続きです。
一応タグでも注意書きしておりますが、ペルソナの能力などについては、結構独自の解釈が入っています。
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道化師side
昨日、俺に珍しい友人が出来た。
ヤツの名前は鳴上悠。
ヤツは俺の嫌いなイケメンであったが、話してみると割といいヤツだった。
っつか、何処か浮世離れした雰囲気を持ちつつ、言動はちょっとズレたところがあるから、おそらく本質的には天然ボケってやつかもしれん。
本人は至って真面目なのだが、場合によっては、そこら辺がクールだとか言われるのかもしれんなー。
で、一緒に居たイザナギさまの話だと、ヤツは別世界の住人だと言う。
鳴上は結構驚いていたが、ま、知り合いに元・幽霊やら1000以上生きとるじじいだったり、バンパイア・ハーフ、人狼に妖狐、果ては神様や悪魔が居る俺にとっては、今さら異世界人の一人や二人、特段驚くべき事でもなかったが。
で、詳しい話を聞けば、鳴上は仲間達と共に、“世界”を救ったらしい。
ま、
地方都市が丸ごと壊滅すれば、その地域の政治や経済は大打撃を受けるし、場合によっちゃ、その影響は日本全体、もっと言えば世界規模にまで及ぶ恐れもあるからなー。
しかも、聞けば鳴上の世界では、俺らの様なGSがおらん世界らしいから、事の深刻さは俺らの比ではないだろう。
逆に言えば、だからこそ、ただの高校生の身ながら特殊な能力に目覚めた結果、その事件解決に奔走できたワケでもあるが。
むしろ、鳴上達がいなかったら、もちろん
しかし、初動が遅れれば、それだけ被害が広がるワケだから、やはり鳴上達の功績は大きいだろう。
と、まぁ、そこまでなら良かったんだが・・・。
ま、俺も他人事じゃないから分からんではないが、そんな“世界”を救ったヒーローには酷な話だが、それで話は終わり、とはならなかった様である。
もっとも、この先は(師匠も言っていたが)全てイザナギさまの予測に過ぎんが、ま、それだけの力を示した鳴上を狙う連中は当然現れるだろう。
しかも、八十稲羽市、だったか?、の土地神の庇護が届かない範囲、俺で言えば、小竜姫さまや師匠の手が届かない範囲に行かざるを得ない以上、狙い目は鳴上しかいないしな。
もっとも、イザナギさまの謎パワーがあれば、そのままその八十稲羽市に戻れば済む話だとは思うが、結局は根本的解決をしない事にはそれも一時的な避難に過ぎない、って事なのだろう。
っつーワケで、“妙神山”の霊場を介して異世界を渡ってきて、鳴上を師匠のもとに預ける判断をしたらしい。
師匠も、俺の事もあって初めは渋っていたが、イザナギさまとの(バカげた)交渉の末に、鳴上を預かる事に同意していた。
ま、途中ボソボソ内緒話していたから、それが説得の決め手になったんだろう。
流石の師匠と言えど、ゲームで買収されるほど安くはないだろう、・・・多分。
それが、昨日の話。
で、今日は、そんな鳴上を引き連れて、俺、イザナギさま、パピリオの面々で、“人間界の事は人間に聞け”って事で、俺らは俺の上司である美神令子のもとに足を運んでいたワケであるが・・・。
・・・
「・・・話は分かったけどさー。何っで私に言う訳っ!?私はGSであって、PTAでも教育委員会でもないんだけどっ!!??それに、話を持ってくにしても、ママだったり先生だったり、もっと良い人選があるでしょーにっ!!!」
「ま、まーまー。」
「それだけ師匠や小竜姫さまに信頼されてるって事っすよ、美神さん。」
「いーえ、違うわっ!あいつら、面倒事は全て私に丸投げすれば良いと思ってるのよっ!!ったく、ただでさえ不景気だっつーのにっ!!!」
「・・・荒れとるなー。」
「最近、昔ほど仕事がありませんからねー。まぁ、隊長さんの話では一時的な事らしいですが、しかし、それで、その、ストレスが・・・。」
「なんだかんだ、仕事が趣味みたいな人だからなー。」
イザナギさまと鳴上の紹介をした後、イザナギさまの話を聞いた美神さんの第一声がそれであった。
この人には、神様に敬意を払うとか、異世界人の存在に驚くとかの人並の反応は期待しとらんかったが・・・。
イザナギさまも鳴上も、そんな美神さんの態度に軽く引いとるし。
「思ってた以上に愉快な人みたいだねー。」
「・・・そっとしておこう。」
あ、そうでもないわ。
コイツらはコイツらで、結構神経図太かったわ。
「まあまあ美神くん、だったね?確かにこれはキミの管轄ではないかもしれないけど、この世界の事はボクら何も知らないからさー。一つ、力を貸してくれたまえよ。・・・もちろん、タダで、とはボクも言わないよ?」
ピクッ!
