続きです。
今回で、この章は終わりです。
・・・
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番長side
「中村あいかです。」
「「「「「美少女キターーーッ!!!」」」」」
・・・俺は今、
と言うか、もちろんこれはあいかの事であるが、何故こんな事になったかと言うと、これはイザナギと美神さんによる
イザナギの発言通り、あいかが“ペルソナ能力”に目覚めた事によって、彼女の価値が大きく変わる事となった。
もちろん、元々彼女は八十神高校時代のクラスメイトであるし、それなりに付き合いがあったので、俺を狙う連中からしたら彼女も人質としての価値があるが、そうなると俺にちょっとでも関わったらその対象となってしまう。
流石に連中も、正面切って警察組織と対立する事は避けるだろうから、イザナギの予想によれば、そうした人々はまず安全、らしい。
ま、今のところ、陽介達からも、俺の知り合いが何らかの事件に巻き込まれた、という話は聞いていないので、それ自体はイザナギの予測が正しいのかもしれない。
ただ、連中からすれば、そこに“ペルソナ能力”、“霊能力”が関わってくると、また話は変わってきてしまう。
もちろん、俺に対する人質の価値としては、やはり菜々子と堂島さんはもっとも親しい間柄であるから、“ペルソナ能力”や“霊能力”云々は別にしても、連中からしたら一番の狙い目であろうが(もっとも、菜々子と堂島さんに関しては、マリーが側についているので、彼らも手出しはできないようにしているが。ちなみに、俺の両親については、海外にいる為、こちらも国際問題や海外の神々の関係で、別の意味で彼らは手出しできない状況である。)、いくら俺と親しい間柄とは言えど、先程の警察云々もあって、本来ならば一介の高校生に過ぎない陽介達を狙うのは、彼らにとってもリスクが高いのである。
ただ、彼らは、向こうの世界では珍しい、“霊能力者”で構成されている組織らしく、俺に対する人質としてだけでなく、“ペルソナ能力者”、“霊能力者”は、自分達の陣営に欲しい人材でもある訳だ。
それ故に、仲間達も菜々子や堂島さんに次いで、狙われる可能性が極めて高い訳で、もちろんそれに関してはすでにイザナギが対策済みではあるが、ここでそれなりに俺と親しく、かつ、新たなる“ペルソナ能力者”、“霊能力者”であるあいかの登場となると、彼らの目はあいかに向いてしまう事となってしまう訳である。
もちろん、あいかに事情を説明し、陽介達とある程度行動を共にさせる事ができれば、陽介達同様に、そうした危険からは回避できる可能性もあるが、ここで問題となるのは、あいかには“マヨナカテレビ”での実戦経験が皆無な点なのである。
当たり前だが、いくら何でも四六時中一緒にいる事はできない訳で、そうなると、自然とある程度の困難は自分一人で解決できなければならない。
そうした意味では、陽介達は、一年間の“マヨナカテレビ”での経験もあるし、今は“霊能力”の修行も受けているので、そこら辺の心配はいらない。
つまり、最悪彼らが暴力に打って出たとしても、それを返り討ちにする程度の腕前や経験が、陽介達にはあるのである。
一方のあいかは、彼女の目覚めた“ペルソナ能力”はかなり強力みたいだが、それでも事“経験”という意味では陽介達には遠く及ばない訳である。
いくら強力な力があっても、いざ動こうとした時に動けないのでは、それは宝の持ち腐れに等しい。
更には、実戦経験というものは一朝一夕で身に付くものでもない。
仮に彼女にも修行なりの訓練を施したとしても、練習と本番は違うし、搦め手などへの警戒も必要だ。
つまり、(まぁ、こちらの都合もあるが)彼女自身の身の安全を考えたら向こうの世界へ帰す、というのは、かなり不安な部分が存在したのであった。
そうした事も踏まえて、イザナギがあいかに
もちろん、巻き込んだのはこちらの方であるから、全面的に便宜を図る、という事で、あいかの説得には成功したようである。
