まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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御三家シリーズ第三弾。


荒れ果てた火山島のこうらポケモン

 ある場所に、緑が生い茂る豊かな自然溢れる島が有った。そこには地上で巣を作り生活するポケモン、季節の変わり目に訪れる渡りの鳥ポケモン、休息のために海から上がって来た水棲ポケモンなど、多種多様なポケモンの姿を見ることが出来た。

 ある日、そんな豊かな島が突如として荒廃した地へと変貌した。原因は火山の噴火だ。この島中心には大きな火山があったのだが、そこは何百年もの間、噴火などの活動が見られない、穏やかな山だった。しかしその火山が、それまでの平穏さがまるで嘘のように突如として大きな爆発音と共に噴火したのだ。舞い上がる火山灰、降り注ぐ岩塊、流れ出る溶岩流。それらが自然溢れる島全土に襲い掛かった。

 危険に気付いたポケモン達のほとんどは逃亡。それが出来ない一部のポケモンはその噴火の直接的な被害を受けて命を落とすか、あるいは降り積もる火山灰の影響で枯れた地となった島で餓死していった。

 たった一度の噴火。それは豊かな島を一瞬で荒廃した島へと変貌させたのだ。

 

 それからしばらくして、流れ出た溶岩が冷えて固まった火成岩によって地面を覆われたころ、木の実もほとんど生えない荒廃した地に、新たなポケモンの姿が見られるようになった。あるものは溶岩そのものを食料とし、あるものは冷え固まった岩塊を自らの巣へと変化させる。そんな特殊な生態を持つポケモン達。

 その中には、この環境特有の姿へと変貌したものも居た。

 

 火山のある島付近の海。そこではあるポケモンがまさに獲物を捕らえるべく、狩りの真っ最中であった。

 

ガアァッ!!

 

 追いかけているのは、巨大な頭部を持つきょうぼうポケモン「サメハダー」。海のギャングとも呼ばれるポケモンであり、鉄板すら軽々と噛み砕く強力な顎を持つ危険なポケモンだ。お尻から勢いよく水流を噴き出すことによって、時速120kmもの速度を出すことが可能であり、一度追われたら逃げ延びることは難しい。

 そんなサメハダーに狙われた哀れな獲物は、かめのこポケモンの「ゼニガメ」。硬い甲羅を持っており、戦闘時にはその甲羅で敵の攻撃を防ぐ。しかしそんなゼニガメであっても、サメハダーの牙を防ぐほどの硬さは無い。もし噛みつかれようものなら、一撃で砕かれてしまうだろう。それほどのパワーの差がある。

 ゼニガメは必死で逃げようと泳ぐものの、サメハダーの素早さには敵わない。サメハダーは高いスピードを持つ反面、小回りが利かないという弱点があり、ゼニガメは何度も方向転換をすることでサメハダーの突進を躱すが、何度も回避し続けるうちに、ゼニガメはスタミナが切れてくる。その動きは徐々に緩慢になっていた。

 疲れを見せたゼニガメ目掛けて、サメハダーは口を大きく開いて噛みつく。それを防ぐ力も、躱す余力もゼニガメには最早残っていなかった。このままではゼニガメはサメハダーの餌食になることは間違いない。

 

ガアァッ!!

 

 そしてまさにゼニガメにその牙が突き刺さろうとした瞬間だった。

 

ゴォン!

 

 まるで鐘が鳴り響くかのような鈍い音と共に、サメハダーは顔面に衝撃を感じたかと思うと、大きく後ろへ吹き飛ばされる。

 今の衝撃は、とあるポケモンがサメハダーを殴りつけた音だ。海中であるにも関わらず、鈍いその轟音を鳴り響かせたポケモンは、ゼニガメを庇う様に水中に浮いていた。

 

グァッ!!