「あ、釣れた。」
「分かりやすい人だよなー。」
「あんたらうっさいっ!・・・で、イザナギさま、だったわね?詳しく聞きましょうか?」
「何、そんな難しい話じゃない。ボクらに協力してくれれば、
「・・・
ノリノリで悪い顔をしながら、イザナギさまがそう言いながら、持っていたカバンを下に向けた。
ドサッーーーー!!!
「どわぁぁぁぁーーー!!!」
「こ、これってっ!!!」
「き、金塊、かっ!?」
「っ!!!」
何故か俺だけ、その雪崩に巻き込まれたのだが、ここら辺はもはや慣れたモノである。
・・・っつか、何気にイザナギさま、しっかりと美神さんの攻略法を熟知しとるのな。
流石は神様やでー。
「OK、任せてっ!今から貴方は私の雇い主よ。何っでも言ってちょうだいっ!!」
「ん?今、何でもってっ・・・!?」
「アンタには言っとらんわっ!」
「ぐはっ!まだ何もしとらんでしょーがっ!!!」
「何かされてからじゃ遅いのよっ!」
「ま、まーまー。」
「ハハハハハッ、本当に愉快な人達だねー。」
「ってか、どこからそんなモン出したんだ、イザナギ・・・?」
「そこは気にしてはいけないよ、悠くん?」
「はぁ・・・。」
番長side
「とりあえず、鳴上クン、だったわね?、の通える学校を斡旋すれば良いのよね?ラクショーラクショー。」
「よろしくお願いします、美神さん。」
「まっかせてちょーだいっ!これでも、結構顔は広い方だからねー!」
オホホホホッと上機嫌そうに笑う美神さん。
「そういえば、美神さん、私の編入の時も助けてくれましたもんねー。」
大和撫子風のおっとりした美少女、氷室キヌさんがそう付け加える。
「あれは、まぁ、冥子のお母さん絡みだったけどねー。それに、あそこは女子高だし、私も非常勤講師として顔が効くから、今回とは勝手が違うわ。流石に他の学校にコネはないんだけど、ま、そこは何とかするわよ。・・・それで、鳴上クンには何か希望とかはないかしら?レベルの高い高校が良いとか、そういうのね。」
「あ、いえ、特にそういった事は。普通の高校で結構ですよ。」
「悠くんは、これでも成績優秀なんでね。前に居た学校でも、ずっと学年トップだったからねー。」
「へぇ~、そりゃ優秀だわ。それに、確かに結局は元の世界に戻るって言うなら、こっちの進学校に通っても意味はないわよねー。」
「そうだね。あくまで受験をするのは、元の世界での話だから、とりあえず高校を卒業できる名目が揃っていれば問題ないよ。悠くんもこう言ってる事だし。」
「なら話は簡単じゃない。横島クン。貴方の学校に編入させれば済む話よ。わざわざ私に話を持ってくるまでもなかったでしょう?ま、私としては、結果オーライだけど。」
「あの、俺、一応まだ高校生なんですが・・・。お前も俺の学校に来いよ、ってそれで済むワケないっしょ。遊びの誘いじゃないですから!」
「ま、それはそうよねー。」
話はトントン拍子に進んでいき、どうやら俺の編入先は、このままだと横島と同じ学校になりそうである。
まぁ、俺としてはどこの学校でも構わない。
むしろ、知り合いがいる分、その方が安心とも言える。
と、そんな話が一段落したタイミングで、赤ん坊を抱えた二人組の女の子とパピリオちゃんが現れた。
「み、美神どのー。話は、終わったでござるかぁー?」
「も、もぅダメ。限界。」
「だらしないお姉ちゃん達でちゅねー、ひのめちゃん?」
「だあだあ。」
「あっ、すっかり忘れていたわー。」
見れば、二人組の女の子(こちらもかなりの美少女達である。)は、疲労困憊と言った具合に赤ん坊を抱き抱えていた。
「あ、ひのめちゃん預かってるんすね?」
「まー、最近はこっちはあんまり忙しくないしねー。ママだって、産休中ったって、色々と忙しい身だし。」
「あー。隊長、政治絡みの話も多そうですもんねー。」
「そうそう。
「・・・。」
ん?
一瞬横島がシリアスな顔をしていたが・・・。
気のせいだろうか?
