P4GS   作:笠井裕二

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続きです。


デジャヴーランドに行こう! 2

 

“デジャヴーランド”とは、正式には“東京デジャヴーランド”という。

ま、GS世界における、東京ディズ○ーランドみたいなモンである。

 

で、なんだかんだ横島は、以前は超薄給で働かされていた事もあってそんな遊園地には縁がない、様にみえて、実は過去に数度訪れた事があった。

と、言っても、一度は知り合いの女の子が地元商店街の福引で当てたペア招待券にて()()しただけで、お互いに苦学生であった二人(プラスα)はマトモにアトラクションを楽しめなかったのだが。

他の場合も仕事がメインで、結局純粋に楽しんだ事は皆無なのであった。

 

と、まぁ、中々悲惨な青春時代を過ごしている横島ではあるが、“例の事件”以降(正確にはもう少し前からある程度は改善されていたが)、横島夫妻の襲来によってマトモな給与を貰える様になってからは(正確には、一応見習い、研修期間とは言えど、すでに美神を超える実力を身に付けているので、高校生でバイトとは言え、サラリーマン並の給与を貰っていたが)、懐にも余裕ができ、しかも今回の場合は仕事でもないので、何の憂いもなく楽しめる、ーーー筈だったのである。

 

ま、とは言え、生来のトラブルメーカー(主人公補正とも言う)である横島と鳴上が揃っていて、逆に何も起きない筈もなく、本当の意味で横島が遊園地を楽しめるのは、まだ遠い未来の話かもしれなかったーーー。

 

5/3

 

番長side

 

「来たでちゅ、来たでちゅ〜!ここが、デジャヴーランドでちゅかぁ〜!!!」

「こ、これは凄いですねぇ〜!ここでは、何かのお祭りでもあるのですか?」

「ま、似たよーなモンっすよ。っつっても、ここでは毎日がお祭り、みたいなモンですが・・・。」

「はぁ〜!」

「とは言え、やはりゴールデンウィークだからか、普段よりも人は多めなんじゃないか?ま、俺もここに来たのは初めてだが。」

「人が多すぎて目眩がする・・・。」

「ま、ひきこもり狐にはこーゆー場所は似合わんでござるが・・・。」

「・・・ア゛ンッ!?」

「・・・オ゛ンッ!?」

「こんなトコまで来て、ケンカすんなよ、お前ら・・・。っつか、前に来た時ははしゃいでいたってシロが言ってたよーな・・・?」

「そ、それはっ・・・!」

「おおかた、パピリオどのの手前、はしゃぐのが恥ずかしいのでござるよ。おねーさんぶりたい年頃なのかもしれんでござるなー。」

「・・・ア゛ンッ!?」

「・・・オ゛ンッ!?」

「だからやめーっちゅーにっ!!」

 

入場早々、いつものじゃれ合い(ケンカ)を始める二人。

ま、俺はひのめちゃんや西条さんの関連で、割と二人といる事も多いのでもはや慣れてしまっていたが。

なんだかんだ引率って事で、横島は必死に二人をなだめていたが。

 

ちなみに、本日のメンツは、俺、横島、パピリオちゃん(よそ行き仕様)、付き添いの小竜姫さま(よそ行き仕様)、そして、美神さんが旅行に行った事で、なし崩し的に付いてくる事となった(押し付けられる事になったとも言う)、シロとタマモである。

ちなみに、おキヌさんは、友人達とのお出かけの為、こちらには不参加であった。

 

何気に女性比率の多い集団である。

まぁ、実はここにいる女性達は純粋な“人間ではない”とは言え、端から見れば、美女、美少女、美幼女の集団であるから、家族連れ、カップルや友人連れなどで賑わう園内の中でも一際目立っていたりする。

 

 

(・・・どういう集団?)

(チッ、ハーレム野郎かよ・・・。イケメンは氏ねっ・・・!)

(・・・っつか、あっちのバンダナは何要員?お笑い担当、とか?)

(案外、ああいうヤツがモテたりするんじゃねーの?)

(・・・いやいや、もしかしたら両手に花はカモフラージュで、イケメンとバンダナがデキているのかも・・・。)

(何それ、妄想が捗るゥー!・・・グフフ。)

(擬態しろし・・・。)

 

 

・・・ゾクッ!

な、何だっ!?

