続きです。
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こうして、南極に到達した令子らGSチームは、そこに密かに建造されていた超構造体(バベルの塔)の中に入っていった。
そして、生死不明だった魔族三姉妹との再会を経て、ベスパ、ルシオラ、令子、横島は、残りのGSチームと引き離される事となった。
令子&横島VSアシュタロス。
GSチームVSパピリオの対決の幕が、切って落とされようとしていたのである。
途中、“宇宙のタマゴ”なんかへの寄り道をしながらも、とうとうアシュタロスのもとへと辿り着いた令子と横島。
その瞬間、令子は前世の、メフィストとしての記憶が蘇る。
彼女の裏切りを許すと言ったアシュタロスに、一時は令子がアシュタロスのもとへと戻るかと思われたが、そこは令子であるから、最強の魔神であるアシュタロスにヘッドバッドを食らわせて戦いが始まる。
一方、取り残された格好となったGSチームは、横島から事情を聞いていた事もあり、パピリオの説得を試みるが拒否され、なし崩し的に戦う事となる。
寿命の制限はあっても、準上位魔族であるパピリオの力は絶大であり、人数の上ではGSチームに有利であっても、人と魔族では争いにならないほどの圧倒的な差があった。
しかしそこは令子の仲間であるから、正攻法がダメなら搦め手、という訳で、タイガーの
決定的なダメージを一切与えられないにも関わらず、チクチクと攻撃し続けて、ついにはパピリオを下す事に成功する。
まぁ、ここら辺は、相手がまだまだお子様であるパピリオであったからこそ上手く行った部分も否めないが。
一方、アシュタロスVS令子&横島は、アシュタロス自身がベスパに“手出し無用”と言い、実質的なタイマンになだれ込んでいた。
令子と横島の“合体技”。
これは、予想よりとてつもない力であった。
何せ、今はただの人間に過ぎない令子が、超上位の悪魔、魔神であるアシュタロスに手傷を負わせる事に成功していたからである。
ただ、当然ながらその程度でやられるアシュタロスではないし、シンクロし過ぎて横島を吸収するところを、アシュタロスに一蹴されて簡単に“合体技”は破られてしまう。
最後の切り札が通用しなかった令子達であったが、しかし、全くの無駄でもなかった。
アシュタロスに手傷を負わせた事で、外に放出されるパワーが一時的に傷を再生する為に減少していたからである。
それ故に、ルシオラがアシュタロスに反抗したが、消滅を免れたし、アシュタロスの霊波によって戻っていた令子のメフィストとしての記憶も消え去った。
とは言え、絶体絶命である事には変わりないのだが、“合体技”を破られた事で、一時的に戦闘不能状態に陥っていた横島が密かに復活していた(もっとも、これは土偶羅にチクられて、所謂“不意討ち”には至らなかったのであるが)。
横島はこの土壇場で、
所謂相手の“コピー能力”であった。
今まで手も足も出なかったアシュタロスに対して、互角の力を手にする横島。
しかし一樹の時にも解説した通り、“コピー能力”の弱点は、確かに能力の上では互角になっても、結局は相手の状態を
つまり、攻撃すれば自分もダメージを、そして受けた攻撃はそのまま自分のダメージになってしまうので勝ち目がないのである。
再びピンチに陥った横島らであったが、ここで横島がとある事に気が付いていた。
力や技がコピーできるなら、頭の中はどうかな?、と。
今更情報の重要性など言うまでもない事であるが、相手の腹の中が全て読めるのは、先程の弱点を補って余りある収穫であった。
つまり、横島が『模』を使った事は、全くの無駄ではなかったのである。
即座に横島は、アシュタロスの能力をコピーしつつ、令子とルシオラを連れて脱出を図る。
もちろん、令子は抗議した。
核ミサイルと美智恵の件はどうするのか?、と。
しかし、アシュタロスの腹の中が読めた横島は言う。
美智恵が受けた妖毒はベスパのものであり、そして三姉妹は元々一つの細胞から作られた存在であったから、ルシオラも弱いが同じ毒を持っているのである。
つまり、彼女から血清が作れるので美智恵の件は問題ないし、核ミサイルの方も、
と、状況を説明している時に、アシュタロスは核ミサイルのスイッチが押されてしまう。
