続きです。
・・・
番長がハマっていた罠は子供染みたものであったが、しかしこれが、意外とバカにしたものでもなかった。
実際戦場においても、この所謂“ブービートラップ”は非常に厄介な代物だったからである。
番長がハマっていたのは殺傷力自体は皆無であったが、仮にこれに爆弾や剣山でも仕掛けてあろうものなら、すでに番長の命はなかったかもしれない。
もっとも今現在の彼は、霊力による身体能力強化を施しているので、実は防御力に関してもすでに一般人の域を逸脱している。
故に、仮に殺傷力がある罠だったとしても、致命傷ではなかったかもしれないし、回復魔法による回復も可能なので、命の危機とは程遠い可能性もむしろ高いのだが。
しかしいずれにせよ、“時間稼ぎ”という意味では、これ以上ないほどの成果をもたらしていると言っても過言ではないだろう。
実際、先程述べた“ブービートラップ”も、敵対者を倒すべく設置されたもの、というよりかは、自分達が撤退をする為の時間稼ぎの意味合いが強いのである。
当たり前だが、戦いや状況は刻一刻と変化するものだ。
相手方に猶予を与えるという事は、その分自分達に不利になる事もしばしばあるのであった。
これは、GSの仕事でも同じ事が言える。
理性が吹っ飛んでいる悪霊も多いが、中にはしっかりとした意識を保っている個体も多い。
つまり、頭の回る悪霊と相対する場合、あるいは追いかけっこをする場合、この“罠”への警戒はしておかなければならないのである。
特にGSの仕事は、場合によっては死と隣り合わせの仕事でもあるので、こうした小さなミスが、致命的になる事もしばしばあるからであった。
それ故、“障害物競走”プラス“罠”というのは、かなり理にかなった訓練方法だったのである。
・・・あるが、流石に番長ばかりがそれに引っ掛かるのは、あまりに不自然に過ぎるだろう。
もちろん、それにはワケがあった。
それは例のクズ親父が、一生懸命罠を設置していたからであったがーーー。
・・・
道化師side
ザクザクッ!
「ヌハハハハ〜、喰らえ、平安京エイリアンの術〜〜〜!!!」
面白いように罠に引っ掛かる鳴上にご満悦の様子のこのオッサンは、俺等の接近に気付かないまま、地面をせっせと掘り進めていた。
「なんや、アホな事やっとるなぁ〜・・・。」
「似たような事、アンタも昔やってたでしょ?」
「・・・。」(-_-;)
ま、まぁ、否定はせん。
ろくに霊力も扱えない頃は、こうしたゲリラ戦でしのいでいたからなー。
ちなみに、“平安京エイリアンの術”とは、昔のコンピュータゲームからとった名前である。
本来は、落とし穴に引っ掛かった奴に、土をかぶせて生き埋めにしてしまう、という、結構えげつないものであった。
「うぬっ!?き、貴様らはっ!!??」
と、流石にノンキな会話を俺等が交わしているに気が付いたのか、オッサンはぎょっとした顔でこちらを見た。
「前に一度だけ会った事あるわねー、オッサン。一応聞いておくけど、アンタこんなところで何やってんの?」
「い、いやぁ〜、そのぉ〜・・・。」
ぶっちゃけると問答無用でこのオッサンを拘束しても問題ないのだが、後でやいやい言われたくないのか、美神さんは一応このオッサンの言い分を聞く事としたようである。
ま、こちらは俺、美神さん、シロにタマモの4人だからなー。
対するオッサンは、どう見ても一人だ。
相当な隠し玉でもない限り、逃げる事も抵抗する事も不可能であった。
ゴニョゴニョと言いつつ、ハッとした表情をオッサンは浮かべた。
何か、良い言い訳を思い付いたのであろう。
「そ、そうっ!六道さんに依頼されましてなぁ〜。こうして罠を作るお手伝いをしとるんですわ。」
