まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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妖しい森のほうしポケモン

 大自然の中では、時に予想もしないことが起こることがある。何が起こるか分からない。だからこそ用心はしておくのが利口だ。そんなことは誰でも言えるだろう。

 しかし、いくら気をつけていようとも、突然のことには反応できないものだ。それはポケモンの世界でも変わることの無い事実なのだろう。

 

 

 

 薄暗い森。朝露が葉を濡らし、地面は泥でぬかるむ。木々の根元に生えるキノコが怪し気な光を発し、周囲を照らす。そんな独特な環境では、どくタイプやゴーストタイプ、フェアリータイプといったポケモンが多く生息する。

 そんな普段は怖い程静かな森なのだが、今日は幾分か様子がおかしい。スコルピやムウマといったこの森に住まうポケモン達が、我先にと何かから逃げ出すかのように走っているのだ。

 その彼らが逃げてきた方向から鳴り響く、ズシンズシンという重い音にバリバリと木々を薙ぎ倒すかのような乾いた音。それらは、ある二体のポケモンが発していた。

 

オォーッ!

ガァーッ!

 

 ぶつかり合う二つの巨影。

 一方は長い髪を纏わせ自らのパワーを上昇させているビルドアップポケモン「オーロンゲ」。もう一方は全身からトゲを生やした装甲のような外皮をよ持つドリルポケモン「ニドキング」。

 どちらもこの森では上位に存在するポケモンであり、今はちょうど縄張り争いの真っただ中のようだ。

 タイプではフェアリータイプを持つオーロンゲに対し、どくタイプのニドキングが若干有利ではあるが、オーロンゲはただパワーでぶつかり合うだけでなく、周囲に生えた樹々を利用して身軽に動くことで、ニドキングを翻弄している。

 対するニドキングは、オーロンゲの動きを封じるべく、木々を薙ぎ払いながら、確実にその背を追っていた。

 森に響き渡る轟音の正体は、この戦闘の余波によるもの。あまりにも激し戦いに、普段は隠れているポケモン達は怯えて逃げ出していたのだ。

 しかし、そんな戦場に一匹だけ逃げ遅れた小さなポケモンが居た。いや、そもそもそのポケモンは今の今までずっと眠っていたようである。しかし至近距離で鳴り響く音にやっと気づき、いそいそと動き始めた……のだが、

 

オォーッ!

 

 素早い動きで上手くニドキングの背後を取ったエネルギーを込めた拳(ソウルクラッシュ)を放つ。

 

ガァーッ!

 

 ニドキングもまた振り向きざまに、全身の力を漲らせて、その額についた角による強烈な突き(メガホーン)を繰り出した。

 二体のポケモンの強力な技がぶつかり合う、まさにその瞬間、

 

ボフゥッン!

 

 突然、周囲に色とりどりの粉塵が舞い、思わず二体も呆気にとられる。さらに急な出来事だったため、彼らはその事態に対応できず、粉塵を吸い込んでしまった。

 

オッ……

ガッ……

 

 

 全身に走る痺れ、気だるさ、そして意識を保つことが出来ないほどの眠気。

 縄張り争いの真っただ中だったにもかかわらず、二体は同時に膝を付くと、そのまま地面に倒れ込み、夢の中へと旅立ってしまった。

 

―……―

 

 それから少しして、眠り続けるニドキングの足元から何かが這い出てくる。あの縄張り争いから逃げ遅れた、動きの鈍い小さなポケモンだ。

 その見た目は、カントー地方などでよく見られるきのこポケモンの「パラス」そっくりなことが見て分かる。しかし、パラスの特徴とも言える背中のキノコ……本体が見当たらない。その代わりに、全身には青や緑、紫色といったような色取り取りのワタのようなものが付いている。

 実はこのワタの正体はカビである。この森に住まうパラス……R(リージョン)パラスは、このカビが本体となっており、虫のような部分はカビを繁殖させるための苗床のようなものとなっている。既に瞳に生気は無く、タイプもくさ・ゴーストタイプへと変化している。

 先程、一体何があったのか、それはオーロンゲに向かって技を放とうとしていたニドキングが、このRパラスを踏みつけてしまったのである。踏みつけられた衝撃に驚いたRパラスは、全身のカビから胞子を放つことで身を守ろうとしたわけだが、その胞子を吸い込んで倒れたニドキングの体に押しつぶされてしまい、やっとの思いで這い出ることが出来た。

 どこか溜息を吐いたような動きを一つすると、また二体が起きて縄張り争いをしだす前に、いそいそとその場から離れる。

 このような小さなポケモンでも、気をつけていないと痛い目に遭う。それが自然と言うものだ。今日もまた、この世界では数多くのポケモンが必死に生きている。

 

ホォーッ!

 

 突如として飛来したヨルノズク。その鉤爪にRパラスが捕らえられた。

 いくらほうしを放っても、ヨルノズクの特性はふみん。眠ることは無く、そのまま上空高く舞い上がっていく。

 ……このように、突然の出来事と言うものは、往々にして本人の意思など知る由も無くおこるもの。これもまた大自然の姿の一つだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


パラス
ぶんるいほうしポケモン
タイプくさ・ゴースト
たかさ0.3m
おもさ3.2kg
とくせいほうし・かんそうはだ(のろわれボディ)
種族値
HP35
こうげき70
ぼうぎょ55
とくこう45
とくぼう55
すばやさ25
合計285

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1ひっかく
6しびれごな
6どくのこな
11すいとる
17かげうち
22キノコのほうし
27ちからをすいとる
33わたほうし
38ギガドレイン
43シャドークロー
49いかりのこな
54シザークロス

 

↓Lv24で進化

 

パラセクト
ぶんるいほうしポケモン
タイプくさ・ゴースト
たかさ0.8m
おもさ22.4kg
とくせいほうし・かんそうはだ(のろわれボディ)
種族値
HP70
こうげき90
ぼうぎょ85
とくこう55
とくぼう70
すばやさ35
合計405

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1たたりめ
1ひっかく
1しびれごな
1どくのこな
1すいとる
6しびれごな
6どくのこな
11すいとる
17かげうち
22キノコのほうし
29ちからをすいとる
37わたほうし
44ギガドレイン
51シャドークロー
59いかりのこな
66シザークロス

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