続きです。
戦闘描写は難しいですね。
後、色々あって番長はペルソナをなるべく使わない方針です。
もちろん、いざとなれば使いますが。
『まもなく本年度GS資格取得試験第一試合が行われようとしております。実況は私、日本GS協会記録部広報課の
『創業40年!!親切ていねい、魔法のアイテムならなんでも揃う厄珍堂!!信頼のブランド厄珍堂店主、厄珍がお送りするあるよっ!!』
『あ、いや、前にも言いましたが、
『厄珍厄珍やくちーんどおおー♪魔法のことなら厄珍堂ー♪』
『・・・おい、おっさん!』(#^ω^)
『あいててよかった厄ー珍ー♪』
しばらくお待ち下さい・・・。
ビーーーーッ!!!
『時間です!選手たちが入場してきました。』
「あいかわらずやなー、あのおっさん・・・。」
「ボコボコにされてますけど・・・。大丈夫なんでしょーか?」
「ま、厄珍だし、心配はないでしょ。横島クンと同じカテゴリーの人種だしね。」
「あれと一緒にせんで下さいよっ!」
「それはいいんだけどさー。オタクら、何の用があって来たワケ?まさか、今回も前回みたいに、GS試験の裏で何かしらの事件が進行してるとかはナシなワケよ?」
「心配しなくても、今回はただの観戦者よ。エミ、アンタも知ってるでしょ?鳴上クンの応援に来たのよ。」
「あら、そうなの?鳴上クンも試験を受けるのね。・・・ってか、彼って“異世界人”じゃなかったっけ?(ボソボソ)」
「ま、色々あんのよ。そこら辺はクリアしてるから、アンタが心配する事じゃないわ。(ボソボソ)」
「あっそ。ま、彼の能力には興味があるし、見てみたい気持ちは私にもあるワケ。・・・けど、まさかアンタがわざわざ観戦に、ねぇ〜。」
「な、何よ?」
「あ、いや、別に〜?彼ってイケメンですものねぇ〜?今のうちから粉かけときたい気持ちは分からんではないワケ。」
「あ、アンタじゃあるまいしっ!私は、手当り次第男に手を出す趣味はないわよっ!!」
「人聞きの悪い事言わないで欲しいワケ!今はピート一筋なワケよっ!!」
「また始まった・・・。仲が良いのか悪いのか・・・。」
「あ、あの、おねーさま方は止めなくて良いのでしょーか?」
「ああ、気にしないでいいよ。いつもの事だから。その内収まると思うし、最悪おキヌちゃんが仲介に入るし。」
「我々が下手に介入すると、こちらにも飛び火してしまいますからねー。放っておくのがベストかもしれません。」
エミさんから開放されたピートは、俺の横に避難しながら、俺の言葉に同意する。
「っつかお前も来とったんだな。」
「ええ、エミさんに誘われて。雪之丞やタイガーも試験を受けますから、僕も興味がありましたし。まさか、鳴上さんが受けるとは知りませんでしたが。」
「急に決まったからなー。ヤツも、皆に知らせてる余裕はなかったと思うぞ?」
「って事は、美神さん関連で?」
「いや、まぁ、美神さんが関わってる事は間違いないが・・・、オメーならいいか。詳しい事は分からんし、真偽のほどは確かではないんだが、どうやら俺か鳴上のヤツは、もしかしたら狙われとるかもしれんのよ。(ボソボソ)」
「・・・どういう事です?(ボソボソ)」
「ほれ、新学期早々、学校で事件が起こったろ?まぁ、それ自体はしょーもない事件だったけど、それでも腐ってもオカルト絡みの事件だ。んで、オメーらの耳にも入っとるかもしれんが、俺と鳴上のヤツは、ゴールデンウィーク中にも、たまたまオカルト絡みの事件に巻き込まれたのよ。美神さん曰く、どちらも人為的、かつオカルト絡みの話だったモンだから、違和感を持ったよーなんだよなー。もしかしたら、俺か鳴上のヤツが狙われとるんじゃないか?ってな。(ボソボソ)」
「・・・まぁ、“例の事件”の事を鑑みれば、横島さんが狙われる可能性は確かにありえますからね。多少、疑問もありますが、それは納得できます。しかし、鳴上さんは“異世界人”でしょ?狙われる可能性は低くないですか?(ボソボソ)」
「それは俺もそう思うんだが、何事にも絶対はねぇからなー。仮に鳴上のヤツが狙われとる可能性を考慮すると、ヤツの実力的にはそこまで心配はないんだが、問題となるのは“能力を行使する事”、なんだわ。(ボソボソ)」
「ああ、“霊能力不正防止法”、ですね?霊能力は、それこそ様々な悪用も可能ですからねー。例えば、身体能力を強化すれば、楽々と様々な世界記録なんかも塗り替えられてしまうでしょうし、ギャンブルとかでも、確率を操作するとか、それこそ精霊や霊を利用すれば、確実に勝つ事だってできますからねー。(ボソボソ)」
