IDOLY PRIDE 月の輝きを   作:秋空沙怜

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こんにちは、秋空沙怜です。IDOLY PRIDE"月の輝きを"を描き始めて約5ヶ月という短期間ですが、今回で最終話になります。最後まで読んでいただけるととても嬉しいです。


アイドル

 

 

翌日の練習で月ストはトリエル、サニピ、葵、スリクスからアドバイスをもらいながら、レッスンをしていたが、渚はどこか浮かない顔をしていた。

 

「やっぱり…あの時言ったことは、琴乃ちゃんを苦しめたのかな…」

 

渚は昨日の会見で琴乃に言った言葉を後悔していた。すると沙季、すず、芽衣が渚に近寄った。

 

「渚ちゃん。あの時に渚ちゃんが言ったことは何も間違っていませんよ!それに決めたじゃないですか、ライブを楽しんで、琴乃ちゃんに私たちの歌を届けるって!」

 

「そうですわよ!!沙季の言う通り、私たちは私たちらしいステージをファンにそして琴乃に見せつけますわよ!」

 

「それに芽衣たちの歌は、絶対に琴乃ちゃんに届くよ!」

 

「けど…私は琴乃ちゃんのあんな顔見たくなかったよ…それにいまは、この歌を琴乃ちゃんを届けるかわからなくなってきたよ…」

 

「渚ちゃん…」

 

「(まずいな。ここは俺が何か声をかけないと)なぎ…」

 

さくらたちも不安そうに渚を見て、牧野が声をかけようとしたときだった。

 

「なによ!みんなして、辛気臭い顔して。」

 

聞き慣れた声が聞こえ、振り向くとそこにいたのは…

 

「り、莉央さん!?!」

 

そこにいたのは、病院から復帰した莉央だった。

 

「莉央さん!もう体は大丈夫なんですか??」

 

「えぇ!心配かけたわね。」

 

葵はすぐに莉央に駆け寄った。

 

「莉央!すごく心配したんだから、なんで連絡の一つもくれなかったのさ。」

 

「葵、ごめんね。なんだかサプライズで登場したくてね。それより、なんて顔をしているのよ、みんな!特に渚!」

 

莉央は渚の頭を軽く叩いてから撫でた。

 

「いたっ…莉央さん?」

 

「渚、あなたがいまの月のテンペストのリーダーなんだから、そんな顔をしてたら、琴乃にもみんなにも思いは届かないわよ。大丈夫よ、何も心配することはないわ。」

 

「り、莉央さん…」

 

渚は莉央の前で少し泣いてしまった。

 

「もう、泣かないのよ。泣くは琴乃に勝ってからにしなさい。」

 

「す、すみません…」

 

渚は涙を止めようとしたが止められなかった。

 

「大丈夫よ。渚、あなたには、みんながいるわ!だから安心しなさい。それに!いまからみっちりと私、直々にレッスンしてあげるわ!」

 

渚は涙を拭き、返事をした。

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

すると、すずが恐る恐る近づき。

 

「り、莉央さんがレッスン?!あまり無茶をしない方が…」

 

「大丈夫よ!もう調子も戻ったことだし、それとも私とレッスンするのが嫌なのかしら?」

 

「そ、それはー…」

 

「覚悟しなさい?初めての挫折を味わせてあげるわ!なんてね?」

 

「ひ、ひぃーお、お許しを〜…」

 

「(さすがは莉央さん。一瞬で空気を変えて、渚たち、そしてさくらたちの雰囲気までガラッと変わった。俺も頑張らないとな。渚、沙季、すず、芽衣この調子で明日のライブも頼むぞ)」

 

そう、心の内で願った牧野であった。そして渚はふと、窓から外を見て。

 

「(さっきは不安でいっぱいだったけど、沙季ちゃんがいて、すずちゃんがいて、芽衣ちゃんがいて、そして、みんながいる。もう迷ったりなんかしない。私たちは明日、琴乃ちゃんに伝えたいことを全部伝えるんだ!だから待っていてね、琴乃ちゃん。)」

