ヴェノムinリコリス・リコイル   作:ちさたきてぇてぇ……

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あけましておめでとうございます。



第8話 名無しの権兵衛 Part1

スクリームと戦って4日後が経った

 

「見つかんねぇな…どこ行ったんだ?」

 

俺たちは襲われた場所を中心に色んなところを探し回った

 

のだが、全くと言っていいほど手がかりがない

 

ヴェノムとは違い、エネルギー補給のため手当り次第人を食い散らかすかと思ってたが…

 

「あいつの宿主は間違いなくライフ財団関係者だ。ライオットの宿主の名を呼んでいたからな」

 

「あそこのクソッタレ研究員は全員殺したと思ったんだけどなぁ…」

 

思い出すだけで腹が立つ

 

社会的弱者を騙し、研究材料にする奴らが

 

遺伝子操作により身体能力を向上させた人間を…洗脳で命令されれば何でもする"人形"を生み出した奴らが

 

「……嫌なこと思い出した」

 

俺たちはヴェノムの状態を解除しながら路地へ降り、誰もいない街中を歩き出す

 

「こうなったら俺たちは弱いなぁ、向こうから来てくれれば迎え撃つだけだが探すとなると…」

 

「俺たちはからっきしだな!DAに頼むか?」

 

クッソこいつ……体の中で歯並びの悪い歯をむき出して笑う様が脳裏に浮かぶぜ

 

「俺たちが殺されるつーの!…いや、ありかもしれない」

 

「なんだと?DAの本拠地にでも乗り込むのか?」

 

「あるじゃねぇか!リコリコだよ!中原さんは確かDAの情報部みたいなとこで働いてたしそれらしい情報もあるかもしれない!!」

 

俺ってば冴えてるじゃん!そうと決まれば早速…

 

「待て、あの呑んだくれが働いていたのは前の話だろう?そうじゃなくともあいつにそんなことできるとは思えんがな」

 

「そんなこと……ナイヨ、タブン」

 

「一気に自信なくなったな」

 

「不安にさせるようなこと言うからだろ……!」

 

 

 

「というわけで中原さん。お店の休憩時間に申し訳ないんですがあの地区のここ数日間の監視カメラの映像とかって…」

 

「というわけでじゃねーよ!んなもん!!私をなんだと思ってんだ!!」

 

「えぇ!?ないの!?ミ、ミカさんは何か知りません?」

 

「悪いが情報は一切入ってきていないな」

 

「ほら言っただろう。この酒乱女が優秀なわけが無い」

 

「んだとー!!ていうか持ってたとしてもあんたらみたいなやつにそうやすやすとデータなんて渡せないわよ!人襲いそうだし!」

 

言い合いをするヴェノムと中原さんを横目に俺はカウンターテーブルに突っ伏した

 

情報が一切ないだって!?そんなことあるのかよ!!

 

まさかDAが揉み消してるのか?そうなのか!?

 

「…その映像に銃乱射してる奴とか人殺してる奴らがいるなら間違いなく食べに行きますけど」

 

「前にも言ったが悪人以外は喰わない主義だ!」

 

しかしこれは参った…振り出しに戻っちゃったなぁ……

 

俺たちが頭を抱えて悩んでいると奥からピンッと立った黒いリボンをした少女がパソコンを抱えて駆け寄ってきた

 

「私が調べてやろうか」

 

「……ん?君、ウォールナット?」

 

「なっ!?」

 

ハトが豆鉄砲食らったよう、って言葉が日本にはあるらしいがきっとこういう時に使うんだろうなぁ。中原さんとミカさんが目を点にしてるもん

 

「あ、あんた!なんで気づいて…」

 

「え?あーヴェノムの能力のひとつに感知能力があるんです。どこに誰がいるのかとか、あと攻撃されるときとかもこうなんか…ムズッとしてどこから攻撃が来るかがわかるんです」

 

「…?」

 

「ムズッとする…?」

 

「いや、この話は置いといて…女性だとは思ってたがまさかこんな小さな女性とは驚いた」

 

「お前年寄りじゃないかって言ってたよな」

 

「ヴェノム!シッ!!」

 

「ていうかそんな能力あるならそのスクリームもそれで探せばいいじゃない」

 

「それがこいつ同族のこと探せないっぽくて」

 

「ぷふっ、役立たずね」

「心が狭いからお前には男が寄り付かないんだ」

 

後ろでぎゃーぎゃーと騒いでいる2人をよそに俺はウォールナットと話を進める

 

「さてと、ウォールナットさん。早速調べてもらってもいいかい?報酬はやっぱりお金かい?」

 

「あぁ…と言いたいところだが、お前たちについての話を聞かせてもらえるか?」

 

「俺たちの話?あー銃取引のやつかい?あれはヴェノムが」

 

「違う。私が知りたいのはライフ財団は一体何を研究していたのかだよ、名無しの権兵衛(ジョン・ドゥ)

 

騒がしかったお店の空気が一変する

 

中原さんに顔を向けていたヴェノムはウォールナットを睨みつけ、俺は席を立ち上がり拳を握る

 

「……それを知って何するんだ?ライフ財団の真似でもするのか?」

 

「なに、ただ聞きたかっただけさ。無知であることは嫌いなものでね。ライフ財団の実験事故だと世間では流されていたが…頭のない死体が複数あるなんて事故、不思議だろう?」

 

こっちには目もくれず、パソコンの画面に監視カメラの映像が複数表示される

 

そこにはスクリームが移動している映像が映し出されていた

 

「これがその映像だ。さ、話してくれ。君はライフ財団の関け」

 

「名前はない。番号はE-1988-5。俺はライフ財団の実験体だったんだよ」

 

本日二回目のハトが豆鉄砲を食らった顔をするリコリコの面々

 

この調子じゃこのままずーっとこの顔になっちまいそうだ

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