ポケモンは環境によって姿を変えることはよく知られている。だが時に、リージョンフォームという殻を破り、更なる進化へと至るポケモンも存在する。具体例としては、ガラル地方のサニーゴなどが挙げられるだろう。ガラル地方では、他の生物の生気を吸い取るゴーストポケモンへと変化しているサニーゴだが、そのエネルギーが高まると、サニゴーンという原種には無い姿へと進化することが出来るようになる。
そしてこれから紹介するポケモンもまた、本来の姿には無い進化を獲得したポケモンである。
とある密林。青々と茂る樹々の葉が揺れる光景は、どことなく神秘感を覚えさせ、草木に覆われた地面でポケモン同士の熾烈な生存競争が行われている。
この地の中心部には、「クオの実」や「トポの実」といった希少な実が、至る所に生えるという驚きの光景が広がっている。そんな木の実を狙うポケモンも多く、常日頃から縄張り争いが行われているが、それを手に入れることが出来るのは「ゴロンダ」や「ドラピオン」、「ガマゲロゲ」など限られた強力なポケモンばかりである。大半のポケモンは、その希少な実に触れることすら出来なかった。
しかし、諦めの悪いポケモンというのも世の中には存在する。そのポケモンの名はこおろぎポケモン「コロトック」。シンオウ地方などでよく見られるポケモンだ。しかしコロトック自体はそれほど強いポケモンと言うわけでは無い。鎌状になった前足を擦り合わせることで音を奏で、そのメロディで同種とコミュニケーションを取るほか、安眠効果のある音波によって天敵を眠らせ、その間に逃走するという生態を有している。
しかし強者が跋扈するこの森において、相手を眠らせるメロディを奏でられるほどの余裕など有りはしない。例え眠らせられたとしても、別のポケモンに追い立てられるだけ。重要なのは素のパワーである。そう言う意味では、コロトックにとって過酷な環境であった。
オレンの実やオボンの実のような、ありふれた木の実を食するのであれば、安全な生活を送ることは可能であろう。しかし希少な木の実という誘惑は、そう簡単には振り切れない。そして彼らコロトックは希少な木の実を得るべく、格上である猛者達へと挑んでいった。
そしていつの間にか、彼らはこの森に順応し、特有の姿へと変わっていった。強力なポケモンのパワーに対抗するため、皮膚は黒ずみ、まるで金属のような光沢を得た。鎌はより鋭く、鋸状になった。目つきは鋭く、敵を睨みつけるようになった。そして最大の特徴であった音波は相手を眠らせるために使うのではなく、爆音という衝撃波によって敵を攻撃する武器へと変貌した。
原種より攻撃的な性質を得た
さらに長きに渡る闘争。それはいつしかコロトックに新たな可能性を
さてこの森にとある新参者のポケモンが現れた。その名は「ボーマンダ」。ポケモンの中でも間違いなく強者と言うことの出来るポケモンである。
このボーマンダはまだ進化したばかりであり、念願の空を飛ぶことが出来ることに浮かれていた。何もかもが楽しくて仕方ない。そんな彼は気の向くままに飛行し、その希少な実が生える密林に入り込んだ。
―グウウゥゥ……―
突如として鳴り響く地鳴りのような音。それはボーマンダの腹の音だ。ずっと飛びっぱなしで食事をとることすら忘れていた彼は、空腹に気付くとどこかに食料が無いかと辺りを見回す。しかし特に注視せずとも、周囲には潤沢に木の実が成っている。すぐにボーマンダは着陸すると、成っていたオボンの実に噛り付く。
近くには「ホシガリス」も居たが、ボーマンダの巨体に恐れを為し、視界に入る前に逃げ出した。他のポケモン達も、我が物顔で木の実を食べ進めるボーマンダの存在に気付くと、そそくさと逃げ出す。それだけボーマンダという種族は脅威であり、まともに戦おうとするポケモン自体が少ない。
そのボーマンダだが、ふと自らの嗅覚を刺激する匂いに気付く。甘く、芳醇で、本能がそれを求めようとしている。ボーマンダは匂いの正体を知るべく、のしのしとその太い足を進める。
草を掻き分け、倒木を踏み潰し、彼が見つけたのは青葉を広げた木、そしてその木に成る沢山の果実。その果実こそ自らが求めていたものであると気付いたボーマンダは、その長い首を伸ばして木の実を齧ろうとした……その木がとあるポケモンの餌場であることを知らずに。
―キイィッ!!―
突如として耳に入る声。その声の主は木の幹の真下に陣取っていた。身長の高さは、ボーマンダの体高とほぼ同じ。漆黒の体には白いラインが入り、どこか稲妻模様を思わせる。頭部からは長い触角が角のように生え、その間には鋭い角。四肢には棘が生えている。前足の鎌にはギターのピックのような突起が生え、それをカチカチと打ち鳴らす。
つり上がった瞳に敵意を漲らせボーマンダを威嚇する虫ポケモンだが、当のボーマンダは意に介しない。所詮はただの虫ポケモン。空の王者とも呼称されるボーマンダからすれば、文字通りただの羽虫程度の存在でしかなかった。