 

一方、琴乃と姫野は。

 

「調子はどう?」

 

「ばっちりです。今までで1番の調子です。これで月のテンペストを叩き潰すことができますようふふっ。」

 

「けど、油断は禁物よ。今の月ストには昔とは違うわよ。」

 

すると琴乃はため息をついた。

 

「わかっていますよ、霧子さん。手を抜くことは失礼ですし、それに私は早くバトルがしたいですよ。彼女たちの絶望する顔を見て、二度とアイドルができなくなる姿をね。」

 

「…(あなたは、本当に変わってしまったわね…けど、それと同時に想像以上のアイドルになってくれたわ。だから明日も…)」

 

そしてライブ当日。渚たちは会場の前で横並びで立っていた。

 

「今日、ここで私たちは琴乃ちゃんとライブをするんですね。」

 

「えぇ、そうですわ!そして勝利よりも楽しむことですわ!」

 

「すずにゃん!いいこと言うねぇ〜。けど、そうだね。芽衣たちの歌を琴乃ちゃんに!」

 

「そして、琴乃ちゃんとまた同じステージに立つために!」

 

4人は手を繋ぎ琴乃に対する思いを口に出していた。すると、後ろから。

 

「おーい!みんなー!!」

 

渚たちが振り返るとさくらたちや莉央たちや瑠依たちそして、スリクスの星見プロの全員がいた。

 

「みんな!来てくれたんだね!」

 

「突然よ!今日で琴乃との決着がつくのだから、

事務所で大人しくなんてしていられないわ」

 

「莉央さんの言う通りですよ!みんな誰よりも近くで月ストのことを応援したくて、来たんだから。」

 

「私たちは応援ではなく、長瀬琴乃の負け顔を見に来たのです。サニピやリズノワやトリエルの皆さんとはたまたまそこで会っただけなので。」

 

「そうそう、まっ、せいぜい頑張りなさいよ。」

 

「仕事をキャンセルしてまで、来てあげたんだから、勝ちなさいよね。」

 

「莉央さん、瑠依さん、それにスリクスの皆さんも…ありがとうございます!」

 

渚たちが莉央たちにお礼を言うとさくらが目の前にきた。

 

「渚ちゃん!私たちはいつでも、渚ちゃんたちのそばにいる!それは琴乃ちゃんも同じだと思う、だから…だから、今日のステージを楽しんでね!」

 

「さくらちゃん…うん!任せて!最高に楽しんで、みんなのことも楽しませるから!」

 

「それじゃあ、私たちは席にいくわね。頑張るのよ!」

 

「はい!わかりました!」

 

そうして、莉央たちは観客席へ渚たちは控室へと向かった。

 

〜会場内〜

 

渚たちが廊下を歩いていると…

 

「あれって…」

 

すずが見つけたのは。

 

「こ、琴乃ちゃん…」

 

琴乃であった。相変わらず、渚たちを睨みつけ、瞳には一切の光はなかった。

 

「あら、月のテンペストの皆さん。こんにちは。今日怖じけずに来たことは褒めてあげるわ。それと覚悟はできたのかしら?」

 

「覚悟…ですか?」

 

沙季は琴乃質問に疑問を漏らしてしまった。

 

「えぇ、そうよ。言ったはずよ?今日があなたたちのアイドル人生最後の日だって。」

 

すると渚は琴乃の前に立った。

 

「そんなことはないよ。私たちは今日で最後じゃない。今日からまた一から始めるんだよ。もちろん、琴乃ちゃんと一緒にね。だから今日のステージ楽しもうね。」

 

そう言い渚は握手をしようと手を琴乃に出した。

しかし…

 

「何度同じことを言わせるの!!一から始める?楽しむ?相変わらず訳のわからないことばかりを!!私は本当にあなたたちと同じ仲間と思われたくないわ。まぁ、せいぜい後悔の残らないライブをすることをおすすめするわ。」

 