具体的には、彼女の経歴に傷をつけないように(彼女の家族からしたら、急に娘が行方不明になってしまった訳だし、当然ながら高校への出席も止まってしまった状態だ。まさか高校退学、などという結果にする訳にはいかないので)、俺や横島らが通う高校への編入という形でその辺をクリアする。
ついでに、彼女の家族へもしっかり説明をしつつ、表向きはある種の留学(つまり、魔鈴さんのもとで一足先に料理人としての修行をしている
高校の方は、俺の時と同様に美神さんにゴリ押ししてもらった。
彼女に借りを作るのは若干不安ではあるが、ここら辺は仕方ない事だろう。
(ちなみに、漏れ聞こえてきた話によると、イザナギが俺の事をある程度自由にして良い、と話したら、美神さんは二つ返事でOKしたらしい。イザナギィ・・・。)
魔鈴さんにも協力をお願いしたようだ。
元々あいかを保護してもらった経緯もあるのだが、魔鈴さんも若干特殊ではあるが、料理人かつGS関連にも精通した人であるから、あいかを任せるのにはこれ以上ない人選であろう。
あいかも、魔鈴さんとは親しくしていたようなので、こちらは問題ないだろう。
まぁ、そんな事もあって、今日、あいかが俺達の高校へと編入した訳なのであるがーーー。
「鳴上に続いて二人目だぜ?」
「この時期に珍しいよなぁ〜。」
「何でもいいよっ!ようやく念願の美少女が降臨したんだからさっ!!」
「そうだなぁ〜。ピート、タイガー、鳴上と野郎ばっかだったからな。ようやく俺達にも、新しい出会いがやって来た、って訳だなっ!」
あいかは、かなり独特の雰囲気を持ってはいるが、ぱっと見は美少女で間違いないので、男子からは概ね好意的な意見で受け入れられたようである。
「かわいい〜!」
「く、悔しいけど負けを認めざるを得ないわね・・・。」
「そもそも勝負にすらなってないような・・・。」
「ああんっ!?」
「な、なんでもないよ?」
「クールっぽいけど、一体どんな感じの
一方、女子側からは、やはりその容姿に関する評価は聞こえてくるが、やはりノリが良い事もあってか、あんまり否定的な雰囲気はなかった。
ま、妖怪である愛子を受け入れたようなクラスだ。
その懐の広さは他に類を見ないレベルだろう。
「ほれほれ、転校生を構うなら休み時間に入ってからなー。今はホームルーム中だ。じゃ、中村は愛子の前の席に着け。」
「はい。」
担任の先生の一言で、ピタリと喧騒は止んだ。
・・・俺が言うのも何だが、よく訓練されたクラスメイト達である。
担任の先生に示された席に着席したあいかに、早速愛子が声をかけていた。
「私、机妖怪の愛子。中村さん、よろしくね。」
「よろしく。・・・机、妖怪・・・?」
「ああ、安心して。妖怪だけど、人間に危害を加えるつもりはないわ。本当は学校の備品として使ってもらえればそれで良かったのだけど、先生方の御厚意で、今は“生徒”として在籍しているのよ。」
「・・・何か、面白そうな話だね。」
「また今度、時間がある時にでも詳しく説明するわ。けど今は、ホームルーム中だから、先生のお話を聞きましょう?」
「ん、分かった。」
愛子の存在には若干戸惑っていたようだが、人当たりの良い愛子の雰囲気に安心したのか、割と普通に受け入れたようである。
ま、
そうした意味では、あいかにはその適正があったようである。
その後、ホームルームが終わり、普通に授業になだれ込んだ。
もちろん、合間の休み時間を利用して、クラスメイト達はあいかに話しかける、といった光景も見られたのであるが。
「無事に中村さんがクラスにとけ込めそうで、少し安心しましたね。」
「ウチのクラスはノリが良いからなー。それに、野郎共にとっちゃ、念願の美少女の転校生だ。早速あいかちゃんを狙ってるヤツも多そうだよなー。」
「いいんですカイノー、鳴上さん?」
「いいも何も、そこら辺を決めるのはあいかだからな。もちろん、彼女が困っていたら助け舟は出すつもりだが・・・。」