「ああ、言い忘れたけど、私達の依頼主も六道さんよ?ちなみにその依頼内容は、アンタがちょっかいかけてきたらふん縛ってとっ捕まえる、って感じね。つまり、アンタが六道さんに雇われている、なんて真っ赤なウソよね?」
「う、うぐっ・・・!!!」
まぁ、この場にいる理由としては、六道家とは旧知の仲である事を利用するしかないだろう。
しかし、こちらの依頼内容を告げると、それもすぐさま嘘である事が看破されてしまう。
「別にアンタがどこで何をしようと私には関係ないんだけど、六道家が招待していない以上、この場にいるのは立派な不法侵入だし、今の私達の依頼主は六道家だからねー。てなワケで、アンタを拘束させてもらうわ。悪く思わないてね?」
「・・・。」
残念ながらこのオッサンでは、美神さんとの化かし合いでは勝負にならんかったよーだ。
勝ち誇った顔の美神さんと青ざめた表情のオッサン。
端から見た分には、どちらが悪者が分からん感じである。
と、ここで話が終わればそれが一番楽なのであるが、残念ながらそうは問屋が卸さなかった。
「っ!!!」
「美神さん、離れてっ!!!妙な波動を感じるわっ!」
「っ!?」
「ああ、拙者が言おうと思ってたのにっ!」
「そんな場合じゃないでしょっ!!!」
先程の焼きましのようなやり取りをするシロとタマモ。
だが、今回はそんなコント染みた事をやってる余裕はないようである。
「チッ、面倒な事やなぁ〜。素直に退いとったらええもんを・・・。」
「なによ、やろうってのっ!?」
不気味な感じにゆらりと蠢くオッサンに、美神さんは愛用の“神通棍”を抜き、戦闘態勢に入った。
俺等もそれに倣う。
「いやいや、流石に多勢に無勢やろ。せやから、逃げさせて貰うわ。」
「ハッ、逃がすと思ってんの?」
オッサンの発言に、不敵な笑みを浮かべる美神さん。
・・・確かに、現状の4対1では、こちらが圧倒的に有利だ。
だが、自信満々のオッサンの様子には、俺も違和感を覚えていた。
美神さんもそれは同様だった事だろう。
そしてその予感は、最悪な形で現実となってしまった。
「“
「「なっ!!??」」
「「っ!!??」」
ビカッ!!!
オッサンを注視していたのが裏目に出たのか、突如発せられた強烈な光に、俺等の視界が一瞬奪われる。
「ヌハハハハ、ではさらばぁ〜〜〜!!!」
「ま、待ちなさいっ!!!」
ズダダダタァ〜、っとオッサンが逃げる気配は感じるものの、流石に一時的に目が機能しない以上、それを防ぐ手段はなかったのである。
いや、俺は師匠達との修業によって、ある程度所謂“心眼”を扱う事もできるのだが、それも自分が襲われたら対処できる程度で、逃げる相手の追跡を可能とするスキルではなかった。
完全にしてやられた。
しかも、まさか“サイキック猫だまし”とは・・・。
「チッ・・・、逃げられたわね・・・。」
「そうっすね・・・。」
「面目ない。」
「まだ目がチカチカするわ・・・。」
「アンタらの方が私達よりも感覚器官が優れているからねぇ〜。案外目潰しも、有効な手段だったワケか・・・。で、オッサンの行き先は分かりそう?」
ようやく視界がクリアになってきたシロとタマモは、地面をクンクンとし始める。
まるで犬のような感じだが、彼女達はこれによって、霊波を感じ取る事が可能なのだ。
「・・・ダメでござる。何故か霊波が途切れているでござるよ。」
「シロの言う通りね。こっちもダメ。」
「マジか・・・。案外、かなりの使い手なのか・・・。」
「っつか美神さん。さっきのアレ・・・。」
「“サイキック猫だまし”ね。確か、
「そっすね・・・。ま、霊波を操る事ができるんなら、ぶっちゃけ誰でもできるとは思うんですが・・・。」