琴乃は握手を拒否して、その場を立ち去った。

 

「渚ちゃん、大丈夫ですか?」

 

「うん、大丈夫だよ。今は伝わらなくてもライブできっと。(絶対に届けるからね、琴乃ちゃん。)みんな、控室に行こ。」

 

〜控室〜

 

渚たちが準備をしていると遅れて牧野がやってきた。

 

「すまない!遅れてしまって。」

 

「あら、マネージャー。間に合ってよかったですよ。」

 

「まーきーのー!!この大事なライブの日に遅刻するとはなんですの!!私たちのことをなんだと思ってるんですか!」

 

「まぁまぁ、すずちゃん、こうして間に合ったことだし。」

 

「そうだよ、すずにゃん、牧野さんが大事なライブの日に来れない方が大変だったよ。」

 

「まぁ、みなさんがそう言うなら、今回、今回だけ特別に許して差し上げますわ!」

 

「ありがとう。それじゃあ、みんな準備はできているか?」

 

「はい!みんなバッチリです!」

 

「そうか。それじゃあ、俺から一言。今日で俺たち星見プロと琴乃との最後のライブバトルだ。正直、みんなの顔を見て、何も言うことはないかと思ったが、これだけは言わせて欲しい。今日のライブ、勝ち負けにこだわらず、渚、沙季、すず、芽衣、お前たちの思いを星見プロの思いを琴乃に思いきっり伝えてこい!そして、ファンをお客さんを俺たちを楽しませてくれ!」

 

牧野の激励に渚は。

 

「はい!わかりました!私たちも後悔のない最高のライブをみんなに届けるように頑張りますので、見ていてください!」

 

そうして、渚たちはステージ裏に移動した。

そこには、琴乃もいたが渚たちは声をかけなかった。

 

「ついにここまで来たんだね。」

 

「そうですね。ここまでいろいろなことがありましたね。最初はなかなか現実を受け止められなかったのですが今はもう、目の前だけを見ましょう!」

 

「ですわね!さぁ、ファンの皆さんが待っていますわ!」

 

「芽衣たちが最初だから盛り上げて楽しんでいこうね!」

 

すると渚が手を出して、円陣を組み始めた。

それを見て、沙季、すず、芽衣も手を出した。

 

「さあ歌いましょう」

 

「ここから未来へ」

 

「ここから宇宙へ」

 

「私たちの頂上目指して」

 

渚、沙季、すず、芽衣は琴乃を見て、全員で。

 

「月の光を手に 月のテンペスト!!」

 

ステージに渚たちが送り出し、それを見送った牧野。

 

「(頑張って楽しんできてくれ!)」

 

すると、牧野の隣に麻奈がきた。

 

「(大丈夫だよ、牧野くん。あの子たちならきっと。)」

 

「(麻奈、いたのか。)」

 

「(当たり前じゃない、最後のライブなんだからそれに、もう…)」

 

「(ん?どうかしたのか?)」

 

「(なんでもないよ!そ・れ・よ・り!牧野くんがそんな心配そうな顔で見ていたら、みんなも心配しちゃうでしょ!もっと胸を張って、堂々としていないと!)」

 

「(心配そうって、俺はただ渚たちを見守っているだけで、なにも心配なんてしていないさ、あいつらを信じているからな)」

 

「(そっか、ならよかったよ。私も牧野くんにどれだけ助けられたか…)」

 

麻奈の様子がいつもと違い、牧野は心配そうに見つめた。

 

「(麻奈?大丈夫か?)」

 

「(大丈夫だよ。それよりわたしのことより、あの子たちを見てあげて。)」

 

「(あぁ、そうだな。お前も見ていってくれ。)」

 

「(本当は…本当は見届けたいけど、私も行かなくちゃならないから…)」

 

「(いくってどこへだ?)」

 

「(妹を助けるのが姉の役目だからね!それにたぶん…)」

 

「(たぶん?たぶんってなんだ?)」

 

