ヴェノムinリコリス・リコイル 作:ちさたきてぇてぇ……
見切り発車ァ………
平和で安全、綺麗な国。日本人は規範意識が高くて優しく温厚
法治国家日本の首都である東京には危険なんてない
とある事件から8年経過し、それ以来ずーっと治安の良さは世界NO.1
永劫の安寧を手に入れ、犯罪とは無縁となった素晴らしい国
「だから来たはずなんだけどなぁ…戦いとは無縁の国ィ……」
俺が今いるのはとあるビルの屋上
相棒の言われるがままにビルの上へ登り、隣のビルの中を覗いているとそこには女の子数人が大人数のおっさんを次々殺していく聞いていた話とはかけ離れたものを見せられていた
「おい、めっちゃ普通に銃撃ってるんだけど…?」
「あぁ、だから来た」
「おいコラ」
「俺は腹ぺこだ!!それより、あそこの若い女ども…美味そうだ。特に赤い服の女!」
「やだよ。未来ある若者を殺すのは…それにあのおっさん達のがどう見ても悪そうだぞ?そっちで我慢してくれ」
「うーん…いかにも頭の悪そうな顔をしてる。あれは脳がちっちゃいぞ」
「食えるだけ我慢しろよ…それにあっちの女の子たち食べて、あの子たちの大ボスみたいなのが軍団で出てきたらどうするんだ?ライフ財団の時みたいに」
「全員食っちまえばいい。俺たちからしたら豪華なビュッフェに脚が生えてこっちに来てくれてるようなもんじゃねぇか、ん?」
「なんでそんなポジティブに考えれんの…?ってやば、女の子1人捕まっちゃってる」
「いいタイミングだな、行くぞ」
はぁ、と溜息をついて俺は立ち上がって銃を撃ち合っている隣のビル目掛けて飛び降りた
「司令部…!!司令部ッ!!!くそ!!」
「オラ聞いてんのか!!畜生、仲間をこんなに殺りやがって…!!10秒だ!そっから出て来い!!こいつぶっ殺すぞ!!」
「フキ…!!」
「命令は待機だ…!」
「でもエリカが…!!」
2人の女の子が言い争いをしていると、横にいたもう1人の黒髪ストレートの女の子が後ろの木箱の上に置いてあった機関銃を持ち狙いを定めていた
「たきな!!!」
赤い制服の少女が止めようと声をかけたがその瞬間、無数の弾が放出される
コンクリートが砕け、ガラスが割れ、凄まじい音がビル中に響き渡っていたその時、機関銃が黒い何かに掴まれた
「!?」
少女が振り払おうとするがその力は凄まじく、為す術なく機関銃は煙で充満した隣の部屋へと消えていった
「隣の部屋に"なにか"が居ます!!」
その一言に赤い服の少女、そして金髪の青い服の少女が銃を構えて隣の部屋をのぞき込む
「ま、待て…助けてくれェ」
先程カウントダウンをしていた男の声が聞こえてくる
しかし先程までとは違い、弱々しい声で何か喋っていた
「なんだ…?」
赤い服の少女が目を凝らし、ゆっくりと晴れてきた煙の中を見る
するとそこにいたのは地面でうずくまる仲間の少女と頭が無くなっている2つの死体
そして3mにも達する大きく黒い怪物とその太い腕に首を掴まれ、宙ずりになっている先程の男がいた
「なんだ…あれ…!!」
黒髪の少女が今度は自分の銃で黒い怪物を撃ち抜くも、巨体はビクともせずに男の頭を噛みちぎった
「…やはり小さい脳みそだ、満たされない」
返り血で染まり、ところどこく赤くなっている黒い顔を長い舌で舐め、足元にいるエリカと呼ばれていた少女に手を伸ばす
「ひっ…!」
銃弾を何発も打ち込まれているにもかかわらず、怪物はそんなことを気にせず少女の頭に手を置き…
「おはよう、お嬢ちゃん。怪我がなくてよかったなァ。こんな"おもちゃ"で遊んでないで学校行って友達と遊びな」
普通にペラペラ話し、いくつか銃を触手で拾い上げてビルの外へと走り出して行った
「…えっ?」
「しっ…司令部!!謎の男の乱入!!テロリストを食い殺して逃走!!」
「機関銃ぶっぱなしてる中男の脳みそ食うわ、無駄口叩くわ……食ったらさっさと逃げろよ!!」
「俺達はヒーローだ!そうだろう?」
「この国は安全な国だ!!俺たちが出なくたって」
「安全な国は銃の売買や機関銃を乱射するのが日常的なのか?違うだろう、マヌケめ」
くっそグゥの音も出ねぇこと言いやがるこいつ…!!!
「………わーったよ!でもあの少女たちにはあんまり関わらないようにするぞ!」
「なんでだ?」
「銃の使い方、赤い服の子の耳にはインカム…ありゃ組織だ。お前だって気づいて……お前まさか」
俺が青ざめた顔で相棒の顔を見ると白く大きな目と並びの悪い牙を見せて笑っていた
「ビュッフェが楽しみだなぁ」
「ああぁもう嫌だこいつ!!!!」
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