「ぐ!」
「そろそろ諦めたらどうですか?」
フリーザはドラゴンボールで願いを叶える方法を聞き出すべく、最長老の元へ訪れた後、ネイルと共に移動した。
フリーザ対ネイル。結果は言うまでもないだろう。圧倒的な実力差でネイルはなす術もなくやられる。
だが、仰向けになりながらもネイルは空を見上げて口角を上げた。
「……ふふふ」
「どうかされたのですか?ついにドラゴンボールについて話す気になったのですか?……なんだ?どうなっている?」
ネイルはフリーザの目論見を阻止したことに喜ぶ。空は暗くなり、ポルンガが呼び出された。フリーザも突然の現象に驚く。
「もうお前がそれを知っても無駄だ」
「……何?」
「空を見ろ……暗くなった。すでに地球人たちがドラゴンボールを使用したと言うことだ」
「くそ!……ただの時間稼ぎだったのか!」
フリーザはその場から急ぎ宇宙船に向かう。
「何が起こっている」
向かう途中スカウターで測るもギニュー特戦隊の反応がなくなり、戦闘力の高い反応がある。
「……反応が一つ。……いや、今はそれよりも」
ドラゴンボールを優先。
高い戦闘力を持つものは自分の相手にはならないと判断。今は一刻を争う。
不老不死、そのためにナメック星に来たのにそれが全てが無駄に終わってしまうかもしれないと思う。
だが、それはもう一人の人物も同じであった。
「くそ、あいつら!」
それは同じく不老不死を望んでいたベジータ。
両者がポルンガの元に移動を開始したのだった。
「少し…貴方の過去を探らせてくだされ」
最長老と会い、潜在能力を上げてほしいと頼むと俺の頭に手を乗せて何かを探り始めた。
「おぉ……これは驚いた。貴方は別世界から転生されたのですね」
「……はい」
「苦労されたのですね。いいでしょう。貴方に眠る力を引き出して差し上げましょう……ふぅ」
「あ……こ…これは」
最長老がうちに眠る力を解放してくれた……体の内側から溢れ出る。
……すごい、俺にこんな力が眠っていたなんて。サイヤ人とは……こんなにも。
……まだ上がり続けるのかよ。
「ごほ…ごほ。貴方に眠る潜在能力は凄まじい。ですが、申し訳ない、全ての力を引き出すことはできませんでした」
「……え?……これで?」
これでもまだ上があるのかよ。十分すぎるのに。
「どういうことだ?」
「私にはわかりません。おそらくですが、貴方の精神と身体が未だ不安定であることが原因かもしれません」
心と身体が不安定……全く違和感がないのに。……意味がわからない。
「そうか。……少し自分なりに考えてみる。……最長老様、感謝する」
俺は姿勢を正しく頭を下げる。
今考えてもしょうがない。クリリンたちとフリーザは戦い始めている。
能力は向上した。これならフリーザと少しはやりあえるだろう。
できたらスーパーサイヤ人になれれば良いのだが……無理だ。
スーパーサイヤ人になるには強い怒りが必要。残念ながら俺はそこまで怒ることができない。
俺は大切な人……お世話になった人が殺されてしまったら……なんて考えたことがあるがそれでも覚醒できなかった。
「ナメック星を……よろしくお願いします」
「はい」
俺はみんなの元へと急ぎ向かう。
俺が潜在能力を解放している間二つの変化があった。
一つは巨大な気が現れたこと、二つ目は誰かの気が大幅に向上したこと。
おそらくピッコロの登場とフリーザの形態変化が起こったのだろう。
今なら一分もかからない。
「待っていろよみんな」
「なんてお人だ」
最長老は去ったラディッツのことを考えていた。
転生者で未来を知る者それだけでも驚くことなのに。
「まさかあのようなお人がいるとは」
最長老はラディッツの潜在能力を解放させた。だが、全てを引き出すことができなかった。
潜在能力を引き出す過程で何か違和感を覚えた。不思議なことに心と体の調和が取れていない。
その理由は転生や元あったラディッツの心が一つになったことに原因があると最長老は予測する。
「もう……ここまでのようですね。皆さん……ご武運を」
そしてついに寿命を迎えた。それに伴いドラゴンボールは石に変化したのだった。
補足説明。
フリーザの行動。反応があったのはラディッツ。だが、自分の敵ではないと思い今はドラゴンボールを優先させた。
最長老の力について。
作品の流れでどうしてもラディッツの心と身体の調和が未だに取れていと告知する人が欲しかった
最長老の力って記憶を読だり、潜在能力を解放するきっかけを与える力を持ってますが、この作品の最長老の力はご都合主義でこういうこともできると思ってください。
このラディッツが未だに調和が取れていない設定……念のため用意した設定です。いつ回収するかわからず、物語の流れ次第でなくしたり、未回収で終わることもあります。
なのでこんな設定もあったな……くらいの感覚でお願いします。
あまり突っ込まないでいただけると幸です。