P4GS   作:笠井裕二

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明けましておめでとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

今回から新章突入です。
当然ながら番長は、平穏な日常はおくれません。(笑)


見え始めた陰謀
嵐を呼ぶ親子!


 

・・・

 

6/16

 

番長side

 

現代社会の秩序と安全、そして経済活動を妨げる妖怪や悪霊と戦うプロ。

現代のエクソシスト。

それが、

 

「“ゴーストスイーパー”なのよっ!!」

 

ウギャアァァァーーー!!!

 

 

「美神さん、ノリノリですねー。」

「あの人、なんだかんだで仕事大好きだからなー。」

「・・・それはいいんだが、何故当然の如く、俺は同行させられてるのだろーか?」

「「・・・。」」

 

俺から視線を逸らす横島とおキヌさん。

・・・おい、こっちを見んかい。

 

 

週末の夜、久々にひのめちゃんのベビーシッターのバイトを請け負い、それが終わって帰ろうか、というタイミングで、“ちょっと付き合いなさい”という美神さんの一言で、俺は半ば無理矢理拉致られたのである。

で、向かった先は、とある廃工場跡地であった。

つまりは、GSの仕事である。

 

もちろん、俺もすでにGS資格を取得しているので、この場にいたとしても何ら不思議な事ではない。

しかし、あくまで俺がGS資格を取得したのは、その方が何かと便利だからであって、元々この世界の住人ではない俺は、当然ながら将来GSになろう、などと考えていた訳ではないのである。

 

故に、修業の一環として美神さん達に同行する必要性がそもそもないのであるが・・・。

 

 

「なぁ〜にぃ〜?鳴上クンは、恩義は感じないってコトォ〜?」

 

一仕事終えて事務所に戻ったところで、くつろいでいる美神さんに抗議したら、返ってきた言葉がこれであった。

 

「い、いえ。もちろん、色々と美神さんにはお世話になっていますが、しかし、それとこれは話が別ですよ。俺はあくまで素人な訳ですから、かえって迷惑をかけてしまいかねないですし・・・。」

「アンタが素人なワケないっしょ。GS資格まで取得してるんだし。」

「そ、それはそうなんですが、しかし、GSとしての経験は、やはり皆さんには劣っていますし・・・。」

「ま、それは否定しないけど。」

「で、ですよね?」

「けど、みんな初めはそんなモンよ。アンタもそんな事は気にしなくてもいーのよ?」

「ちっがーうっ!」

 

何やら生暖かい笑顔を浮かべて、美神さんはニッコリと微笑んだ。

・・・話が噛み合っていない。

いや、おそらく意図的だと思うのだが。

 

「鳴上、諦めろ。美神さんは狙った獲物は逃さないタチだからな。まさに女郎蜘蛛!!」

「誰が妖怪じゃっ!!」

「ひでぶっ!」

 

と、そこで間に入ってきた横島だったが、結果美神さんといつもの漫才を繰り広げてしまい、俺の助け舟とはならなかった。

は、話が進まん・・・。

 

「ま、まーまー。鳴上さんも困っていますから、しっかりと事情を説明してあげたらどうですか?」

 

ここで、天の助けとばかりに、おキヌさんが間に入った。

流石に、横島とは違い、頼りになるお人である。

 

「チッ、仕方ないわねー。」

 

・・・今、絶対舌打ちしましたよね?

 

 

「簡単に言えばね、鳴上クン。たまーにでいいから、これからアンタに()()を頼みたいのよ。」

「・・・は?助手なら、横島やおキヌさん、それにシロやタマモもいるでしょう?」

 

美神さんの事務所は少数だが、それぞれが何某かのスペシャリストだ。

その規模から見ても、とても人手不足とは言えないだろう。

わざわざ素人である俺に助手を頼むのは、かなり違和感がある。

 

「形式上の事だ、鳴上。今は俺もおキヌちゃんも、ある意味では美神さんの“弟子”って事になっとる。シロやタマモは妖怪だが、その身分はオカルトGメンに保証されとる。が、逆に言えば、オカルトGメンから要請があれば、断れない立場でもあるんだよ。つまり、常時ここにいるワケでもないし、美神さんに命令権があるワケでもない。よって、実質的に美神さんが自由に動かせる人員は、俺とおキヌちゃんだけってこった。」