“サイキック猫だまし”ってのは、両手に霊波を放出しながら相手の鼻先で手をたたき、一瞬目をくらませるという“
俺もかつて使用した事がある技だ。
ただ、ぶっちゃけると、霊波を操る事ができる者達、すなわち霊能力者であれば、おそらく誰でも扱う事が可能でもある。
だから、まだ結論を急ぐ必要はないのであるが・・・。
「嫌な予感がするわね・・・。ここからは、更に気を引き締めていく必要があるかもね。」
「「「・・・。」」」
美神さんのカンは結構当たる。
俺達は、そんな久々にマジな表情の美神さんに、無言で頷くのだったーーー。
・・・
???side
「やはり思った通りだっ!ある一定以上の霊能力者の場合、更に“力”を発揮する事が可能だったなっ!!」
「この結果には、素直に私も驚いていますよ。あくまで私が開発したのは、ネットワークを利用した“増幅効果”だけだったのですが・・・。」
一方その頃、例の謎の男達は、政樹の父親と横島らのやり取りを画面越しに眺めながら、興奮したようにそんな会話を交わしていた。
「っつか、すんません。結局俺は、アンタ方が何をやってんのかよく分かってないんすけど・・・。」
と、“リーダー”と呼ばれた男と“プログラマー”と呼ばれた男が何やらはしゃいでいるのを、“オペレーター”と呼ばれた大学生風の男は困惑しながらそんな質問をした。
「・・・ゴホンッ。そういえば、お前には詳しく説明していなかったな。ま、あくまでお前は“電脳関連”での腕を見込んで、仲間に引き入れた訳だしな。」
「確かに俺は、霊能力に関してはズブの素人っすね。」
「では、僭越ながら私からご説明致しましょう。とは言っても、基本的には貴方も知っている技術の応用に過ぎませんがね。」
“プログラマー”と呼ばれた技術者風の男は、ずっと誰かに自慢したかったのか、ドヤ顔でそう言った。
一応、“リーダー”と呼ばれた男を一瞥し、目線で“よろしいですか?”とお伺いを立てていたが。
“リーダー”と呼ばれた男がコクリと頷くと、“プログラマー”と呼ばれた男は饒舌に語り始める。
「貴方にも分かりやすく言えば、コンピュータの性能とは、一体どこで決まるでしょうか?」
「はっ・・・?そりゃ、色々とあるとは思いますけど、結局は“演算能力”じゃないっすかね?」
「そうですね。所謂“スペック”です。そうした意味では、当然ながら“スーパーコンピュータ”と一般的に流通している“家庭用コンピュータ”では、明らかにそこにスペック差があります。」
「ま、そりゃそーだ。」
家庭用コンピュータではCPUは1個しか搭載されていないが、スーパーコンピュータではCPUを数千個から数万個並べ、それらを同時に動かして計算処理して高速化を実現している。
簡単に言えば、CPUは頭脳のような役割である。
それが、1個である家庭用コンピュータと、数千個から数万個では、当然ながら処理速度は比べ物にならない訳だ。
「ですから、スーパーコンピュータは、家庭用コンピュータとは比べ物にならないほどの演算能力を有しているのですね。で、ここで、スーパーコンピュータをGS、家庭用コンピュータを一般人、と仮定すると、一般人がGSに敵わないのも道理なワケですよ。なんせそこには、スペックの差があるワケですからね。」
「ふむふむ。」
以前にも言及したかもしれないが、実は霊力というものは、誰もが持っているものに過ぎない。
少し小難しい話となるが、人間を構成しているのは、大まかに“肉体”と“精神”、そして“霊魂”だからである。
故に、誰もが霊力を持っているのであるが、では何故、GSやそれに近しい者達と、それ以外の者達に分けられてしまうのか?
