気がついたら死亡寸前だった件について   作:花河相

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追記、活動報告更新しました。


ラディッツ、悩みができる。

 

「ラディッツ!」

「伯父さん!」

 

 俺はカプセルコーポレーションにいた。

 ドラゴンボールで生き返ったあと、蛇の道を通り閻魔大王様の元へ移動、地球の神様に頼み地球に連れて行ってもらい、カプセルコーポレーションへと移動した。

 

 俺の肉体はナメック星で宇宙のチリと化した。魂だけ界王星にあったのでその場で復活を果たした。

 

「久しぶりだな」

 

 俺はカプセルコーポレーションで待っていた人たちに一言告げる。

 ドラゴンボールキャラ勢揃いかと思ったが、この場に天津飯と餃子、ピッコロ、ベジータはいなかった。

 

 修行の旅に出たとかなんとか。ベジータは宇宙船に乗り込み宇宙にいるらしい。

 

 

 今頃フリーザ軍の残党を殺しているだろう。どうも、復活した後のヤムチャたちに俺や悟空の話を聞き、焦りが出たのかそのまま宇宙船に乗り込んだとか。

 

 ナメック星人たちは一つ目の願いを叶えると二つ目の願いで新しい星へ移動したらしい。

 願いを叶えるとき、ナメック星を元に戻す案も出たらしいが、再びドラゴンボールを求める輩が迫ってくるのを危惧したそうだ。

 

 俺がついた時には事は全て済んだ後だ。考えてもしょうがない。今は再会を喜ぶとしよう。

 ブルマが祝い席を用意してくれたので堪能するとしよう。

 久々の地上での食事だ。

 

「おじさーん!」

 

 俺に勢いよく抱きついてくる赤毛の子供が一人、ライムの姿があった。ラオ一家も呼ばれていたのか。

 

「おじいちゃんがいってた!まほうとけたんだね!」

 

 ライムの発言を聞き周りはほっこりとしていたのだった。

 少し恥ずかしいがよしとしよう。

 

 その後パーティは始まった。

 俺は戦闘鎧をぬぎ、ワイシャツにジーンズに着替えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ラディッツ、あんたこれからどうするの?」

 

 日は暗くなりつつある。パーティが進み、ライムや悟飯は就寝していた。

 ラオ達も、少し疲れてしまったらしく、先に建物の中でゆっくりしている。

 

 そんなとき、食事の最中にブルマから声がかかる。お酒が入っているようで顔が少し赤くなっている。

 

「まだわからん。……とりあえず修行だな」

「あんたも孫くんと同じなのね」

 

 否定はしない。修行するのは今後現れる敵に対応するためだ。

 人造人間に魔人ブウ……今のまま挑んだら負ける。

 負けは死を意味し、地球も滅亡してしまう。

 クリリンとの約束もあるしな。

 

「クリリンと修行の約束もある……それにいつ、新たな敵が現れるかわからない。精進するのに悪いことはない」

「たしかにそうね。でも、ヤムチャから聞いたけどスーパーサイヤ人?……になれるようになったんでしょ?孫くんも今修行中って聞いているし、もうあんたら兄弟にかなう悪者現れる想像できないわね。そんなに思い詰めなくてもいいんじゃないの?」

 

 まぁ、たしかに新たな敵の存在を知らない人たちからするとそういう反応するのは仕方ないだろう。

 だが、今そのことを伝えるのはやめておこう。

 

「たしかにそうかもな。……今は訪れた平和を満喫するのも悪くないかもな。だが、俺は誇り高き戦闘民族だ。精進を怠ることは俺自身が許さない」

「ふーん……結構なことで」

 

 ブルマはワインを口に含む。

 感心してくれていると受け取っておこう。

 今のブルマは俺に対して友好的に接してくれている。

 

 恋人のヤムチャは無事に復活した。

 あの時の約束は果たしたのと、ナメック星の一件を通して俺を仲間と認めてくれたのだろうな。

 

