気がついたら死亡寸前だった件について   作:花河相

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無印編ラストになります。

前話の補足説明。
ドラゴンボールの設定ですが……悟空の病気は治せなかったことにします。
17号と18号は研究所を破壊後すぐに交戦してきて、ら聞く耳持たずだったので破壊した。
ゲロによる人格調整が中途半端だったので、人格そのものがなかった。


ラディッツ、さらなる高みを求めて

 

 

 それから、色々話を聞いたが、原作と違うところはあった。

 

 未来ではベジータが死んだのは、トランクスが物心ついたあとだった件。

 一緒に修行をつけてもらったことがあったとか。

 

「ひさびさと父と会えて感激しました」

 

 本当に嬉しそうに語った。

 

「あ、このこと絶対に二人には言わないでくださいね?!気まずくなるのも嫌ですし、俺が生まれてこない未来も困るんで」

 

 慌てて、お願いしてきたトランクス。そんなことしないさ。

 

「……わかった。いいなカカロット」

「わかってる」

 

 これで話はひと段落ついた。

 だが、一つ気になることができた。

 話を聞いていて、一月になることがある。

 悟飯のことだ。

 本来の物語では、未来で悟飯は死んでしまう。

 

「トランクス、最後に一つ答えろ。悟飯はいきているのか?」

「重症になってしまいましたが、ラ……いえ、知り合いに腕の良い医者がいたのが幸いしてか、命に別状ありません。今は療養していて、学者を目指して勉強しています。ただ、戦士としては……もう」

「そうか……」

 

 俺の存在で唯一救えたことは悟飯の命。

 

「伝えたいことは話せましたので、僕はこれで失礼します。早く帰って未来の母さん達を安心させたいですし」

「おう!これ、助かったって伝えといてくれ」

「はい……ではまた未来で会いましょう。僕もタイムマシンのエネルギーが溜まり次第駆けつけます。三年後に」

 

 そう言ってトランクスは飛んで行った。

 

「それにしても驚くことばかりだな……にいちゃん」

「まぁな……」

 今後のことを考えるとわからないことが多すぎる。

 

「早く皆に伝えるか」

「そうだな」

「……いや、すまないトランクスにまだ聞きたいことがある、先に行っていてくれ」

 

 このまま向かおうと思ったが、気がかりのことがある。

 セルの存在だ。

 

 念のため伝えておくか。

 俺は飛んで行ったトランクスの元へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「トランクス」

「ラディッツさん、どうしたんですか?」

「いや、一つお前に伝えておこうと思ってな」

 

 俺が向かうとトランクスはタイムマシンを出して空へ飛び立つ寸前であった。

 間に合って良かった。

 このことを他の人に教えるわけにはいかない。

 俺は懐から紙とペンを取り出し記入する。

 それはセルについての情報。俺が転生者ということは隠して、嘘を交えながら書き記す。

 俺はなるべく知っている知識を外部に出す気はない。物語に沿って行動しようとするし、対策もする。

 

 

 もしかしたら未来にまだセルが存在し、次に未来から過去に来る時に狙われるかもしれない。せっかく未来の俺が守った世界、壊させてたまるか。

 

「……これは?」

「未来に帰った後、読め。これはお前の胸のうちに留めておいてほしい内容だ」

「わかりました」

 

 トランクスは胸ポケットにしまい、タイムマシンに乗り込み帰って行った。

 

 俺も皆の元へ向かったのだった。

 ただ、今の話を聞いて、俺という存在がこの世界に大きな影響をもたらしているのは確かだ。

 

 俺がいることで起こった未来。

 未来の俺は原作の知識について、話したのだろうか。

 

 トランクスの未来を聞いたあとなら、この世界のみんなに話すべきだろう。

 すでに俺というイレギュラーのせいで、物語は変わりつつある。

 

 だが、話したことでまた、大きく世界は変わるかもしれない。

 

 変な先入観を与えてしまうこともあるだろうし。

 だが、話したことで救われる命もある。

 

 3年後、俺が話したことで未来が変わり、さらなる敵が増えるかもしれない。

 

 原作知識というものは、一種の諸刃の剣だ。

 

 タイミングを見計らって話そう。だが、これは今じゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 皆の元へ戻ったあと、俺はトランクスについて大切なことだけ隠して要点を伝えた。

 

 それでも、みんなの反応は好戦的であった。

 新たな敵の存在に闘志をもやし、修行をすると意気込む。

 ブルマはゲロを倒してしまおうと俺の両手を握り泣きながら頼んで来るが、トランクスに言われたこともあるので、突き放すように否定した。

 若干ショックを受けていたが、こういうのはしっかりと線引きしておいた方がいい。

 

 その後ブルマは他の人の意見を求めるも皆否定、三年後に向けて修行し再開しようと約束する。

 

「おい!カカロット、ラディッツ!」

 

 だが、今まで黙っていたベジータが急に話しかけてくる。

 

「スーパーサイヤ人になったからって調子に乗るなよ。俺はそのうち貴様らを叩きのめして見せるぞ……サイヤ人No. 1は俺だと言うことを忘れるな」

 

 そう言ってベジータは去っていった。

 

