まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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海岸で狙い澄ますとうぞくポケモン

 あくタイプのポケモンと聞いて、どのようなポケモンを想像するだろうか。

 バンギラスやサメハダーのように凶悪かつ危険なポケモンだろうか。ブラッキーやヤミラミのように暗闇や夜を好むポケモンだろうか。人によって色んなイメージを思い浮かべることだろう。

 そんなあくタイプのポケモンの特徴の一つとして、狡賢さが挙げられる。目的を果たすために様々なものを利用し、最低限の労力だけで成果を得る。そんな強かさと狡猾さを持つのも、あくタイプのポケモンの特徴だ。

 これはそんな狡猾さを色濃く持つ、とあるポケモンの話だ。

 

 人が未だ足を踏み入れぬ海沿いの野原。そこにねずみポケモン「コラッタ」の群れが暮らしていた。ありとあらゆる環境に適応するコラッタだが、この場所は常に気候が穏やかで、食料となる木の実も豊富に有る。時折、「キリンリキ」や「ジジーロン」のような大型ポケモンが住処に入り込むことも有るが、いずれも温厚な性格のポケモンであり、こちらから手を出さない限りは無害ということも有って、平和そのもの。彼らにとって理想の住処だ。ただ一点を除いて……。

 今日もまた一体のコラッタが、モモンの実を木からもぎ取っていた。甘いモモンの実はこのコラッタの大好物であり、主食でもある。

 小さな前足で触れるだけで、柔らかい果肉かぷるりと震える。漂う香りは思わず涎が垂れそうになる。もう我慢は出来ない。早速コラッタはその口を大きく開き、果実へとかぶり付いた。

 

ガチンッ!

 

 しかしコラッタが感じたのは、柔らかい果肉の食感でも、溢れ出る果汁の甘さでも無い。自らの前歯がぶつかり合う音。思わず目を見開くと、目の前に有ったはずのモモンの実の姿どころか影が消えていた。

 突然のことに混乱するコラッタ。だが何かの気配を感じ、視線を上へ伸ばす。

 

ケッケッケッ

 

 それはまるで遥か高みからコラッタを見下し、嘲笑うかのような声を上げていた。

 灰色の翼、細長い体、鋭く黄色い嘴。コラッタから掠めとったであろうモモンの実を器用に咥えるそのポケモンの名は「キャモメ」。

 通常の真っ白な体色を有するキャモメは、自ら海の中へと入って「ヨワシ」のような小型の魚ポケモンを狙ったり、あるいは海岸近くに成る木の実を食したりして暮らしている。

 しかし、この灰色の体を持つR(リージョン)キャモメは、自ら狩りをすることは無く、他のポケモンが手に入れた食料を上空から急降下して奪い去っていく。何故、このような生態を有しているか。それは遥か昔に遡る。

 元々、キャモメ達も最初から他のポケモンから奪っていたわけでは無い。かつては他の地方同様に、自ら狩りをして食料を手に入れていた。しかし、この海域には食料となるヨワシ以外にも、猛毒を有する「ドラミドロ」や時に町を滅ぼすほどのパワーを持つ「ギャラドス」、近くの生き物から生命力を奪う「ブルンゲル」といった危険な大型のポケモンも多数生息して居り、水に入った瞬間に襲われることも珍しくない。そのため、水中に入ること自体がキャモメ達にとって大きなリスクを負う行動になっていった。さらにもう一つ、キャモメ達にとって不運だったのは、この地に成る木の実がいずれも高木だったことだろう。木登りを得意とするコラッタ等ならともかく、水辺での生活に適応したキャモメは木に止まることが苦手なため、直接木の実を取ることが出来ない。ならばみずでっぽうで落としたとしても、その木の実を拾うよりも先に他のポケモンに奪われるなんてことが起きる。

 つまりキャモメにとってこの地は、食料を手に入れづらい、見た目以上に過酷な環境だったのだ。そこで彼らは、出来る限りリスクを避けるべく、自ら食料を手に入れるのではなく、他のポケモンから奪うという手段を確立するに至った。わざわざ危険なポケモンが居る海に入らず、取りづらい木の実を狙わず、他のポケモンが食料を手に入れて油断した隙に、死角となる頭上から掻っ攫う。それが彼らの生存戦略だ。

 そんな生態へと変化したためか、徐々にキャモメ達は狡賢く、悪辣な性格へと変わった。わざわざ奪った獲物を見せて挑発し、それに怒るポケモン達を嘲笑う。まさにあくタイプの名に恥じないと言えるだろう。無論、狙われた方からすれば堪ったものでは無いが。

 今日も彼らは、他のポケモンを付け狙う。例えそれが姑息に見えたとしても、それは彼らにとって必要な生きる手段なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


キャモメ
ぶんるいとうぞくポケモン
タイプあく・ひこう
たかさ0.6m
おもさ9.5kg
とくせいおみとおし・くいしんぼう(びんじょう)
種族値
HP40
こうげき30
ぼうぎょ30
とくこう55
とくぼう30
すばやさ85
合計270

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1なきごえ
1どろぼう
5でんこうせっか
10ちょうおんぱ
15つばさでうつ
20バークアウト
26うばいさる
30エアスラッシュ
35あくのはどう
40はねやすめ
45ぼうふう

 

↓夜にLv25で進化

 

ペリッパー
ぶんるいまるのみポケモン
タイプあく・ひこう
たかさ1.3m
おもさ28.5kg
とくせいおみとおし・くいしんぼう(びんじょう)
種族値
HP70
こうげき45
ぼうぎょ100
とくこう85
とくぼう70
すばやさ60
合計430

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1まもる
1すりかえ
1でんこうせっか
1うばいさる
1エアスラッシュ
1なきごえ
1どろぼう
1おいかぜ
1ちょうおんぱ
15つばさでうつ
20バークアウト
28たくわえる
28のみこむ
28はきだす
34なげつける
41あくのはどう
48はねやすめ
55ぼうふう
62ゲップ

 

 

 

わざ名タイプ分類威力命中率PP範囲優先度直接攻撃効果
うばいさるあく変化100101体選択0×相手が持ち物を持っていて自分が持っていない場合、奪って自分の持ち物にした後、控えのポケモンと交代する。持ち物を奪えない場合は交代だけ行われる。




モチーフはトウゾクカモメ。
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