それはようは、それを上手く出力できるかどうかの違いでしかないのである。
これは、“肉体”でも同じ事が言える。
もちろん、その性能差は個々によって違いは存在するまでも、アスリートと一般人では、その肉体性能はやはりかなりの差がある。
これは、アスリートが一般人よりも、才能や鍛錬などを通して、肉体の使い方をより引き出しているからである。
これと同様に、霊能力者達は、やはり才能や鍛錬などを通して、霊力の使い方をより引き出している。
故に、GSやそれに近しい者達と、それ以外の者達とに区別されてしまうのである。
つまり言ってしまえば、一般人であっても長い鍛錬や修練によっては、霊力を操る事は可能、という事でもある。
もっとも、誰もがトップアスリートになれないのと同様に、一流の霊能力者となるには、そこにはやはり壁がある訳でもあるが。
「では仮に、家庭用コンピュータがスーパーコンピュータ並みの性能を持つにはどうしたら良いでしょうか?」
「いや、ってかそもそも家庭用コンピュータと、スーパーコンピュータでは、目指しているゴールが違うんだが・・・。」
「まあまあ。あくまで、理論上の事ですよ。」
「はぁ・・・。そりゃ、スペックで敵わないなら、数で勝りゃいいでしょ?世界中の家庭用コンピュータを並列処理すりゃ、スパコンにも勝てるっしょ?ま、あくまで理論上は、っすけどね。」
「その通り。」
先程も述べた通り、スパコンは、あくまで“CPU”の数で勝っているだけなので、仮に家庭用コンピュータでも同じ条件を満たせば、スパコン並みの性能を実現する事は可能なのである。
まぁ、彼らも述べている通り、これはあくまで机上の空論に過ぎないが。
何故ならば、つまり世界中に存在するコンピュータを乗っ取って、それを並列処理すればスパコンに並び立てる、とは言っても、ではどのようにしてそれを実現するのか?、という問題が立ちはだかるからである。
当然ながら、一人で世界中のコンピュータをハッキングする事など不可能である。
ならば、高い技術力を持つ者達を揃えなければならない訳で、資金的にも人材的にも、あまり現実的な話ではないのである。
あくまで理論上ではどうか?、という話に過ぎなかった。
だが仮に、この理論がオカルト的に応用できたとしたら・・・?
「まぁ、ここまではあくまでコンピュータの話でしたが、私の専門はそちらではありません。言わば“オカルト科学”、そちらが私の本来の専門です。」
「“オカルト科学”・・・?なんすか、それ?」
「それを説明するのは中々難しいのですが、まぁ平たく言えば、
「ほぉ〜ん・・・?」
以前から言及している通り、
と、同時に、“霊能力”という概念が、世間一般にも認知されている世界線でもあるのだ。
であるが、あくまで“霊能力”を扱う事ができるのは、GSなどの一部の“霊能力者”に限定されている状況でもあった。
しかし、考えてもみてほしい。
これまで言及してきた通り、“霊能力者”はその特殊な能力はもちろんの事、“霊力”を身体能力強化に費やす事によって、超人的な力を発揮する事も可能なのだ。
それをもし、科学的・人工的に可能とするならば、自国の軍事力を強化する事すら可能なのである。
そうした考え方から始まったのが、“オカルト科学”なのであった。
もっとも、それは非常に難しい事でもある。
“霊能力”というのは定義が難しいし、そもそもどのようなメカニズムで発現するかも分かっていなかったからである。
一応は、元々素質のある者達以外には、ある種の事故などによって偶発的に“霊能力”に目覚めるケースも報告されているが(美神の父親である、美神公彦も後天的に能力に目覚めた事例である)、では、脳にメスを入れれば、全ての者達が“霊能力”に目覚めるかと言えば答えはNOである。
でなければ、“霊能力”というものが実際に存在する世界線ならば、すでに科学的・人工的な能力者が存在したとしても不思議な話ではないからである。
もちろん、それに近しい分野、例えば“オカルトアイテム”など、物にオカルトパワーを持たせる事には成功しているが、“人工的に作られた霊能力者”、という存在は、現在のところ確認されていなかったのであった。
しかしそれを、この“プログラマー”と呼ばれた技術者風の男は、実現してしまったのであった。
「先程の例で言えば、仮に霊能力者をスパコン、一般人を家庭用コンピュータとするならば、一般人が霊能力者に並び立つには、多くの者達から力をかき集めてくれば良い。一般人でも、微弱ではあっても、霊力そのものは持っていますからね。」