「あれれ、可愛らしい赤ん坊だねー。美神くんの子かい?」
「違いますっ!・・・私の妹なの。20歳も年の離れた、ね。」
「へー。何やら事情があるんだろうねー。ま、突っ込んだ事は聞かないけど。」
「そうしてくれると助かるわ。説明も面倒だからね。」
「こんにちは。ひのめちゃん、って言うのかな?」
「だーだー!」
「あれ、ひのめちゃん、ナルカミに興味があるみたいでちゅねー?」
「・・・やはりイケメンに反応するんだろうか?」
「こっち見んな、バカ横島!」
「何でもいーから、誰か子守り代わってー。」
「我々はもはや限界でこざるー。」
「こりゃ、まだまだ二人にゃ荷が重すぎたかなー?」
「子守りに関しては、横島さんが一番上手いですからねー。」
「そうなのか?」
「精神年齢が近いから気が合うんじゃないの?」
「誰が精神年齢小学生以下だー!これでも俺は立派なオトナっすよー!!」
「そーゆーのは止めろっつってんでしょーがっ!」
うん、やはりさっきのは何かの勘違いだった様だ。
服を脱ぎながら美神さんに迫る横島を見ながら、俺はそう結論付けた。
「・・・賑やかな事務所ですね。」
「お恥ずかしい限りです。」
「ところで、ひのめちゃん、抱っこさせて貰っても良いですか?」
「あら、鳴上さん、子どもがお好きなんですか?」
「まぁ、割と。前居た場所では、学童保育でバイトをしていた事もありまして。」
「へー。」
「イケメンの学童保育のバイトなんて、若いお母さん方が放っておかなかったでしょー?」
「一応、そうした話もなかった事はないんだけどねー。」
「なぬっ!?」
「く、詳しく聞かせて頂いても?」
「あ、こら、イザナギ!」
「まあまあ、悪い話じゃないんだし。」
「ったく。」
何やらイザナギの言葉に食い付いた美神さんと氷室さんは置いておいて、ひのめちゃんの子守りに疲れ果ててすでにダウンしている二人組の女の子も置いておいて、俺は、パピリオちゃんの見守る中、ひのめちゃんを抱っこさせて貰った。
ちなみに、横島は美神さんの一撃で沈黙している。
・・・そっとしておこう。
「だーだー。きゃっきゃっ!!」
「あらー、ご機嫌でちゅねー、ひのめちゃん。」
「やはりイケメンは、子供からもモテモテだとゆーのかっ・・・!」
「そういう話じゃないと思うが・・・。」
と、思ったら、何事もなかったかの様に復活する横島。
・・・タフだな。
「単に、ナルカミの人柄に惹かれただけだと思うでちゅよ?ねー、ひのめちゃん?」
「あうあう。」
何やら呟いている横島を尻目に、一時俺とパピリオちゃんでひのめちゃんと遊んでいた。
「ところで鳴上。さっきの話だが・・・。」
「ん?どの話だ?」
「いや、だから、オメー、人妻とどーこーとかっ!」
「バ、バカかっ!絵里さんとはそんなんじゃっ・・・!」
「下の名前で呼んどるよーな間柄じゃねーかっ!」
「なーんだ、ゴシップネタじゃなかったのね。ちっ・・・。」
「いい話ですー。」
「悠くんの弱みでも握れると思ったかい、美神くん?キミ、もう少し年下の男の子との付き合い方を学んだ方がいいよ?下僕か敵対か、なんてさ。ま、キミの身の上を考えれば、分からなくはない話だけど。」
「・・・アンタ、人の心が読めんの?」
「正確には人々の心の情報、だけどね。もちろん、言いふらすつもりはないから安心していいよ。あくまで忠告だよ。年の離れた妹を持った以上、これからは年下と付き合う事も多くなるだろうし、ね。」
「ふーん、流石に神様ねー。ま、御忠告は受け取っておくわ。って、アンタらっ、何しとるかー!!!」
「「・・・へっ?」」
「お前らの事じゃー、横島ー、鳴上ー!!!」
「ど、どうしたんですか、美神さんっ!?」
「二人が言い合いをしているから、ひのめがぐずってんのよっ!一応封印はしてるけど、あの娘の念波は強すぎる。知ってるでしょ!?あの娘、“
「あっ・・・。」
「ほー、“
「落ち着いとる場合かー!早くあの二人を止めないと、この部屋が火の海になるわっ!」
「あー、それは心配ないよ。悠くん、火炎攻撃が発生する可能性がある。火炎耐性のペルソナを召還しておくんだ!」
「やっぱり、人妻って、こー、色気が凄いのかっ!?」
「お前、人の話聞いてるかっ!?陽介やクマでも、ここまで煩悩まみれじゃないぞ・・・。」
