まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

14 / 100
今更ですが総合評価100超えました。ありがとうございます。


雪降り積もる凍土のひょうがポケモン

 はこびやポケモンの別名を有する「デリバード」というポケモンが居る。ジョウト地方やイッシュ地方などの寒冷地帯に広く生息するありふれた鳥ポケモンなのだが、このポケモンには他のポケモンとは一線を隔す特徴がある。それは袋状になった尻尾の中に木の実や仕留めた虫ポケモンなどの食料を集めて回り、空腹のポケモンを見つけるとその食料を分け与えるというものだ。この助けようとする相手はポケモンに限らず、時に人間相手であっても危機に瀕していれば食料を分け与えようとし、事実遭難した際に偶然デリバードと出会ったことによって命を救われたトレーナーの話もそう珍しい事ではない。

 デリバードがこのような特殊な習性を持つ理由は主に二つの説が挙げられる。

 まず一つは、デリバードが社会性のポケモンであるということだ。元々、デリバードは群れで生活するポケモンであり、巣を一か所に集めて子育てを行うのだが、元々食料の少ない環境のため、中には満足に食料を運んでこれないデリバードも居る。そんな雛に対し、群れのデリバード達は自らの食料を分け与えることで雛を育てる。これは育たない雛が増えることで群れ全体が衰えることを防ぐためとされている。この群れの社会性の延長線として、空腹のポケモンや人間を見つければ自らの食料を分け与えることで助けようとするのではないかと考えられている。

 そしてもう一つの理由が、他のポケモンと共生関係を築くためと考えらえている。デリバードはポケモンの中では戦闘能力は低い方だ。群れで一斉に放つ攻撃はそれなりに強力ではあるが、デリバードの生息域に存在するポケモンのほとんどはこおりタイプの技に耐性を有しているため、それで敵を撃退することは難しい。時間稼ぎがせいぜいだ。そのため、「ツンベアー」や「ニューラ」といった天敵に命を狙われるという状況は多い。

 そんな危機から身を守るための方法として、デリバードは他のポケモンにエサを分け与えることにより、天敵に襲われた際に助けてもらえるようにしているのではないかという説がある。事実として、デリバードの群れがニューラ等に襲われた際に、それを他のポケモンが身を挺して守ったという目撃情報がある。意図して行っているのかどうかは定かでは無いが、実際にデリバードは他のポケモンに食料を与え、助けられたポケモンはデリバードを守るという関係は存在している。

 

 そんなデリバードと強い共生関係を結ぶに至ったとあるポケモンが存在する。

 一面に雪が降り積もる大地。そこをのしのしと歩む一体のポケモン。真っ白な甲羅に青白い皮膚。鈍重そうな体はひょうざんポケモン「クレベース」を思わせるが、背中が平らなクレベースに対してこのポケモンの背中はドーム状。明らかに形状は異なる。そして目は細く、そこだけでは起きているのか眠っているのかも判別は付かない。

 そのポケモンの特徴を見たトレーナーであれば、正体が何かある程度察しは付くだろう。そう、本来は火山など暑い地域に生息しているはずのポケモン「コータス」。それがこの極低温の凍土という環境に適応した姿である。

 このコータスの先祖もかつては火山に生息していた。だが火山活動の停止や大陸移動、様々な要因による環境の変化によってこの地へと移り住んだコータスは、低気温の環境に適応し、自らも氷の力を身に纏う能力を得るに至った。さらに力を増した個体に至っては、周囲に雪を降らせるという天候への影響力も獲得している。このR(リージョン)コータスは原種から引き継いだ高い防御能力を有し、クレベースほどでは無いが多くのポケモンの攻撃を受けても身動ぎ一つしない。そのためこの地Rでコータスを脅かすポケモンはまず居ない。

 しかし、そんな彼らにも一つの弱点が存在する。それは食料の確保だ。原種と同様の高重量な体を持ったRコータスは動きが遅く、一日に移動できる距離が限られる。そうなればただでさえ食料が少ないこの地では、エサを探しに行ったとしても先に他のポケモンに取られるなど、どうしても不利にならざるを得ない。原種の主食は他のポケモンが食さない石炭であったため、食料の奪い合いには縁遠く、動きが遅くとも十分な食料は確保できたが、この凍土ではそうはいかない。Rコータスの主食は他のポケモンと同じ木の実や地面に僅かに生えた草など。他のポケモンが見逃した僅かな食料を必死に探し、エネルギーの消耗を抑えるために必要なとき以外は動かない。もしこのまま進めば、食料不足で絶滅の危機に瀕する危険性も有っただろう。

 そんなRコータスとデリバードが共生関係を結ぶのはある意味当然であった。パワーは有っても食料を得るのが不得手なRコータスにデリバードが食料を分け与える。そして戦闘力が低いデリバードをRコータスは天敵から守る。この地ではいつからかこの関係が構築され、デリバードの巣の近くにはRコータスが何体も常駐する光景が見られるようになった。結果としてRコータスは絶滅の危機から脱し、デリバードは安全に子育てできるようになったのだから、この共生は双方にとって大きなメリットを生んだ。

 それ以外にもRコータスがデリバードを背中に乗せて移動を行ったり、怪我をしたRコータスをデリバード達は回復効果のある木の実を用いて治療を行ったりなど、様々な場面で彼らは協力し合い、その関係はかなり強固である。これほど強固な共生関係を結んだポケモンはそうそう居ない。自分が生き残れるかどうかが問題の過酷な自然環境に置いて、かなりレアなケースと言えるだろう。これもデリバードの特異な生態が大きく影響した結果だ。

 

 このような過酷な環境に置いて、ただ命を奪い合うだけでなく、協力し合うことによって命を繋ごうとするポケモンが存在する。その姿は有る意味で、トレーナーとポケモンの関係にも通じるものがあるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


コータス
ぶんるいひょうがポケモン
タイプこおり
たかさ0.5m
おもさ81.4kg
とくせいどんかん・ゆきふらし(シェルアーマー)
種族値
HP70
こうげき85
ぼうぎょ140
とくこう85
とくぼう70
すばやさ20
合計470

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1こなゆき
1しろいけむり
4からにこもる
8こうそくスピン
12あくび
16ずつき
20こごえるかぜ
24まもる
28ゆきなだれ
32のしかかり
36てっぺき
40れいとうビーム
44のろい
48オーロラベール
52ドわすれ
56ふぶき
60からをやぶる
64ぜったいれいど

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