まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

28 / 100
気が付けば総合評価200を達成していました。
皆様の感想、評価励みになります。今後も拙作をよろしくお願い致します。


地中に潜むばけぐもポケモン

 新種のポケモンがよく見つかる場所と言えば、それは密林の奥地や活火山、深海の底といった秘境や過酷な環境が挙げられる。しかし時に、人の手が入った場所でも未知のポケモンが見つかることがある。

 その理由としては、人の手による環境の変化に適応したケースもあれば、「ウミディグダ」のような他のポケモンと誤認されていたケース、あるいは「カクレオン」のように高い擬態能力を持ったケースなどがある。

 そして今から紹介するポケモンも、その生態故に未だに発見されていないポケモンの一種であった。

 

 

 

 晴れ渡る太陽の光が地面を照らす森が大部分を占める島。

 豊かな自然溢れるこの森には、数多くの種類のきのみが成るため、時折近くの島から、トレーナーがきのみ採取の為に訪れることで有名な場所である。

 今日もきのみを求めて、何人かのトレーナーが島を訪れていた。縄張りに入ったトレーナーを追い返そうと、ポケモンが現れることも有るが、その殆どは「ポッポ」や「チュリネ」、「コフキムシ」のようなレベルの低いポケモンばかり。少し鍛えたポケモンが居れば十分戦える相手であり、むしろ自分の手持ちのポケモンを鍛えるために、積極的にバトルを仕掛ける初心者トレーナーも居るほどだ。

 野生のポケモンはトレーナー達が繰り出すポケモンに倒され、あるいは戦意を喪失して逃げ出す。そして周りにポケモンが居なくなれば、トレーナーはきのみを集める。そんな光景が日常となっている。

 

「さて、これくらい集まれば良いかな」

 

 一人のトレーナーが、オボンの実を腕一杯に抱えて呟く。相棒であるちゅうけんポケモン「ハーデリア」も満足そうに足元で頷く。

 ハーデリアの毛並みはバトルで所々汚れていたが、大きなダメージもほとんど無い。初めてこの島を訪れた時はまだ進化前の「ヨーテリー」で、その時は野生のポケモン相手にかなり苦戦し、満足いくほどのきのみを集めることが出来なかったが、何度もバトルを繰り返し鍛えたことで逞しくなった相棒は、今はもうこの島の野生のポケモン相手であれば苦も無く倒せるほどに力強くなった。

 がさりという音と共に、いもむしポケモンの「ケムッソ」が草むらの中から現れるが、それをハーデリアは唸り声一つで追い返す。もう、この島でハーデリアの敵となる相手は居ないだろう。

 ここまで育ったのだ。もう次の街へと行き、ジムリーダーに挑戦するのも良いかもしれない。そんなことを思いながら、ハーデリアにオボンの実を渡そうと、トレーナーが腰を屈めた時だった。

 

ガサッ!!

 

「え?」

 

 突然、近くで聞こえた物音。何か大きなものが草の上を動いたかのようなその音に、トレーナーとハーデリアは思わず身を固くし、周囲を警戒する。

 しかし周りを見ても、何かが居る様子は無い。僅かに草木が風で揺れるだけ。巨大なポケモンが居ようものなら、すぐにその影が見えるはずなのだが、どこに視線を動かしても近くにポケモンは見つけられない。

 そしてトレーナーはもう一つおかしなことに気付いた。

 

「……居ない?」

 

 ぽつりと呟く。そう、ハーデリアが威嚇して追い返したケムッソ。先程まで近くでいそいそと動いていたのが見えていたのだが、物音がしたと同時にその姿がいつの間にか見えなくなっていたのだ。

 ただ草むらの中に入ったから見えないのか、それにしては静かすぎることに不気味な雰囲気を感じ取るトレーナー。

 ハーデリアも何かが居ることは感じ取りつつも、それがどこに居るのか分からず、ただ唸り声を上げながら警戒するしかない。

 

「……ここを離れるぞ」

 

 ずっとここにいても、何かが分かるとは限らないし、もし強力なポケモンが居るとするなら、今の自分の実力では敵わないかもしれない。

 それに島を出る船の出港時間ももうそろそろだ。早く向かわなければ、数時間ほど待たなくてはいけなくなる。

 トレーナーはハーデリアを連れ、足早にその場を離れる。

 

……

 

 そんな彼らの足音を聞きながら、獲物を喰らう一体のポケモンが居た。

 それをトレーナー達が見つけられなかったのも仕方ないだろう。それが居たのは、地上では無い。森の中に乱立する木々の一本。その根元に穴を掘り作った巣穴の中に、そのポケモンが居た。

 長くがっしりとした6本の手足、薄暗い土色の体、背中から生える幾つもの棘、頭部から伸びる捻じれた角、捕らえたケムッソを逃さない鋭い牙。その姿はどこか、あしながポケモン「アリアドス」を思わせる風貌をしつつも、それとは異なる外見を持っている。

