まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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蒼海に漂うウミウシポケモン

 ウミウシポケモン「トリトドン」。シンオウ地方等でよく見られる、特殊な生態を持ったポケモンだ。

 そのグネグネとした軟体の体からは信じられないが、実は「パルシェン」と共通の祖先を持つとされている。外敵から身を守るため、殻を発達させていったのが「パルシェン」であるのに対し、餌を求め広範囲における活動を可能とするべく、殻を縮小させる方向へ発達していったものが「トリトドン」である。実際にトリトドンの体内には、殻の名残であるカルシウムの塊が残っている。

 そして最大の特徴として、周囲の環境や摂取した食物によって姿を変えることが分かっており、大きく分けて桃色と青色の2種類が現在は確認されている。

 このトリトドンの特殊な生態は多くの研究者の興味を惹いており、新たな姿のトリトドンを発見すべく調査が行われている。

 

 そんなトリトドンの生息地は主に浅瀬の海や砂浜だが、実は海中における活動に特化した種が存在していることは、まだ明らかとなっていない。

 その未知なる(リージョン)トリトドンは、我々が知るものとは懸け離れた姿をしていた。

 

 

 

 大海原に浮かぶ無数のポケモン。凶暴かつ猛毒を持つことで知られる「ドククラゲ」の群れである。

 多くの地方で姿を見かけるありふれたポケモンではあるが、さすがに海中を埋め尽くすほど集まるのは珍しいと言わざるを得ない。

 これほどの数のドククラゲが集まっている理由、それは繁殖期であるからだ。年に一度、海流や海水温などの要素が、ドククラゲにとって過ごしやすい一定の条件を満たす時期がある。この時期にのみドククラゲは各地からこの海域に集まり、(つがい)を探すのだ。

 普段はこの海域には「ラブカス」や「サシカマス」といった魚ポケモンが数多く見ることが出来るのだが、この時期は天敵であるドククラゲを恐れ、他の海域へ逃げたり珊瑚へ身を隠したりするため、その姿をほとんど見ることは出来ない。目に映るのはドククラゲの群ればかりである。

 しかし逆に、この時期だからこそこの海域に姿を現す、奇特なポケモンも存在していた。

 

 ドククラゲの群れへと近づく、ひらひらとした群青色の謎の物体。それはまるで風に吹かれる外套のようにも、空を舞う鳥のようにも見える。その姿を見つけたドククラゲ達は、慌ててその場から離れようとする。

 ドククラゲを恐れさせる謎の物体。それは海中を自在に泳ぐ術を得たトリトドンのリージョンフォームだ。

 トリトドンと言えば、海底や砂浜を這うように移動する姿を思い浮かべるかもしれない。しかしこのR(リージョン)トリトドンは我々が知る通常の個体とは異なり、陸上へと上がることは無く、羽のように発達した鰭を使って海中を泳いで移動するのだ。

 このように原種と比べ遊泳能力が遥かに高いRトリトドンであるが、何故わざわざドククラゲの群れの中を泳いでいるのだろうか。その答えはRトリトドンの食性にある。

 

トォン……

 

 Rトリトドンがおもむろに近づいたのは、フラフラと水面に漂う一体のドククラゲ。この海域に辿り着く前に他のポケモンに襲われたのか、あるいはドククラゲ同士の争いによるものか、ダメージによって体がボロボロになっている。

 Rトリトドンは一体何をしようとしているのかと見ていると、突然傷ついたドククラゲの体に取り付き始めた。実はこれは、Rトリトドンの捕食行為である。そう、このRトリトドンは猛毒を持つドククラゲを好物としているのだ。

 通常のトリトドンは天敵に襲われた際、独特な匂いを発する粘液を放出して反撃するが、このRトリトドンはもう一つ、別の方法を用いて外敵を追い払う。Rトリトドンは捕食したドククラゲの細胞を自らの表皮に取り込むという特殊な能力を持っている。つまりRトリトドンはドククラゲの毒針を体中に持っているということであり、外敵に襲われるとこの毒針を射出して攻撃するのだ。

 

 Rトリトドンに纏わりつかれたドククラゲは、どうにか引きはがそうと触手を用いて抵抗するが、Rトリトドンはなかなか離れない。ドククラゲ最大の武器である毒もRトリトドンには通用しない。逆に絡みついた触手の先端に口を付けて齧りだす始末だ。

 しかし、Rトリトドンがドククラゲの命を奪うことはほとんど無い。Rトリトドンにとってドククラゲは貴重な食料であり、自らの身を守る手段であるが、飢えを満たすにも毒針を得るにもわざわざドククラゲ一体丸ごと捕食する必要は無い。さらにドククラゲ自身も回復力が高いポケモンであるため、少し傘や触手を齧られた程度であればすぐに回復する。

 まあ、生きたまま体を齧られるのだから、ドククラゲからすればこの上なく厄介かつ煩わしい相手であることには変わりない。その姿を見ただけで逃げ出そうとするのは、当たり前だろう。

 

 Rトリトドンはひとまず満足したと言わんばかりに傷ついたドククラゲから離れると、再び遊泳を始める。

 

ラァ……

 

 やっと離れた厄介者に溜息を吐くドククラゲ。しかし彼は気づかない。背後に別のRトリトドンが近づいていることに……。

 

 年に一度、この海域はドククラゲ達の婚活会場へと変わる。しかしそれは同時にRトリトドン達の食べ放題パーティに変わるということでもあった。

 

ラァ~ッ!?

 

 今日もまた、哀れなドククラゲの叫び声が海中に響き渡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


カラナクシ
ぶんるいウミウシポケモン
タイプどく・エスパー
たかさ0.3m
おもさ4.7kg
とくせいすいすい・よびみず(さいせいりょく)
種族値
HP76
こうげき43
ぼうぎょ43
とくこう57
とくぼう62
すばやさ44
合計325

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1ねんりき
1どくばり
5まとわりつく
10じこさいせい
15みずのはどう
20サイケこうせん
25ポイズンエキス
31ヘドロウェーブ
35サイコキネシス
40あまごい
45おきみやげ

 

↓Lv30で進化

 

トリトドン
ぶんるいウミウシポケモン
タイプどく・エスパー
たかさ0.9m
おもさ25.8kg
とくせいすいすい・よびみず(さいせいりょく)
種族値
HP101
こうげき58
ぼうぎょ63
とくこう92
とくぼう87
すばやさ74
合計475

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1ねんりき
1じこさいせい
1まとわりつく
1どくばり
15みずのはどう
20サイケこうせん
25ポイズンエキス
33ヘドロウェーブ
39サイコキネシス
46あまごい
53おきみやげ

 

 

 

わざ名タイプ分類威力命中率PP範囲優先度直接攻撃効果
ポイズンエキスどく変化-100151体選択0×相手のとくぼうを1段階下げる。相手がポイズンエキス状態になり、どくタイプで2倍のダメージを受けるようになる。どくタイプ・はがねタイプのポケモンには無効。




モチーフはアオミノウミウシ。
カラーはひがしのうみの姿よりも濃い青色です。
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