そうなのだ。
霊能力の応用範囲は思いの外広い。
実際美神さんも、まだ幽霊時代のおキヌちゃんを利用して、ギャンブルにイカサマを仕掛けた事もあるし、ピートの言う通り、身体能力強化によって、霊能者なら余裕で様々な世界記録を塗り替える事が可能となっちまう。
そこで、無許可での霊能の使用を制限する為に、GS資格だったり、特別な霊能力使用の許可(当然、GSだけが霊能者ではないからな。それに、まだ修業中の身で、正式なGSになっていないヤツだっているが、ソイツらが霊能力を使用できないとそもそも修業にならん。)が必要なのである。
「ま、鳴上のヤツは霊能力の使用許可自体はすでに取ってあるんだが、もちろん、オカルトグッズも特別に許可を取る事は可能だが、こっちの方はもっと規制が厳しい。霊能力は個人の資質によるが、オカルトグッズは誰でもある程度は使えちまうからなー。審査なんかの時間を鑑みれば、GS試験に合格しちまえばもっとも手っ取り早い、ってこった。(ボソボソ)」
「なるほど・・・。いざという時の手札を多いに越した事はない、という訳ですか。(ボソボソ)」
「ま、そういうこった。後は、ま、なんだかんだ言って、美神さんの事だから、鳴上のヤツに仕事を手伝わせたい、って思惑もあるらしい。ヤツの能力は滅茶苦茶使い勝手がいいからなー。(ボソボソ)」
「ははは。美神さんらしいですね。」
「まーな。」
自分の利益も含まれていると伝えると、ピートは納得していた。
基本的には、美神さんは使えるモノは何でも使う主義だからなー。
「まぁ、いずれにせよ、鳴上さんの力は、僕も興味があります。どんな戦い方をするのか、楽しみですね。」
「そーだなー。」
『今回は受験者の数と一次試験の合格者の関係で、特別に第一試合は256名、128試合が行われます。それに伴い、合格枠も通常の32名から64名になっております。』
『えらく豊作あるなー。』
『そうですね。私の記憶でも、かなり珍しい事態だと思います。まぁ、全くこうした事がなかった訳ではありませんが・・・。』
『ほーん。そうあるかー。ま、ワタシとしては、顧客が増えるのは大歓迎ある。最近は、何かと規制が厳しいあるからなー。』
『そうですね。日本GS協会としても、優秀な人材が増えるのは歓迎すべき事態ですよ。あ、ここで、今回の審判長晴野氏が、組み合わせを決める“ラプラスのダイス”を振ります!』
『“ラプラスのダイス”はあらゆる霊的干渉を寄せ付けず、運命を示すサイコロある!このサイコロで決められた事は絶対公平かつ宿命あるね!』
『流石にプロ。その通り。試合形式は勝ち抜き戦ですが、早々に強い相手と当たったとしてもそれも運命です。幸運もまた魔力のひとつ。不運も幸運も、その人間の霊力が呼び込むものです。すでに、皆さんの戦いは始まっている、と言っても過言ではないでしょう。』
『人数が人数だけに、中々白熱した戦いが繰り広げられそうあるな!・・・ところで、色っぽいおねーちゃんの受験者とかいないあるか?』
『さ、さぁ?傾向としては、霊能者は女性に多いとのデータも出ておりますから、そうした方もいらっしゃるかもしれませんね・・・。しかし今回の注目は、何と言っても、過去に素晴らしい成績を納めましたが、色々あって合格を取り消された伊達雪之丞選手が再び戻ってきた事でしょう。更には、あの小笠原エミオフィス所属のタイガー寅吉選手も、以前の雪辱を晴らすべく再び試験に臨んでおります。後は、詳細は不明ですが、あの美神令子事務所の推薦を受けた謎の一般人、鳴上悠選手も注目したいところですね。』
『やはり、実力者は実力者のもとに集まるあるかね?けど、その他にも、以前の例にもある通り、まだ見ぬ実力者がいるかもしれないあるよ。』
『そうですね。非常に楽しみです。おーと、どーやら組み合わせが決まったよーです。人数が人数だけに、何回かに分けて第一試合が進むみたいですねー。』
『ま、広いっていっても、コート数は限られてるあるからね。』
『各選手がそれぞれの“結界”に向かいます。』
「早速俺からか。さっき一次試験が終わったばかりなんだが。」
「ま、人数が多いからな。そういう事もあるだろう。・・・それにしても、やはり第一試合ではお前ともタイガーとも当たらなかったな。」
「わっしとしてはラッキーですケン。組み合わせを見るに、鳴上サンや雪之丞と当たるのは、第三試合以降みたいじゃしノー。」