 ……だが、敵認識はしているらしい。いいように解釈すればライバルだと認めてもらえたと言うことだろうな。

 

「ピッコロ…にいちゃん、オラと悟飯と一緒に修行しねぇか?」

「いいだろう。望むところだ」

「わぁーい!」

 

 ベジータが去った後、悟空は俺とピッコロを修行に誘ってくる。

 ピッコロは了承、それを悟飯は喜んでいる。

 

「すまないな。修行はお前達3人でやってくれ。俺はクリリンとする」

「え?……そんなら一緒にクリリンもすりゃいいだろう?」

「いや、俺たちのペースがある。三年もあるんだ。段階を踏んで修行をしたい」

「すまないが悟空、俺はラディッツの言う通り、段階を踏みたい」

 

 俺の発言にクリリンも賛同する。

 予測不能な未来。少しでも戦略を上げておきたい。

 

「……なるほどな。クリリン、おめぇにいちゃんと修行してたんか。……確かにナメック星にいた時に比べ強くなってんな」

「お!やっぱりわかーーいってぇ!なんで叩くんだよラディッツ!」

 

 悟空はクリリンを見て褒めるも俺はクリリンが調子に乗る前に頭をペチンッと軽く叩く。

 

「調子に乗りすぎだ馬鹿者……この分なら修行の量を倍にしても大丈夫そうだな」

「そ……そんなぁ」

 

 俺とクリリンのやり取りを見てみんなは笑う。

 ま、自信を持つのは大切なことだが、調子に乗るのはいけない。

 ここいらでもう一回その自信をへし折っておこうか。

 

「わかった。にいちゃんはクリリンとか……ヤムチャ達はどうする?」

 

 悟空は納得するとヤムチャと天津飯、餃子に聞く。

 

「俺は遠慮する……正直、お前達の修行にはついて行けそうにないからな」

「俺達も遠慮する……ラディッツ」

 

 ヤムチャ、天津飯と悟空の誘いを断った。

 だが、天津飯は俺に話しかけてきた。

 

「俺達もお前達の修行に混ぜてもらえないか?」

「別にいいが……理由は?」

「界王様のもとで共に修行してお前から学べることは多かった。……何より短時間でクリリンがここまで強くなった。……俺も正直限界を感じていたところで……何か新たな刺激が欲しい」

「餃子も一緒か?」

「ああ」

「構わん、勝手にしろ」

「感謝する」

「そんな畏まらんでもいい」

 

 こうして、天津飯と餃子の修行加入が決まった。それにしても天津飯がこうまで言うとは意外だ。

 常に修行は一人で行っているイメージがあったが。何か俺が関わって心境に変化でも起きたか?……まぁ、どうでもいいが。

 修行仲間が増えるのは悪いことじゃないしな。

 

「よし、じゃあ3年後のえーと…なんだっけ?」

「5月12日、午前10時だ」

「……と、そうそう。自信のある奴だけ集合ってことで」

 

 悟空が再度確認の意味も込めてそう言って別れた。

 だが、その前に言っておくか。

 

「悟飯」

「何伯父さん?」

「カカロットの病気のこと……気にかけてやって欲しい。少しでも症状が出たらすぐに薬を飲ませるんだ。……いいな」

「うん!任せてよ!」

 

 最後に悟飯に伝えて置いた。

 これで悟空の病気の件は大丈夫なはずだ。

 

 ここから先の未来は俺の知識が全く使えない未知の領域。

 知っていれば対策もできるし、未然に防ぐこともできるだろう。

 ナメック星編はフリーザの存在や性格を知っていたからこそ悟空と共闘して事前に策を練ることができた。だが、人造人間編はそれが全くできない。

 

 強くなって行動するしかないのだ。

 だから、強くなろう。どんな強敵が現れても戦えるだけの術を身につけようと思う。

 

「お前ら、いくか」

「ああ」「おう!」「うん!」

 

 俺の一声で天津飯、クリリン、チャオズが返事した。

 俺は3人を連れ、悟空達と別れた。

 

 三年後……運命の日に再会を約束して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「師匠、あなたの願い……無事に達成しました」

 

 トランクスはタイムマシンで未来に戻る前、腕を組むラディッツを見ながら一人呟く。

 その表情は悲しみなど一切なく、ある種の達成感があった。

 そして、タイムマシンが光り出し、ワープする寸前に遠くでこちらを見ているベジータが視界に入る。

 

「………パパ」

 

 トランクスは一縷の涙が頬に垂れる。

 あの日、自分を庇って死んでしまった偉大な父の姿。懐かしい記憶が蘇る。

 その直後、タイムマシンは光となり消えたのだった。

 

 

 

 

 

 




無印編終了。

次は人造人間編になります。

人造人間編……長すぎる。
今までに比べて戦闘描写が多め、オリジナル展開になるので、構想やプロットができていてもなかなか書き出す気になれず。

でも、いざ書き始めようとしても書きたいように書けず……。

次の投稿まで時間がかかりそうです。

気長にお待ちください。


一応書き溜めの中に未来ラディッツの独白みたいなものあるんですけど、投稿するか迷ってます。ネタバレになりますし。
突然フラッと投稿されてるかもなのでその時は読んでくださると幸いです。




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