 

 サメハダーに敵意を向けるそのポケモンは、こうらポケモンの「カメックス」。しかしよく知られる姿とは少々異なる。

 巨大な甲羅を背中に背負い、太い四肢を持っていることは変わらない。しかし甲羅は背中だけでなく、両腕や膝を鎧のように覆っている。その上、カメックス最大の特徴であるはずの、甲羅から伸びた大砲のような器官が存在しないのだ。

 このカメックスは、巨大な火山が近くにあるという環境に適応した姿(リージョンフォーム)だ。本来は背中の大砲による砲撃を活用した中遠距離戦を得意とする原種に対し、このR(リージョン)カメックスの戦術は全く異なる。

 サメハダーは狩りの邪魔をする外敵を排除すべく、再び口を開いて突進する。まともに受ければただでは済まないだろう。しかしRカメックスは慌てることなく、その噛みつきを左腕一つでガードする。

 ガチリと言う音が鳴り、サメハダーは噛みついた腕を食いちぎろうと力を込める。しかし進化前であるゼニガメや、通常のカメックスとは異なり、このRカメックスの甲羅は非情に硬く、その腕を防護している。砕けるどころか、罅一つすら入ることは無い。そしてこの状況に置いてピンチなのは、むしろ動きが止まったサメハダーの方であった。

 Rカメックスは自らの左腕に噛みついているサメハダーを睨むと、右腕を大きく振りかぶる。元々逞しかった腕は一回り太くなり、そこに尋常ではないパワーが込められているのが見て分かる。

 

 このRカメックスは、火山のある島の海岸に巣を作っているのだが、そこに生息しているポケモンは「キングラー」や「ガメノデス」、「ヒヒダルマ」といった、強力なパワーを持つポケモンが多い。それらに対抗するために、また硬い岩石に覆われた島で巣を作るために、この地に生息しているカメックスは、それらに対抗し、岩をも容易く砕くパワーと、敵の攻撃を防ぐ頑強な甲羅を獲得したのだ。

 

 サメハダーもRカメックスの構えに気付いたが、体の構造上、後ろに下がる ことが苦手なサメハダーがそれを避ける余裕は既に無かった。

 

ガァメッ!!

 

 放たれた剛腕による一撃(アームハンマー)。あまりにも強烈な攻撃を顔面に思いきり受けたサメハダーはそのまま水底へと叩き落とされる。さすがに命までは失ってはいないが、意識が完全に刈り取られており、目が覚めるのはしばらく後になることだろう。

 

ガアッ

 

 そんな敗者の姿を見届けた後、Rカメックスは背中に庇ったゼニガメへと視線を移すと、一睨みして鳴き声を上げる。何故、勝手にこんなところまで来たんだとでも言いたげだ。

 このゼニガメは、Rカメックスの実の子供である。普段は火山島の巣で生活しているが、外の世界への好奇心が抑えきれず海へ出てしまい、サメハダーに狙われたのだ。

 親に怒られ、自らの軽率な行動に反省するゼニガメ。そんなゼニガメに怪我が無いことを確認すると、Rカメックスは再び一鳴きして巣へと戻るように促した。

 

ニッ!

 

 ゼニガメも返事をするように鳴き声を上げると、親の甲羅にしがみ付く。Rカメックスは我が子を振り落とさないように慎重に気を付けながら、自らの巣へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ゼニガメ(原種)

 

↓Lv16で進化

 

カメール(原種)

 

↓Lv36で進化

 

カメックス
ぶんるいこうらポケモン
タイプみず・かくとう
たかさ1.6m
おもさ98.8kg
とくせいげきりゅう(いかりのこうら)
種族値
HP79
こうげき105
ぼうぎょ110
とくこう73
とくぼう90
すばやさ73
合計530

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1アームハンマー
1たいあたり
1しっぽをふる
1みずっでっぽう
1からにこもる
9こうそくスピン
12かみつく
15みずのはどう
20まもる
25あまごい
30まもる
35からをやぶる
42てっぺき
49シェルインパクト
56ロケットずつき
進化アームハンマー

 

 

 

わざ名タイプ分類威力命中率PP範囲優先度直接攻撃効果
シェルインパクトみず物理12010051体選択0使用後、自分のぼうぎょが2段階下がる。




からをやぶるはロマン。
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