ヴェノムinリコリス・リコイル 作:ちさたきてぇてぇ……
ありがとうございます!!
これからものんびりやってきます
あの事件から2日後の夜
俺たちはとある下町の一角にある喫茶店を探していた
「喫茶リコリコ…あぁ、ここだ」
昼間であればきっと綺麗に輝くであろうステンドグラスの装飾、暗い夜道を暖かく照らすライト、あぁなんていい雰囲…
「いい雰囲気の店だ!さっそく中に入ろう!」
あ、思ってたこと言われた
まぁいいけどさ…あれ?あれれれ?
「営業時間…終わってねぇか?」
「なんだと!!!」
ヴェノムが俺の肩から顔を出し、立て看板に書いてある営業時間を覗き込み、既に営業終了しているのを見て落胆する
「嘘だ…」
「あー、なんだその、調べなかった俺も悪かったよ、また来よう?な?」
「夜やってないなら俺たちはどうやってチョコを貰えばいいんだ?俺たちは昼間に行けないだろう?かと言ってお前で中に入ってもチョコは貰えない」
そうか…彼女たちがみているのはヴェノムだけであって俺の姿は見てない…!!!あの時も深めにフード被ってたからたきなちゃんも気づいてないだろうし……
ヴェノムは悲しみながらも諦めて体の中へ戻っていった
「……とりあえず、コンビニかなんかでチョコ買ってやるからそれで」
「あれ?お客さん?」
後ろから突然英語で声かけられ、振り返るとそこには千束ちゃんがいた
「え!あーいや、ここのお店美味しいって聞いたから来たんだけど営業してる時間が終わっちゃっててね、残念だけどまた今度に…」
やべぇ咄嗟に英語で返しちゃった
「えーほんとですか!ちょっとまっててください!」
千束ちゃんは目を輝かせ、店の中へと入ると1分も経たないうちに俺たちの元へ戻ってきた
「あー、お嬢ちゃん?」
「大丈夫です!!簡単なものなら用意できますよ!」
「えっ?」
「やった!!やっぱりこの女良い女だ!!」
「さー入りましょー!入りましょー!!」
千束ちゃんに連れられ、中へはいると和風と洋風がバランスよく組み合わさっている内装と黒人の男性、なにやら瓶を持っている女性とたきなちゃんが座っていた
「いらっしゃい」
「あ、どうも。すみません、無理言っちゃって…」
「えっ?日本語ペラペラじゃないですかー!ってあり?じゃあさっきなんで英語で?」
「いやー英語で話しかけられたから咄嗟にね…」
「おいみろ、渋い店長だ。それにあっちの女は酒臭い」
「ちょっと静かにしてろ、あーチョコレートを使ったパフェってあります?それが美味しいって聞いたもので」
「あ!それ錦木千束スペシャルエレガントパフェじゃないですかー?私が作る超美味しいパフェなんですけど〜……どうです?」
「聞くだけでお腹が膨れるような名前のパフェだね…じゃあそれで」
「毎度ありー!!」
「ありがとうございます」
千束ちゃんだけでなくたきなちゃんも笑顔でお辞儀してくれる
可愛いがたきなちゃん、君の裏の顔知ってるから俺はちょっと怖い
「あの〜、普段何してるんです?日本語上手ですねぇ、日本に来たのは旅行で?住まいはどちら…」
おぉう、怒涛の質問攻めだなぁ…しかしなんと答えるべきか…平穏求めて日本来たんですハハハハハって言えばいいか…?
「コラ酔っ払い、新規のお客さんに絡むんじゃねえよ」
千束が目を細めながら辛辣な一言を放ったおかげで隙が出来た!ありがとう千束ちゃん!
「いいじゃないこのくらい!!」
「あー…そうですね、旅行みたいなもんです」
「嘘つきだな」
「じゃあなんて答えればいいんだよ」
「簡単だ。千束もたきなもいるならこうするのがいちばん手っ取り早いだろ」
は?…まさかお前
「ま、待て!!やめろ!!」
いきなり席を立ち、慌てる俺に3人は目を丸くする
「ん?いきなりどうしたんです?」
「あー!いやその…皆さん!目!目を瞑っ」
俺が慌てて目を瞑らせようとするが遅かった
俺の背中からヴェノムが顔を出し、千束ちゃんの目と鼻の先まで近づいていってしまったのだ
「早くチョコを食わせろ!!千束!!あの日の約束を果たせ!!」
「あー……やっちまった…」
「「え、えええぇええええええ!!!?」」
千束ちゃんは俺を見て、中原さんはヴェノムを見て叫んでる…
「あの怪物は…!?」
たきなちゃんは冷や汗をかきながらヴェノムを見て戦闘態勢とってる……
「千束、準備しておいたから早く作…なんだ…!?」
あぁクールな店長もびっくりしてる…
ああ本当に何してんだこいつぅううううう!!!!
