まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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今回のコンセプトは「スイーツ」。


甘味求めるみつぶくろポケモン

 世界には時として、現実とは思えない場所というものが存在する。

 例えば突如として現れたり消えたりを繰り返すというホウエン地方のマボロシ島。例えば謎の言語が記されたイッシュ地方の海底遺跡。例えば深い霧が立ち込め、気が付くと入り口に戻されているというシンオウ地方のもどりのどうくつ。

 このような場所が世界には点在しており、何故そのような場所が存在するのかを解明するのも科学者の使命の一つである。

 そんな不思議な場所の一つとして、南海の大陸の近くに浮かぶ小さな島があった。その小島は一見、何の変哲もないただの島にしか見えない。しかしその島に生息するポケモンはとある特徴があった。ホイップポケモン「ペロリーム」、フルーツポケモン「アマカジ」、はちのこポケモン「ミツハニー」……。そう、この島に生息するポケモンはいずれも甘味に関係したポケモンばかりなのだ。

 少し離れた別の島では他の種類のポケモンも数多く見られるのに対し、この小島には甘い匂いを発するポケモンばかり生息している。生えているきのみに誘われたのか、過去の地殻変動によるものか、その理由は定かではない。ただ一つ、この島にはそのようなポケモンばかり生息しているということが事実である。

 そしてそんな特徴を有した島であるためか、この島ならではの姿(リージョンフォーム)を持つポケモンが存在する。

 

 大木の根元に作られたミツハニーの巣。普段はミツハニー達がせっせと蜜を集める姿が見られるのだが、今日は少し様子が違う。どうもミツハニー達は気が立っているようで、羽をブンブンと鳴らしながら何かへ威嚇している。

 そのミツハニーの群れが見つめる方向。そこに居たのは巣にくっ付いた物体。まるでプリンのような色をした大福とも形容すべきその物体は、柔らかそうな体を揺らしながらミツハニーの巣に頭を突っ込んで、その蜜を舐めとっている。

 

ビィイッ!!

 

 そんな不埒者に最も怒りを燃やしていたのは、ミツハニーの主である「ビークイン」。自らの居城に入り込んだ侵入者に対し、羽を鳴らして警告する。

 しかしそんなビークインの怒りすら無視して、そのプリン大福は呑気に蜜を舐めとり続ける。そのような真似にビークインの堪忍袋がついに切れた。

 

ビィイッ!!

 

 ビークインの羽より放たれた風の刃(エアスラッシュ)がプリン大福へとぶつかる。その攻撃を数度は耐えたものの、何度も攻撃を受け続けたそれは、ついに巣から引きはがされた。

 

ビィイーッ!!

 

 ビークインは立ち去れと言わんばかりにより一層羽を鳴らして威嚇する。さすがに何度も攻撃を受け続けたのは堪えたのか、あるいはただ面倒と感じたのか。プリン大福はゆっくりと立ち上がると、ミツハニーの巣へ背を向けて移動を開始する。

 

 このなんとものんびりとしたプリン大福のようなポケモンは一体何なのか。その正体、それはホウエン地方やカロス地方に生息することで知られるどくタイプのポケモン、「マルノーム」である。

 しかしこのマルノームは多くの人間が知っているものとは性質が大きく異なる。原種のマルノームは体に猛毒を溜め込み、それを全身から放つことが出来る危険なポケモンである。しかしこの島に生息するR(リージョン)マルノームはそのような毒を持たない。代わりに分泌されるのは、蜜のような甘い匂いを漂わせる粘液だ。

 この二種の違いはどこから由来するものなのか。それは食性によるものである。

 原種のマルノームは口に入るものであれば、草だろうと果実だろうと、果てには機械部品やゴミまで何でも丸呑みにし、強力な胃酸によって消化する。この消化された物質に含まれる様々な成分が濃縮されたものが、毒液として分泌される。そのため、より多くの種類のものを食べたマルノームが用いる毒は、より複雑かつ強力になることが知られている。

 対してRマルノームの主食は、この小島に生える糖度の高い果実やミツハニーが集めた蜜、ペロリームが作り出すクリームなど、甘いものばかりである。そのようなものを食べ続けた結果、体内には膨大な量の糖分が溜め込まれ、それが粘液として分泌されるようになったのである。

 Rマルノームはこの粘液を戦闘に用いることがある。元々、この島に生息するポケモンの多くが温厚な性格ということもあって、積極的に戦うことはまず起こりえない。しかしこの島特有の甘い匂いに引き寄せられ、鳥ポケモンやドラゴンポケモンなどが姿を見せることがある。それらのポケモンに襲われたとき、この粘液は大きな武器となる。Rマルノームの粘液は水飴のように粘り気が強く、触れた相手の動きを封じる。また強烈な甘い匂いを発するため、その匂いを嗅いだ相手は思わず力が抜けてしまう。こうして敵が怯んでいる間にRマルノームは逃走するのだ。

 

ノォム……

 

 ミツハニーの巣から離れたRマルノームが見つけたのは、地面に落ちた真っ赤なリンゴ。甘く熟した様子のそれが目に入るなり、マルノームは全速力で近づく。そして大きな口を開き、一口で丸呑みにする……

 

ブゥッ!!

 

 と、Rマルノームが何かを吐き出す。それは緑色の細い体を持った小さなポケモン。そう、リンゴを住処とすることで知られるポケモン「カジッチュ」である。

 どうやらRマルノームが食べたリンゴに潜んでいたらしい。原種のマルノームであれば、そのまま一緒に食べてしまっていただろうが、このRマルノームはずっと甘いものばかりを取り込み続けた結果、甘いものしか口にしない偏食家となっている。どうやらカジッチュはお気に召さなかったようで、口から勢い良く吐き出した。

 巣を奪われたカジッチュはいそいそと逃げ出す。そんな様子を後ろから見守りながら、Rマルノームは次なる甘味を探して動き出した。

 

 甘い匂いとスイーツのようなポケモン達が溢れる不思議な島。いつの日か、この島は世界中の甘党やパティシエ達が憧れる夢の島として知られることとなる。だがそれはまだ遠い先の話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ゴクリン
ぶんるいいぶくろポケモン
タイプフェアリー
たかさ0.4m
おもさ10.3kg
とくせいマイペース・スイートベール(くいしんぼう)
種族値
HP70
こうげき43
ぼうぎょ53
とくこう43
とくぼう53
すばやさ40
合計302

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1はたく
5あくび
8チャームボイス
10あまいかおり
12ドわすれ
17ドレインキッス
20アンコール
25あまえる
28たくわえる
28はきだす
28のみこむ
33たいらげる
36いえき
41ゲップ
44いたみわけ
49じゃれつく

 

↓Lv26で進化

 

マルノーム
ぶんるいみつぶくろポケモン
タイプフェアリー
たかさ1.8m
おもさ84.0kg
とくせいマイペース・スイートベール(くいしんぼう)
種族値
HP110
こうげき68
ぼうぎょ88
とくこう68
とくぼう88
すばやさ45
合計467

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1はたく
1あまいかおり
1チャームボイス
1あくび
1じゃれつく
12ドわすれ
17ドレインキッス
20アンコール
25あまえる
30たくわえる
30はきだす
30のみこむ
37たいらげる
42いえき
49ゲップ
進化のしかかり

 

 

 

わざ名タイプ分類威力命中率PP範囲優先度直接攻撃効果
たいらげるノーマル変化--10自分含む全員0×場にいるポケモン全員が持っているきのみを消費し、その効果を自分が受ける。きのみを持っているポケモンが居ない場合、失敗する。

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