気がついたら死亡寸前だった件について   作:花河相

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ラディッツ、圧倒す。

「いててて」

「おいリクーム……何をしている」

「油断しすぎだろ」

 

 リクームは蹴られた部位を押さえ、ジース、バータが小言を言う。

 目の前に遭遇して改めて思ったけど、ギニュー特戦隊って本当に宇宙の精鋭なのか?

 

 油断多すぎだし、戦闘の素人にしか見えん。

 

 俺はそんな連中の背後に移動する。

 

「もーゆるさねぇぞ!……謝ったって許さねー……あれ?いない……どこに逃げやがった!」

「まて、なんだあいつ逃げやがったのか?」「まぁ待て二人とも。無理はない。我々相手に怖気付いたのだろう。……今スカウターで探す」

 

 リクーム、バータ、ジースと話す。

 ジースは少し冷静だな。……そういえばこいつら気を探れないんだったな。

 それにしても戦闘の勘とかでわからないものなのか?すぐ後ろにいるのに。

 逆に気がつかないのはすごいな。

 

「……えーと……後ろから小さい反応が」

 

 

 ジースの言葉にゆっくりと俺のいる方向へ向く3人。

 やっとか。

 

「お前ら弱すぎないか?……戦闘のときいつもこんな感じなのか?」

「ふははは!何言ってやがるゴミカスの分際で」

「サイヤ人というのは力の差もわからないバカなのか?おいジースこいつの戦闘力幾つなんだ?」

「戦闘力……たったの2300……ぶ!」

「「ふははは!」」

 

 ……突然だが、戦闘において俺が一番大切にしていることは如何に相手の意表を突くかである。

 

 真正面から戦うことを好んでいるのは確かだが、相手を先読み、力を利用する……静の戦い方が得意だ。

 

 今、目の前で俺をバカにしている3人を見ていると……思う。

 こいつらバカなんじゃないかと。

 

「「「はははは……ぐべ!」」」

 

 俺は馬鹿笑いする3人の顔面に拳打する。

 そこまで力は込めていないので3人は後方2、3メートルくらい飛んだ。

 

 俺が望むは3対1の戦闘。

 このままだと埒が開かない。

 だから少し焚き付けるようにする。

 

「お前ら大したことないな。……これで精鋭部隊?笑わせるなよ。隙だらけで相手との実力差もわからない雑魚の集まりじゃないか……ギニュー特戦隊がいるからと楽しみにしていたのに……残念だ。お前ら……もう帰っていいよ」

「「「な!」」」

 

 こんな煽りが通用するかと内心心配していたが……よかった。

 3人は少し怒ったようだ。

 

「……雑魚の分際で……少し遊んでやってただけなのに思い上がりやがって」

「調子に乗るなよ」

「我々ギニュー特戦隊をコケにするとは……許せん」

 

 リクーム、バータ、ジースとそれぞれ話す。

 さて、みんなやる気になって何よりだ。

 仕上げだ。

 

 俺は後ろを振り向き手招きをした。

 

 

「「「?!……とう!」」」

 

 だが、3人はかかってくることなく飛び上がり空中で回転しながら俺を囲うように移動した。

 

 ……え?何がしたいんだこいつら。

 

「特戦隊……リクーーム!」

「同じく!はぁぁぁぁ赤いマグマ!……ジース!」

「同じく!きぇぇぇぇ青いハリケーン!……バータ!」

 

 

 確かファイティングポーズだったっけ?よくもまぁこんなカッコ悪いポーズをするものだ。

 ……でも、悟飯もいずれ変なポーズやり出すし、多分こいつらの影響が大きいかもしれない。

 

「楽に死ねると思うなよ?ゴミクズちゃん!リクーム……キック!」

「行くぞ!」

「おう!」

 

 ダサいポージングからリクームが先手の蹴りをする。

 俺はそれを最小限の動きで躱す。

 その後攻撃を外したリクームは直進方向に進み岩山にぶつかる。 

 