「千束のもいいがこのパフェも美味いな、ミカ!」
「そうか、それは良かったよ。こんなのもあるがどうだい?」
「頂こう!だがこれはなんだ?」
「これは団子だ、特別にチョコレートのも作っておいたよ」
喫茶リコリコ、都内の下町の一角にひっそりたたずむ何の変哲もない小さな喫茶店
普段は常連のお客ばかりで、新規のお客が来ることは滅多にない
そんなリコリコに今…とある怪物がやってきていた
「このモチってのもいいなァ!内臓みたいな弾力だ!!」
「ちょっと!!あんなバケモンとどんな約束したのよ!!あんた!!」
「沙保里さん襲った犯人を食べない代わりにリコリコでチョコレートあげるねー…って」
「私らが食べられちゃったらどーすんのよ!!」
ヴェノムは口の周りをクリームとチョコレートを長い舌で舐め取り、緑の和服を着た中原ミズキを見てニヤリと笑い、近づく
「ひぃ!な、なによ!私は美味しくなんかないわよ!!」
「そうだよ、ミズキお酒ばっかり飲んでるから脳みそもお酒の匂いしてるかもしれないし」
ヘラヘラ笑う千束に睨みつけるミズキだがヴェノムが怖くて何も喋れないでいた
「安心しろ、俺たちは悪人しか食わない。ミカ!オアイソだ!お釣り入らないぞ。遅くに来たからオキモチってやつだ!」
ヴェノムは触手から10000円を出して紫の和服を着ている黒人の男、ミカに渡す
「はは、よく知っているな。毎度あり」
「この店はいいな、これはタタミか?日本人はこのタタミの上で寝ると聞いたぞ?」
ヴェノムが畳の上に座り、座布団を持ち上げ眺めたりしていると千束の後ろでギャイギャイ騒ぎ始める
「たっ、食べたんなら早く帰りなさーい!」
「ちょっとミズキ!お客さんだよ!?なんてこと言ってんの!」
「いやむしろなんで普通に接してんのよあんたはよォ!」
「そうですよ、千束さん。相手は…人を食べる怪物ですよ」
たきなは銃を持ち、いつでも攻撃できる態勢をとっているがヴェノムはそんなことを気にしない
「2階は洋風だな、みてみろ!外からも見えてたがステンドグラスがある!」
「大丈夫だって2人とも〜!ねーヒーローさん!名前は?」
2人を宥め千束は階段を上ってはしゃいでいるヴェノムの元へ近づく
「名前?俺たちはヴェノムだ」
「ヴェノム!かっこいい名前だねー!!中にいる金髪のお兄さんの名前も同じ??」
千束がそう言った瞬間、ヴェノムの歯が隠れて目を細める
「…こいつの名前はまだ教えれないな、俺はスーパーヒーローだ。ヒーローは顔と名前を明かさない」
「お前思いっきりバラしてただろ」
「何か言ったか呑んだくれ。だからモテないんだぞ」
「今日初めて会っただろ何がわかんだお前にー!お前だってモテないだろそんな見た目で!!」
「俺はどこでもモテモテだ。さぁて、俺たちはそろそろ帰る。ここの料理はどれも美味かった!また来るぞ!」
ヴェノムは店に入ってきた時の金髪の男の姿へと戻っていく
「ミカさん、中原さん、たきなちゃん、千束ちゃん。今日はありがとう、ヴェノムも言ってたけどここのコーヒーと甘味は絶品だったよ!」
「あ、ヴェノムさん…」
男は自分の目に輝いて映る4人を見て微笑み、フードを深く被ってドアノブに手をかける
「……こいつになるべく人を食わせないように努力するから安心してくれ。それじゃ!」
男は素早く扉を開け、夜の闇の中へと姿を消してしまった
「教えなくてよかったのか?」
「言うも何もないだろ…名前も俺自身もこの世界に"存在してない"んだから。俺も、お前も"ヴェノム"。俺たちは2人で1人。それでいいだろ?」
「お前がいいならそれでいい。だが…俺は体の傷は治せても心の傷は治せないんだ」
「…心配するな、今年で20になるんだぞ?もう大人なんだからここはグッとこらえて耐え忍ぶさ」
そうすればきっと……俺にも幸せがやってくる
徐々に主人公の設定を明らかにしていきますね