 この未知のポケモンの正体。それは地中の生活に適応したアリアドスが、更なる進化を果たしたポケモンである。

 

 何故、地中で生活しているのか。それにはこの島の環境が大きな要因となっている。この島は最初に述べたように、きのみが豊富に成り、それを求めて鳥ポケモンが集まりやすいという性質を持つ。そんな天敵である鳥ポケモンから身を守るため、むしポケモン達は木々の隙間や日陰などに隠れようとするのだが、狭い島の中ではそんな場所は限られる。加えてアリアドスはむしポケモンの中では大型であり、隠れ場所はさらに少ない。

 そのためアリアドス達は地中に巣を作ることで鳥ポケモン達から身を守ることとした。この島に「ディグダ」や「モグリュー」のような、地面を掘るポケモンは居ない。他のポケモンが居ない自分だけの住居という点では、間違いなく最高の場所だった。

 またこれは狩りの際にも大きなメリットを齎した。地中に身を潜めれば、他のポケモンはアリアドスの存在に気付くことなく、油断して巣の周りに近づいて来る。その瞬間、巣の中から姿を現し、獲物を引きずり込むという待ち伏せ型の狩りをすることで、容易に獲物を捕らえることが出来るようになった。

 次第に進化前の「イトマル」もアリアドスの影響を受けて地中に巣を作るようになり、その生態は大きく変化していった。鮮やかだった体色は土に紛れるように茶色く染まり、巣の中に獲物を素早く引きずり込めるようにパワーとスピードが増した。

 

 そんな彼らが得た新たな進化系は、まさに彼らが培った能力の集大成とも言える。より大きな獲物を抑え込めるように、足は太く強靭となった。地中の巣穴から引きずり出されることの無いように、返しとなる棘が背中に生えた。獲物を素早く仕留められるように、牙はより長く鋭くなった。そうして獲得した力は、時に天敵であった鳥ポケモンですら、獲物にすることすら実現して見せた。

 その姿はまさに、蜘蛛という名の怪物。名付けるとすれば、ばけぐもポケモン。

 ばけぐもポケモン達は、暗い地中の中で静かに獲物を待ち続ける。人の手が近い場所に居ながら息を潜め続けるその姿が、陽の光を浴びるのは果たしていつになるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


イトマル
ぶんるいじぐもポケモン
タイプむし・じめん
たかさ0.5m
おもさ8.5kg
とくせいむしのしらせ・すながくれ(ポイズンヒール)
種族値
HP40
こうげき60
ぼうぎょ40
とくこう40
とくぼう40
すばやさ30
合計250

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1どくばり
1いとをはく
5すいとる
8まとわりつく
12すなかけ
15すなじごく
19あなをほる
22みだれひっかき
26ふいうち
29きゅうけつ
33こうそくいどう
36ミサイルばり
40とびかかる
43どくづき
47クロスポイズン
50ねばねばネット
54ひきずりこむ

 

↓Lv22で進化

 

アリアドス
ぶんるいつちぐもポケモン
タイプむし・じめん
たかさ1.2m
おもさ35.5kg
とくせいむしのしらせ・すながくれ(ポイズンヒール)
種族値
HP70
こうげき90
ぼうぎょ60
とくこう50
とくぼう60
すばやさ70
合計400

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1つるぎのまい
1きあいだめ
1ベノムトラップ
1であいがしら
1むしくい
1どくばり
1いとをはく
1すいとる
5すいとる
8まとわりつく
12すなかけ
15すなじごく
19あなをほる
23みだれひっかき
28ふいうち
32きゅうけつ
37こうそくいどう
41ミサイルばり
46とびかかる
50どくづき
55クロスポイズン
58ねばねばネット
63ひきずりこむ
進化つるぎのまい

 

↓であいがしらを覚えさせて、レベルアップすることで進化

 

仮称:アリアンダー
ぶんるいばけぐもポケモン
タイプむし・じめん
たかさ1.6m
おもさ66.2kg
とくせいむしのしらせ・すながくれ(ポイズンヒール)
種族値
HP85
こうげき100
ぼうぎょ70
とくこう60
とくぼう70
すばやさ95
合計480

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1つるぎのまい
1きあいだめ
1ベノムトラップ
1であいがしら
1むしくい
1どくばり
1いとをはく
1すいとる
5すいとる
8まとわりつく
12すなかけ
15すなじごく
19あなをほる
23みだれひっかき
28ふいうち
32きゅうけつ
37こうそくいどう
41ミサイルばり
46とびかかる
50どくづき
55クロスポイズン
58ねばねばネット
63ひきずりこむ

 

 

 

わざ名タイプ分類威力命中率PP範囲優先度直接攻撃効果
ひきずりこむじめん変化-100151体選択0×相手をにげられない状態とひきずりこむ状態にする。ひきずりこむ状態の相手は毎ターン終了時にすばやさが1段階下がる。

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