まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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とある地方に伝わる昔話

 これはむかしむかしのお話。

 ある国の都に腕の良い一人の薬師の男がおりました。この男はとても心優しく、老人から子供、貴族から貧しい者、人間からポケモンまで、傷ついた者は分け隔てなく治し、そんな薬師に都の人々はとても感謝していました。

 そんなある日のこと、国王の娘が恐ろしい病に罹り、倒れてしまいました。熱に魘され、顔は蒼褪め、手足は瘦せ細り、日に日にその姿は弱っていきます。

 そんな娘を案じた王は、国中に「娘を治したものにはどんな願いも叶えよう」とお触れを出しました。

 

 お触れを聞いた人々は、我こそはと名乗りを上げました。ある者は黄金の果実を煎じた薬を飲ませ、ある者は外の国から買い付けたという巨大な角を持つポケモンの像を飾り、ある者はチリーンやミルタンクにいやしのすずを奏でさせ、ある者は妖しげな舞をオドリドリと踊りながら祈祷しました。

 しかしそのどれもが効果はありません。娘は一向に回復する気配は無く、弱っていく一方です。

 

 勿論、王の娘が倒れたという話は都の薬師の耳にも届いており、どうにか治せないかと王城へ赴いていました。しかし薬師が作ったどの薬も娘には効果がありません。

 病に罹った娘、その娘を心配し悲しむ王。その姿に薬師も心を痛めましたが、自分には何も出来ません。

 

 どうすればいいのだろう。薬師は困り果ててしまいました。そんな時、ふとあることを思い出します。それは幼い頃に、同じ薬師であった祖父から伝え聞いた昔話です。

 

「天を突きさす大きな山の頂上。そこには時々、虹色のポケモンが姿を現す。その虹色のポケモンが落とす光り輝く羽根は、どんな傷も病もたちまちのうちに治してしまうのだ」

 

 その昔話を思い出した薬師は、藁にも縋る思いで、国で一番高い山に登ることにしました。

 その道は決して楽なものではありません。鬱蒼と木々が生い茂る森を抜け、激流が流れる川を遡り、急な崖を上らなくてはなりませんでした。それでも男は諦めずに上ります。

 そんな彼に不運が襲い掛かりました。崖を上る最中、頭上からイシツブテが転がり落ちてきたのです。危ないと思った時にはすでにイシツブテは目の前に居ました。ドンっと男はイシツブテと衝突し、そのまま一緒に落下してしまいました。

 

 男は気が付くと、崖下に倒れていました。一緒に落下したイシツブテは、もうそこにはいません。男はもう一度崖を上ろうとしますが、足を痛めてしまい上手く立ち上がることが出来ませんでした。

 さらに不幸は続きます。男の血の匂いを嗅ぎつけたのか、近くにグラエナの群れが集まってきました。牙を剥き、唸り声を上げるグラエナにとって、薬師の男はまさに絶好の獲物。薬師も抵抗しようとしますが、彼には自らの身を守ってくれるポケモンは居ません。

 自分はここまでなのか。男は死を覚悟しました。しかしそんな時です。

 

 薬師とグラエナの頭上から何かの遠吠えが響き渡りました。思わずそちらへ視線を向けてみると、そこには三匹のポケモンが見下ろしていました。その三匹はとても美しいポケモンです。

 一匹は白銀のような牙と、空を漂う雲に似た毛並みを持つ黄色いポケモン。

 一匹は火山のような熱い瞳と、大地を踏みしめる雄々しい足を持つ茶色いポケモン。

 一匹は水晶のような透き通る体と、風に揺らめく尻尾を持つ青いポケモン。

 

 茶色いポケモンはグラエナの前に降り立つと、地面を震わせるほどの雄叫びを放ちグラエナ達を追い返しました。続いて青いポケモンが男の(かたわら)へ降り立ったかと思うと、清らかな水で男の足を包み、その傷を

癒しました。最後に黄色いポケモンは男の前へ降り立ち、背に乗るようにとその目で語りかけました。

 男はポケモンに促されるままにその背へ乗ると、三匹はまるで風のように崖を上りました。男が一時間かけて上るような道であっても、そのポケモン達の足であれば一瞬。たちまちのうちに男を背負ったポケモン達は頂上へと登り切ってしまいました。

 突然のことにびっくりした薬師の男。しかしそんな彼の目にあるものが映ります。それは虹色に輝く美しい羽根。男を背負ったポケモンはその羽根へと近づき、腰を下ろして男へ視線を向けました。

