前話二点変更しました。
蛇の道の長さ、天津飯の半妖怪の部分です。
界王星についた俺は皆にナメック星での詳細を話した。
「すげぇ奴が仲間になってくれて心強いぜ!」
「本当だな」
「本当心強い!」
全てを話し終えるとヤムチャ、天津飯、餃子が喜んでいた。
少し盛って話したものの、ここまで盛り上がるとは思わなかった。
「……今回は運が良かっただけじゃというのに……だが、結果的によかったのか?フリーザも瀕死になったことだし……じゃがなぁ。まだ生きている可能性が……はぁ」
だが、界王様は一人ブツブツと呟いている。
まぁ、あんなに戦うなと念押ししてたくらいだしなぁ。
「まぁまぁ、界王様いいじゃないですか、無事ことが済んだのですから」
「はぁ……それもそうじゃな。終わったことを考えても仕方ない」
界王は天津飯の言葉に一人納得した。いや、考えを放棄したと言った方が良いだろうな。
迷惑をかけたのは確かだし、お礼を言わなくてはな。
「界王様、結果はどうあれナメック星の一件、あなたがいなければ、解決できなかった……感謝を」
「……ふ、わかっておるならいいわい」
あ、こいつちょろいかも。
一瞬その考えがよぎるが、失礼にあたるので考えを改める。
界王様がいなければフリーザ相手に負けていた。
だが、こう言っては失礼だが、界王様の能力は便利だ。
死んでいても生きている人間と会話ができるのだから。
そのおかげで地球にいる人たちと会話ができる。一先ずやらなければいけないこと……悟空のその後の確認とライムとの約束。
「界王様、頼みがある。……少し会話したい相手がいる。……力を借りたい」
「……いいだろう。して相手は?」
「まずはヤードラット星に向かっているはずのカカロットの安否と……地球にいるライムという子供とラオ・チュウという老人と話がしたい。
「ワシは連絡手段ではないのだがのぅ……いいだろう」
界王は触覚を使い悟空を探す。
どうやら遠くにいるらしく、探すのに手間取っていた。
「お!悟空がいたぞ。……だが、今は宇宙船の中で眠っているようだ」
「いや、無事だとわかればいい。……地球にいるラオにつなげてほしい」
悟空は今宇宙船の中で寝ていると言うことはいずれはヤードラット星に到着するだろう。
一先ず安心だ。さて、次の問題について考えるか。
ライムについて。……これが一番の問題かもしれない。
どうにかなるか?
とりあえず、うまく行くことを願い、ラオに話しかける。
(ラオ……聞こえるか?……俺だ、ラディッツだ)
『はて?ラディッツさんの声がどこからか……気のせいかの?」
(気のせいではない……今、お前の心の中に話しかけている)
『は?……なんの冗談で?どこに隠れているのですかな?』
(だからーー)
俺はラオにことの詳細を伝えた。ナメック星での戦い……死んでしまったことを。
『そ…そんなまさか』
(今話したのは本当のことだ。だが、安心してほしい、一年以内に地球に蘇る)
『それを聞いて安心したが……一年か』
(ライムのことか?)
『ええ。実は7日経っても来ないと拗ねていてな……どうしたものかと』
(伝えたら……大泣きするかもな)
『ええ』
……どうしようまじで。
だが、一度した約束を破っているわけで。
一年前も出て行こうとして……大泣きされたっけ。
(なんでもいいから約束を取り付けて説得できんか?……以前もそうしていたではないか)
『……少し話してみるかの。……条件はなんでもよろしいので』
(ああ。それでいい。だが、俺のできる範囲で頼む)
『やってみましょう』
全て任せきりにして申し訳ないと思うが、そのまま黙って会話を聞くのだった。
だが……。
『うそつき!』
『だからな、ライム』
『7にちっていったもん!もう8にちめだもん!おじさんくるもん!』
……ダメそうだ。
どうしたものか。
(ライム、聞こえるか!)
『あ!おじさんきた!もうおじいちゃんダメだようそついちゃ!おかあさんいってたよ!」
つい会話に入ってしまった。
……どうしよう。
(ライム……実は)
だが、なんと言えば良いのだろう。相手は子供……何かこじつけで言い訳してみるか。
(実は悪い魔法使いに透明にされてしまったんだ)
『え!……じゃぁ、いまここにいるの?」
いやぁ、なんと言えばいいんだ?
(実は……俺はいい子にしか見えないんだ)
『……え?…ライムわるいこ?……わがままいったから?……いいこになるから』
泣きそうな声で話すライム……どうしよう。勢いで酷いこと言っちゃったなぁ。そういえばライムは医者になりたいと言っていたっけ。
(……これから勉強頑張って……いい子に勉強してればいつか魔法は解ける)
『……ほんと?』
(本当だとも。……今度会えたら遊園地でも行くか?)
『うん!べんきょうがんばっていいこにしてるね!』
子供というのは単純なことで……いや、俺を信用しているのか?……その純粋さにつけ込んで嘘をつく……俺、最低だ。
だが、このままいけばうまくいきそうだ。
申し訳ないが、許してほしい。
だが、これで納得させなきゃライムは将来どんな大人に成長するかわからない。
『これからおじさんがさびしくないように、いっぱいおはなしするね!』
ライムはそのように発言したが……毎日は無理だ。
(実は話すのにはいっぱい力が必要でな……えー。7日に1回、少ししか話ができないんだ)
『そうなの?……うーんわかった!』
……わかったんだ。……ならいいや。
(あ……もう力が……ライムまた7日後にな。ラオ、後は頼む)
『え?…おじさん?』
『……ラディッツさん、わかった』
逃げるように俺は界王様の肩から手を外す。
……最後のラオは少し困っていたがどうにかなるだろう。子供の扱いに慣れたご老人に頼るとしよう。
「………なんだ界王様」
「いやぁな。お主も苦労してるのぉ」
ただ、界王様には今の会話を聞かれていたので、俺に言葉をかけてくる。
だが、何故か嬉しそうにしていた。
そういえばこいつ、会話の途中肩が震えていたような……笑っていやがっていたな。
……いや、ここは我慢しよう。まだ、界王様にお願いしなきゃいけないことあるしな。
この後、再び界王様の力を使い、ブルマとクリリンにナメック星、悟空のことを説明した。
少し驚いていたが、クリリンは俺に修行つけてくれるんじゃなかったのかよ、と小言を言われたが、謝罪して生き返ったらビシバシ心が折れるまで厳しい修行つけてやると約束した。
そして、ナメック星のドラゴンボールが130日で復活することを聞くと、最初に餃子、ヤムチャ、天津飯の三人を蘇らせた後、次に俺を甦らせるように伝えたのだった。