気がついたら死亡寸前だった件について   作:花河相

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ラディッツ、安心する。

 青髪の青年が現れる。ジーパンジャケットに肩に背負っている剣……何より青髪。

 だが、せめて名乗ってもらうまでは確信は持てない。せめて名を聞こうか。

 

「お前……何者だ?」

「……すいません。今は訳あって名乗ることができません……敵では……な!し、信じてください」

 

 俺は掌を向け気を込める。目の前の青年は慌てて弁解をしようとする。

 

「名も名乗れぬやつを信用しろと?……笑わせるな。先ほどフリーザ一味がいたんだ……お前も仲間かもしれないだろ?」

「決して違います!僕は孫悟空さん……そして、ラディッツさんにお伝えしたいことがあってきたんです」

「……なに?」

 

 慌てて用件を言ってきて、気になることを言われたのでとりあえず掌を下ろす。

 

 悟空の名前だけじゃなく俺の名まで出してきた。

 ……こいつは悟空に薬と未来を教えにきたんじゃないのか?何故俺まで?

 

「何故俺と弟の名を……」

「……それについては後ほど説明しますので……その……」

「もういい。敵意がないのはわかった」

「ありがとうございます」

 

 安心したようで青年は肩の力を抜いた。

 そういえば物語だとフリーザを倒したのは多分この青年のはずだが。

 なんでこいつじゃなく俺が倒す流れになったのだろう?

 

「そういえば先ほどカカロッ……孫悟空の名前を出していたが、残念ながら今は不在だ。話すのは日を跨ぐ可能性がある」

「いえ、今日中にお話しします。悟空さんは今日、地球に帰ってきますから」

「ほう……何故わかる?」

「それは……」

 

 これを質問するのは妥当だろう。

 だが、その質問に答える前に、クリリンたちが到着した。

 

「ラディッツ、無事フリーザを倒したんだな……それでえっと……お前の隣にいるのは誰だ?」

 

 到着するが、俺と謎の青年がいたので戸惑う一同、代表してクリリンが質問してきたが……なんというべきか。

 

「俺も知らん……何もいえないの一点張り……少なくとも敵ではないらしい。もしも何かしようものなら俺がこいつを殺すから安心しろ」

 

 とりあえずみんなを安心させる。

 だが、俺の一言で青年は引き攣った笑みをしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから青年から孫悟空が帰ってくるという場所と時間を伝えられ移動した。

 移動後は青年がホイポイカプセルからジュースを取り出したので、受け取り、飲みながら話すことに。

 

「それにしても、何故時間と場所がわかる?」

「……すいません」

「言えない……か」

「……はい」

 

 ジュースをもらい、青年に話しかけても何も言わない。

 おそらく未来が大きく変わることを恐れているのだろうか?

 クリリンたちと合流してからというもの、緊張してか固くなっている。

 

 これ以上は追求しても無駄だろうな。

 

「……」

 

 それにしても先ほどからベジータは何も言わずに俺を睨んでくる。

 視線には気がついているものの、目を合わせづらい。

 何を話せばいいのか分からない。

 

 敵意を向けられているのは確かだ。

 

「ねぇ、その服のマークうちの会社のよね?なんで?うちの社員なの?」

 

 雰囲気を感じ取ったのか、ブルマが青髪の青年に話しかける。

 

「そ、そういう訳ではないのですが」

「えぇ、それも秘密なの?名前も歳も?」

「……名前は言えませんが……歳は17です」

 

 物語と年齢は同じか。

 だが、こいつはなにも答えようとしない。質問攻めされるのも可哀想なので助け舟を出す。

 

「これ以上質問しても無駄だろ?どうせ質問したって返答は同じだ」

「それもそうね。孫くんが戻ってくるまで大人しく待ちましょうか」

 

 とりあえず気になることはあったが、どうせ話したところで変わらない。気になることも悟空が来なければ話さないだろうし。

 

 何より、物語では青年は悟空だけに会う予定できたはず。フリーザとの戦闘は俺がやった。

 クリリンたちみんなが来ることがわかっているのにわざわざ現れみんなと会った。

 

 ……だめだ。不可解な情報が多すぎる。

 

 少し整理がしたい。

 

「3時間後にカカロットが地球にくると言っているんだ。無害……とは言えないが、大丈夫そうだ。少し待機してみるか」

 

 この場で一番強いのは俺だ。もしもこの謎の少年が何かしようなら対処可能だとみんな理解しているから納得している。

 

 青年は俺に礼のつもりか小さく黙礼したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしてもクリリン、腕を上げたな?確かラディッツと修行していたんだったか?」

「え?わ…わかるか?あははは」

 

 全員が少し離れた位置に移動した後、天津飯はクリリンの成長を賞賛し、クリリンは自分の成長を褒めてもらい嬉しがる。

 

 ドラゴンボールで復活後、界王星でラディッツと修行をした天津飯はその後も研鑽を重ねた。

 復活前、ラディッツに頼み実力差を見せてもらい、それを励みに修行をしていた。

 

 だが、天津飯は額の目でクリリンを見た時、練り上げられた気の質が大幅に変わっていたことに気がつく。

 

 天津飯はさらなる修行を積んだはずであった……それにもかかわらず。

 

「一体どんな修行をしたんだ?参考までに教えてもらいたいものだ」

「うーん……なんて言えばいいんだろうな。強いていうなら組手と……あとはそうだなぁ……ラディッツに合掌拳を教えてもらったくらいだな」

「合掌拳か……それで習得できたのか?」

「いや……まだ時間がかかるな。……でも、気を最大に高める速さは飛躍的にあがったな」

「……そうか」

 

 天津飯は内心焦りのようなものを感じる。いや、明確には武道家としてのプライドというべきか……天津飯は己の限界に直面していた。

 戦うための新技の修行を始めるものの、組手の技術向上は僅か。

 

 復活後の天津飯はクリリンとそこまで実力が離れていなかった。むしろ天津飯の方が上であった。

 

 だが、今では明らかにクリリンの方が上だ。

 どうするものかと悩む天津飯であったが、その後悟飯やヤムチャが話に入り、同じようにクリリンを褒め、クリリンが照れるというのを繰り返す。

 

 天津飯はその会話に入ってはいるものの、時折、一人離れた位置で考え事をしているラディッツに視線を向けていた。

 

 

 

 




天津飯の額の目に相手の力を見抜く力あったと思ったのですが、勘違いですかね?
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