まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

23 / 100
この時期は体調を崩しがちになりますね。
皆様も風邪にはお気を付けください。


爆ぜる紅のみのむしポケモン

 「じばく」。それはポケモンの使う技の一つである。

 体内のエネルギーを炸裂され、周囲に衝撃波を放つ。その威力はポケモンが扱う技の中でもトップクラスだ。しかしそれだけに反動は大きく、自身がひんしになるほどのダメージを負う。

 この技を使用するポケモンは、傾向として膨大なエネルギーを溜め込むという性質を持つものが多い。例えば電気エネルギーを空気中から摂取する「マルマイン」、体内でガスを生成する「マタドガス」が分かりやすい例だろう。

 そしてとある熱帯の森にも、そんなじばくを行うポケモンが存在する。

 

 空を突き刺すように生える幾重もの樹。長い時間を掛けて育ってきたことが分かる。

 そんな大樹の上へ視線を向けると、そこには真っ赤な木の実が幾つも実っている。しかし、その中には一際大きく、どことなく震えている、明らかにおかしな様子の木の実もある。

 そんな木の実を求めて姿を現したのは、ぶたざるポケモンの「オコリザル」。常に興奮状態に有り、視線を感じるだけで攻撃しようとするという、異常なまでに短気なポケモンである。

 そんなオコリザルも、食事の時となれば様子は変わる。目つきは鋭いが、何度か瞼を閉じながら伸びをする。それは非常に珍しい、オコリザルがリラックスしている光景である。周囲に敵が居なければ、オコリザルもこのような姿を見せるのだ。

 そのオコリザルはグルルと腹の虫を鳴かせながら、木の実が実った大樹へと近づく。どうやら寝起きで空腹状態にあるらしい。

 オコリザルは逞しい右腕に力を込めると、全力で振り抜き……

 

ドゴォンッ!!

 

 大樹の幹へ叩きつける。その衝撃で頭上から木の実が降り注いだ。オコリザルは身軽なため、木に登って木の実を取ることも有る。しかしわざわざ高い木に登るより、自らのパワーで樹を大きく揺らした方が楽であるため、このような方法で木の実を取るオコリザルも決して珍しくは無い。

 次々と降り注ぐ木の実を手に取り、噛り付くオコリザル。その表情は少々柔らかく感じた。

 しかし、その珍しいオコリザルの表情はすぐに消えることとなる。

 

ボトッ!!

 

 突然、鈍い音がオコリザルの背後でした。また木の実が落ちてきたとオコリザルは振り向く。しかしそこにあった木の実は、明らかに他の木の実とは様子が違う。

 硬そうな漆黒の殻は上下に割れ、そこから四本の管が伸びる落下物。それは身じろぎをすると、くるりとその場で半回転。

 

……

 

 黒い二つの丸……いや瞳がオコリザルを見つめた。そう、それは木の実では無く、ポケモン。それもとある理由でかなり危険なポケモンである。

 落下してきたポケモンはオコリザルを見るや否や、小刻みに震えだす。それと同時に殻が光り白く染まる。それを見たオコリザルは慌てたように、右腕を振りかぶりそのポケモンに叩きつけようとする。だが遅い。その瞬間は、オコリザルが拳を振り抜こうとした直前に来た。

 

ドオォォンッ!!

 

 突然の爆風。巻き起こった衝撃波が樹々を砕き、地面を捲り上げ、砂埃を舞い散らせる。

 それほどの衝撃を間近で受けたオコリザルは、一瞬で意識を奪われ、その身を宙へと投げ出される。

 後に残ったのは、まるでクレーターのように地面に空いた窪み。そしてその中心で目を回す一体のポケモンだけだ。

 突如として爆発した真っ赤なポケモンは、この森特有の姿を持つみのむしポケモン「フォレトス」。

 通常のフォレトスも体内にエネルギーを溜め込み、敵に攻撃されると爆発するという性質を有しているが、このR(リージョン)フォレトスが溜め込んでいるエネルギーは原種の比では無い。

 その理由が、この森の地下にある。実はこの森の地下には分厚い泥炭層が存在している。その泥炭層は定期的にポケモンの技や自然の雷などで発火し、木々が燃える。そして水ポケモンや、雨によって消火されるということを何度も繰り返して来た。

 そんな山火事が頻発する特異な地域で有るわけだが、多くのポケモンは火事が発生すると逃げ出そうとする。しかし木に貼り付くという生態を持つフォレトス、及び進化前の「クヌギダマ」はそうは行かない。スピードは遅く、逃げ出そうとするころには既に周囲が炎で包まれるということも珍しい事ではない。

 多くのクヌギダマやフォレトスがこの山火事によって命を落としていく。しかし、中にはこの山火事で生き残った幸運なものも居た。それらは子孫を残し、世代交代をしていく中で、頻発する山火事に耐えられるように性質を変化させ、さらには逆に炎から熱エネルギーを吸収して溜め込むようになっていった。

 その結果がこのRフォレトスである。彼らは火事が発生すると、殻を閉じ伸びた管から熱エネルギーを体内に吸収する。そして溜め込んだエネルギーは、外敵が来た際の攻撃手段として用いられる。管から火炎を吹き、殻に炎を纏い、そして莫大なエネルギーを解き放って大爆発を起こす。

 まさに生ける爆弾と言って差し支えないだろう。このRフォレトスに接触してしまった不幸な、あるいは命知らずなポケモンは、先程のオコリザルのように間近で大爆発を受けることとなる。一度でもそんな目に遭えば、彼らに手を出そうとはしなくなるだろう。Rフォレトスという種を守る方法としても、理に適っている。

 

……

 

 しばらくして大爆発を起こしたRフォレトスが目を覚ます。幸いにも気絶している間に外敵が近寄ってくることは無く、体は多少焦げているものの無事である。そして再び樹の上の寝床に戻るべく移動を開始する。

 じばく。それを扱うポケモンには十分注意すべきである。下手に近づこうものなら、ただで済むことはまずあり得ないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


クヌギダマ(原種)

 

↓Lv31

 

フォレトス
ぶんるいみのむしポケモン
タイプむし・ほのお
たかさ1.2m
おもさ132.9kg
とくせいがんじょう(ゆうばく)
種族値
HP75
こうげき110
ぼうぎょ120
とくこう60
とくぼう60
すばやさ40
合計465

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1にほんばれ
1どくびし
1むしくい
1まもる
1ジャイロボール
1じばく
1しっぺがえし
1たいあたり
12とっしん
17こうそくスピン
20ころがる
23のろい
28まきびし
32かえんぐるま
36だいばくはつ
42てっぺき
46やけびし
50すてみタックル
進化ニトロチャージ

 

 

 

わざ名タイプ分類威力命中率PP範囲優先度直接攻撃効果
やけびしほのお変化--20相手の場0×相手の場をやけびし状態にし、相手が交代するたびに、出て来た地面にいるポケモンに「最大HPの1/8×ほのおに対する相性」分のダメージを与える。




技は第九世代を参照しました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。