「はぁぁ!」

「きぇぇぇ!」

 

 バータ、ジースが同時に攻めてくる。二方向からの拳と蹴りの攻撃。

 

 だが……。

 

「遅い」

 

 目だけでなく、体の全ての感覚を研ぎ澄まし動きを先読みする。

 気の流れから別方向からの攻撃にも警戒を続ける。

 

「おりゃぁぁ!」

 

 リクームも攻撃に加わる。……二人から三人に。

 

「こいつ躱すので精一杯だ!」

「口先だけかよ!」

 

 ジース、バータが俺の動きをそう判断したらしい。

 ……そろそろいいか。

 試したいことは試せた。気の感受性は以前に比べて冴えている。

 

「はぁ!」

 

 俺は気迫で三人を周囲に飛ばす。まだ、実力差がわかっていないようなので、見せしめに一人戦闘不能にする。

 

 とどめは刺さない。しかし、これからの戦闘を考えるとギニューは仕留めておいた方が良い。

 

 だから、本来の物語と同じ流れにする。

 

 ジースを残すとして飛ばしたやつで一番近いやつは……バータだな。

 

 俺はバータに接近、鳩尾に拳打をする。

 

「ふん」

「かは!」

 

 バータはそのまま倒れ気絶した。

 

「バータのやろう油断しやがったな」

「しょうがないやつだ」

 

 リクーム、ジースの二人は離れた位置から話した。

 

「一人目だ。……倒されたい奴からかかってこい」

「調子に乗るのもいい加減にしろよ……よーし。とっておきを披露してやろう。逃げても無駄だぞ。リクーム様の周りはかなりの広範囲に渡ってぶっ飛んでしまうんだからな!」

 

 ……広範囲に攻撃か。

 それを事前に告知するのは警戒させるための何かの作戦か?

 なんにせよ、撃たせるのはやめておいた方がいい。

 

「全員まとめて吹っ飛ばしてやる!……リクーム……ウルトラ……」

 

 リクームは両手を空へ上げ、気を高め始める。

 ……なんだこの隙だらけの技は?

 攻撃してくれと言わんばかりだ。

 

 「ファイティング……ミラクルアタッ…ぐ!!……きさ……ま」

 

 俺はそんなリクームに腹パンし、気絶させた。

 これで二人。

 

「さて……最後はお前だ。……どうする?」

「不意打ちで勝っただけで調子に乗りやがって!」

 

 ジースは少し疑問が生まれたか?

 三人がかりで相手にならず、バータとリクームを一撃で倒された。

 流石にここまですれば実力差は分かると思うが。

 

「次で終わりにしてやる!」

「……こい」

 

 ジースは何か自信のある技を出すらしい。

 空中に飛び上がり赤い気弾を出し始めた。

 

「クラッシャーボール!」

 

 ジースは真上から技を繰り出す。このまま避けるのは簡単だが……弾くか。

 

「は!」

 

 俺は右手に気を集め右上後方に弾く。

 

「弾き飛ばしただと!」

 

 ジースは驚いていた。よほど自信があった技らしい。

 

「俺たちは……ギニュー特戦隊だぞ……それが何故……くそ!」

「あ……にげた!」

「仲間置いて逃げるかよ普通」

 

 ジースはその場から逃走した。……ギニューのところに行ったのか?

 悟飯は突然の行動にコメントを残す。

 

 だが、まぁいい。無駄に追うことはない。

 これでひと段落がついたのだから。

 

 




補足説明。

ラディッツが三体一で戦闘したのは訓練の一環で行った。

ジースを逃したのはギニューを連れてきてもらうため。原作知識から厄介な能力だからフリーザと戦うまでに倒したいと思ったから。



備考 戦闘力
悟空 11万
ラディッツ 13万

リクーム、バータ、ジース。5から6万。

 ※この数値はとある非公式サイトの戦闘力を参考にしてます。あくまで参考程度に。

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