「まー、前は横島クンをこきつかってたんだけど、今は()()()()まとの約束もあるからそういうワケにもいかないし、おキヌちゃんも学校があるからねー。もちろん、今までは仕事が少なかったからそれでも大丈夫だったんだけど、最近以前のように霊が活発になってきてるのよねー。」

「そうなんですか?」

「イザナギさまも言ってたと思うんだけど、こっちの世界は霊的な活動が活発らしいからね。本来はアンタが知ってるよりも、もっと忙しいのよ。」

「へぇ〜。」

 

・・・まぁ、“GS”という職業が成り立つくらいだからな。

美神さん達が忙しく仕事をこなしていた事をこれまで見てきたが、本来はそれよりもっと忙しかったとしても不思議な話ではないか。

 

「まぁ、そんなワケで、“マトモなシフト”なんかを考えると状況的には人手不足なのよ。そこでアンタ、ってワケ。」

「鳴上さんも高校生ですが、GS資格をすでに取得しています。それに、その特殊な立場上、どこかに所属しているワケでもない。」

「ま、厳密に言えば、妙神山の預かりとなるだろーが、師匠達は神族だからなー。人間としての師匠がいない、ってのが本当のところだな。」

「・・・なるほど。」

「逆に言えば、師匠がいない以上、アンタを雇い入れるのは誰にでも可能な状況よ。もちろん、アンタがOKすれば、だけどね。」

「ふむ・・・。」

「言っとくけど、まぁ、ここで私の誘いを断っても別に構わないけど、そうなれば別の誰かがアンタに誘いをかけるだけよ?ただでさえ、GS資格を持ってる奴は限られてくるし、アンタはGS試験でもそれなりの結果を残しているからねー。しかも、明確な師匠がいない、つまり所属がハッキリとしていない、ってなると、アンタを巡った争奪戦が繰り広げられるかもしれないわねー。」

「・・・。」(-_-;)

 

それは、かなーり面倒なのでは・・・?

 

「お前の想像した通りだ。それこそ、昼夜問わずGS関係者が、お前をスカウトに来ると思うぞ?」

「ま、別に変な意味で狙われるワケじゃないけど、正直かなりウザったいと思うわよ?少なくとも、平穏とは程遠い日常となる事請け合いね。」

「そこで、()()、という(てい)で、美神事務所の一員にしてしまおう、ってコトですよ。状況的に考えると、美神さんは私と横島さんをすでに“弟子”として迎えていますから、いくら美神さんが優秀だとしても、これ以上“弟子”を迎え入れる事はできません。そもそも、美神さんがイレギュラーなだけで、師弟制度の基本は師匠一人につき弟子一人が原則ですからね。しかし、“助手”ならばそれは関係ありません。」

「あくまで“バイト”、だからねー。」

「・・・しかし、それでは根本的な解決にならないのでは?」

「いやいや、そうでもないさ。形式上はどうあれ、つまりは美神事務所の一員となるんだ。そうなれば、そこに横槍を入れるってのは、つまり事務所にケンカ売るのと同じワケよ。」

「なるほど・・・。」

「少なくともこの日本では、美神さんにケンカ売るような命知らずはあまりいない。人生メチャクチャにされちまうからなー。」

「人をヤ○ザみたいに言うなっ!!」

「ぎゃんっ!!!」

「確かに・・・。」

「アンタも納得するなっ!!!」

「いたっ!」

「ま、まーまー。」

 

横島に便乗したら、美神さんからの鉄拳制裁を受けました。

ま、こういうところが恐れられている理由なんだろうが、しかし、

 

「・・・な、何よ?」///

「いえ、別に・・・。」

 

生暖かい目線を送ると、美神さんは急にテレたようにそっぽを向いた。

つまり、分かりづらいが、これが彼女なりの優しさなんだろう。

そうでなきゃ、別にわざわざ俺にそんな話をしないと思うし・・・。

 