「とりあえずは、揃って合格できそうだな。」
「ああ。ま、一応は油断できねぇがな。鳴上、お前のお手並み、じっくりと見させて貰うぜ。」
「頑張って下さい、鳴上サン!」
「ああ、行ってくる!」
俺は、ベルトに装着した“神通棍”の重みを確かめつつ、指定されたコートに向かっていった。
8番コートか・・・。
試合場は、何かしらのテープみたいなもので四角に仕切られていた。
これが、美神さんの言っていた“結界”ってヤツか。
俺が到着すると、すでに審判と相手選手が待機していた。
「両者揃いましたね?では、第一試合、鳴上選手対
「ええ。」
「いつでもいいぜ!」
『ではまず注目の一戦。鳴上悠選手の試合を見てみましょう!相手選手もほぼ無名の
『強力な霊能者はほぼ家系で決まってるあるからねー。ただ、“一般人”の中からも、たまーに強力な霊能者が生まれる事もあるよ。両者の実力がいかほどのものか、興味があるね。』
『そうですねー。おーと、試合が開始するようです!』
「試合開始!」
「いくぜっ!」
「っ!」
審判が試合開始を合図すると、相手選手はおもむろに突っ込んでくる。
服装も道着の様な簡素なモノである事から、所謂“無手”の使い手なのであろう。
こちらも、美神さんから譲り受けた“神通棍”を構えてそれに応じた。
ちなみに、今はペルソナを“召喚”も“憑依”もさせていない。
これには色々訳があるのだが、要するに今の俺は、素の身体能力と霊力だけで対応しているのである。
「“漢”なら武器なんか使うんじゃねぇ、この軟弱者がっ!オラオラオラッ!」
「クッ、早いっ!」
ガキンガキンガキンッ!!!
相手選手、
俺も、それを防ぐが、あまりの早さにカウンターの隙がなかった。
かなりデキる。
「やるじゃねぇかっ!お前、強いなっ!」
「それはどうも!」
「ハハハ、いいぜいいぜっ!まだ見ぬ強者がこれほどいるとはっ!“ストリートファイト”で頂点を極めたと思っていたけど、とんだ勘違いだったぜっ!霊力に目覚めて本当に良かったぜっ!」
「
「怖そうなやっちゃなー。俺が相手するんじゃなくて良かったぜー。」
「あら?あいかわらず、ああいう人種には、苦手意識があるのね、横島クンは。今ならアンタの方が、ああいう連中よりも強い、ってのに。」
「いや、どうもああいう怖いお兄さんみたいなヤツとは相性が悪いっつーか。鳴上は、よく平気ですねー。」
「ま、彼、かなり神経図太いみたいだからねー。アンタとは別ベクトルで、高校生とは思えないわ。」
「・・・確かに。」
「けどけど、鳴上さん、苦戦しているよーに見えますよ?勝てるんでしょーか?」
「問題ないぜ、おキヌちゃん。鳴上のヤツは、まだまだ全然全力を出してない。逆に言えば、その程度の相手、って事だ。」
「・・・どういう事ですか?」
「まぁ見てなって。」
『おーと、
『おかしいあるねー。令子ちゃんの推薦を受けてるのに、鳴上選手がこの程度、って事はない筈ある。』
『だとすると、もしや、奥の手を隠し持っているのでしょうかー?』
「オラオラオラッ!」
「・・・。」
俺はすでに、
それもその筈、今の俺は、日々老師や横島、小竜姫さまといった、所謂“本物”の達人達と修業しているのだ。
それに加え、ペルソナを介した集合的無意識から引き出された過去の達人達の記憶なんかも、マヨナカテレビや横島らとの修業を介して、完全に自分のモノにしつつある。
いくら強いといっても、あくまで一般人レベルを逸脱していない存在には負けよう筈もないのである。
とは言え、一瞬の油断が勝負を決めてしまう事もよくある。
マヨナカテレビでは、弱点をつかれて一気にピンチになった経験は一度や二度ではないからな。
もちろん、ペルソナを、特にりせのペルソナであるヒミコ等を使えば、相手の情報を引き出す事は簡単なのだが、実戦ならばともかく、あくまで試験でそれを使うつもりはない。
いや、舐めプとかそういう事ではなく、“霊力の温存”の為であるーーー。
「鳴上のヤツは“ペルソナ使い”だ。だから、ヤツのもっとも得意とする戦法は、ペルソナを用いた戦い方なんだよ。」
「それは、そうでしょーね。」
「ただ、そこには大きな落とし穴がある。確かに鳴上は“ペルソナ使い”だが、実際にそれを具現化、つまり召喚するのは、かなりの霊力を使っちまうのよ。」
「・・・言うなれば、冥子の式神と同じってワケね?使っている間は一瞬も気が抜けないし、霊力の消耗も激しい、と。」