「いやいや、そりゃ無理な話っすよ。コンピュータはネットワークで繋がってますけど、人間はネットワークでは繋がっていない。理屈は分かりますけど、それをどうやって・・・、あっ・・・!」
「お気付きになられましたか?そう、そこで“例のアプリ”、ですよ。」
「・・・なるほど。」
彼らは少し勘違いをしていた。
こちらも再三述べている通り、そもそも人間はネットワーク、集合的無意識で実は繋がっているからである。
それは、番長達が“ペルソナ”に目覚めた事からも証明されている。
ただの高校生に過ぎない彼らが“シャドウ”という化け物と渡り合えたのも、“ペルソナ能力”に加えこの人々の集合的無意識から“戦う術”を無意識に引き出していたからである。
だが、彼らはその事実を知らなかった。
知らなかったが、別アプローチでそれに近しいシステムを構築したのである。
「“例のアプリ”を介する事で、言わば脳波のネットワークを構築する事ができるのです。もっとも、これは“リーダー”からもたらされた技術なので、そのメカニズムは私にも分かってはいませんが、重要なのはそこではない。これを利用する事によって、言わば“霊力の増幅”も可能となるのです。ですから、昨日まで一般人だった者達が、急造の霊能力者に早変わりする事も可能としました。理論的には、先程言っていた並列処理の応用、ですね。」
「なるほどな・・・。」
「当然ながら、こちらについても、その数が増えれば増えるほど“人工霊能力者”の能力は格段にアップします。ですから、“例のアプリ”をなるべく多くの者達にバラまく必要があった。」
「ふむふむ・・・。あれ?でも待って下さい。確か、“例のアプリ”を使った者達の中には、昏睡状態に陥った奴らもいませんでしたっけ?」
一通りの説明を受けて、“オペレーター”と呼ばれた大学生風の男は、ハタとその事実に気が付いた。
「それはそうでしょう。霊力というのは、言わばその者が活動する為に必要なエネルギーの一種です。それを他に使われているのですから、当然、生命の維持が困難となります。」
「なっ・・・!?」
「ああ、勘違いしないで下さい。現代医療の生命維持装置を使えば、命を失う事はありません。ただ、意識を保てる状況でもありませんので、所謂“植物状態”に近しい状態である事には変わりありませんがね。」
「あくまでシステム的には“生きている”からこそ意味がある事だからな。死んでしまっては霊力を抽出できんから、そんなもったいない事はせんよ。・・・ま、魂そのものを加工する事もできるんだがな。(ボソ)」
「いやいや、そうは言っても、そんな非人道的な・・・。」
「以前にもお話しましたよね、“オペレーター”さん?それは、あくまでその者達の自己責任ですよ。私達が“例のアプリ”をバラまいた事は否定しませんが、それに飛び付いたのはその人達ですからね。甘い言葉には裏がある。そんな当たり前の事を知らずに、あるいは承知の上で、自身の欲望の為にその者達は“例のアプリ”を使う事を選択したのですから。」
「メリットがあれば、当然デメリットもあるものだからな。まぁ、私達が言えた義理ではないだろうがな。」
「・・・。」
おおよそ、他人の事など何とも思っていない風の二人の様子に、“オペレーター”と呼ばれた男は押し黙ってしまう。
「おや、どうしました、“オペレーター”さん?」
「・・・もしかしてだが、今更怖気づいたかね?」
その様子を二人も見逃さず、鋭い目つきで“オペレーター”と呼ばれた男を見据える。
ここまで秘密を話した以上、彼がここで怖気づいて逃げ出すようなら、“処分”する必要があるからである。
だが、
「まさか。むしろ、興奮してるんすよっ!アンタら、マジでイカれてんなってさ。自分以外でここまでイカれてる奴らに会うのは初めてだからさっ!やっぱり、アンタらと組んで正解だったぜっ!」
どうやら彼も、やはり同じ穴のムジナであったようだ。
彼が押し黙っていたのは、興奮を抑える為だったようである。
そんな“オペレーター”の様子に、二人は満足げに頷いた。
「・・・結構。」
「これで、貴方も本当の意味で我々の仲間、ですね。共に、この世界を驚かせてやりましょう。」
「ああっ!!!」
to be continued
誤字・脱字がありましたら御指摘頂けると幸いです。
後、私事で恐縮ですが、「小説家になろう」さんや「カクヨム」さんにて「『英雄の因子』所持者の『異世界生活日記』」というオリジナル小説を執筆&投稿しておりますのだ、もしご興味がおありでしたら、本作共々チェックして頂けると非常に嬉しく思います。
よろしくお願いいたします。