まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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本話のコンセプト「ほのおタイプの先制技が欲しかった」


マグマ切り裂くようがんポケモン

 環境の変化は時に予想外のタイミングで起こりうる。

 突然の洪水、突風、寒波、地殻変動、外来の生物の流入……ありとあらゆる事象により環境は変わり、新たな生態系が構築されていく。

 

 かつて穏やかな気候の山が存在した。麓には緑色の森が広がり、斜面には美しい花が咲く。谷には清流が流れ、滝には虹が掛かった。

 そんな美しい山には多種多様なポケモンが生息していた。森では「エイパム」や「マメパト」のような果実を食べるポケモンが、花畑では「ドレディア」や「ヒメンカ」といったくさタイプのポケモンが、頂上に近い場所では「ゴローン」や「ココドラ」のようないわタイプのポケモンが、川では「コイキング」や「バスラオ」を始めとする魚ポケモンの姿が見られた。

 何十年、何百年と積み重ねられた時間によって構築されたこの豊かな生態系は、この先も永遠に続く。そう思われていた。

 しかしその平穏はある日崩れた。突如として起きた地響き。地面が揺れ、山の斜面が割れる。そして噴き出した多量のマグマ。そう、噴火だ。1000年近く穏やかだった山が突如として暴れだしたのだ。

 流れ出る溶岩によって花も草も木も全てが焼かれる。川が流れていた谷にも溶岩は落ち、水を蒸発させていく。火口から吹き出た火山岩が落下し、ポケモン達の巣をことごとく破壊していく。

 あまりもの惨状に、ポケモン達は逃げることしかできない。強力な力を持つポケモンであれど、大自然の猛威には無力だった。

 

 噴火はそれから一週間近くに渡って続いた。空へと吹き上げられた火山灰が空を覆い、日を遮る。かつて豊かな森があった場所は焼け焦げ、川は冷えた溶岩で埋められた。全てがモノクロの景色。ここが美しく豊かな緑が広がっていたとは誰も思わないだろう。

 生き残ったポケモン達はこの場所を離れることにした。再び火山が噴火する危険もあるし、食料となる木の実も無い。一匹、また一匹とこの地を離れていく。

 そしてそれと同時に今度は別種のポケモン達がこの地に集まってくる。それは火山の強烈な熱エネルギーに惹かれたほのおタイプのポケモン達。「マグマッグ」や「ダルマッカ」、「ヤトウモリ」といったポケモン達にとっては、火山の近くこそ理想の環境である。

 こうして多種多様なポケモンが見られた美しい山は、ほのおタイプのポケモンが溢れる火山へと姿を変えた。

 

 しかしながら、ただ一種だけこの地に残り続けたポケモンが居た。そのポケモンは元より熱に対する耐性を持ち、噴火し灼熱の環境と化した後も生き残り続けるだけの力を有していた。

 それから長い時を火山と共に過ごしたそのポケモンは、より高温の環境に適した姿へと徐々に変化していくこととなる。

 

 

 

 今もなお流れ続ける溶岩が谷間に溜まることで生まれた溶岩湖の近くに、ひふきポケモン「ブーバー」の群れの姿が有った。高温の環境を好むブーバーは、溶岩から発せられる熱を取り込みエネルギーにする。今はまさに食事の最中というわけだ。

 足を流れ出る溶岩に入れ、体を屈めて口から炎を取り込んでいく。その度にブーバーの体が赤く光り、外敵と争ったことで出来た傷跡が消えていく。

 夢中になって炎を取り込んでいくブーバー達。だがそれを見つめる影が溶岩の中に居た。

 15m―音もなく近づいていく影にブーバー達は気づく由もない。

 10m―その影は一度深く沈み、攻撃態勢を整える。狙うは最も岸から遠い一体。

 5m―ついにその時は訪れる。溜め込んだ力を解き放ち、まるでミサイルの如きスピードで飛び出した。

 

ガアァッ!!

ブバッ!?