しかしここで、仲間達がパピリオを倒し、確保していた事が功を奏する事となる。
核ミサイルの制御システムを掌握していたのはパピリオの眷属であった為、彼女を起こして命令させればある程度のコントロールが可能だったからである。
しかし、ベスパの提案で再び眠りについたアシュタロス。
当然ながら彼をエミュレートしていた横島の能力は効果を失い、またまた追い詰められる事となった。
ベスパに危険視され、命を狙われる事となった横島。
遠くから確実に横島の心臓を射抜こうとしたベスパであったが、横島の煩悩によってそれは回避されてしまう。
もっとも、致命傷には至らなかったが、“合体技”に支障をきたすレベルの怪我を負ってしまった事で、あいかわらずピンチは続く事となる。
しかし、そこはそれ、数々の修羅場を潜り抜けてきた令子と、その令子の性格や反則技を理解していた仲間達は、アドリブでベスパを罠に嵌める事に成功。
ルシオラがパピリオを起こし、寝ぼけていたパピリオがアシュタロスのアジトに核ミサイルを戻す、というイレギュラーが発生したものの、何とかそれも乗り切り、
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激戦を超えて東京に戻った令子達GS一行。
核ミサイルは全弾アシュタロスのアジトに着弾し、美智恵が受けた毒はルシオラの協力によって解毒される事となった。
これで全て元通り、とは行かなかった。
アシュタロスとベスパの生死は不明であったし、あいかわらず冥界からのエネルギーが戻らずに、ヒャクメは眠り続けていたからである。
つまり、アシュタロスの妨害霊波が健在である以上、彼が生きている事の証左なのである。
そんな心配を西条がするよそに、令子は“生きてんならまた来るでしょーし、消えたんならしばらくすれば元に戻る”とあっけらかんとしていたのであった。
それに、ルシオラとパピリオの処遇についても一悶着あったのである。
客観的に見れば、ルシオラとパピリオがアシュタロスの部下だった事は覆しようのない事実である。
しかし、そこは西条が上手くシナリオを作り上げ、
「ルシオラ・パピリオの両魔族は、半強制的にアシュタロスに加担させられていたのであり、今回の事件解決にあたっては身の危険をかえりまず大きく貢献した。
GSは現在進行中の具体的害ありと認める霊的存在に対してのみ攻撃を行うもので、過去の罪を問うことは業務に含まれない。
また、収容後、ドクター・カオスらの協力で自滅機能の除去に成功、さらに特定の人間との交流が進んでいることを考慮すると、彼らを特に危険視する必要はもはやないと思われる。
したがって、彼らは通常の魔物と変わらず、放霊に全く問題がない。
ーーーが、事件が人類のみならず、神・魔界に与えた影響、さらに神界との接触が回復しない現状では、交流のある特定のGSの保護観察下におくのが最も望ましい。」
として、横島が面倒みれば釈放、という状況に持っていったのである。
このようにして令子を妹のように思いつつ、一人の女性としても見ていた西条は、ルシオラと恋仲になっていたライバルである横島を全面的にバックアップして、令子と横島を切り離そうとしたのであった。
しかし、西条が調子に乗って煽りまくった結果、令子とおキヌが割って入り、事務所の屋根裏部屋を突貫で片付けてルシオラとパピリオをそこに住まわせるように提案してしまう。
アテが外れた西条と横島は何とか言いくるめるようとするが、結果二人は屋根裏部屋に住む事となった。
複雑な心情が交錯する中、しかし、一つだけ問題があった。
それは、パピリオの思いを全く無視していた点である。
ルシオラは横島の事もあり、自分の意思でアシュタロスを裏切ったが、パピリオは何となくの成り行きでこういう状況になっている。
何なら、ルシオラに騙されてアシュタロスのアジトに核ミサイルを撃ち込む事すらさせられており、まだまだ見た目通りお子様的なところもあり、元々アシュタロスを裏切るつもりは毛頭なかったのである。
それに、彼女は人間と馴れ合うつもりもなかった。
そして彼女は、南極で出払っていた眷属を呼び戻すと、脱走を図ってしまったのである。
さて困ってしまったのが令子達である。
