(界王様!俺のお願いしたことはどうなった?)
『それなのだがな……地球の神ははっきりと断言できないそうだ』
(そうか……だが、やるしかないだろう?)
『……本当にいいんだな?』
(ああ。頼む)
ここでフリーザを倒さなければいけない。
悟空の元気玉は物語に比べて威力がある。
元気を集めるのに集中できたのと、時間があったから。
その時、界王を通じて、悟空が話しかけてくる。
『待ってくれよ。ここに残るのはオラ一人で十分だ。にいちゃんも一緒に地球に帰ってくれ』
(だめだ。ナメック星のドラゴンボールを呼び出した時、空は暗くなる。その時にフリーザを引きつけるやつを残さなければいけない。確実にあいつを倒すためには俺が必要だ)
『でも!』
「先程から黙り込んでどうした?」
悟空と心の中で話しているとフリーザに話しかけられる。
どう答えるべきか。
「なに……どうすればいいかと思ってな」
「そうか……なら何かやったらどうだ?なんならさっきのもう一人のサイヤ人を呼んできてもいいぞ?」
「そうかい」
(界王様!早くしてくれ。カカロット、ナメック星の神龍が願いを叶えたら元気玉を放て!)
『わかったぞい』
『だめだ!そしたらにいちゃんも巻き込んじまう』
界王、悟空がそれぞれ答える。たしかに元気玉は巨大だ。
フリーザの近くにいるから巻き込まれる。
だが、もちろん考えはある。
(安心しろカカロット、どうせナメック星も壊れるだろう。死ぬのが早くなるだけだ)
『たしかにそうかもしれねぇけど、絶対じゃねぇぞ!だったらやっぱにいちゃんも一緒に地球に』
(それこそ絶対じゃない!確実に仕留めるためには俺が必要だ)
悟空は俺ごと元気玉を放つのがいやらしい。
……しょうがない。できるかわからないけど、あれを試してみるか。
(ならこうしよう。フリーザがドラゴンボールに気が付いて気がそれたら、その意表をついて攻撃する。それでいいな)
それに俺が残りたいのはそれだけが理由じゃない。そういえばまだこの星に残りたい理由を話していない。
(カカロット……死ぬ時は一緒だ。お前だけ一人死なせないさ)
『……にいちゃん。……わかった』
(……念のためギリギリまで元気は集め続けていろ。大丈夫だ。ナメック星のドラゴンボールは死んだ人間一人ずつだが何回も生き返らせられるらしいしな)
『……わかった』
悟空は納得してくれた。
これで準備は整った。後は俺次第だ。
『悟空、ラディッツ、これからドラゴンボールで願いを叶える。……頼んだぞ!」
(『ああ』)
その後界王のテレパシーを使い、願いを叶えてもらった。空は暗くなり、複数の気が一気に現れた。
どうやら死んだナメック星人が生き返ったようだ。
「な……あれは!」
ふと、フリーザがポルンガが現れたことに気がつく。
フリーザは口角を上げ、空を見上げた。
俺はフリーザが見せた隙を逃さない。
これはまだ発想の段階だったので使うのを控えようとした。
だが、今ならいいだろう。
一撃だけで終わるのだから。
俺は合掌し、気を一瞬で高め、右足に気を集める。
いつでも接近できるように準備する。
「な……何が起こってるんだ!……あ、あれは!」
「……さぁな」
俺はしらばっくれ、フリーザがポルンガの近くに行かないように少しでも動こうとしたら特攻できるよう注視する。
「ふふふ。僕は運がいい。……あの巨大な化け物が現れたということは」
不老不死の夢。
それを捨てきれていなかったらしい。
ま、させないが。
今界王がデンデに願いを言っている最中だろう。
頃合いだ。
フリーザは飛び立とうとしている。行かせるわけには行かない。
右足で思いっきり地面を蹴り、ポルンガの元へ向かおうとするフリーザに接近する。
「ぐ!」
右足に激痛が走る。だが、今は気にしていられない。
俺は再び合掌する。
今度はいつも通り両腕に気を集める。
「?!」
俺が接近した時、フリーザは気が付かなかった。
合掌拳を応用した身体強化で接近した速さは今までの比にならない。
そして、接近した俺がフリーザの近間に入った時、すでに拳は放てる体勢になっていた。
「ぐ!」
突進の威力が上乗せされた渾身の合掌拳。フリーザはその威力を殺すことが出来ず、岩山に飛ばされた。
そして、同時、復活したナメック星人たちの気が消えて、それを確認した後悟空の元気玉がフリーザに向けて放たれた。
補足説明。
何故、ドラゴンボールの効果発動が原作よりも早いのは事前に界王が行動を指示していたから。
合掌拳の移動技は派生だが、体にかかる負担が大きいためしようは控えていた。