気がついたら死亡寸前だった件について   作:花河相

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ナメック星編投稿開始です。
全20話です。


ナメック星編
ラディッツ 、宇宙船にて。


 俺と悟空はナメック星に向けて出発した。

 6日で到着するので、その期間修行しフリーザとの戦闘に備える。

 

 俺は一週間早く修行した結果、100Gを克服した。だからナメック星到着までは悟空が100倍に慣れる補助をする。

 

 サイヤ人の成長速度は異常だ。その生まれ持った性質を利用すれば100G克服は簡単だ。

 ちょうど仙豆も六つ残っている。

 ナメック星に着いた時に最低三つ残っていれば大丈夫だろう。仙豆を有効活用すれば悟空の戦闘力は物語に比べて強化される。

 

 正直俺が関わっているので多少の変化は出ているだろう。

 悟空が頼りだ。

 俺は幾ら強くなろうがフリーザには勝てない。界王拳が使えないからだ。

 

 界王拳は作中では悟空しか使っていなかった。何故教えないのか賛否両論あったが、悟空にやり方を聞いて少し教わったが習得はできなかった。

 界王拳は天性の才能を持つ悟空だからこそ習得できたのだと実感した。

 俺も気のコントロールには自信があったがそれは0%から100%に切り替えが出来るだけ(合掌すれば瞬時に切り替え可能)だ。

 

 界王拳は制御に失敗すると体が壊れる。界王拳を使って失敗し、貴重な仙豆を一つ消費してしまった。

 勿体ないが、この教訓から学べたこともある。あと、戦闘力も少しだけ上がった。

 

「…な…なあ、にい……ちゃん」

「ん?なんだカカロット。話せるということは少し余裕があるのか?」

「ち……ちげぇ」

 

 今、悟空と俺は修行をしている。開始して2日が経過した。

 悟空は今100Gで修行をさせてる。

 いきなりかもしれないが、俺も必死なのだ。悟空が強くなってもらわないといけないのだから。

 

「もう……だめ……だ」

「しょうがないか」

 

 ため息をしつつ、重力を0Gにする。

 何故いきなり100Gでトレーニングをさせているのか、そう聞かれると悟空の意志だからだ。

 

 始め少しずつ重力を上げていこうとしたら、悟空に最短でどうすれば強くなれるかと聞かれた。

 俺に聞かれてもしょうがないのだが「俺の指示通りにすればすぐに100Gの重力を克服できる」と言ったのだ。

 嘘はついていない。やり方次第で2日もあれば克服出来ると断言できた。

 

 悟空に最短で頼むと言われたので、このように修行をしている。

 

 まず、100Gの重力で基本的な筋トレから開始させた。

 俺が補助についてひたすら100Gで体が動けなくなるまで酷使を続ける。

 動けなくなったら重力を下げていき、動ける重力になったらそのまま筋トレ。

 

 これをひたすら繰り返す。

 

 100Gに慣れてからは食事と睡眠だけで回復させている。

 

 訓練を始めた当初は体の負担が大きすぎて骨が折れてしまったので、その時には仙豆を半分食べさせて回復させた。

 

 結果、今では100Gで筋トレをこなせるようになった。

 仙豆は残り三個。

 

「あと少しだなカカロット」

「はぁ…はぁ…はぁ…ああ」

 

 肩で息しつつ返事をする悟空。

 本当に辛そうだ。だが、手応えを覚えているのかどこか嬉しそうだ。

 

「さて、飯にするか」

「飯!…やったぁ!にいちゃんの作る飯うめぇかんなぁ!」

「そうか……。なら用意しておいてやる。さっさと風呂入って着替えてろ」

「わかった!」

 

 悟空は飯と聞くとすぐにその場から立ち上がり風呂場へ移動した。

 

 前世の経験からある程度の料理はできる。まぁ、料理と言っても手間がかかるものは作れない。

 味を変えたり、油で揚げたり、炒めたりなどなど。

 驚いたのだが、ブリーフ博士はすごい。宇宙船の中には厨房もある。

 

 レシピ表示機能がプログラムされていて、作りたい料理をいえば勝手にレシピが表示されるのだ。

 

 またサポート機能もついていた。

 サポート機能は例えば揚げ物だったら出来上がれば自動で引き上げてくれる。焼き料理なら食材セットするだけで自動で作ってくれる。

 もちろん俺も料理しているが、一人でも5人で作業しているのと同じくらいの速さでできる。

 