―キィッ! キィッ!―
威嚇し続ける虫ポケモンを無視して、見るだけで涎が足れそうなほど美味しそうな果実へと口を近づける。まだ進化し立てで経験も足りず、木の実に夢中だったが故に彼は気付かなかった。周囲から他のポケモンの気配が消えていたことに。そしてその虫ポケモンがどのような存在かを……。
そしてボーマンダは果実を齧ろうとした……まさにその瞬間だった。
―~~~~~~~~~~!!!!―
鳴り響く轟音。地面すら震わせるその音は、遠くで木に止まっていた鳥ポケモン達が驚いて飛び立つほどの代物。それを間近で受けたボーマンダは耳を塞ぐということも出来ず、脳内に響き渡る大音量を前に気絶した。
そして倒れ伏したボーマンダを見て、虫ポケモンは勝ち誇る。
この虫ポケモンこそ、この密林の強者……というより厄介者。長きに渡る生存競争に勝ち抜き、その地位を手に入れたRコロトックが進化した姿だ。
進化前のRコロトックも音波によって攻撃を行うが、その進化系であるこのポケモンが放つ音は桁外れ。あまりの爆音故に、このポケモンの縄張りの近くに巣を作ろうとするポケモンは居ない。手を出そうとする愚か者が現れようものなら、暴力的な爆音をその身に受け、ボーマンダのように気絶すること請け合いだからだ。そんな生態を持ってしまったために他のポケモン達からは迷惑がられているのだが、当の彼らは気にする様子は無い。
今日もまた、縄張りに入った何も知らない侵入者を、彼らは爆音を以て追い払うのだった。
コロボーシ(原種)
↓Lv10
| コロトック | |
|---|---|
| ぶんるい | こおろぎポケモン |
| タイプ | むし・はがね |
| たかさ | 1.0m |
| おもさ | 27.5kg |
| とくせい | むしのしらせ(パンクロック) |
| 種族値 | |
| HP | 77 |
| こうげき | 55 |
| ぼうぎょ | 51 |
| とくこう | 85 |
| とくぼう | 51 |
| すばやさ | 65 |
| 合計 | 384 |
| おぼえるわざ | |
|---|---|
| レベル | わざ名 |
| 1 | ほろびのうた |
| 1 | さわぐ |
| 1 | なきごえ |
| 1 | はたく |
| 1 | むしのていこう |
| 1 | むしくい |
| 14 | メタルクロ― |
| 18 | ちょうおんぱ |
| 22 | バークアウト |
| 26 | きんぞくおん |
| 30 | おたけび |
| 34 | いやなおと |
| 36 | ハイパーボイス |
| 38 | ちょうはつ |
| 42 | あらぶるせんりつ |
| 44 | ねばねばネット |
| 46 | むしのさざめき |
| 50 | ばくおんぱ |
| 進化 | さわぐ |
↓音のわざを50回以上使用してからレベルアップすることで進化
| 仮称:コロロックン | |
|---|---|
| ぶんるい | ごうおんポケモン |
| タイプ | むし・はがね |
| たかさ | 1.5m |
| おもさ | 52.0kg |
| とくせい | むしのしらせ(パンクロック) |
| 種族値 | |
| HP | 92 |
| こうげき | 60 |
| ぼうぎょ | 64 |
| とくこう | 110 |
| とくぼう | 60 |
| すばやさ | 98 |
| 合計 | 484 |
| おぼえるわざ | |
|---|---|
| レベル | わざ名 |
| 1 | ほろびのうた |
| 1 | さわぐ |
| 1 | なきごえ |
| 1 | はたく |
| 1 | むしのていこう |
| 1 | むしくい |
| 14 | メタルクロ― |
| 18 | ちょうおんぱ |
| 22 | バークアウト |
| 26 | きんぞくおん |
| 30 | おたけび |
| 34 | いやなおと |
| 36 | ハイパーボイス |
| 38 | ちょうはつ |
| 42 | あらぶるせんりつ |
| 44 | ねばねばネット |
| 46 | むしのさざめき |
| 50 | ばくおんぱ |
| 進化 | オーバードライブ |
| わざ名 | タイプ | 分類 | 威力 | 命中率 | PP | 範囲 | 優先度 | 直接攻撃 | 効果 |
| あらぶるせんりつ | はがね | 特殊 | 120 | 100 | 10 | 相手ランダム1体 | 0 | × | 2~3ターンの間あばれる状態となり、その間攻撃し続ける。攻撃終了後、自分が混乱状態になる。 |
仮称の由来は、文字通りロックンロールです。
レジェンズでそこそこ目立つ立場になったし、きっとコロトックの時代が来るはず……。