先程はスジを通しつつ、状況的に自分達に都合の良いように持っていっていた西条のシナリオであったが、保護観察中の妖怪があの事件の後にこんな事を起こせば、まず間違いなくGS本部は彼女達の除霊処分を命じてくるからである。
しかも、彼女達に対抗できるのは、令子と横島の“合体技”しかないので、そんな事はしたくない横島、させたくない令子は、この件をとりあえず外部に漏れないように秘密にしつつ、どうにか自分達だけでパピリオの説得を試みる方向で一致する。
と、そんな事を考えていると、復讐に来たパピリオが西条といきなり鉢合わせてしまう。
関係者とは言えど、いきなり外部にバレてしまった令子らは焦るが、眷属を得たパピリオの能力は凄まじく、令子とおキヌの機転によって一旦追い払う事には成功するが、西条と横島が倒れてしまう。
まぁ、西条の怪我は大した事はなく、横島もルシオラによって救われる事となったが、あいかわらずパピリオの脅威は去った訳ではない。
しかし逆に、今度は令子達が反撃の為に動き始める。
パピリオは蝶をベースにした魔族である。
(ちなみに、ベスパは蜂、ルシオラは蛍である。)
故に、その眷属も当然ながら蝶々達であった。
令子とおキヌは、このパピリオと蝶々達の脅威を何とかする為、横島の
一時撤退したパピリオの行方を推理し、“大量に花があってあれだけの蝶々達が雨をしのげる場所”、という事で植物園にヤマを張り、見事にパピリオの居場所を突き止めた令子達。
南極の例もあるし、先程も述べた通り、パピリオはまだまだお子様的なところがあるので、もちろんルシオラの協力があればこそであるが、作戦さえ上手く立てれば、彼女を捕まえる事は造作もない事であった。
実際、オカルトアイテムを駆使し、ルシオラの知識の前に、パピリオはともかく眷属達はアッサリ無力化された。
眷属がいない状況では、ルシオラとパピリオの力関係はルシオラに軍配を上げるので、力付くでの解決も可能である状況となる。
しかし、そこに割って入ってしまう横島。
潜入捜査中に仲良くなった事もあり、つい情が移ってしまったのだろう。
もちろん、その時のパピリオは話し合いが通じる状態ではなかったので、
フイ討ち攻撃ーーー
とか考えていたが、逆にアッサリとパピリオにぶん殴られてしまう。
しかし、パピリオからしてみれば、アシュタロスすら出し抜いた男が、何で甘んじて自分の攻撃を無防備に受けたのか、何で反撃してこないのか、と横島に問い掛ける。
もちろん、ただ単に力の差もあってできなかっただけなのであるが、そこに令子が更に割って入り、
「そんなこともわからないなんて…
青いわね、パピリオ!!!
その気になればアシュタロスも出し抜く男がーーー
抵抗しなかった意味をよく考えてみなさいっ!!
彼、私に言ったわ。
この首輪、パピリオにはつけないでくれって…
たとえ自分がされたことでもあんたにはしたくないって……
人の心は力で自由になんかできない…!!
彼はあんたにそう伝えて死ぬつもりなのよ!!」
と嘘八百を並べ立てて、パピリオの説得に成功したのである。
もちろん、(当時の)横島がそんな殊勝な人物ではないのであるが、全くの嘘でもなかったし、“戦いになるとめんどーだしいいくるめられるならそれにこしたことはない。”、という令子の策略通り、結果この件は丸く収める事に成功したのであった。
余談ではあるが、多少この件で横島に対して疑念を抱いていたルシオラではあったが、実力もあり頭も切れて、(見た目)美人でナイスバディの令子に横島が惹かれるのは当然と考え、彼女にその気がないのならば問題ない、と判断していた。
また、なんやかんや巻き込まれてしまった西条ではあったが、怪我の程度も軽く、令子に看病される事となった事もあり、(ひどく個人的な理由ではあったが)今回の件を見逃す事となった。
こうしてパピリオの家出は、(世間的には)何事もなく収まったのであったーーー。
to be continued
誤字・脱字がありましたら御指摘頂けると幸いです。
後、私事で恐縮ですが、「小説家になろう」さんや「カクヨム」さんにて、「『英雄の因子』所持者の『異世界生活日記』」というオリジナル小説を執筆&投稿しておりますので、もしご興味がおありでしたら、本作共々チェックして頂けると非常に嬉しく思います。
よろしくお願いいたします。