「鳴上、騙されるな。確かにそういう名目もあるんだが、本当はお前の能力を利用したいだけだ。それに、あれで結構独占欲も強くってなー。お前に目をつけたのは美神さんの方が先だから、それをどこかに掠め盗られるのが面白くない、ってのもあるんだよ。」(ヒソヒソ)

「あー、なるほど・・・。」(ヒソヒソ)

 

と思ったが、横島の言葉で、俺は妙に納得していた。

 

やっぱり美神さんは美神さんだよなー。

ただの親切心からそんな事する筈もない。

 

・・・何だか嫌な信頼のしかただが、それだけ俺もこの事務所に馴染んだ、って事だろう。

 

しかし、そこまで事情が飲み込めれば納得はできた。

また一つ、忙しくなる訳だが、他の人達からひっきりなしに勧誘されるよりは遥かにマシだろう。

 

それに、あくまで俺が向こうの世界に戻るまでの辛抱であるし。

 

そう考えて、俺が返事を返そうとすると、

 

「分かりました。では・・・。」

「ちょ〜と待ったぁ〜〜〜!!!」

「「「・・・へっ???」」」

「・・・おば様?冥子も・・・。」

「あうあう〜〜〜、令子ちゃ〜〜〜ん。」

 

突然、謎の女性二人組が事務所に現れた事によって、話はそれで終わらなくなってしまったのであるーーー。

 

・・・

 

道化師side

 

鳴上の話がまとまりかけたタイミングで、突然現れた冥子ちゃんとおばはん。

・・・どうやら、また、面倒事の予感がするが・・・。

 

「どうしたんですか、突然?」

「いえね〜〜〜?話を聞くともなしに聞いていたのですけれど、そちらの鳴上さんを令子さんの事務所に入れるのには異論がありましてねぇ〜〜〜?」

「・・・へっ?」

 

突然そんな事を言い始めたおばはんに、俺らは困惑した。

・・・っつか、鳴上とこの二人に接点ってあったっけか?

 

「え〜と、そちらの女性とはお会いした事がありますが、貴女はどちら様ですか?ってか、そういえば貴女もお名前はうかがってませんでしたね。」

 

あれ?

冥子ちゃんとは面識があるのか?

 

「あら〜〜〜。そういえばそうでしたわね〜〜〜。私は六道家現当主の、六道葉子よ〜〜〜。六道女学院の理事長もやってるわ〜〜〜。よろしくね、鳴上クン〜〜〜。」

「は、はぁ・・・。」

 

独特の間延びした喋り方に、鳴上は圧倒されていた。

 

「で、こっちが娘で、ほら、ご挨拶なさい〜〜〜。」

「六道冥子です〜〜〜。鳴上クンとはGS試験の時にお会いしましたね〜〜〜?改めて、よろしくね〜〜〜。」

「あ、よろしくお願いいたします。鳴上悠です。」

 

ああ、そういえば冥子ちゃんは、GS試験で医療スタッフをしていたな。

ま、鳴上のヤツがそこでお世話になった記憶はないんだが、何かの拍子に顔を合わせたとしても不思議な話じゃないか。

 

一通りの自己紹介が終わったタイミングで、美神さんが話をもとに戻した。

 

「で、おば様。鳴上クンの事務所入りに異論があるとはどういう事ですか?」

「それなのですわ〜〜〜。実は鳴上クンを、我が六道家に迎え入れたいと思っていまして〜〜〜。」

「「「「・・・はっ???」」」」

 

あまりに衝撃的な内容に、俺達は二の句を告げなかった。

鳴上を六道家に迎え入れる?

・・・と、いう事は・・・。

 

「えっと、それってどういう・・・。」

「つまり、要約すると〜〜〜。ウチの娘と一緒になって、六道家に婿入りして欲しいのですわ〜〜〜。」

 

やっぱりかっーーー!!!

 

 

to be continued




誤字・脱字がありましたら御指摘頂けると幸いです。

後、私事で恐縮ですが、「小説家になろう」さんや「カクヨム」さんにて「『英雄の因子』所持者の『異世界生活日記』」というオリジナル小説を執筆&投稿しておりますので、もしご興味がおありでしたら、本作共々チェックして頂けると非常に嬉しく思います。
よろしくお願いいたします。
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