 これを貰ってもよいのか。男が問いかけると、三匹のポケモン達は同時に鳴いて頷きました。男が恐る恐るその羽根を拾うと、それはじんわりと温かみがありました。

 男が決してその羽根を落とさないように腰の鞄へと仕舞い込むと、再び三匹が男を背負って今度は山を駆け下りました。あまりにも早く、男は吹き抜ける風で目を開けられないほどでした。

 

 気が付いたころには男は既に都の近くへと辿り着いていました。

 もし三匹のポケモンが居なければ自分は山で命を落としていたでしょう。男はポケモンに感謝を伝えようと振り向くと、そこにはもう三匹のポケモンの姿はありませんでした。

 今までのは幻だったのかと男は疑いましたが、鞄の中には確かに虹色の羽根があります。男は姿の無いポケモン達へ向けて一度礼をすると、すぐに都へと戻りました。

 

 男が羽根を探していた間にも、王の娘の具合は悪くなる一方。最早、一刻の猶予も無い状態でした。男はすぐに虹色の羽根を煎じて薬を作ると、王へ薬を渡しました。

 誰がどんなことをしても娘の病が治らなかったため、王は男が作った薬にも期待は持てませんでした。それでも祈るような思いで娘へその薬を飲ませます。

 するとどうでしょうか。娘の顔色はたちまち良くなり、その体に元気が溢れていくではありませんか。

 娘の回復にとても喜んだ王は、男にどんな褒美も与えようと言いました。

 しかし男はそれを断りました。

 自分はただ薬師として仕事をしただけであり、また山で三匹のポケモンが助けてくれなければ薬は作れなかった。だから褒美というのであれば、その三匹のポケモンに与えるべきである。

 

 その言葉に王は頷き、彼の言うとおりに三匹のポケモンを模した像を建て、国の守り神として盛大に崇めました。

 そうして人々の祈りを受けた像は、いつしか命を持つようになり、今は薬師を助けたポケモン達のように、今もどこかで人々を守っているそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ライコウ
ぶんるいちょうぞうポケモン
タイプはがね・エスパー
たかさ1.8m
おもさ208.6kg
とくせいクリアボディ(ミラーアーマー)
種族値
HP90
こうげき120
ぼうぎょ100
とくこう85
とくぼう70
すばやさ115
合計580

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1メタルバースト
1しんそく
1いわくだき
1にらみつける
1てっぺき
1でんこうせっか
6メタルクロ―
12かみつく
18めいそう
24ほえる
30しねんのずつき
36とおぼえ
42サイコファング
48じんつうりき
54アイアンヘッド
60こうそくいどう
66サイコフィールド
72しろがねのキバ
78あばれる

 

 

 

エンテイ
ぶんるいぐうぞうポケモン
タイプじめん・エスパー
たかさ2.0m
おもさ205.4kg
とくせいクリアボディ(いかく)
種族値
HP115
こうげき130
ぼうぎょ105
とくこう75
とくぼう75
すばやさ80
合計580

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1じわれ
1しんそく
1どろかけ
1にらみつける
1ふみつけ
1すなじごく
6じならし
12かみつく
18めいそう
24ほえる
3010まんばりき
36こわいかお
42しねんのずつき
48じんつうりき
54じしん
60おたけび
66すなあらし
72だいちのいかり
78ぶちかまし

 

 

 

スイクン
ぶんるいひょうぞうポケモン
タイプこおり・エスパー
たかさ1.9m
おもさ199.3kg
とくせいクリアボディ(ゆきふらし)
種族値
HP95
こうげき65
ぼうぎょ105
とくこう110
とくぼう105
すばやさ100
合計580

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1ぜったいれいど
1しんそく
1こなゆき
1にらみつける
1ねんりき
1しろいきり
6こごえるかぜ
12かみつく
18めいそう
24ほえる
30こおりのキバ
36くろいきり
42サイコキネシス
48じんつうりき
54れいとうビーム
60ミラーコート
66ゆきげしき
72こごえるほうこう
78ふぶき

 

 

 

わざ名タイプ分類威力命中率PP範囲優先度直接攻撃効果
しろがねのキバはがね物理90100101体選択0相手のランク補正を無視してダメージを与える。
だいちのいかりじめん物理90100101体選択0×地面にいないポケモンにも当たる。攻撃後、5ターンの間、場をじゅうりょく状態にする。
こごえるほうこうこおり特殊90100101体選択0×20%の確率で相手をひるませる。

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