 調味料も多く、香辛料もある程度用意してあった。

 

 用意周到すぎるというか、ここまでこだわるか普通。

 規格外の研究者に何を言っても無駄だ。

 こういうものだと言い聞かせてありがたくその機能を使わせてもらっている。

 

「こんなものか」

 

 料理すること一時間、テーブルには約20人分くらいの料理が出来上がった。

 前世の俺なら食べきれず残すのだが、これでちょうどいいくらいだ。

 

「お!飯できたんか!うまそうだなぁ!」

 

 できたタイミングを見計らっているかのように悟空がキッチンに現れた。

 

「カカロット、体は大丈夫か?」

「ああ。でーじょうぶだ」

「そうか、なら早く飯食って寝るんだな」

「わかってるって。いっただっきまーす!」

 

 とりあえず、二人で飯を食べ始めた。

 本当にサイヤ人の胃袋は異常だ。まだ慣れない自分がいる中で20人分の料理は数分で胃袋の中に。

 

「かぁー!うまかったぁ!」

「ならよかった」

「いやぁ、にいちゃんが居てよかった。オラ料理出来ねぇからなあ」

「……お前家で家事くらいしてるのか?」

「いや、全部チチに任してる」

「カカロット……お前」

 

 典型的なダメな父親だろ、それ……家事も手伝わない、仕事もしてないから一銭も家に入れてない。

 

 まぁ、チチもそれで許しちゃってる……いや、諦められるのか。

 それで生活が成り立ってるんだもんな孫一家は。

 

「なんだよ、急に黙って。あ!もしかして食いたりねぇんか?」

「違う!……少し考え事をしてただけだ。気にすることはない。……ほら、さっさと寝ろ」

「ほーい」

 

 悟空はそのまま寝室へと向かった。

 本当にサイヤ人って戦うことしか能がないのか。

 よく家庭崩壊しないものだ。

 

「俺も行くか」

 

 俺は再び重力室に向かい修行を開始した。

 悟空の睡眠時間が俺の修行時間。

 悟空につきっきりで修業しているので、最低限の仮眠で過ごしている。

 

 無理は良くないと思うが、悟空には界王拳があるように俺も切り札になる技を習得しなければいけない。

 

「後少し……」

 

 形にはなっている。後は技の精度を上げるため訓練を重ねるのみ。

 

「始めるか」

 

 重力を100Gに、修行を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やったぁ!これで克服したぞ!」

 

 五時間後、悟空は睡眠から目が覚めすぐに訓練を開始した。

 

「待たせたな、にいちゃん」

「ふ、上出来だ。3日で克服するとはな」

「にいちゃんがいたからさ。そうじゃなきゃもっと時間がかかってた」

「どうだかな」

 

 本来なら5日くらいかかってたっけな?今はそんなことどうでもいいが。

 

「これからは100倍の重力で組み手でもするか」

「ああ」

「……何笑っている?」

 

 悟空はにやにやしている。何があった?

 

「オラ嬉しいんだ。こうやってにいちゃんと一緒に修行できんの」

「……馬鹿なこと言ってないで早くやるぞ!」

「危な!いきなり何すんだよ」

 

 俺は照れ隠しで悟空に殴りかかっていた。それから二人で組み手を始めたのだった。

 

 残りの時間は二人で組み手、個人での修行を繰り返して過ごした。

 

 途中、界王から連絡が入ったり、宇宙船の外装が隕石に当たり壊れてしまったりとトラブルがあったが、無事にナメック星へ到着した。

 

 俺と悟空は到着後、気を探り状況整理をした。

 まず初めに感じ取ったのはでかい気が二つ。ギニューとフリーザだ。

 

 だが、今はそんなことどうでもいい。

 

「……悟飯の気が小さくなっている。……カカロット!全力で向かえ!俺もすぐに追いつく!」

「ああ!界王拳!」

 

 とりあえず、悟空をみんなの元へ向かわせる。

 もう目視できないわ。

 

「よし……向かうか」

 

 俺は今持てる全力で悟空を追う。毎回思う。界王拳は反則だな。

 

 




補足説明。
ラディッツは前世で料理ができたので、ブリーフ博士の付けた機能を使い行った。原作だと出てこなかったことだが、悟空が使えなかっただけでブリーフ博士なら機能をつけていてもおかしくないと思った。

悟空の修行方法はサイヤ人なら可能だと作者が判断。仙豆も使って成長を促した。


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