「そういえばアンタの髪って長いわね。邪魔にならないの?」

「……どうだろうな?気になったことはない」

 

 ブルマは俺の長髪に触れながら話しかけてきた。

 今まで気にならなかったが、長すぎる髪というのも邪魔になるかもな。

 

 スーパーサイヤ人になった時も髪の毛は逆立つし、今後邪魔になる可能性も否定できん。

 

 憑依前、ラディッツが何故今まで髪を切らなかったのかが不思議だ。

 

「邪魔になるかもな」

「なら、あたしが切ってあげる」

 

 俺がなんとなく発言した後提案してくるブルマ。

 ……短髪にして心機一転もいいかも知れない。

 

「いや、いい。他の人に切ってもらう」

「なによ?……あたしじゃご不満?」

 

 なんで不機嫌になるんだよ。

 違う違う。

 

「ヤムチャが嫉妬しそうだがな?」

「……別にいいのよあんなやつ」

 

 ブルマの勘違いを訂正するもさらに不機嫌になり、別方向に睨む。

 

「ああ……うん」

 

 その光景を見てどのような反応をすればよいのかわからない。

 この祝いの場にはもちろん酒もある。

 

 ヤムチャは酒に酔っていて、街中に出歩いている女性と仲良く話し込んでいた……鼻の下を伸ばして。

 

 一応界王星で過ごした仲だ。フォローを入れておこう。ヤムチャは悪いやつじゃない。

 

「英雄色を好むと聞いたことがある。いっときの気の迷いなのだな。気にすることはーー」

「ヤムチャが何回浮気したと思ってるの?」

「……」

「なに?……アンタも女侍らせたいと思ってるの?」

「それはない」

 

 ブルマの冷や汗が出るほどのドス黒い声にビビる。

 うん、ヤムチャは悪いと思う。

 浮気はいけない浮気は。

 俺はブルマの味方だ……うん。

 

「一度、ヤムチャと話した方がいいんじゃないか?いっそのこと結婚するとか。身を固めれば流石のヤムチャも変わるだろうに」

「……あいつすぐ浮気するのよね。……あたしも新しい人探そうかしら?」

 

 ……なんで俺を見ながら発言するんだ?フラグを立てた覚えはないぞ?

 かなり酔いが回ってしまっているようだ。さらに顔が真っ赤になっている。

 ヤムチャが堂々と浮気していることにストレスを感じて勢いで飲み過ぎたようだ。

 

「はぁ……少し水を飲んだらどうだ?酔いすぎだ」

「あたし別に酔ってないわよ………ありがと」

 

 俺はテーブルに置いてあったコップに水を注いでブルマに渡す。

 ブルマは否定しつつも小さくお礼を言って飲み始めた。

 なんで酔っぱらいの介抱せなきゃいかんのだ。

 こういうのは俺の仕事じゃないというのに。

 内心愚痴るも俺は近くの椅子を持ってきて座らせる。

 

「動くと余計に酔いが回るから、少し休んでいろ」

「……へぇ、……孫くんと違って紳士的なのね」

「カカロットと比べるな。少し待っていろ、ヤムチャを呼んでくる」

「え?……ちょっとなんでそうなるのよ」

 

 俺がヤムチャの元へ移動しようとすると、腕を掴まれ、上目遣いで言ってくる。

 

「こういうのは俺じゃなくてヤムチャの役割だ」

「……あんなやつ放っておけばいいのよ。……あ、アンタがその……か……介抱してくれればいいじゃない?」

 

 はぁ……どうするんだよこれ。

 そんなに不満が溜まっているなら話し合えばいいだろうに。

 

「一度ヤムチャと話した方がいい。酒が入っているが、その方がお互い本音で話せるかも知れないだろ」

「………」

「また愚痴なら聞いてやるから、一度勢いで不満をぶつけるのも悪くないかも知れないな」

 

 無責任なことを言っている自覚はある。

 だが、乗りかかった船だ。これでヤムチャとの関係が前進するも後退するも別にいいだろう。

 