今、一瞬、妙な悪寒が全身を駆け巡ったが・・・。

 

「どしたん、鳴上?キョロキョロして?」

「い、いや、お前は何か感じなかったか?こ、こう、何とも言えない嫌な感じと言うか・・・。」

「・・・いや、特に霊感に引っ掛かるモノはなかったと思うが・・・?ま、案外、お前みたいなイケメンは、変な妄想のネタにされがちなのかもなぁ〜!」

 

アハハァ〜と笑う横島に、俺は気の所為だったのかと思った。

横島や小竜姫さまが何の反応も示さなかったからである。

 

・・・とは言え、横島の説で納得するのは、それはそれで嫌だったが。

 

「ヨコシマ〜、ナルカミ〜!何をしてるでちゅか?さっさと行くでちゅよぉ〜!?」

「おお、すまんすまん。」

「・・・ああ、楽しもう。」

 

居ても立っても居られないパピリオちゃんに促されて、俺達は本格的に園内に移動するのであったーーー。

 

・・・

 

「面白かったでちゅ〜!もう一回乗りたいでちゅよぉ〜!」

「いやいや、待ち時間が半端ないから。それに、時間は限られてんだ。他のアトラクションも楽しめた方がいいんじゃね?」

「うぅ〜ん?それも一理ありまちゅねぇ〜。じゃあ、次はあそこに行こうでちゅっ!」

「あ、おい、引っ張るなよぉ〜!」

 

「ば、バカなっ!?まだ上がる、だとっ!!??」

「・・・えっと、何のお話でしょう?」

「いやだなぁ〜。パピリオちゃんの『妹力』の事ですよ。」

「は、はぁ・・・。よく分かりませんが。」

「・・・小竜姫さま。あまり気にしない方が良いでござるよ?()()は、鳴上どのの病気、みたいなモンでござるから。」

「幼女と見れば、“俺の菜々子の方がカワイイ。”、“中々の『妹力』だが、まだまだ菜々子には遠く及ばない。”とかブツブツ呟いてるからねー。鳴上って、結構危ないヤツなのかも?」

「そ、そんな、まさかっ!?な、鳴上さんは、幼い少女を性愛の対象として見ている、と?」

「・・・おそらく。」

「いやいや、違いますよっ!シスコンである事は否定しませんが、そんないかがわしい趣味はありませんっ!!そもそも、俺にはマリーって恋人がいますしっ!」

「・・・分かってるわよ。けど、散々菜々子の話を聞かされ続けたこっちの身にもなって欲しいわ。」

「そうでござるなー。鳴上どのは、何かと言うと、向こうの世界の仲間達か、菜々子どのの話ばかりでござるから、我々も耳にタコでござるよー。」

「ああ、そういう・・・。それで、パピリオにまでそんな事を言い始めたから、少しばかりイジワルをした、と?」

「ま、そんな感じ。」

「その、すまん・・・。」

 

これに関しては、意識してなかったが、すっかり二人の不評を買っていた様である。

が、それで人を所謂“ロリコン”に陥れようとするのはちょっとやりすぎではないだろうか?

ま、あえてここでは反論しない事とするが。

 

「コホンッ!・・・しかし、本当に、何か、仲の良い兄妹、みたいだな・・・。」

「「(・・・誤魔化しましたね(したわね)(でござるな))。」」

「・・・よく笑う様になりましたよ、あの娘は・・・。横島さんが妙神山に滞在する様になってからは特に。」

「そうなんですか?とてもそうは見えないけど・・・。」

「ま、色々ありまして。詳しい事はお話できないんですが、けど、それも今は昔の話ですよ。それにきっと、これは悪い変化ではありませんからね。」

「それはそうですね。彼女の様な少女が、明るく笑っている光景と言うのは、それだけできっと価値がありますよ。」

 

俺はふと、先程も話題に挙がっていた菜々子の事を思い出していた。

例の事件の時には、菜々子は一時期心肺停止の状況にまでなったからな。

 

今は奇跡的に持ち直し、それどころか、以前よりも元気になったくらいだが、あれは俺の中でもトラウマとなっている。

 

だからか、菜々子くらいな見た目であるパピリオちゃんが明るく笑っている様は、俺をホッとさせる光景であった。

 

が・・・、

 

「や、やはり鳴上さんには、そういうご趣味がっ・・・!?」

「・・・警察、行っとく?」

「せ、拙者は鳴上どのの事を信じているでござるよぉ〜!」

「だから違いますっ!!!」

 

それが、先程の話から変な方向に誤解されたのか、小竜姫さま、シロ、タマモにあらぬ疑いを持たれる事となってしまっていた。

 

ーーーどうしてこうなった?

 

道化師side

 

「・・・何やっとんじゃ、アイツら?」

「さあ?」

 

目を離すとすぐに飛び出していってしまうパピリオに引っ張られる格好で、自然と手を繋いて鳴上達から先行していた俺達は、振り返って珍しく慌てふためいた様にワタワタと小竜姫さま達に何やら言い訳をしている鳴上の様子を眺めながらそう呟いていた。

 

っつか、俺が言うこっちゃないかもしれんが、鳴上の環境適応能力は半端ないな。

すでに、すっかりこちらの世界に馴染んでいるよーである。

 

しかも、小竜姫さまやシロはともかく(二人は案外フレンドリーだからな)、多少気難しい面のあるタマモともすっかり打ち解けている事から、コミュ力もかなり高いからな。

ま、学校でもすっかりピートと二分するほどの人気者だからなー。

 

