まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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本日2話目。


霧深い岩山のきこうポケモン

 雲の上まで聳える険しい岩山。そこもまた、人が入ることの無い場所である。空気は薄く、硬い岩肌は立ち入る者を傷つける。足を踏み外そうものなら、斜面を滑り落ち、命を落とすことも現実としてあり得るだろう。

 さらに、岩山の全域を覆う霧は方向感覚を奪い、迷わせる。一度足を踏み入れれば命は無い。そんな過酷な環境なのだ。

 しかし一部のポケモンにとっては、このような岩山もまた、絶好の住処になり得る。がんせきポケモン「ゴローン」からすれば、食料となる岩が豊富にある絶好の餌場であるし、ゆうもうポケモン「ウォーグル」にとっては、天敵が少ないために巣作りに適した場所となる。

 

 そしてぶじゅつポケモン「コジョフー」にとってもまた、この岩山は好ましい環境にあると言える。確かにこの岩山は、過酷な環境であることは確かだ。しかしそれ故に彼らは好んでこの場所で生活をする。コジョフーは仲間と共に修行を行い、自らの体を鍛え上げるという生態を持つ。厳しく自らの体を鍛え上げれば、それだけ強大な力を獲得することが出来るのだ。

 それ故に彼らは群れでこの岩山で生活を行う。滑り落ちそうな斜面を駆け上がることでスピードを鍛え、細い稜線を歩むことでバランス感覚を磨き、遥かに聳える岩壁を登ることでパワーを宿す。この岩山は最高の修行場そのものなのだ。

 だが過酷な環境だけが、コジョフー達がこの地に集まる理由ではない。実はこの岩山には、幾重もの地脈が一つに重なる場所となっているのだ。そのため、岩山全体に膨大な自然エネルギーが流れている。コジョフー達はこの山で生活を行うことで、その自然エネルギーを自らの体に蓄え、使いこなすことが出来るように成長していく。

 この性質が、彼らに新たな変化を齎すのだ。

 

ジャラジャランジャン!!

 

 突如としてコジョフー達の縄張りに現れたのは、同じく高山に生息するうろこポケモンの異名を持つドラゴンポケモン「ジャラランガ」。背後には部下であるジャランゴを連れているのが分かる。このジャラランガ達はコジョフー達と縄張り争いをする関係性にあるポケモンであり、今度もまたコジョフー達の縄張りを奪うべく仕掛けてきたのだ。

 逆立つ特徴的なウロコを鳴らし、威嚇するジャラランガ。しかしコジョフー達も怯まずに構える。

 そんなコジョフーの群れの真ん中から、一匹のポケモンがジャラランガと相対するように前に出た。

 コジョフー達よりも一回り以上大きな体。細い顔に長い髭、毛によって覆われ鞭のように伸びた腕。それは間違いなくコジョフーの進化系である「コジョンド」。しかし同時によく知られた姿とは少々異なる姿をしている。

 まず本来は白色の体毛が薄緑がかっており、さらには頭部に円形の紋様のようなものが浮かんでいる。さらに通常のコジョンドと比べても、少し体が小さいことが良く見ると分かるだろう。しかし、その身体の内から放たれる気迫は、間違いなく強者であることを伺わせる。

 このコジョンドこそ、地脈が交わるこの岩山で成長し、自然エネルギーを内に取り込むことを可能としたコジョフー達の進化系、R(リージョン)コジョンドである。

 お互いに睨み会うRコジョンドとジャラランガ。周りがシーンと静かになる。

 

ッ!!

 

 戦闘の始まりは一瞬だった。

 ジャラランガが放った「ドラゴンクロー」。それをRコジョンドは僅かな動きで躱すと、背後に跳躍して距離を取る。

 リーダー同士の激突。それと同時に周りにいたコジョフーとジャランゴ達も一斉に走り出す。

 コジョフーの「はっけい」が決まったかと思えば、ジャランゴの「ドラゴンテール」で吹き飛ばされる。あるいは「とびひざげり」と「ずつき」がぶつかり合う。そんな光景が周囲に広がる。

 その戦場の真っただ中、ジャラランガが放つ音の衝撃波を、コジョンドはそのスピードで躱していく。

 通常であればこのような混戦の中、高速で動き回ることは難しい。しかし、このRコジョンドに関して言えば、全く問題にならなかった。それは度重なる縄張り争いの経験によるものも有るが、それ以上にこのRコジョンドが進化したことで身に着けた能力によるものが大きい。

 それは自然にあふれるエネルギー、言うなれば「気」を感じ取る能力。それ故に視界の外にある事象も、このRコジョンドには手に取るように分かる。

 しかしながら、ジャラランガが放つ音の衝撃波は規模が大きいため、全力を出さないと躱し切れない。それにいくら避け続けても、攻撃を当てられなければ倒すことは出来ない。

 だがわざわざ距離を取ったのは決して悪手ではない。

 

ッ!