「たぶん?私、そんなこと言っていないよ。それじゃあ行くね…しっかりと見守るんだよ!またね牧野くん。)」

 

と麻奈は牧野に近づき…キスをした。

 

「(ま、麻奈!)」

 

「(えへへ…大好きだよ。牧野くん。)」

 

そうして、麻奈はどこかへ消えてしまった…

 

「(麻奈…もしかして…)」

 

そう言い、牧野はステージ上のライトの光を見てもう二度と会うことはできないのかもしれないと心の中でそっと思った。

そして、麻奈は琴乃のところに向かった。

 

「(待っててね、琴乃。いまいくから!)」

 

月のテンペストのライブがはじまる前にステージ上の月ストにスポットライトがあたり観客たちは、ざわつきはじめ、さくらたちも驚きを隠せなかった。

 

「な、渚ちゃん!?どうしたのかな?」

 

「わからないわ。けど、何か話すみたいね。」

 

「こんにちは、月のテンペストの伊吹渚です。今日は、長瀬琴乃さんとのライブバトルにお越しいただきありがとうございます。本来、私たち月のテンペストは五人グループなのですが、いまは訳あって、四人で活動していて、私がいるセンターのこの位置も本来なら…私の1番の親友がいる場所です。

その親友のためにも今日は、皆さんに聞いてほしい曲があります。この曲は、皆さんもご存知の長瀬麻奈のものであり、皆さんにもそして…そして、私の1番の親友でもある、琴乃ちゃんのために歌います。聞いてください。song for you。

 

「また、ふざけたことを!!私はあなたの仲間じゃない。もう、苦しめないでよ!私には!私は…私は…あれ??私は一体…」

 

琴乃の心の中に星見プロ、そして、みんなの声がまるで暗闇の雲を月の光が照らし出すような月ストの歌を聞いて、とても懐かしいと感じる琴乃

 

「(な、なにこの曲…とても懐かしいような寂しいような…でも、暖かい。)

 

「…乃…琴乃…琴乃!!」

 

「だ、だれ??私を読んでるのは…」

 

「私だよ、お姉ちゃんだよ。琴乃!」

 

「う、うるさい!お姉ちゃんなんて…お姉ちゃんなんて…」

 

琴乃の頬に涙が流れる…

 

「琴乃…思い出して、あの日の約束を」

 

幼少期の思い出が頭の中に流れ出す。

 

「お姉ちゃん!またあいどるやってよ!!」

 

「しかたないなぁー!琴乃は本当にアイドル好きだね。」

 

「うん!わたし、大きくなったら、絶対にあいどるになるの!!」

 

「じゃあ、おねぇちゃんと同じだね!」

 

「ほんと!?じゃあ、いつかおねぇちゃんと歌えるんだね!絶対に約束ね!」

 

麻奈は琴乃の頭を撫でる

 

「うん!約束だよ、琴乃。ねぇ、琴乃、琴乃にってアイドルはどんなの??」

 

「キラキラした服を着てて、可愛くて、あとはうーんっと、うーんっと、よくわかんないや。」

 

「なにそれ、あははは、でも、琴乃らしいよ」

 

思い出はここで終わり、目を覚ます琴乃。

 

「い、いまのは!?」

 

「琴乃思い出した?」

 

「うん。お姉ちゃん、私、思い出したよ。」

 

琴乃は記憶が完全に戻り、全てを思い出した。

 

「ねぇ、琴乃、WHAT IS “IDOL“?琴乃にとってアイドルってなに?」

 

「いまなら、私はっきりわかるよ、お姉ちゃん。私にとってアイドルとは、星見プロのみんながいてキラキラ眩しくて、ファンやみんなを夢中にも笑顔にもする。そんな、素敵な存在だよ。」

 

「うん!琴乃らしい答えが聞けてお姉ちゃんは嬉しいよ。琴乃おかえり。大好きだよ、世界でたった一人の妹で私の永遠のアイドルだよ。」

 

次の瞬間、麻奈は光の泡のように消えていく…

 