 ブルマはヤムチャと恋人になって数年単位の付き合いだ。今更喧嘩で仲が拗れることはないだろう。

 物語でもベジータという存在と深く関わるようになってからようやく二人は別れた。

 まだ、別れるのは先の話。

 

 俺の発言にブルマは黙って頷いた。

 

「おいヤムチャ」

「なんだよぉラディッツ!」

 

 俺の気苦労も知らないで、女の子とイチャコラしてらぁ。

 

「え?何お兄さんの知り合い?」

「へぇ?髪長すぎでマジウケる?!」

「でもよく見れば怖い顔してるけどかっこいいじゃん!」

 

 ヤムチャに声をかけるとギャル三人組に絡まれる。

 ……面倒くさいな。

 

「俺の友達なんだ!もしかして、ラディッツも混ざりたいのか!?なんだ、そうならもっと早く言えよな!」

 

 余計なことを言いやがって。

 こいつ酒入ると浮気癖が悪化するのか?

 

 もう、ヤムチャが余計なこと言ったせいでギャル達が盛り上がっちゃってるじゃん!

 

「おじさん、いくつ?」

「は?」

「だから、何歳?」

 

 ……なんだよ急に。

 年齢か……記憶によると。

 

「……29だが?」

「え?そうなの!!全然見えなーい!」

「うっそだぁ」

 

 サイヤ人は戦うために若い姿でいる時間が長い。

 なるほど、年頃の女性にはそう見えるのか。

 自分の容姿について再確認していると、背後から迫りくる者がいた。

 

 足取りは重く、気のせいじゃなければドスン、ドスンと効果音が聞こえそうだ。

 

「……ねぇ」

「ひ!ぶ…ぶ…ブルマ!」

 

 今までに聞いたことがないくらいの冷めた声。

 腹の底から怒りが込み上げ、いつ爆発するかわからないブルマ。

 ヤムチャなんて酔いが一気に覚めたのか顔が真っ青になり怯えている。

 そんな怯えるなら浮気しなきゃいいのに。

 

「ヤムチャ、ブルマの介抱してやれ」

「え?……何言ってんだよラディッツ」

「世話をしてやれという意味だ。お前も酔いが完全に冷めているみたいだしな」

「お、お前がやってやれば」

「こういうのは恋人の役割だろ」

 

 俺に助けを求めようとするヤムチャ。

 だが、自業自得だ。

 

「え?お兄さん今フリーって言ってたのに!」

「嘘なのぉ」

「………へぇ」

「ち!違うんだブルマ!話せばわかる!」

 

 …………。

 ヤムチャ……健闘を祈る。

 ブルマはヤムチャの腕を引き、連れ出し始める。

 

「じゃ、髪の長いお兄さんが相手してくれる?」

 

 一瞬何かに睨まれるような……ゾクっとした感覚に襲われ、空気が凍るような感覚に陥る。

 

「断る、お前達の相手をするのはごめんだ」

「……何それ」

「感じ悪ぅ」

「いこみんな!」

 

 気に障ったのかギャル達三人はその場を後にした。

 面倒ごとはごめんだ。……人間関係のいざこざは特に。

 

「待ってくれ!ブルマ!話せばわかる……な!」

 

 振り返るとブルマはヤムチャを連れ建物の中に移動する光景が視界にはいる。

 その日、ヤムチャはパーティに戻ってくることはなく、パーティは終了した。

 

 パーティが終わった後、少し酔いは残っていたが、上機嫌であったブルマに髪を切ってもらった。

 

「ヤムチャと別れたわ」

「………は?」

 

 髪を切っている最中、サラッと重要なことを言われ、今日一番驚いた。

 

 

 

 ちなみに数日間経ったら髪は元の長さに戻っていた。

 そういえば純粋なサイヤ人は不思議と生後から髪型が変わらないという発言されていたことを思い出した。

 

 サイヤ人とは……不思議な生物だな。

 

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