フリーザは何が起こったのかわからないでいた。
攻撃した……そう思った瞬間に逆に攻撃を喰らい戸惑う。
「このゴミが……不意打ちとは……猿がやりそうなことだね。お前は半殺しにしたはずだが……なぜ回復している?どんな手を使ったんだい」
「さぁな。……答える義理はない」
「そうか……なら、吐かせるまでだよ」
「出来るもんならやってみろよ。……さっきの一撃……痛かったろ?」
「……調子に乗るなよ猿が!」
プライドが傷つけられたフリーザは怒る。そのせいで冷静さを失っていく。
「いくぞフリーザぁぁ!」
ラディッツはフリーザに接近する。あくまで目的は元気玉を放つまでの時間稼ぎだから。
「うりゃ!だ!だ!だ!だ!」
蹴り、拳打でがむしゃらに攻め続けるラディッツ。その猛攻はフリーザに全て避けられる。
(なんだ?)
ここでフリーザ再び疑問がよぎる。動きは少し早くなった……だが、大差ない。
先ほどの一撃はなんだったんだ?
もしかして自分が食らった攻撃はまぐれか。そう思えてならない。
だが、このまま目の前にいられることすらムカついている状況。
さっさと終わらせてやろう。
フリーザはラディッツの攻撃を捌き距離をとる。少し距離をあけラディッツの左上に一瞬で移動、そのまま蹴りを喰らわせようとして。
「ぐぁ!」
だが、フリーザの攻撃はラディッツに当たることなく……拳打を喰らう。
フリーザは飛ばされ地面に倒れる。
さほどダメージは大きくない。
だが何故自分が倒れている。
「貴様何をした」
「答えるわけねぇだろ!」
再びフリーザに接近をするラディッツ。
その行為にさらに苛立ちが増す。
また全てを避け続け……今度は背後から攻撃を仕掛ける。しかし。
「ぐが!」
再び攻撃を喰らう。
「どうした?……宇宙の帝王がこの程度か?」
「……調子に……のるなぁぁ!……ぎぁ!」
ラディッツの煽り。右手でこいよと挑発をされフリーザがラディッツに正面から右拳打をしようとするも吹き飛ばされる。
「ふざけるな……何故こんな猿如きに……認めんぞ!」
フリーザの腸が煮え繰り返えるような激怒。今まで感じたことのない怒り。
フリーザはいらつきながら地団駄をする。
格下だと思っていた雑魚にしてやられる。煽られる。今までにない経験であった。
「この猿がぁ!?」
フリーザは右手からラディッツに向かってエネルギー弾を放つ。
ドカン!
ラディッツは正面から拳打で迎え討ち、爆煙から退く。
「きぇぇ!」
フリーザは爆煙から出てきたラディッツに飛びかかり死角から左蹴りを繰り出す。
だが、ここにきてこの均衡は早くも崩れ去る。
ラディッツは再びフリーザの攻撃を超える速さで拳を放ったが、その拳は空を切ってしまう。
「ぐは!」
フリーザの左蹴りが炸裂した。
この一撃はラディッツにとって致命的である。
フリーザはこの一撃で疑問を持ち、それが原因で冷静さを少し取り戻すことになる。
ミスった。
やらかしてしまった。少し焦りが出てしまった。冷静さが欠けていた。
この一撃は当てなければいけなかった。
悟空が離れた位置からフリーザに見つからないように上空に元気玉を作り始めた。
後は俺は合掌拳でフリーザの相手をするだけであった。
始めは順調だった。
気を読みタイミングよく技を放つ。
初めのほうは自分から攻め込んでいたが、流石にそれを繰り返すと怪しまれる。だから、煽って攻撃を誘った。
だが、俺は未だにフリーザを見誤っていた。フリーザの潜在能力は底がしれない。
怒りのゲージが上がるにつれてスピードが速くなってきた。
そして、俺はミスを犯してしまった。
タイミングも気の読みも、フリーザの位置もなんとなくわかった。
だが、俺は焦ってしまい、フリーザに放った拳を外してしまい、左蹴りを受けてしまった。
当たりどころは悪くなかったので戦闘にはさほど問題ない。
何が悪いかといえばフリーザが少し落ち着きを取り戻してしまったからだ。
「なるほどな。……何故この俺が一方的にやられていたのか……わかったぞ」
俺はフリーザの攻撃を受けたあと立ち上がる。フリーザは立ち上がる俺を見て話しかけてくる。
……少し不味いな。
「何がだ?」
「本当に馬鹿らしくなってくるよ……こんな簡単なことに気が付かなかったなんてね」
フリーザは腕を組み思考する。それからある結論を導き出したようだ。
……気づかれたな。
合掌拳のみフリーザ相手に真正面から戦える。合掌から繰り出される閃光の拳はフリーザのスピードを上回る。
だが、弱点が多すぎる。
接近戦でしか使えない。距離をとられ遠間から攻められると使えない。だからひたすら接近を続ける。
フリーザの速さは普通じゃ目で追えないので気を読み勘で放つしかない。合掌拳は集中力を極限まで上げる。その発動は合掌から拳を放つまでの短い期間だけ。だから気を読んでタイミングを測り放つしかない。
俺は悟空が来る前にフリーザと戦い本気を引き出した。フリーザの気を察知するため、動きのパターンを読むため、フリーザの位置を予測するため。
怒るとフリーザは動きが単調になる。それは戦闘慣れをしている人ならば冷静になれるのだが、フリーザはできない。戦闘はいつも格下相手、同等の実力や格上相手と戦ったことはほとんどないだろう。
そのため戦闘経験が少なく、油断や慢心が多い。
それが俺が付け入ることのできる隙。だから冷静にさせないために接近を続け、煽り、攻撃を誘った。
だが、それがもう通じない。
「さぁ、また馬鹿みたいにかかってきたらどうだ?」
手招きをしてくるフリーザ。
気づかれたかもしれない。
だが、接近戦に持ち込めば。
「ああ……お望み通りな!」
俺はフリーザに接近するも。
フリーザは俺から距離をとりはじめた。
「きぇぇぇ!」
「ぐあぁ!」
そのままエネルギー弾を放ち俺を近づけさせない。
「……チッ!」
その場で舌打ちをする。
あの時……ミスをしなければもう少し戦えたのに。
「ようは近づけさせなきゃ何もできない。……小賢しい真似しやがって。両手を合わせていたが……それも関係してそうだな」
「どうだかな」
強がりをするもバレてしまっている。
だが、ここで朗報が心に聞こえる。
『にいちゃん待たせた!』
『ラディッツよくやった!悟空の元気玉が完成したぞい!地球のドラゴンボールも集まったそうじゃ!』
悟空と界王様の声が聞こえたのだった。
補足説明。
ラディッツは合掌拳を使いギリギリ持ち堪えた。
来るタイミングは完全に避けられて攻撃が来ると判断したから。だが、タイミングと方向は合掌している時に判断する。
最初はうまく行っていたが、フリーザの速さが上がる、焦りが生じてきてミスをしてしまう。