「お姉ちゃん!まってよ!!まだ話したいことがたくさんあるよ…ごめんねも言えてないよ…」

 

「琴乃、お姉ちゃんはずっと琴乃の中にいるから。琴乃のこと見てるからね。」

 

その場で膝に地面をつけて、光の泡を抱きしめる琴乃

 

〜月ストのライブ〜

 

「琴乃ちゃん、聞いてくれているかな?ううん、絶対に聞いてくれてる!だって琴乃ちゃんは私のかけがえのない、大切な仲間で親友だから!」

 

「みていてくださいまし、琴乃が安心して戻ってこられるように、私たちも琴乃に、全力の思いを送りますわ!」

 

「琴乃ちゃん!芽衣たち、琴乃ちゃんが抜けてからバラバラになりかけたけど、渚ちゃん、沙季ちゃん、すずにゃんがいたからここまでこれたよ!

だから、このバトルが終わったら、琴乃ちゃんのことを迎えにいくね!」

 

「琴乃ちゃん、誰にだって間違いはあります。ぶつかる時もあります。けど、私たちは五人で月のテンペストなんですから、どんなに離れていてもたとえ記憶がなくても、あなたは私たちの仲間ですよ!」

 

月ストのライブは、会場全体が息をするのを忘れたかのようになっており、見るもの全てを釘付けにしていた。

 

「すごい…」

 

「これが…月ストなの…」

 

「まるで麻奈さんのライブを見ているみたい…」

 

「月のテンペスト…あなたたちも少しはマシになりましたね。」

 

「ムカつくけど、これは、すごいわ」

 

「そうね、こんなところでまたおちおちしていられないわ。」

 

ライブの途中にも関わらず、会場を後にするスリクスを見てさくらが。

 

「最後まで見ていかないんですか?!」

 

「こんなすごいライブを見て、止まっていられないわ。悪いけど、私たちは行くわ。」

 

「せっかく、すごいライブなのに…」

 

「さくら、放っておきなさい。けど、気持ちはわかるかもしれないわ。今の月ストを見ていたらね。」

 

「莉央さん…」

 

ステージ横の牧野は琴乃を見て。

 

「琴乃、おまえにはこんなにもたくさんの仲間がいるんだ。麻奈もいる!だから、思い出せ!」

 

「(琴乃ちゃん、思い出して!!)」

 

「す、すごい…」

 

「霧子さん…私たち負けられませんね。」

 

「こ、琴乃?」

 

姫野は琴乃をみて、今までとは雰囲気が違うことに気づく。

 

「みていてください!行ってきます!」

 

「………いってらしゃっい…」

 

そして月ストのライブが終わり、舞台裏の階段で琴乃とすれ違う。

 

「あっ、琴乃ちゃん…」

 

すると琴乃、口が開く。

 

「渚・すず・芽衣・沙季。いままでごめんね。すごくいいライブだったよ!本当にありがとう。」

 

月ストは全員琴乃を見る。

 

「こ、琴乃ちゃーん!」

 

「琴乃ー!」

 

「琴乃ちゃんが元戻ったー!」

 

「おかえりなさい。心配したんですから…」

 

五人は抱きしめあった。そして琴乃の番がくる

 

「みんなのライブをみて、思い出せたから、私もみんなの心に届く、そんなライブをしてくるね!」

 

「うん!聞いているね!」

 

琴乃はステージに出て、歌う前に一言話す

 

「みなさん、今日は、ライブを見に来てくれてありがとうございます!私はいま、とても晴れ晴れした気分でいます。この気持ちをみんなにそして、星見プロダクション、そして、天国にいるおねぇちゃんに送ります。聞いてください!The One and Only」

 

「い、いま琴乃ちゃん!私たちのこと言わなかった??」

 

「間違いないわ!星見プロダクションって言ったわよ!!」

 

「戻ってきたのね。」

 

「琴乃ちゃん!」

 

「琴乃!」

 

「莉央さん、戻ってきましたよ!」

 

