サイト”、ですよね・・・。」
「そうですケンノー・・・。鳴上さん。もしかしたら、そのサイトが、例の“催眠アプリ”の出処ではないカノー?」
「それは俺も思っていました。今回の件も、偶然にも中高生が加害側でしたし、その“催眠アプリ”に関しても、西条さんの話だと、中高生に密かなブームとなっているらしい。偶然にしてはできすぎていますよね。」
「それって、鳴上君が捜査協力した、って例の事件の事よね?」
と、そこへ、いつの間にやら横島とのやり取りを切り上げた美神さんが、話に割って入ってくる。
「ええ、そうです。もっともそれに関しては、アプリ開発者らしき人物の特定には至らなかったそうです。ダミーの会社にまでは行き着いたそうですけど、そこから先は手掛かりが全くないそうでして・・・。」
「・・・相当な手練ね。ただの反社会的勢力とは訳が違うわ。全て入念に準備をしている印象ね。こりゃ、西条さんも苦労するわねー。」
「んじゃあ、その“裏サイト”から何か掴めたりとかは・・・。」
「仮に鳴上君達の見立て通り、同じ組織か人物が関与していたとしたら、証拠を残す様なヘマはしていないでしょうね。」
「悪質ですね・・・。しかも、ターゲットを中高生に絞り込んでいるみたいですし。」
「ま、右も左も分からない様なガキンチョを騙すのなんて訳ないからねー。同じ様な理由で、特殊詐欺とか、闇バイトとか、若者がターゲットにされるケースは昔からあるわ。・・・けど、今回は少々毛色が違う様だけどね。オカルトを使った犯罪となると、それなりに高度な知識が必要となるもの。」
「・・・確かに。」
「これについては、オカルトがいかに危険かの周知徹底が重要でしょうね。ま、どっちにしても、これは行政側が動かない事には難しいでしょうけどね。ママや西条さんが、すでに働き掛けているんじゃないかしら?」
「けど、こういうのってイタチごっこっすよね?」
「それでも、やらないワケにはいかないのよ、横島君。ま、女好きは結構だけど、アンタも今後は悪目立ちする事は控えるべきね。どこでどの様な恨みを買うかも分かったモンじゃないし。」
「・・・流石に、あちこちで恨みを買ってる人の言葉には説得力がありますねー。」
「ああんっ!!??」
「んぎゃーーー!!!」
「ま、まーまー。」
余計な一言によって、美神さんに折檻を受ける横島。
ま、あれは彼らのコニュニケーションみたいなので、そっとしておこう。
「し、しかし、鳴上さんの能力は凄いですね。まさか、ほとんど手掛かりのない中で、アッサリと真犯人を見付ける事ができるとは思っていませんでしたよ。」
「元々これは、俺自身のペルソナじゃないので俺もよくは分かってないんですけど、横島は俺達と一緒にいましたから、犯人ではありえませんでしたからね。だったら、横島以外の人が横島になりすましている、って感じサーチしたら、割とすんなりいきましたよ。」
「ほー。」
「“催眠アプリ”の時も、そんな感じでしたノー。」
「探知能力って割とそんな感じらしいわ。“
「そういや、ペルソナってイザナギさまの話じゃ、人々の集合無意識と繋がってるんじゃなかったか?って事は、実質的に現代に生きてる人間からなら、いくらでも情報を引き出せんじゃねーの?」
「その線もあるわねー。もちろん、それには膨大な量の情報を処理する必要があるから、ある程度“キーワード”を絞り込む必要はあるでしょうけど。」
「だとしたら、鳴上さんの探知能力って、相当規格外ですよねー。」
「それに、そこら辺はちょっと疑問もある。仮に横島の言う通り人々の集合無意識と繋がっていると仮定しても、俺は元々はこちらの世界の住人ではないから、こっちの人々の集合無意識とも繋がっている、ってのは、少々違和感があるしな。」
「あー、そりゃ確かに。」
「・・・こちらの世界の住人じゃない?」
「・・・・・・・・・あっ。」
「なるほど、“異世界人”ですか。」
ピートさんも他の人達と同様に、事情も説明すると割とすんなり受け入れてくれた。
「お前な~。愛子に続いて、今日だけで2回目だぜ?まだピートが俺らの仲間だからいいものを、もう少し自分の言動には注意しろよ〜。お前、しっかりしてるよーで、案外抜けてんなぁ~。」
「・・・面目ない。」
が、流石に俺の迂闊な発言に呆れかえっていた横島の言葉に、俺も素直に反省していた。
「横島君の言う通りね。世の中、あくどい事を考えるヤツも多いから、もう少し自分の置かれた立場を自覚した方が良いと思うわ。カオスじゃないけど、面白いサンプルだとか言って、狙われないとも限らないし。」
「・・・確かに。ご忠告、ありがとうございます。以後、そのワードは出さない様にします。」
「ま、まぁ別に、アンタに何が起ころうと知ったこっちゃないんだけどさー。一応、ひのめのベビーシッターを任せてる関係もあって、勝手に居なくなられると面倒だしねー。」
「もー、素直じゃないんだから・・・。」
「・・・何か言った、おキヌちゃん?」
「いえいえ、別に何も。」
そっぽを向きながらも、そんな事を心配してくれる美神さんは、やはりそれなりに優しいのかもしれない。
ま、素直でない事は、完全におキヌさんに同意なのだが。
ギャーギャーと照れ隠しでおキヌさんに噛み付く美神さんを見事にいなし、おキヌさんは話を元に戻した。