「そーっす。普段はまだ問題ないんですが、実戦に近い形式だと、その霊力の消耗はより激しさを増すっす。」
「だから、その負担をなるべく減らす為に、普段は温存しておいて、ここぞという時に使うつもりなんですね?」
「それも正解。だけど、それをクリアする方法が、実はあったりするんだよ。」
「???」
「あっ、そうかっ!“神降し”、つまりペルソナを“憑依状態”にする事ねっ!?」
「あっ、そうかっ!具現化、顕在化に霊力を使うなら、ペルソナを顕在化させなければ良い。それならば、“召喚”よりも大分霊力の消耗は抑えられる。じゃあ、鳴上さんは、今は“憑依状態”で戦ってるんですか?」
「いや、今のヤツは素の状態で戦ってる。“憑依”の方が、“召喚”よりも大分霊力を抑えられるって言っても、やっぱり燃費は悪いからな。相手が強敵でもない限り、ヤツも使うつもりはないだろう。今日は、これで試合は終わりって言っても、ここでの消耗が明日に響いちまうかもしれねーからな。」
「はぁ〜、皆さん色々考えて戦ってるんですねぇ〜。」
「忘れがちだけど、鳴上クンが霊力を扱える様になったのは、ここ最近の話だもんね。」
「そっす。それに老師やイザナギさまの話だと、ペルソナ能力の主戦場は、あくまで“現実世界”ではなく一種の異界、“精神世界”とか、彼らの言葉で言うなら“マヨナカテレビ”や“虚ろの森”らしーすからね。」
「なるほどね。“ペルソナ使い”ってこっちであまり聞かなかったのは、異界専門の能力者だから、ってワケか。“現実世界”でも使えるは使えるけど、燃費は悪い。だからオカルトGメンでも、あまりその存在を認知していなかった、と。」
「かもしんないっすね。あ、勝負が決まりそうっすよ。」
老師達との修業、組み手で学んだ事であるが、勝負を決める際には派手な技など必要ないのである。
逆に言えば、相手の大技は、威力も大きいが、隙も大きいので、絶好のカウンターチャンスなのである。
「ちょこまかと逃げ回りやがって!逃げられない攻撃をくらえ、桜花瞬動!」
「来たっ!」
しぶとく粘る俺に、
が、それこそこちらの思惑通り。
俺は相手の大技に合わせて、クロスカウンターの様に神通棍を横薙ぎに振るった。
「ぐほっ!!!」
「一本、それまでっ!!」
『おーと、ここで鳴上選手のキレイなカウンターが決まったー!
『鳴上選手は、派手さはないあるけど、堅実な動きだったある。やはり令子ちゃんが推薦するだけあって、かなりの実力者あるなー。』
『そのよーですね!どうやら、審判も試合続行不能と見たよーです。鳴上選手対
「終始鳴上のペースだったな。アイツ、戦い慣れてやがるぜ。」
「そうデスノー。それに加えて、まだ力を温存している様子ですジャ。」
「クックック、おもしれぇ。やっぱ、戦いはこーでなくちゃなっ!」
「勝った、勝ちましたよ、横島さん!!」
「危なげなく勝利したな。修業の成果がしっかり出てるみてぇだ。」
「ま、私の推薦を受けてるんだから、この程度は当然ね!」
「やるわね、鳴上クン。」
「ええ。非常に戦い慣れている様に感じます。終始冷静でしたね。」
「そーね。こりゃ、今試験で、一気に注目を集めちゃうかもねー。」
「あの方、派手さはないけど凄い実力者ですわ。」
「だな。嫌になるくらい冷静だったぜ。私のよーなヤツとは相性がわりぃかも・・・。」
「アナタもゴリ押しもいいですけど、そろそろ立ち回りも考えなければならないかもしれませんわよ?」
「・・・かもな。見学に来て、正解だったかもしんねぇ。」
「おほほほほぉ〜〜〜。中々素晴らしい戦いっぷりでしたわぁ〜〜〜。それに、令子ちゃん達の話では“ペルソナ使い”・・・。ちょっと調べておきましょーかしらねぇ〜〜〜。」
その後、伊達とタイガーも危なげなく勝利して、GS試験一日目が終了した。
とりあえずもう一試合勝てば、当初の目的であるGS資格は無事に取れそうであった。
が、この時点では、世間を揺るがす事態が水面下で進行している事に、横島らや俺も気付いていなかったのであったーーー。
to be continued
誤字・脱字がありましたら御指摘頂けると幸いです。
後、私事で恐縮ですが、「小説家になろう」さんや「カクヨム」さんにて「『英雄の因子』所持者の『異世界生活日記』」というオリジナル小説を執筆&投稿しておりますので、もしご興味がおありでしたら、本作共々チェックして頂けると非常に嬉しく思います。