すると、莉央の目からは涙が溢れ出ていた。

 

「ったく、一体どれだけ、心配させるのよ。」

 

「莉央さん…」

 

琴乃のライブは、いままでとは、別人のように違い、見る人みんなを夢中にさせ、笑顔にもしていた。

 

「お姉ちゃん、見てる?いまわたし最高にキラキラきてるよ!!」

 

「麻奈聞いているか…琴乃が戻ってきたぞ…」

 

こうして、琴乃のライブも終わり、集計に入った。

 

「どっちとも、すごいライブだったね!」

 

「えぇ本当にどっちが勝っているかわからないわね」

 

「そうですね。二人ともすごかったです。」

 

「得点が出るみたいよ!」

 

「長らくお待たせしました。まずは先行月のテンペストの得点は!これは、かなりの高得点だ!!」

 

「みんなー!!」

 

「……(いける…この点数なら…)」

 

「次はいよいよ、琴乃ちゃんの得点ですね。」

 

月ストの横に並ぶ琴乃が一言いう。

 

「みんな、本当にありがとうね。私には、こんなにもたくさんの仲間がいて、親友がいて、本当にアイドルをやっていてよかったよ…」

 

「琴乃ちゃん…」

 

「続いて、後攻 長瀬琴乃の点はー!!!でたーーー!!……」

 

〜それから、半年の月日が流れた〜

 

4月になり、桜が満開の時期を迎えそうな春の季節。あの日月ストは琴乃との勝負に負け、琴乃はその後星見プロに戻ることなく、姫野と共にWIFに出場し、見事グランプリを受賞、名実ともに今では、誰もが知る世界一のアイドルとなった。

 

「今日の予定は、13時から取材があってその後、レッスンっと♪」

 

渚は部屋の扉を開けて、机の上にある、琴乃と月ストの集合写真をみて、

 

「行ってきます!」

 

あの、ライブ後星見プロに大きな変化があり、仕事もライブも絶好調で、サニピ、リズノワ、スリクス、そして、月ストはBIG4を独占し、日本では、敵無しの状態となっており、トリエルは休暇中に行ったライブの影響で世界ツアーを開催し、莉央さんは、瑠依や琴乃に負けじと、世界進出を目標に切磋琢磨している。

 

「おはようございます〜!」

 

「あら、渚、おはよう。」

 

「瑠依さん、早いですね。」

 

「今日は、仕事がたくさんあるからね。」

 

「さすが、世界ツアーをやっているだけはありますね。私たちも負けていられませんよ!」

 

「そうね、最近は、莉央さんの質問攻めがすごいけど…」

 

「あはは…莉央さん燃えてますからね。」

 

「おはようって、二人とも早いな!」

 

「あっ!牧野さんおはようございまってなんですか!その寝癖は!」

 

「まったく本当ですよ!だらしないですよ!」

 

「いやー、直している時間がなくて…面目ない。」

 

「ほら、直しますから、そこ座ってください!」

 

「いやいや、いいよ!自分でやるから」

 

「マネージャーさん…ニコッ」

 

牧野は瑠依の顔を見て、イスに座った。

 

「……わかりました。」

 

牧野が渚と瑠依に寝癖を直してもらっていると、そこになんと思わぬニュースが…

 

「せ、せ、せ、せ、先輩ー!!大変ですー!」

 

「どうしたの?橋本さん、そんなに慌てて、」

 

「とにかく、テレビ!テレビつけてください!」

 

そう言われて、テレビをつけると…

 

「川咲さくらのとんかつ巡り!!」

 

「なんだ、さくらの番組のことか!確かに

今日放送日だったな。」

 

「さ、さくら、相変わらずトンカツへの愛がすごいわね…」

 

「あははは、さくらちゃんらしいね。」

 

「ちがいます!ちがいます!!これじゃないです!」

 

そう言って、チャンネルを変えるさとみ

 