「しかし、そう考えると鳴上さんの疑問ももっともですよね。鳴上さんはこの世界の住人ではないから、こちらの世界の人々の集合無意識?、つまりはネットワークとは繋がってない可能性の方が高い訳ですし。」
「ま、単純にそのペルソナの持つ能力って可能性もあるしねー。もっとも、鳴上君の言う通り、そのコウゼオン?、は元々アンタの能力じゃないらしいし、分かってない事も多いんでしょうけど。」
「そうですね。」
「ま、あんま深く考えんなよ。便利だなー、くらいの認識でいーんじゃねーの?」
「アンタは楽観的過ぎんのよっ!」
「あべしっ!!!」
「ま、横島君の意見はアレだけど、気にしても仕方ないわね。どうしても気になるが様なら、イザナギさまが戻られた時に聞いてみるのもいーんじゃない?なるべくなら、自分の能力は把握しておく事にこした事はないし。」
「そうします。」
なんだかんだ言って、面倒見の良い美神さんの意見に俺は頷いた。
「それと、そっちは結局は学校側と警察が片付けるでしょーけど、今回の一件は、ある意味“サイバーオカルト犯罪”に通じてるみたいだし、一応ママや西条さんには報告しておいた方がいいかもね。ま、私のカンでは、おそらくその“裏サイト”からは何にも出てこないかもしれないけど・・・。」
「分かりました。」
「嫌な事言わんで下さいよー。美神さんのカンはよく当たるんすから。」
その後、美智恵さんと西条さんに事のあらましを説明した俺は、結局その“裏サイト”はすでに閉鎖されていた事を告げられた。
こうして、どうも後味の悪い感じではあったが、一連の事件は一応の幕引きとなったのであったーーー。
・・・
???side
「・・・どうやら、カモの一人がヘマをしたみたいだな。GSに勘付かれたみたいだ。」
「えぇ〜、ダッセェなぁ〜。ま、っつっても、元々これって、広告とカモフラージュの一環っスけどねぇ〜。」
「確かにな。少しは真実味のある事件が起こらなければ、サイトの信憑性はいまだにゼロに近しい。」
「逆に言えば、奇妙な事件が起これば起こるほど、真実味も増してくる、ってか?ま、その分、奴らに尻尾を掴まれやすくなるっスけど。」
「そこは、貴様の腕を信用しているよ。それともまさか、不安か?」
「ハハハ、誰に言ってんスかぁ〜。俺、これでもこの道のプロっスよ?」
「だろうな。だからこそ、貴様をスカウトしたワケだし。」
「俺も、アンタらに出会えて嬉しいぜ。中々面白い事になりそーだし。」
「・・・フッ。」
一方その頃、東京都内のとある場所で、ごく普通のサラリーマン風の男と、多少風変わりだが、それでも普通の範疇に入る大学生風の男が背中越しにそんな会話を交わしていた。
「とりあえず、そのサイトは削除しておけ。」
「ほいほーい。ま、他のサイトも無数に存在するし、
「サイバー捜査自体、日本ではまだそこまで大規模なモノじゃない。それに、それにはかなりの専門性が必要となる。専門知識を持った人材は、一朝一夕では育たんからな。それに、“サイバーオカルト”となれば、もはや未知の分野だろう。」
「それだけが、俺にとっては不満っスけどねぇ〜。」
「我々としては、相手に脅威がいない方がありがたいがね。」
サラリーマン風の男の指示に、大学生風の男は素直に従い、即座にノートパソコンをいじくり出した。
その片手間で、今のところ特に目立ったカウンターがない事に、大学生風の男は多少の不満を漏らしていた。
大学生風の男としては、歯ごたえがない事に対する不満だったのだが、サラリーマン風の男としては、まだ脅威度が低い状況で種をまけるのは願ってもないチャンスであった訳だが。
「んで、次の一手はどうするんスか?」
「特に何も。今まで通りだよ。とにかく、種をまき続けるだけさ。」
「かったるいっスねぇ〜。もうちょっと、関係各所にサイバーアタックを仕掛けるとかさぁ〜。」
「言っておくが、それは自重してくれよ?それに、種まきは重要だ。いずれくる収穫の時に向けて、な。そうなれば、かなり面白い事になる。その時に立ち会えないのは、かなりつまらんと思うぞ。」
「ほぉ〜。計画の全容は把握できてないけど、アンタがそこまで言うとはねぇ〜。オッケー。今は、俺も大人しくしてるっスよ。・・・けど、実際どれくらい面白いんスか?」
「ま、詳しくは言えんが、軽く日本社会が混乱するくらいの事は起こるぞ。何にも知らない奴等が、右往左往するのはかなり面白いとは思わんか?」
「ほぉ〜・・・。それは、かなり、いや、相当面白そうっスねぇ〜。」
「だろう?・・・さて、では、私はそろそろ行くぞ。また、追って連絡する。」
「うっす。おつかれっしたぁ〜!」
一通りの話が終わると、サラリーマン風の男はスッと立ち上がった。
それを、肩越しに見やりつつ、大学生風の男はひとりごちた。
「いや、メッチャフツーのオッサンなのに、やってる事はフツーじゃねぇ〜よなぁ〜。何だよ、“普通の人々”ってさぁ〜。」
to be continued
誤字・脱字がありましたら御指摘頂けると幸いです。
後、私事で恐縮ですが、「小説家になろう」さんや「カクヨム」さんにて、「『英雄の因子』所持者の『異世界生活日記』」というオリジナル小説を執筆&投稿しておりますので、もしご興味がありましたら、本作共々チェックして頂けると嬉しいです。