「それよりもヨコシマ。次はあのアトラクションに入りたいでちゅっ!」

「お、おお、そうだな。」

 

とりあえず、アイツらもついてきてるみたいだし、俺はそれを軽くスルーする事とした。

今日は、あくまでパピリオが楽しむ事がメインだからな。

 

が、かなりハイテンションのパピリオが指差したアトラクションが目に入り、俺は思わず素っ頓狂な声を上げていた。

 

「どれどれ・・・?な、何じゃこりゃーっ!?」

「ん?どうしたんだ、横島?」

 

それに、いつの間にか後ろに追い付いてきた鳴上が反応し、俺はパクパクとアトラクションを指差した。

 

「・・・ん、何々?“GS美神令子監修GS体験ツアー第二弾!今度は貴方が悪霊退治!!マジカル・ナイトメア・ツアー。”、か。」

「・・・あの人はあいかわらず商魂たくましいですねー。」

「いつの間にこんな事に関わっていたでござるか?」

「・・・さあ?けど、最近は横島の事もあって、割と仕事もセーブしていたみたいだし、それで新しいビジネスに手を広げたんじゃない?前も、こことはコラボしていたし。」

「・・・なるほど、ありえそうでござるな。」

「いや、確かにありえそうだけど、俺は全く聞いてないんだけどっ!?」

「前回の時も知らなかったと思うでござるが・・・。」

「うっ・・・!」

「それに、こうしたコンテンツビジネスなら、身内にも内緒にするのはありえそうじゃないか?」

「その通ーりっ!!!」

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

俺らが軽く困惑していると、突如として見覚えのあるオッサンが現れてそう話に加わってくる。

 

「あ、アンタは、デジャヴーランドの社長っ!?」

「お久しぶりですなー。あなた方の姿が見えたので、ついこうしてやって来てしまいました。」

「いやいや、アンタ大企業の社長だろーに。意外とヒマなんか・・・?」

「そ、そんな事はもちろんありませんよっ!しかし、我が東京デジャヴーランドの使命は、お客様に“完璧な夢”を提供する事です!その為には、金にも時間にも糸目はつけません!!」

「は、はぁ・・・。」

「なんだかんだで前回の企画は、多少の問題も起こりつつ大成功の内に終了致しました。しかし、やはり“GS”は世間からの関心も高く、第一弾の復活を望む声も多く寄せられました。しかし、同じコンテンツを提供していのでは、いずれ飽きられてしまいます。まぁ、後は費用が莫大になりすぎた、という裏事情も存在するんですがな。」

「・・・ま、低級霊やら結界やらセットやらに、結構金かかってましたモンねー。新感覚アトラクションとしては大成功でしたでしょーけど。」

「そこで、第二弾は前回の反省も踏まえた上で、ある意味GSの花形とも言える“除霊”をテーマに、お客様自身にGSの仕事を疑似体験するアトラクションを企画したのです。」

「なるほどー。前回は、あくまでお化け屋敷的な要素がメインでしたモンねー。今回は、自分達が悪霊退治を疑似体験できる、と。確かに、これなら人気が出そうですねー。」

「もちろん、我々一般人にはそんな力はありませんが、そこで費用やセットを抑えた上で、最新のVR技術を導入する事としたのです。」

「ほーん。ってか、それはそれで、結局費用がかかってそうですけど・・・。」

「そこはそれ、金に糸目はつけませんからな。それに、今回の企画が上手くいけば、常設アトラクションとして導入する事も検討しています。やはりここは、非日常()を楽しむ場ですからな。」

「なるほどなるほど。・・・で、何だって社長がこんなとこに来たんすか?」

「それは、やはり現役のGSの方の反応が気になったからですよ。美神さんからはお墨付きを貰っていますし、実際お客様からは大変好評なのですが、改善の余地があるのならば改善しようかと。前回も、あなたの行動によって見えた改善点も多くありましたからな。」

「あぁ〜・・・。」

 

確かに、前回は慌てて部屋から移動しようとして、まだ次の部屋に繋がっておらずに壁に激突したもんなー。

 

「と、言う訳ですから、はりきって参りましょう!」

「おー!」

 

マシンガントークを繰り広げ、なし崩し的に同行する事となった社長。

パピリオも面白がって、それに便乗していた。

 

「・・・どうやら、断るという選択肢はないよーだな。」

「ああ・・・。」

 

 

to be continued




誤字・脱字がありましたら御指摘頂けると幸いです。

後、私事で恐縮ですが、「小説家になろう」さんや「カクヨム」さんにて「『英雄の因子』所持者の『異世界生活日記』」というオリジナル小説を執筆&投稿しておりますので、ご興味がありましたら、本作共々チェックして頂けると嬉しく思います。
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