「お集まりいただきありがとうございます。今日は皆様に報告があり、お話しさせていただきます。先程、社長の方からプレタポルテはアイドル業界を撤退すると皆様にお伝えされたと思います。そして私、姫野霧子は、本日を持ちまして、プレタポルテのマネージャーを退職します。そして、所属アイドルは無所属、フリーとさせていただきます。」

 

「これです!!」

 

「なんだ、ただのニュースじゃないかこの業界ならたまにあることだって!」

 

「しかも、どこですか、プレタポルテって」

 

「プレタポルテ??」

 

「何言ってるんですか!!プレタポルテですよ!プ・レ・タ・ポ・ル・テ!!琴乃さんの所属事務所じゃないですか!!」

 

「なんだってーーー!!!??」

 

プレタポルテのアイドル業界撤退に動揺を隠せない、牧野たち

 

「あの、プレタポルテが業界を撤退??何かの間違いじゃないのか??」

 

「いやでも、テレビもやってますし…」

 

「こ、こ、こ、琴乃ちゃんは、どうなるでしょうか?」

 

「わからない。」

 

「けど、世界一のアイドルだから、いろんなところから、オファーは来るんじゃないかしら?」

 

「そうだ!琴乃ちゃんに電話しょう!!って番号を変えたから知らないんだったーー!」

 

「渚、一回落ち着け、仕事もあるし、それに琴乃から連絡があるかもしれないぞ?」

 

「すいません。そうですよね!なんて言っても私の親友ですから!きっと、ありますよね!ありますよね??」

 

「うーん…あははは」

 

「二人ともひどいですー!!」

 

こうして、夕方を迎えて、寮に戻る渚

 

「今日は衝撃的なことがありすぎて、なんか疲れたなぁ、ただいまー!」

 

「あっ、渚ちゃん、おかえりなさい。晩御飯の準備できてますよ!

 

「沙季ちゃん、ただいま!今日は…わ、私晩御飯当番だったね!ごめんね!すぐ準備手伝うね!今日は何作るの?」

 

「大丈夫ですよ!そんなに慌てなくても、それと、今日は、オムライスです!あと、桃もありますよ!」

 

「ももっ!?!やった!!着替えてくるからすぐに手伝うね!」

 

「お願いします。」

 

渚は部屋に戻り、机にカバンをおくと、そこに一通の手紙があった。

 

「誰からだろう??」

 

宛名はなく、中身を見てみると。

 

「渚へ、今日の夕方、あの場所で待ってるね」

 

渚は部屋を飛び出した。

 

「渚ちゃん?どこへ??」

 

「ごめん、沙季ちゃん、ネギ買ってくるね!!」

 

「ネギ?今日はオムライスです…けど…行っちゃいましたね」

 

「どうしたの??」

 

「渚ちゃんがネギを買いに飛び出していったんです。」

 

渚は走りだし、ある場所へむかった。

 

「はぁはぁ、間違いない!絶対そうだ!」

 

渚が向かった場所は、星見祭りの会場だった。ステージがある場所に向かうと、そこには、懐かしい人物が。

 

「はぁはぁはぁ…こ、琴乃ちゃん!!」

 

「渚、久しぶりだね、よくここってわかったね。」

 

「わかるよ!だって、私は琴乃ちゃんの親友だからね!」

 

琴乃と渚は、横並びで座り話し始めた。

 

「琴乃ちゃん、そういえば…」

 

「渚、」

 

「な、なに?」

 

渚の顔を見てクスッと笑い、琴乃は話し始めた。

 

「渚、私はプレタポルテにいた時に渚たちやみんなに酷いとこをしてしまって、本当に悪いと思ってる。ごめんなさい。けど私は姫野さんの元でアイドルをして、いろんな経験をしたし、世界一にもなった。でもね、渚、私はあの日の月ストとのライブはいまでも、昨日ように覚えてるよ。」

 

「琴乃ちゃん…」

 

「あの日をさかいに私はずっと、アイドルってなんだろうって思ったの、あのライブの時にも、お姉ちゃんの声がして、アイドルって何って聞かれたの」

 

