まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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雷迸らせるふゆうポケモン

 海は我々が思っているより遥かに広く、深い。果てしなく広がる水中には、数えきれないほど多くのポケモンが生息して居り、それらは多種多様な能力を持っている。

 その中でも特徴的なポケモンの例として、「ランターン」が挙げられる。ライトポケモンの別名を持つこのポケモンは、みずタイプでありながら電気を発生させることができるという他には無い能力を獲得している。深海に住まうランターンは、この電気を獲物を仕留めるための武器、あるいは外敵から身を守るための盾として用いる。その威力は落雷にも匹敵し、あの「ギャラドス」や「サメハダー」ですら近づこうとしないほどと言われる。水中において最大の武器である電気を自在に操るランターンと互角以上に立ち向かえるポケモンは、数えるほどしか存在しない。

 しかし、そんなランターンとの生存競争の中で、対抗策として自らの性質を変化させたポケモンが現れた。まだ人間の手が届いていない場所で、そのポケモンは独自の地位を築き上げていく。

 

 広大な海をのびのびと泳ぐのは、くしざしポケモンの「カマスジョー」。ガラル地方などでよく見られる、細長い体と鋭い口を持ったポケモンで、獲物を見つけたときはスクリュー状の尾びれを用い、目にも止まらぬ速度で突撃するが、普段はエネルギーの消耗を抑えるため波間をゆっくりと漂っている。

 そんなカマスジョーの背後から音も無く忍び寄る何かがあった。それは海の色に似た半透明の藍色の触手。それは波に揺られながら、静かにカマスジョーへ近寄る。

 

?

 

 ふとカマスジョーは不穏なその気配に気づくが、それは既にカマスジョーを射程圏内に入れていた。先程までとは打って変わり、触手は素早くカマスジョーの胴体に巻き付いたかと思うと、その瞬間、

 

ッ!?

 

 突如として閃光がカマスジョーの体に迸る。絡みついた触手から放たれたのは高圧の電流。みずタイプ最大の天敵とも言うべき一撃を受け、カマスジョーは口を開いたまま全身を痙攣する。

 身動きの取れないカマスジョーを捕えた触手はゆっくりとその体を引き寄せていく。その触手の根元に居たのは、藍色の体に黄色いラインが特徴的な、まるでドレスのような姿をしたポケモン。海面に漂う、電撃を放つ触手の主の名は、ふゆうポケモン「プルリル」。だが、カマスジョーを捕えたその個体は、一般的に知られるものとは大きく異なる姿をしていた。

 

 一般的にプルリルは、ベールのような長い触手の毒針によって獲物を仕留め、海深くへと引きずり込むという生態を有している、ゴーストタイプのポケモンである。そんなプルリルの天敵こそ、最初に紹介したランターンだ。

 エサの少ない深海において、プルリルという存在はランターンの貴重な食料。光によっておびき寄せると、強烈な電撃で一方的に攻撃し、痺れて動けなくなったところをそのまま捕食していくのだ。

 対するプルリルもただでやられるわけでは無く、時に触手の毒や特殊なエネルギーによる攻撃などで抵抗を行う。しかしそれでも相性の差は大きく、多くの場合はプルリル側が捕食されるという結末に終わる。

 そんな中、ランターンとの生存競争の中で、次第に電気に対して耐性を持つものが現れた。通常の個体がランターンに捕食されていく中、電気耐性を持った個体は電気攻撃を受けても生存し、さらにランターンから逃れるように生息場所を深海から海面へと大きく変化させた。

 それからさらに時は流れ、プルリル達は次第に自ら発電する能力を獲得し、その電気を用いて獲物を捕らえるようになった。触手を伸ばし、絡め捕った獲物を電撃で仕留める。それはまるでランターンを彷彿とさせる。

 

 そう、その電気耐性を持ったプルリル達の子孫こそ、カマスジョーを襲った存在の正体。言うなればR(リージョン)プルリル。

 

ルゥゥ……

 

 Rプルリルはカマスジョーを抱きしめるように、自身の胴体よりも遥かに長い触手を巻き付かせる。こうして捕えた獲物から生気を吸い取るのだ。カマスジョーは逃れようとするものの、体はまともに動かず、僅かに尾びれが震えるだけ。哀れ、こうなった獲物は最早、プルリルの為すがままだ。

 

ルーゥ……

 

 獲物を仕留め、笑みを浮かべるRプルリルの隣にもう一体、はねうおポケモン「ケイコウオ」を捕えたRプルリルがふよふよと浮かんでいる。しかしこちらの体色は赤紫色だ。

 実は通常のプルリルがそうであるように、Rプルリルもオスとメスで体色が異なる。しかし一般的に知られているプルリルとは少し異なり、カマスジョーを捕えた藍色の個体がメス、ケイコウオを捕えている赤紫色の個体がオスである。通常種のオスが水色、メスが桃色をしていることを考えると、真逆と言って良いカラーリングであるが、その理由は不明だ。毒性の違い、あるいは発電器官を獲得したからか、あるいはただの偶然か。それが明らかになるのは、もっと先のことだろう。

 そんなプルリル達は波の動きに逆らうこと無く、ゆっくりと海面を漂う。そして触手を伸ばし、不用意に近づいた獲物を電撃によって仕留める。まさに音無き暗殺者と言っても良いだろう。

 かつての天敵と同じ力を得たRプルリル。彼らはただ静かに獲物を狙い続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 


プルリル
ぶんるいふゆうポケモン
タイプでんき・ゴースト
たかさ1.2m
おもさ33.0kg
とくせいちょすい・せいでんき(すりぬけ)
種族値
HP60
こうげき40
ぼうぎょ50
とくこう65
とくぼう85
すばやさ35
合計335

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1すいとる
1でんきショック
4どくばり
8ナイトヘッド
12でんじは
16あまごい
20たたりめ
24じゅうでん
28じこさいせい
32シャドーボール
36ほうでん
4110まんボルト
44みちづれ
48かみなり

 

↓Lv40で進化

 

ブルンゲル
ぶんるいふゆうポケモン
タイプでんき・ゴースト
たかさ2.4m
おもさ142.0kg
とくせいちょすい・せいでんき(すりぬけ)
種族値
HP110
こうげき60
ぼうぎょ70
とくこう85
とくぼう105
すばやさ50
合計480

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1すいとる
1でんきショック
4どくばり
8ナイトヘッド
12でんじは
16あまごい
20たたりめ
24じゅうでん
28じこさいせい
32シャドーボール
36ほうでん
4310まんボルト
48みちづれ
54かみなり




モチーフはカツオノエボシ(電気クラゲ)。
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