「ま、僕が言うのも何ですが、聞いた話によると、彼女には青春を謳歌する事に憧れを持っているみたいですしね。」
「そうした意味では、愛子との相性は良さそうだなー。ま、他の連中は一応受験生なんだから自重しろよ、と思わなくもないが。」
「まあまあ。」
事件に巻き込まれた当事者であり、同じクラスでもあった俺、横島、ピート、タイガーは、あいかの今後が上手く行きそうで安堵しつつ、そんな会話を交わしていた。
一応俺は、元・クラスメイトでもあったし、彼女が
横島達は、あの夜にかなりの関わりも持った訳であるから、やはり彼女の今後を心配していたのだろう。
と、安堵して横島らとの会話に興じていたのだが、実はこの一瞬あいかから目をそらした隙に、新たなる火種が灯された事に、その時の俺は気が付いていなかったであるーーー。
「えぇ〜〜〜!中村さんって、以前の学校でも鳴上くんと同じクラスだったのぉ〜〜〜!!!」
「うん、そう。」
「マジかよっ・・・!」
「スゲェ偶然だな・・・。」
「ま た 鳴 上 か !」
「ち、ちなみに、鳴上くんとはどんな関係だったの、なんて・・・。」
「普通だよ。たまにお話したり、(実家の中華料理屋の)手料理を食べてもらったり、外で会ったり、実家(である中華料理屋)に遊びに来てもらったり・・・。」
「そ、それって・・・。」(ボソボソ)
「・・・普通か?つ、付き合ってるとか言わんか・・・?」(ボソボソ)
確かに、あいかの発言自体は間違っていないのであるが、決定的な部分を省略してしまった為に、番長のクラスメイト達の誤解が加速していってしまう。
決定的だったのは、次なるクラスメイトの質問と、あいかの受け答えであった。
「じゃ、じゃあ、中村さんは鳴上くんをどう思ってる、とか聞いてもいいかな・・・?」
「どうって、普通だよ。大切な人で、特別な人。それに、憧れの人でもあった、かな?」
「「「「「っ!!!!!」」」」」
どことなく、テレた様な表情のあいかに、番長のクラスメイト達は確信する。
ーーーーー番長の彼女キターーーッ!!!ーーーーー
と。
もちろん、それは大いなる誤解である。
そもそも番長の彼女は、マリーであってあいかではない。
それに、あいかにしても、恋愛感情はなかった、ハズである。
しかし、今やこの学校でもピートと人気を二分するほどの有名人たる番長の色恋話に、一種の祭り状態となったのである。
もちろん、この学校の者達はノリが良いので、ここでいきなり番長にその真偽を問い質すような事はしない。
いや、そうしてくれた方が番長的にはありがたかったのだろうが、暗黙の了解で、その場にいた者達はコクリと頷き合っていたのであった。
ーーーーー(面白そうなので)ここはスルーしておこう。ーーーーー
と。
「へぇ〜、そうなんだぁ〜。鳴上くんって、いい人だもんねぇ〜。」
「アイツ、こっちでも色んな人達を手助けしてんだよなぁ〜。俺も見習わねぇ〜と。」
「そうなんだ。・・・あいかわらずだね。」
即座に話題をすり替えて、先程の話を有耶無耶にする辺り、流石は横島達のクラスメイトである。
あいかにとっても、自分の知らない番長の話には、興味を惹かれたようであった。
その後、噂は瞬く間に広がって、学校は番長とあいかの話でもちきりとなった。
もちろん、番長達のグループの耳に入らないように(要らないおせっかいを焼いて)、であるが。
どうやら番長は、ある意味平穏な生活とは無縁なのかもしれないーーー。
「そういえば、マーガレットに事の真相を聞くのを忘れていたな・・・。」
to be continued
誤字・脱字がありましたら御指摘頂けると幸いです。(誤字報告してくださった方、感謝です。)
後、私事で恐縮ですが、「小説家になろう」さんや「カクヨム」さんにて、「『英雄の因子』所持者の『異世界生活日記』」というオリジナル小説を執筆&投稿しておりますので、もしご興味がおありでしたら、本作共々チェックして頂けると非常に嬉しく思います。
よろしくお願いいたします。