「麻奈さんが??」

 

「うん!渚、私にとってアイドルってキラキラ輝く星のような存在で、みんなを夢中にさせて、笑顔にもさせる。そんなようなものだと思ってるの。それと、仲間とかけがえのない時間をすごせる特別なものだと思ってる。」

 

「琴乃ちゃん?」

 

「渚、ニュースは見たでしょ??」

 

「みたよ!すごいことになってるね。次はどこにいくの?」

 

琴乃はまた、クスッと笑い、渚は首を傾げていた。

 

「????」

 

「ねぇ、渚、また、私とアイドルしてくれる?」

 

「それって…もしかして!?」

 

「私、長瀬琴乃は、1年ぶりに星見プロに復帰することになりました!!」

 

遡ること一週間前。

 

「三枝さん、いきなり連絡をもらって、びっくりしましたよ。」

 

「いやいや、突然の連絡すまない。それより、すごいな世界一のアイドルなんて。」

 

「ありがとうございます。星見プロとのライブバトルや姫野さんの元でアイドルをして、いろんなものの見方が変わりましたよ。今では、世界一のアイドルかもしれませんが…」

 

「プレタポルテは、もうないだろ?」

 

「ど、どうしてそのことを!?」

 

「まぁ、ある人から連絡をもらってな、琴乃のことを頼むとな」

 

琴乃はある人と聞き、一瞬で誰だかわかった。

 

「霧子さん…」

 

「それで、これからどうするだ?まぁ他のところからオファーをもらっているんだろ?」

 

「それはそうですけど…」

 

琴乃は三枝をじっと見た。そして。

 

「さ、三枝さん!私、実は…」

 

すると三枝はあるものを琴乃に渡した。

 

「これって…」

 

「どこかの誰かさんが俺の机に置いていった、退所届だ。」

 

「え?でも…これは…」

 

「元々、俺はこれを受け取った覚えがないからな。きっと忘れていったんだろうと思ってな。」

 

琴乃は退所届をもらった。すると三枝さんが。

 

「琴乃、いまお前が言いたいことは、うちに戻りたいってことだろ?」

 

「え?それは…」

 

「残念だが…」

 

「そう…ですよね…あんなことをしておいて、いまさら、都合が良すぎますよね…」

 

「何を言っているんだ?お前は元々、星見プロダクション、月のテンペスト所属でリーダーの長瀬琴乃だぞ?」

 

「それって…」

 

「みんな、お前の帰りを待っている…と言っても、莉央はかなり怒っていたから覚悟しておくんだぞ。」

 

「はい!ありがとうございます。」

 

琴乃は涙を流しながら返事をした。その話を聞いて、渚は。

 

「こ、琴乃ちゃん!!!」

 

渚は琴乃に泣きながら抱きついた。

 

「じゃ、じゃあ!また月ストで!!」

 

「ううん。ごめんね、またソロでやるの。」

 

「そ、そうなんだ…」

 

がっかりした渚の顔をみて、琴乃は笑う

 

「ごめんごめん。うそうそ。また一緒にステージで踊れるね。渚!」

 

「そ、それって!」

 

「月スト完全復活だよ!さぁ、ここでいま、デビューした時の曲を踊ろう!」

 

「うん!」

 

渚は、涙を拭いて、琴乃の手を取り、踊り出す

二人。

 

「ねぇ、渚」

 

「なに、琴乃ちゃん?」

 

「WHAT IS ”IDOL“?」

 

時にぶつかり、時に離ればなれなり、悲しみも、感動も喜びもたくさんあり、止めようとしていたときもあった。それでも、アイドルをやめなかった…やめなくなかった。そして彼女たちはまた、新たな道へ歩き始めた。

 

 

〜完〜





最終話まで読んでいただきありがとうございました!!はじめての投稿作品で最後まで物語を完成させれたことがすごく嬉しいです!これからもたくさんいろいろな物語を書いていきたいと思っていますので、よろしくお願いします!
本当にありがとうございました!
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