気がついたら死亡寸前だった件について   作:花河相

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ラディッツ 転生もの。

ちょっと思いつきで書いてみました。
長く続けるかはわかりません。
とりあえずサイヤ人編終わるまで投稿します。


サイヤ人編
ラディッツ プロローグ


「ピッコロ……早く……さっきの技を!」

 

 それは突然であった。

 気がつくとあたり一面は荒野、背中から見知らぬ男に拘束され、目の前にはおでこを光らせ殺気を放つ緑の生物がいた。

 

 

 え……なんで拘束されてんの?

 なんで目の前にいる左手がない緑の生物はおでこが光ってんの!

 なんで俺を殺そうとしているの!

 

 え?……やばいやばいやばいやばい。

 

 この場でわかることは一つ。おそらく緑の生物は俺を殺そうとしている。

 勘だがなんとなくそれだけは雰囲気から察することができた。

 とりあえず俺がやることは

 

「放せ!俺が何をした!」

「またオラを騙そうとしてんだろ!早くしろ!ピッコロ!」

「もう少し…時間がかかる」

「ピッコロ!……早く!」

 

 俺が何した!

 人を騙す?意味わかんねぇよ!

 とりあえず拘束をとくため、体に力を入れようとするが……。

 

「……ぐ!なんで体が」

 

 体がものすごく痛い。

 特に腹が……あと、右肩がジンジン痛む。

 

 そのせいだろうか。

 拘束を振り解こうにも力が出しきれない。

 

 どうすりゃいいんだよ!

 

「孫悟空よ……貴様も一緒に消えてもらえりゃ……俺には最高だ」

 

 

 緑の生物が話しかけてきた。

 こいつ絶対俺を……いや、俺ごと殺す気だ!

 

 ………あれ?

 そういえば後ろの奴と緑の生物が気になる単語言ってたよな?

 

 ピッコロ……孫悟空……。

 

 どこかで聞いたことあるような……。どこか馴染みがある。

 

 …………もしかしてここって「ドラゴンボール」の世界?

 

 え?マジで?

 

 いや、だからなんだよ!

 ここがドラゴンボールの世界だったとして、なんで俺殺されかけてんの!

 なんで、体がボロボロなの!

 わかんねぇぇぇぇぇ!

 

「待たせたな……」

 

 あ、……しぬ。

 死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!

 

 いや、なーにが、待たせたな……だ!

 

 お前はどこかの世界線のシャンクスか!

 かっこよくねぇよ!

 

 アニメを見ている良い子たちにしたら時がきた!

 待ってました!

 だが、俺にとっては違う!

 

 死刑宣告やん!

 あんなん食らったら死ぬわ!

 

 どうにか……どうにか脱出を!

 

「やれぇぇぇぇ!」

 

 やるなぁぁぁぁぁ!

 

 死んでまう!

 お腹に風穴空いて死んでまう!

 

 何か……何か策は!

 

 ……あれ?

 少し冷静になったけど、なんで俺力ずくで抜け出そうとしてんだ?

 

 やり方あるじゃん。

 

 でも、孫悟空には申し訳ないけど、死ぬのは嫌だ。

 俺は右足を上げ、思いっきり後ろから拘束している悟空らしき男の足を踏む。

 

「ふん!」

「ぐあああああ!」

 

 ………よし!これで拘束が弱まった。これなら抜け出せる。

 

「魔貫光殺砲!」

  

 くらわねぇよ!

 ピッコロが準備を終え、放つギリギリで拘束を解くことができた。

 

 

 ピッコロから放たれた光線。

 俺は素早く拘束を解いてその場から退く。

 あの光線……多分俺の腹を貫こうとしているはずだ。

 なら、直撃しなければ死は避けられる。

 

「間に合えぇぇぇぇ!」

 

 俺は思いっきり横に跳躍。

 

「何!」

 

 ピッコロは驚き声を上げ、放たれた光線は俺の背後を通り、突き飛ばされ後ろに倒れかけている孫悟空に向かって放たれる。

 

 そして。

 

 

 その一つの光線は孫悟空の胸を貫いた。

 

 

 

 

 

 あ……やべ。

 

 生きるの必死で悟空庇うの忘れてた。

 

 

 今思えばこの光景どっかで見たことあんだよなぁ。

 

 悟空が自分ごと道連れに死のうとする。ピッコロの十八番、魔貫光殺砲で俺含め孫悟空ごと殺そうとするシーン。

 

 ……あ、これってもしかしてサイヤ人編の始まりかな。

 

 話の規模を地球から宇宙の敵の存在を知る。

 そして、今あったことを整理しよう。

 孫悟空に拘束され、ピッコロが決死の覚悟で魔貫光殺砲を放つ。

 

 ドカーン!

 

 あ、そういうことか。

 

 魔貫光殺砲が俺の横を素通りし、背後にある山にぶつかり爆発が起こったとき、頭にある情報からある結論に思い至った。

 

 

 

 ……俺ってもしかしてラディッツ?

 

 

 




最後まで読んでくださりありがとうございました。

2話目はすぐ投稿します。

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