「アンタらっ、何しとるかー!!!」
「「ん???」」
「お前らの事じゃー、横島ー、鳴上ー!!!」
「ひぃ、すんません、美神さんっ!!!」
「いや、何にビビってるんだ?それに、美神さんは何をそんなに慌ててるんだろうか?」
「い、いや、知らん。はー、はー、すげービビったぁー!」
「何となく、お前と美神さんの関係性が分かった気がするよ・・・。」
「悠くん、火炎攻撃が発生する可能性がある。火炎耐性のペルソナを召還しておくんだ!」
「イザナギっ!?火炎攻撃って、こんなところで誰がっ・・・!?」
「あ、ひのめちゃんっ!?ま、まずい。念波が封じきれてないっ・・・!」
「ほわあ゛あ゛!ほんわあ゛!」
「ひのめちゃんっ!?こんな赤ん坊がどうした?」
「この子、“
「何っ!?」
「このままじゃ、この部屋全体が火の海になるぞっ・・・!」
「って、事は、ひのめちゃんも危ないっ!?」
「ほあ゛あ゛!!ほあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
「くっ、来い、ジャアクフロストっ!!!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」
「「「「「ぎゃあぁぁぁぁーーー
!!!」」」」」
ドゴォーーーン!!!
「あああ、私のオフィスがーーー!」
「心配ないよ。見てごらん。」
「へっ・・・?あれ、燃えてない・・・?」
「・・・何とか間に合ったな。」
「ジャアクフロストとは考えたね、悠くん。それなら火炎攻撃を吸収できる。」
「ああ。耐性や無効、反射だと、俺はともかくひのめちゃんが危ないたろ?」
「そうだね。“
「なるほど・・・。」
「って、それはいーんだけど、今、何が起きたのっ!?」
「悠くんがペルソナを召還したのさ。ジャアクフロストって言ってね。火炎攻撃を吸収する能力を持っているんだよ。」
「す、凄いですねー。」
「・・・。」
「ごめんね、ひのめちゃん。君を放っておいた訳じゃないんだよ?」
「ふぎっ・・・!ぎ、ひぐっ・・・?」
「ヒーホー、元気なガキだホー。オイラ、お前の攻撃にホットだホー。」
「・・・やっぱり、お前もしゃべれるんだな・・・。」
「おうだとも、ホー。」
「あー、だーだーっ!!」
どうやら、ひのめちゃんはジャアクフロストに興味を持った様だ。
ま、見た目的にはマスコットみたいなモンだからな。
子供にはちょうどいいペルソナだったかもしれない。
「心外だホー。オイラはワルだホー?」
「まあまあ、しばらく相手をしてやってくれよ。」
「まー、主がそう言うのならホー・・・。」
「おもしろーいっ!ナルカミー、誰でちゅか、これー?」
「あ、ああ。俺のペルソナの一つだ。一応、妖精、だよな?」
「違うホー。オイラは、立派な悪魔だホー。」
「だ、そうだ。」
「って事はあれ?鳴上クンは、炎を無効化できる、ってコトっ!?」
「正確には吸収ね。そう、悠くんは、自身に向けられた火炎攻撃を吸収する事ができるんだよ。もっとも、そのペルソナによって耐性が違うから、火炎攻撃に耐性を持ったペルソナに限定されるけどね。ちなみに、この部屋程度の広さなら、悠くん自身に向けられた攻撃、と判定されないモノでも吸収が可能だよ。ま、そこら辺は、結構曖昧なんだけどねー。」
「・・・俺も人の事は言えんが、結構無茶苦茶な能力だなー、アイツの能力もっ・・・。って、美神さん?どうしたんすか・・・?」
俺と、ってか俺が召還したジャアクフロストとひのめちゃん、パピリオちゃんが戯れていると、ツカツカと美神さんが近寄ってくる。
・・・な、何だろうか?
「鳴上クン・・・。」
「は、はい・・・?」
「・・・採用っ!!!」
「・・・へっ?」
「採用よ、採用っ!アンタをひのめのベビーシッターに任命するわっ!!!」
「え、えぇ~~~!?」
to be continued
誤字・脱字がありましたら、御指摘頂けると幸いです。
後、私事で恐縮ですが、「小説家になろう」さんや「カクヨム」さんにて、「『英雄の因子』所持者の『異世界生活日記』」というオリジナル小説を掲載しておりますので、よろしければ、そちらも本作共々御覧頂けると嬉しく思います。