 

 溶岩の中から飛び出したそれは、一瞬の内に鋭い牙をブーバーの首元へと食い込ませる。暴れるブーバーは全身から熱を発して抵抗するが、襲撃者は溶岩の中すら遊泳するポケモン。ブーバーの必死の抵抗すら意に介さず、逆に鋭い爪をブーバーの体へ突き刺し止めを刺す。

 

~~~ッ!?

 

 断末魔の声は音にもならず、ブーバーは体を大きく反らせたかと思うと、その全身から力が抜けていった。そんな仲間の最期を目にしたブーバー達は、恐怖に怯えながら我先にと逃げ出していく。

 襲撃者は逃げ出していくブーバーへ攻撃を仕掛けることは無い。獲物は今噛みついている一体で事足りる。これ以上の獲物を追いかけ回す必要は無かった。

 その襲撃者が全身から溶岩を滴らせながら、のしのしと岸辺に上がってきたことでその全貌が明らかとなる。前身は真紅の鱗で覆われ、両腕は鰭あるいは翼のような形状をしている。背中から生えるのは三日月のような湾曲した背びれ。頭部の側面からは突起が伸びている。

 このポケモンこそ、この山が噴火する以前、豊かな草木が広がる地だったころから生息していたポケモン。その名は「ガブリアス」。ドラゴンタイプ特有の高い生命力と元々兼ね備えていた耐熱性が組み合わされたことにより、溶岩の中に生息する獰猛なハンターという新たな姿(リージョンフォーム)へと変化したポケモンである。

 この火山において、R(リージョン)ガブリアスに挑もうとする愚か者は居ない。マグマのように赤い鱗はあらゆる炎を弾き、鋭い牙と爪はどんな頑強なポケモンの体すらも切り裂く。今も昔も、この山の主は変わらずに在り続けた。

 Rガブリアスはブーバーの体を地面へと投げると、その胴に勢いよく食らいつく。今もなお熱を帯び続ける肉を咀嚼し飲み込むと、一息つき顔を上げる。

 

ガアアァーッ!!

 

 山を揺らすほどの咆哮。その声を聴いた「ヒノヤコマ」達が一斉に飛び立つ。その後ろ姿を見届けた山の主は、再び食事にありつくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


フカマル
ぶんるいほのおざめポケモン
タイプドラゴン・ほのお
たかさ0.7m
おもさ20.5kg
とくせいほのおのからだ(さめはだ)
種族値
HP58
こうげき70
ぼうぎょ45
とくこう40
とくぼう45
すばやさ42
合計300

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1たいあたり
1ひのこ
6えんまく
12りゅうのいぶき
18ほのおのキバ
25かみつく
30きりさく
36ドラゴンクロー
42ほのおのうず
48かえんほうしゃ
54フレアドライブ
60ドラゴンダイブ

 

↓Lv24で進化

 

ガバイト
ぶんるいかざんポケモン
タイプドラゴン・ほのお
たかさ1.4m
おもさ58.0kg
とくせいほのおのからだ(さめはだ)
種族値
HP68
こうげき95
ぼうぎょ55
とくこう50
とくぼう65
すばやさ77
合計410

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1えんまく
1たいあたり
1りゅうのいぶき
1ひのこ
18ほのおのキバ
27かみつく
34きりさく
42ドラゴンクロー
50ほのおのうず
58かえんほうしゃ
66フレアドライブ
74ドラゴンダイブ

 

↓Lv48で進化

 

ガブリアス
ぶんるいようがんポケモン
タイプドラゴン・ほのお
たかさ1.9m
おもさ101.0kg
とくせいほのおのからだ(さめはだ)
種族値
HP108
こうげき135
ぼうぎょ80
とくこう80
とくぼう100
すばやさ97
合計600

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1フレアブースト
1えんまく
1たいあたり
1りゅうのいぶき
1ひのこ
18ほのおのキバ
27かみつく
34きりさく
42ドラゴンクロー
52ほのおのうず
62かえんほうしゃ
72フレアドライブ
82ドラゴンダイブ
進化かみくだく

 

 

 

わざ名タイプ分類威力命中率PP範囲優先度直接攻撃効果
フレアブーストほのお物理40100251体選択+1優先度が高い(先制攻撃技)

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