 

 (スケイルノイズ)を何度も放った疲労か、僅かにジャラランガの動きが鈍くなる。その隙をRコジョンドは逃さない。その場で舞うかのような動きをしたかと思うと、拳を強く突き出す。

 距離はおおよそ20mほど。無論、拳が直接当たるわけが無い。

 

ッ!

 

 だが突如としてジャラランガの巨体が揺れる。

 Rコジョンドは進化したことで、気を自在に操る術を得た。そしてそれを放出して攻撃することも可能なのだ。

 放たれた気の弾丸(オーラショック)はジャラランガを見事に撃ち抜いた。だがその一撃だけで倒れる相手ではない。

 

ボウオーン!!

 

 すぐに立ち上がったジャラランガが再び音波を放つ。それをコジョンドは躱すが、その間に今度はジャラランガがその場で舞い始める。

 

ッ!

 

 不味い。そうRコジョンドが気付き、再び気の弾丸を放つ。しかし放たれたそれは、円を描くような動きと硬い鱗によって阻まれた。

 ジャラランガが舞っていたのは、自らの身体能力を引き出す「りゅうのまい」。

 スピードを増したジャラランガは今度は接近戦を仕掛ける。Rコジョンドは距離を取ろうとするが、引き離すことは出来ない。そしてジャラランガはRコジョンドを射程圏内に入れると、拳の連打(インファイト)を放つ。

 Rコジョンドは自在に自然エネルギーを操る力を得た反面、身体能力に関してはスピード以外は、コジョフーからそれほど上がっていない。つまり接近戦は不利なのだ。

 放たれる連撃を紙一重で躱していく。片や攻め、片や避ける。パワーとスピードの勝負が繰り広げられる。

 その均衡が一瞬崩れた。

 

ッ!?

 

 Rコジョンドの薄い腹部。そこにジャラランガの拳が突き刺さったのだ。

 重い一撃を受け、動きを止めるRコジョンド。そこにジャラランガがさらに連打を加えていく。

 その光景を見て周囲にいたコジョフー達は不安げな表情を見せ、逆に勝利を確信したジャランゴ達は歓喜の鳴き声を上げる。

 しかし攻撃を加えているジャラランガだけは、何かに違和感を感じていた。いくら攻撃を加えても、手応えが無いのだ。

 何かがおかしいとジャラランガが動きを止める。その瞬間、

 

ッ!

 

 突如として顎に衝撃が伝わる。それは実体を持った攻撃では無く、気によるもの。渾身の一撃を受けたジャラランガの体が地に沈み、逆にRコジョンドが土煙の中から立ち上がる。

 何が起こっていたのか分からず、ジャランゴ達は目を白黒させていた。

 実はRコジョンドは、ジャラランガの攻撃(インファイト)気の力(サイコキネシス)によって全て捌いていたのだ。これによりクリーンヒットを避けられ、攻撃の手が止まった瞬間に反撃を放つことに成功した。

 しかしRコジョンドは未だに警戒を止めない。その視線の先、ジャラランガがゆっくりと立ち上がる。疲労で息は上がっているものの、まだ瀕死ではない。

 

……

 

 ジャラランガはコジョンドに背を向けると、鳴き声を高く上げる。それは撤退の合図。今回の縄張り争いは、自らの負けであることを認めたのだ。

 そしてRコジョンドもまた、その姿を見つめるものの、攻撃を仕掛けることは無い。勝敗が決まった以上、追撃をする意味は無い。互いに命を賭けてまで戦ったとしても、それで得られるものは少ないと分かっているからこそ、彼らは最後まで戦うということはしない。

 またいずれ争いが繰り広げられるだろう。その度に彼らは成長し、より強くなる。それがこの場における、彼らの生き方なのだ。

 

 深い霧がかかる神秘の岩山。ライバル同士の縄張り争いは、これからもずっと続いて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


コジョフー(原種)

 

↓名も無き霊峰でLv50で進化

 

コジョンド
ぶんるいきこうポケモン
タイプかくとう・エスパー
たかさ1.3m
おもさ32.5kg
とくせいせいしんりょく・さいせいりょく(おみとおし)
種族値
HP75
こうげき90
ぼうぎょ60
とくこう120
とくぼう60
すばやさ105
合計510

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1みだれひっかき
1とびはねる
1とびひざげり
1ファストガード
1はたく
1みきり
1ねこだまし
1きしかいせい
1じんつうりき
15こころのめ
20ワイドガード
25はっけい
30とんぼがえり
35ドレインパンチ
40つめとぎ
45はどうだん
53サイコキネシス
59めいそう
66オーラショック

 

わざ名タイプ分類威力命中率PP範囲優先度直接攻撃効果
オーラショックかくとう特殊7595151体選択0×30%の確率で相手を怯ませる




特殊型かくとうポケモンと特殊かくとう技の増加を願って。
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