ヴェノムinリコリス・リコイル 作:ちさたきてぇてぇ……
「…あれ、千束ちゃん達じゃないか?」
「本当だな、どうする?突撃するか?」
「突撃てお前」
今日はお店はお休みなのかな?
制服か和服しか見た事なかったからアレだが仕事以外だとちゃんと私服着てるんだなぁ
「なんとなくだけどたきなちゃんはジャージ着てるイメージあったわ」
「あぁ、意外だ。それになかなかいいセンスしてる。お前とは違うな」
なんだよ、ジーパンと灰色のパーカーor白タンクトップ黒ジャケットの何が悪い
「…2人で出かけてるんだ。邪魔しちゃ悪いしこのままスルー…うわっ!」
「っとと!すみません!」
「あーいや、こっちも前見てなかったからごめ…んんん!?」
「ん?どうかしたッスか?」
この子の横にいる子……銃取引の現場にいたリコリス!!
「すみません、うちの連れが…」
あれ、思ってた反応と違う…あ、ヴェノムの状態しか見られたことないんだった…
「あぁいや、可愛い制服だなぁと思ってね。ここら辺の中学…いや高校の子かな?」
「えぇ!フキ先輩、これナンパってやつッスかね!」
「はぁ…さっさと行くぞ」
「ちょ、待ってくださいよー!」
俺の横をすり抜けていくようにフキ先輩と呼ばれていた子が歩いていき、茶色のツーブロックの子は俺にもう一度お辞儀して人混みの中へ消えていった
「あの女やっぱり美味そうだ。それに横にいたやつも」
「目つきの悪さはたきなちゃん以上だな…ファーストリコリス怖いぜ…そんなことより、ヴェノムさん。今日の夜は何食べます?」
「ポテトとチョコレート!あとは卵とホットケーキミックスだ!」
「……それ今朝も食べてただろ」
「美味かっただろう?俺の作った料理は」
「あぁ、顔にケチャップが飛び散らなけりゃもっと良かったけど」
今俺達はウォールナット…じゃなかった、クルミちゃんからの新たな連絡を待ちながら東京の街をぶらついている
「さっきのヤツらと言い、よく見るとリコリスのガキども多いな、ベージュばっかりだが」
ヴェノムに言われて気がつき、足を止める
「本当だ。さっきの青とかベージュとか…教えてもらわないとマージでわからんな」
こんだけ多くの女の子に人を殺させてるんだ
DAのやってることはライフ財団とあんまり変わりない
「ライフ財団とどっこいでやばいな、恐ろしい組織だぜDA」
「おい、コレ見ろ!でかいチョコだ!」
「お前さぁ…」
「ちょっとまて、いいことを思いついたぞ。そこら辺のリコリス追いかけよう」
「はぁ!?なんで!?」
「最近はアイツらから死体を奪って頭食ってばかり、新鮮さが足りない!あいつらが殺す前に獲物を横取りすればいい!」
「んー…確かになぁ…それはありだなぁ…」
「何がありなんです?お兄さん!!」
「うわっ!?ち、千束ちゃん!?たきなちゃん!?あーいや、その…た、たきなちゃんの服!かわいいなぁ、よく似合ってるよ」
「ありがとうございます…」
あれぇこの子なんか表情筋緩くなったなぁ?なんだか前より柔らかい表情してる
「ちょいちょい、ナチュラルに話しそらすじゃないか」
「あー…
「えーケチィ!」
千束ちゃんは頬をぷっくり膨らませて俺達を見る
「そうだ!このあと暇ですか?良かったら一緒に水族館行きません?」
「水族館かぁ…せっかくだけど2人の邪魔にな「水族館だと!行きたい!」ると思ったんだけどヴェノムが行きたいみたい…」
俺の片腕をヴェノムが勝手に動かし、天高く腕を上げる
「やったー決まりね!チケット買ってくる!」
「ちょっと千束ちゃん!?」
「無理ですよ、千束は一度決めたら止まらないです」
「なんつー
「…あなたには関係ないです」
「ははは、それもそうだ」
少し顔を赤らめながら、たきなちゃんは千束の後を追う
「なんか、丸くなってきたな。たきなちゃん」
「最初会った時のアイツの顔見せてやりてぇな」
「おーい!お兄さん早く〜!!」
「あぁ、今行くよ」
「千束はよく来るんですか?ここの水族館」
「じゃーん!年パス〜!気に入ったらたきなもお兄さんもどうぞ〜!」
「水族館…初めて入ったよ。凄いなぁ」
「ここの魚は食っていいのか?」
「ダメに決まってんだろ」
「お兄さん水族館初めてなんですか?」
「あぁ、この歳になるまでちょっとばかり忙しかったもんだからさ」
「忙しかったって…何してたんです?」
「秘密だね」
「……秘密ばかりですね、あなたは」
「はは、俺達の話聞いても楽しくなんかないさ」
実際、ライフ財団潰したあとも残党がりや奴らとの繋がりのある奴らを片っ端から潰して回ってたからな
日本に来てなかったら…いや、千束ちゃんに誘われなかったらきっと水族館なんて来なかっただろう
