気がついたら死亡寸前だった件について   作:花河相

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ラディッツ、成長を喜ぶ

「な……なんだよ、この数……」

「ビビることはない。あくまで強いのはフリーザともう一人の奴だけだ」

 

 フリーザたちが地球に現れた。

 クリリンを連れてきたが、ついた時にはフリーザ軍が地球に攻め込む寸前であった。

 

「おやおや……まさかそちらから死ににくるなんて……やはり愚かな猿だね」

「その猿に殺されかけた奴はどこのどいつだ?」

「この!」

 

 俺の存在に気がついたフリーザは馬鹿にしてきたので挑発をしておく。

 ……それにしても体が機械になっている。失ったはずの手足は機械となり、失った体の一部は機械が埋め込まれている。

 

 トランクスは現れたのだろうか?

 気を感じない。

 

「パパ……こいつは僕がじっくり苦しめて殺すから……手を出さないでね」

「好きにするがいい。今度は油断をするなよ」

「わかってるよパパ。……ほら!他のものは地球人の始末に行くんだ」

 

 フリーザの指示でフリーザ軍の兵士は動き始める。

 

「まて!」

 

 だが、俺は待ったをかける。このまま行かせる気はない。

 

「どうしたんだい?急に大声をだして……命乞いでもしたいのかな?」

「ふ……クリリン、事前に言っていた通り、雑魚処理と宇宙船を破壊しろ」

「……わかった」

 

 クリリンに手短に指示する。

 

「今さら何を話しているんだい?……今度はそこのチビと二人で戦うつもりかい?……別に構わないよ」

「違うさ」

 

 フリーザは何か勘違いをしたようだが、そんなことはない。

 フリーザの相手は俺一人でやる。

 クリリンがフリーザと対峙したら簡単に死んでしまう。

 

「はぁ……くらぇぇ!」

 

 クリリンは気をため、フリーザに向けエネルギー砲を放つ。だが、直撃することなく上空へ操作する。

 その後、上空で拡散させ、フリーザ軍兵士を殲滅、宇宙船に穴を開け破壊する。

 

 クリリンが放ったのはサイヤ人編で使っていた拡散エネルギー弾だ。

 なにが違うかといえば、発射から着弾までの速度にある。

 

 もともと遅いと指摘され続けた技だが、俺との修行でそれを改善した。

 

「……貴様」

 

 フリーザはクリリンの行動に怒る。その怒りの対象は俺ではなく……クリリン。

 

「お…おいラディッツ……大丈夫なんだよな」

 

 あまりの迫力にビビるクリリン。

 まぁ、そりゃ怒るわなぁ。部下が殺されたことじゃなくて、宇宙船を壊されたことに。

 

「猿の前に貴様から殺してやる」

 

 フリーザは人差し指をクリリンに向け、デスビームを放つ。

 放たれた光線はそのまま一直線にクリリンに向かう……だが、その光線は。

 

「うわ!びっくりした!」

「……なに?」

 

 クリリンは紙一重で避け、フリーザは避けられたことに動揺した。

 

 本当にこいつは変わっていない。想定外のことが起こると動揺する。少しは成長したかと思ったが、絶対の自信を持ち、プライドの高いやつは改善しないんだな。

 

 それにしても、クリリンはフリーザのデスビームに反応できた。

 物語ではナメック星にいた時は視認すらできなかったはずだ。

 

 クリリンも驚いているのか自分の体とフリーザを交互に見ている。

 

「よかったじゃないか、クリリン。フリーザの一撃を躱した。今の攻撃はナメック星の時と同じ速さだったぞ」

「お…俺がフリーザの……マジかよ。全く見えなかったのに」

「成果を試すには十分だろう。下がっていい。後は俺がやる」

「ああ。……頑張れよ」

 

 クリリンは俺に一声かけて退散しようとする。

 

「逃すわけないだろ?」

 

 だが、フリーザはそんなクリリンに向けて再び複数のデスビームを放ってくる。だが、俺はクリリンに向かうデスビームを全て弾き飛ばす。このままだとクリリンへの怒りが残りそうなので、煽って俺に注意を向けるか。

 

「宇宙の帝王も地に堕ちたな……俺らに負けた後、なにもせずに地球まで来るとは……がっかりだ」

「……調子に乗るなよ猿風情が……殺してやる」

「フリーザ、そう怒るな」

「……やっぱりこいつはすぐに殺すよパパ」

 

 怒るフリーザであったが、コルドの一声で落ち着きを取り戻す。

 

 クリリンは十分離れた。もういいだろう。

 

 フリーザが現れたがいまだにトランクスは現れない。……まさかと思っていたが最悪の事態だ。

 

 俺が現れたことにより、未来が変わった。

 

 未来トランクスが現れない世界になってしまったかもしれない。……このままだと悟空が心臓病で死んでしまう。

 

 ……いや、今はその考えはよそう。とりあえずこいつらを仕留めよう。

 

「フリーザ……いいものを見せてやろう……はぁぁぁぁぁ」

「一体なに……を」

 

 大地が揺れ、雲がゆっくりと動く。フリーザは俺の姿が変わっていくことに驚いたのか言葉が詰まる。

 

「なんだいそれは?」

「……スーパーサイヤ人だ。お前のよく知っている、な」

「……なに?」

 

 フリーザからは余裕のあった表情が消え、動揺の色が見え始める。

 

 本来なら少しサイヤ人の状態でフリーザの全力と戦いたいところだが、それをして地球が壊されたらシャレにならない。

 

 今回は全力で行かせてもらう。だが、もしも地上にいられてナメック星のようなことになったらごめんなので、まずは上空に行かせる。ちょうどフリーザとコルドは近くにいるので二人同時に仕留めよう。

 俺は二人に接近をする。

 

「でぃあ!」

「ぐ!」

「な!」

 

 コルド、フリーザは一瞬のことに驚く。そのまま接近し、大柄のコルドを顎に拳打を、次に回し蹴りでフリーザを上空に飛ばす。

 俺は両手に気を集め、フリーザとコルドに赤いエネルギー砲を放つ。

 

「ウィークエンド!」

 

 両手から放たれた赤いエネルギー砲はフリーザとコルドに直撃し、消滅した。

 

「地球の危機は去ったか……だが」

 

 これでこの世界線はトランクスが来ない世界……悟空が死に人造人間により戦士が殺される未来ということだ。

 俺がもたらした影響のせいか、元から未来トランクスが来ない世界だったか。

 

「これから……精進せねば」

 

 人造人間に絶対に殺させない。

 最悪な未来は俺が潰してみせる。

 

「誰だ!」

 

 だが、急に背後から気を感じる。最悪の事態に気が立っていたからつい怒鳴りながら後ろを向く。

 

「驚かせてすいません。……あなたに危害を加える気はありません」

「……ほう」

 

 声をかけてきた青年は背負っていた剣を地面に置いて両手を上げる。俺はその人物を見て先ほどの不安が少しだけ消えたのだった。

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