「うわ、なんだこれ。魚なのか?」
「これはねータツノオトシゴ!可愛い〜ってたきなどうしたの?」
「これ魚なんですって」
「「え、マジ?」」
「ほぉ〜コイツ…"
「この姿になった
「ゴーリテキ?」
「泳ぐの苦手なのかもな、しっぽみたいなので海藻にくっついてるし…」
このあと俺達はチンアナゴを見たり、ライトアップされ様々な色に変わる水槽を見たり、千束ちゃんの事なんかも聞いた
人を殺さない理由は気分が良くないからで、貰った首飾りを頼りにその人を探しており、感謝を伝えるためDAを辞めたんだとよ
いい子すぎてビビるわほんとに俺の3個下かよ
その後いきなりたきなちゃんが「さかなー!!」ってした時は驚いたが……
「おい、アレ見ろ!ロブスターだ!」
「ロブスター…」
俺は顔をしかめ、ロブスターのような甲殻類から背を向ける
「あれぇ?お兄さんもしかしてエビ嫌いなのぉ?」
「あなたにも弱点があるんですね…」
「弱点というか…嫌な思い出があるというか…」
「嫌な思い出?」
「ヴェノムと出会ってすぐにレストランに入ったんだけど…その、水槽の中に居たロブスターをそのまま食べちゃったことがあって…」
2人が明らかに引いた気配を感じ、俺は顔を抑えてうずくまった
「いや!俺だってしたくてした訳じゃないんだよ!!ヴェノムと共生が上手くいくまで大変だったんだ!!酷い空腹感、目眩、吐き気に発熱…」
「あれはお前が抵抗するからだろ」
「抵抗するだろよくわかんねぇ黒いドロドロが体の中に寄生してんだぞ」
「なんでそんなことになってるのにすぐ引き剥がさなかったんですか…」
「…コイツと俺、似てたんだ。だから見捨てることが出来なかったんだ。ヘッポコで負け犬なコイツを」
「そっくりそのままお返ししてやるぞポンコツ失敗作」
「よーし、家帰ったら喧嘩だ覚悟しろ」
「…あれ?そう思ったら2人はどこに住んでるの?」
「ん?あー…ここから少し離れた壊されてない廃ビルの中。最初はホテル止まってたけどやっぱりお金がかかるから節約ってことで。仕事もできないしね」
「仕事…仕事ねぇ…そうだ!」
ニッヒッヒ…と悪い顔をしながら笑う千束ちゃん
「私、なんだか嫌な予感がします」
「奇遇だな、たきなちゃん。俺もだよ」
同時刻、緑の髪の毛で季節外れのロングコートを着た男が1人
北押上駅の地下ホームへ続く階段をゆっくりと降りていく
最初はその男の足音がホームに響いていたがひとつまたひとつと足音が増え始める増え始めていた
「フッ…ハハ、臭うなぁ…」
男は後ろから着いてきていた仲間たちから受け取ったカバンを開け、中に入っていたマシンガンを眺める
「漂白された、除菌された、健康的で不健全な嘘の匂いだ。バランス取らねぇとなぁ!」
男たちは次々に銃を装備し始めた所でアナウンスが流れる
「来る、来るぞ…始まり…始まりぃ…」
1人の部下が電車が来たことを確認し、全員が銃を構える
「始まりぃ!!!」
電車が見えた瞬間、男たちは一斉に銃を撃ち始めた
窓ガラスが割れ、車体や壁は穴だらけ
「ハハハ!……アァ?」
男は笑みをこぼすがすぐに違和感に気がついた
あれだけ撃ったにもかかわらず、血が飛び散っていないのだ
訝しんで電車を見ていると横にいた仲間の頭が撃ち抜かれる
「…ヤッベェ」
電車に乗っていたのは乗客ではなく大量のサードリコリスだった
さっきの仕返しと言わんばかりの一斉放射、仲間が次々とやられていく中で緑髪の男だけホームの柱の後ろへ隠れるが右腕に弾丸が掠る
「チッ…!ガッ!!」
電車から降りてきたリコリス、そして電車の中から柱を狙うリコリスに囲まれ絶体絶命の大ピンチ
「はぁ…はぁ…3人くらい残してあとは殺せ」
そう、ヤツがいなければの話だが
「指示が遅いわよ、真島」
黄色の触手が真島の両サイドにいた四人のリコリスを縛りあげ、空中へと持ち上げる
「きゃあ!?」
「あら、随分と可愛い殺し屋ね」
天井から黄色と赤色の髪の様な触手をなびかせたスクリームが現れたのだ
「ッ!!司令部!"スクリーム"が現れました!!」
「あら、私達のこともバレてるの…ねッ!!!」
車体を貫き、連絡をしていたリコリスは電車から引っ張り出され頭を食われる
「きゃあああああああ!!」
「足りないわ。もっと、もっと力をつけないと…アイツらに復讐するために!!!」
怒りの籠った音速の刃は電車の中で怯えながらも必死に戦う少女たちへ向けられ
その場を赤く、赤く染めあげた
こんな近くにいるのに気が付かないのおかしくない?と思うかもしれませんが物語の進行とか真島とこんな関係だよ〜ってのを出す良きタイミングここしかなかったんです
無理やりですがどうかお許しを…